平成16年度「国語に関する世論調査」の結果について

平成17年7月 文化庁

 文化庁では,施策の参考とするため,平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施している。平成16年度は,言葉の使い方に関する意識,敬語に関する意識等,漢字についての意識のほか,手書きによる表記とパソコン・ワープロ等による表記についての意識や,今後の手紙のあるべき作法についての意識も調査した。また,例年取り上げている,慣用句等の意味の理解や使用についても調査を実施した。  報告書は独立行政法人国立印刷局から市販する。

Ⅰ.調査目的・方法等

調査目的 言葉の使い方に関する意識,敬語に関する意識,漢字についての意識,手書きによる表記とパソコン・ワープロ等による表記についての意識や今後の手紙のあるべき作法についての意識等を調査し,国語施策を進める上での参考とする。
調査対象 全国の16歳以上の男女3,000人
調査時期 平成17年1月14日~2月7日
調査方法 個別面接調査
回収結果 有効回収数(率) 2,179人(72.6%)
調査不能数(率) 821人(27.4%)

Ⅱ.調査結果の概要

1.言葉の使い方に関する意識

(1)言葉の使い方に,どの程度気を遣っているか <問1>(※3ページ)
―7割が「気を遣っている」―

※は報告書のページを表す

〔全体〕
 ふだん,自分自身の言葉の使い方について,どの程度気を遣っているか尋ねた。平成9年度調査と併せて結果を表にすると以下のとおり。
 平成16年度調査を見ると,「非常に気を遣っている」「ある程度気を遣っている」を合わせた「気を遣っている(計)」は70.6%で7割となっている。「余り気を遣っていない」「全く気を遣っていない」を合わせた「気を遣っていない(計)」は29.3%となっている。平成9年度調査と比べると,「気を遣っている(計)」は3.3ポイント増加し,「気を遣っていない(計)」は3.3ポイント減少している。

  使い分けている(計) 使い分けていない(計) 分からない
いつも使い分けている ある程度使い分けている 余り使い分けていない 使い分けていない
平成16年度 70.6%※ 29.3% 0.1%
9.5% 61.0% 25.0% 4.3%
平成9年度 67.3% 32.6%※ 0.1%
7.9% 59.4% 29.4% 3.3%

※小数第2位四捨五入のため,単純合計と一致しない。

 平成16年度調査の結果を性・年齢別に表にすると以下のとおり。「気を遣っている(計)」は,男性の40代と女性の40~50代で8割前後となっているが,女性の16~19歳では5割と,ほかの性・年代に比べて低い。

  非常に気を遣っている ある程度気を遣っている 気を遣っている(計) 余り気を遣っていない 全く気を遣っていない 気を遣っていない(計)
男性・16~19歳 2.2% 62.2% 64.4% 22.2% 13.3% 35.6%※
20~29歳 4.5% 64.0% 68.5% 25.8% 5.6% 31.5%※
30~39歳 8.3% 66.0% 74.4%※ 24.4% 1.3% 25.6%※
40~49歳 14.9% 67.4% 82.3% 14.2% 3.5% 17.7%
50~59歳 14.6% 59.4% 74.0% 22.4% 3.1% 25.5%
60歳以上 12.8% 46.8% 59.6% 32.0% 8.4% 40.4%
女性・16~19歳 5.3% 44.7% 50.0% 47.4% 2.6% 50.0%
20~29歳 6.3% 67.6% 73.9% 22.5% 3.6% 26.1%
30~39歳 5.4% 65.9% 71.2%※ 27.3% 1.5% 28.8%
40~49歳 11.0% 68.9% 79.9% 19.2% 0.9% 20.1%
50~59歳 9.0% 70.4% 79.4% 18.5% 2.1% 20.6%
60歳以上 7.7% 57.0% 64.7% 28.4% 6.4% 34.8%

※小数第2位四捨五入のため,単純合計と一致しない。

2.敬語に関する意識

(1)敬語に関して困っていること <問2>(5ページ)
―男性30代・女性20~40代の半数以上が,正しい敬語を使っているか自信がない―

 敬語の使い方に関して,困っていることや気になっていることを尋ねた。(幾つでも選択可。)10の選択肢のうち,性・年齢別に見て顕著な傾向が見られるものについて結果を示すと以下のとおり。
 「正しい敬語を使っているか自信がない」は,男性の30代と女性の20~40代で5割を超えている。「周りの人が使っている敬語の使い方が気になる」「テレビ等の出演者の敬語の使い方が気になる」は,男性では若年層に比べ50代(32.3%),60歳以上(30.1%)が他の年代よりも高い。また,女性では50代(37.8%)が最も高い。「正しい敬語の使い方が分からない」は,男女とも20代で最も高く,4割前後となっている。「知らない敬語がたくさんある」は,男女とも年齢が低いほど割合が高くなる傾向が見られる。「特に困っていることや気になっていることはない」は,男女とも60歳以上(ほぼ4割)と16~19歳(3割強)とで高くなっている。

  正しい敬語を使っているか自信がない 周りの人が使っている敬語の使い方が気になる テレビ等の出演者の敬語の使い方が気になる 正しい敬語の使い方が分からない 知らない敬語がたくさんある 特に困っていることや気になっていることはない
総数 37.1% 26.7% 24.2% 20.1% 15.4% 27.8%
男性・16~19歳 46.7% 8.9% 6.7% 33.3% 35.6% 35.6%
20~29歳 40.4% 16.9% 14.6% 38.2% 32.6% 16.9%
30~39歳 53.8% 19.9% 17.3% 23.7% 23.7% 19.2%
40~49歳 37.6% 29.1% 19.1% 22.0% 19.9% 23.4%
50~59歳 35.4% 32.3% 25.5% 18.2% 15.1% 27.6%
60歳以上 18.9% 30.1% 28.7% 10.0% 7.8% 40.7%
女性・16~19歳 34.2% 13.2% 23.7% 23.7% 23.7% 36.8%
20~29歳 59.5% 25.2% 12.6% 44.1% 19.8% 10.8%
30~39歳 49.8% 21.5% 19.5% 21.5% 11.7% 22.9%
40~49歳 50.7% 29.7% 28.8% 24.7% 17.4% 14.6%
50~59歳 36.5% 37.8% 32.6% 16.7% 11.6% 22.7%
60歳以上 26.1% 23.3% 26.6% 14.3% 12.5% 39.4%

(2)敬語の使い方の間違いの増加 <問3>(8ページ)
―敬語の使い方に間違いが多くなってきていると思うが8割―

 敬語の使い方に間違いが多くなってきていると思うかを尋ねた。結果は以下のとおり。(「分からない」は省略。)  「そう思う」「少しそう思う」を合わせた「そう思う(計)」が8割以上となっており,程度の差はあるものの,敬語の使い方の間違いが増加していると考える人の方が多いという結果となった。

そう思う ・・・・・・ 43.0%
少しそう思う ・・・・・・ 38.0%
「そう思う(計)」 ・・・・・・ 81.0%
余りそう思わない ・・・・・・ 11.0%
そう思わない ・・・・・・ 4.4%
「そう思わない(計)」 ・・・・・・ 15.4%

(3)どのような間違いが多いと思うか <問3・付問>(8ページ)
―「尊敬語,謙譲語,丁寧語の使い方が間違っている」が第1位―

 問3で敬語の使い方に間違いが多くなってきていると思うかについて,「そう思う」「少しそう思う」と答えた人に,どのような間違いが多いかを尋ねた。(幾つでも選択可。)結果は以下のとおり。(「分からない」は省略。)

尊敬語,謙譲語,丁寧語の使い方が間違っている ・・・・・・ 55.2%
敬語が必要な場面なのに敬語が使われていないことが多い ・・・・・・ 51.1%
敬語が不必要な場面なのに敬語を使っていることが多い ・・・・・・ 35.6%
二重敬語などの過剰な敬語を用いた表現が多い ・・・・・・ 25.1%

 年齢別に割合を示すと以下のとおり。「尊敬語,謙譲語,丁寧語の使い方が間違っている」は,20代~40代で6割前後になっている。「敬語が必要な場面なのに敬語が使われていないことが多い」は16~19歳で最も高く,6割を超えている。「敬語が不必要な場面なのに敬語を使っていることが多い」は,若年層に比べ高齢層で高くなっている。

グラフ

(4)これからの敬語の在り方 <問4>(12ページ)
―豊かな表現が大切にされるべきだが増加し,5割以上―

 これからの時代の敬語の在り方について,次の二つの考え方を示し,どちらの考えに近いかを尋ねた。

(a) 新しい時代にふさわしく,敬語は簡単で分かりやすいものであるべきだ
(b) 敬語は伝統的な美しい日本語として,豊かな表現が大切にされるべきだ

 平成9年度調査と併せて結果を表にすると以下のとおり。平成9年度調査と比較すると,(a)の「簡単で分かりやすいものであるべきだ」の考え方に近いと答えた人が7.8ポイント減少し,(b)の「豊かな表現が大切にされるべきだ」の考え方に近いと答えた人が6.7ポイント増加している。

  (a)の考え方に近い (b)の考え方に近い どちらとも言えない どちらとも言えない
平成16年度 33.6% 53.6% 11.0% 1.8%
平成9年度※ 41.4% 46.9% 10.2% 1.4%

※平成9年度調査では
(a) 敬語は簡単で分かりやすいものであるべきだ
(b) 敬語は美しい日本語として,豊かな表現が大切にされるべきだ

性・年齢別の結果を,平成9年度調査と比較すると,以下のとおり。

(( )内は平成9年度調査)

  (a) 新しい時代にふさわしく,敬語は簡単で分かりやすいものであるべきだ (b) 敬語は伝統的な美しい日本語として,豊かな表現が大切にされるべきだ
男性・16~19歳 51.1%(46.4) 26.7%(30.4)
20~29歳 31.5%(49.5) 47.2%(35.8)
30~39歳 37.8%(49.0) 48.7%(41.3)
40~49歳 33.3%(50.5) 53.9%(37.9)
50~59歳 44.8%(49.5) 47.4%(40.4)
60歳以上 26.2%(46.9) 59.9%(45.5)
女性・16~19歳 28.9%(41.7) 55.3%(39.6)
20~29歳 32.4%(32.1) 54.1%(54.9)
30~39歳 41.5%(34.8) 48.8%(56.5)
40~49歳 23.3%(38.3) 63.5%(49.6)
50~59歳 33.0%(35.0) 54.9%(51.9)
60歳以上 34.5%(34.6) 53.2%(52.3)

(5)敬語の正誤 <問12>(37ページ)
―「申された」の認識は平成9年度調査と大きく変化―

 敬語の使い方に関する八つの例文を挙げ,それぞれの文の下線を付した部分について,敬語が正しく使われていると思うかどうかを尋ねた。

(1) この商品の使い心地を是非ともお試しください
(2) あの方は,昨年東京にまいりまして,大学で教えていらっしゃいます。
(3) 先ほど中村さんがお話しされたように,この本はとても役に立ちます。
(4) (高校生が担任の先生に)あす父がまいりますが,お目に掛かっていただけませんか。
(5) ただいま会長が申されたことに賛成いたします。
(6) 間もなく先生がお見えになります
(7) この電車には御乗車できません
(8) 総務課の武田さんは,どちらにおられますか

 八つの例文のうち,平成9年度調査からの変化が大きかった(2),(4),(5),(8)の四つの例文について,平成9年度調査の結果と併せて表にすると次のとおり。

 (2)の「あの方は,昨年東京にまいりまして…」は,年齢層で大きな違いが見られ,平成9年度と比較すると,若年層ほど「正しく使われている」と答えた割合が増えている。(4)の「お目に掛かって…」は,女性の20代から40代で「正しく使われている」と答えた人の増加が目立つ。(5)の「ただいま会長が申された…」は,全体で「正しく使われている」と答えた人が7ポイント減少し,「正しく使われていない」と答えた人は3ポイント増加している。(8)の「どちらにおられますか」は,「正しく使われている」が,女性の30代を除いてすべて減少している。

(( )内の数字は平成9年度調査)

  (2)東京にまいりまして (4)お目に掛かっていただけませんか
正しく使われていると思う 正しく使われていないと思う 正しく使われていると思う 正しく使われていないと思う
総数 25.0%(22.4) 62.3%(68.1) 44.0%(42.4) 46.4%(51.8)
男性・16~19歳 44.4%(28.6) 46.7%(62.5) 37.8%(23.2) 48.9%(62.5)
20~29歳 18.0%(16.5) 68.5%(78.0) 36.0%(38.5) 57.3%(58.7)
30~39歳 18.6%(14.7) 72.4%(81.1) 36.5%(35.7) 55.1%(60.8)
40~49歳 19.9%(21.6) 68.8%(67.9) 35.5%(44.2) 47.5%(49.5)
50~59歳 25.0%(23.9) 64.1%(65.4) 48.4%(44.1) 44.3%(51.6)
60歳以上 29.5%(31.4) 52.4%(57.1) 57.4%(59.1) 35.1%(34.3)
女性・16~19歳 31.6%(25.0) 55.3%(68.8) 36.8%(41.7) 55.3%(56.3)
20~29歳 23.4%(14.2) 68.5%(77.2) 32.4%(23.5) 55.0%(71.0)
30~39歳 20.0%(11.6) 71.7%(81.2) 37.6%(27.1) 52.7%(71.0)
40~49歳 20.5%(18.2) 70.3%(75.0) 40.2%(34.1) 51.1%(59.5)
50~59歳 21.5%(21.5) 67.0%(68.8) 36.1%(43.9) 53.2%(49.8)
60歳以上 31.7%(33.9) 51.2%(50.5) 52.4%(58.7) 38.1%(31.4)
  (5)会長が申されたことに (8)どちらにおられますか
  正しく使われていると思う 正しく使われていないと思う 正しく使われていると思う 正しく使われていないと思う
総数 49.3%(56.7) 39.1%(36.5) 58.3%(64.4) 30.3%(30.0)
男性・16~19歳 48.9%(60.7) 37.8%(33.9) 71.1%(83.9) 22.2%(8.9)
20~29歳 38.2%(54.1) 48.3%(40.4) 59.6%(66.1) 33.7%(31.2)
30~39歳 42.3%(53.1) 47.4%(44.1) 46.8%(58.7) 44.2%(38.5)
40~49歳 44.0%(59.5) 44.7%(37.9) 48.9%(71.6) 38.3%(23.7)
50~59歳 55.2%(49.5) 34.4%(42.6) 57.3%(64.9) 30.2%(31.4)
60歳以上 57.7%(70.6) 29.5%(20.8) 62.1%(70.3) 22.3%(24.1)
女性・16~19歳 42.1%(58.3) 47.4%(37.5) 65.8%(68.8) 23.7%(25.0)
20~29歳 43.2%(47.5) 46.8%(47.5) 47.7%(50.6) 36.9%(45.1)
30~39歳 43.4%(41.5) 47.3%(53.1) 59.0%(49.3) 33.7%(47.3)
40~49歳 40.2%(55.3) 48.9%(38.6) 53.0%(58.7) 37.4%(33.0)
50~59歳 43.8%(57.0) 45.5%(33.8) 56.2%(64.6) 33.9%(30.4)
60歳以上 59.8%(64.1) 26.6%(25.4) 67.8%(74.6) 20.2%(15.2)

3.漢字に関する意識

(1)漢字についての意識 <問14>(44ページ)
―「ワープロなどがあっても,漢字学習はしっかりやるべき」「漢字の使い方については余り自信がない」が増加―

 漢字についての意識を尋ねた。九つの選択肢の中から幾つでも回答可能とした。平成14年度調査と比較した結果を図に示すと,以下のとおり。  平成14年度調査と比較すると,「ワープロなどがあっても,漢字学習はしっかりやるべき」「漢字の使い方については余り自信がない」と答えた人が,それぞれ19ポイント増加しており,漢字学習への関心と,漢字の使い方への不安が高まっている。

グラフ

4.表記に関する意識

(1)表記の仕方(手書きの場合とパソコン・ワープロ等の場合) <問16>(49ページ)
―パソコン・ワープロ等の場合は,漢字表記の割合が高くなる。若年層では,漢字表記の割合が低くなる。―

 七つの例文を挙げて,(a)手書きの場合と(b)パソコン・ワープロ等(携帯電話なども含む)を使って選ぶ場合に平仮名で表記するか漢字で表記するかについて尋ねた。そのうち「朝のアイサツをしよう」,「豊かな心をハグクム」,「みんなにヒンシュクを買った」,「互いの認識にソゴをきたした」について全体の結果と,平仮名で表記すると答えた人,漢字で表記すると答えた人の年齢別の割合を図に示すと,以下のとおり。

〔全体〕
 全体の結果を見ると,手書きの場合に漢字で表記すると答えた人は,「挨拶」で5割弱,「育む」で6割弱で,共に平仮名で表記する人を上回った。パソコン・ワープロ等を使って選ぶ場合も,「挨拶」「育む」と漢字で表記する割合が手書きの場合と比べて高くなり,8割強に及んでいる。
 手書きの場合に漢字で表記すると答えた人が1割未満であった「顰蹙」(4.6%),「齟齬」(5.6%)は,パソコン・ワープロ等を使って選ぶ場合は,漢字で表記する割合が23~24ポイント高くなっている。それでも,半数以上の人が,平仮名で「ひんしゅく」(58.5%)「そご」(52.7%)と表記すると答えている。

朝のアイサツをしよう

グラフ

豊かな心をハグクム

グラフ

みんなにヒンシュクを買った

グラフ

互いの認識にソゴをきたした

グラフ

〔年齢別〕
 年齢別に見ると,手書きで「挨拶」と漢字表記すると答えた人の割合(表中■のグラフ)は,若年層ほど低くなる傾向にある。パソコン・ワープロ等を使って選ぶ場合でも,漢字表記(表中□のグラフ)するのは,16~19歳で割合が低くなっている。

朝のアイサツをしよう

グラフ

 漢字で「育む」と表記する割合は,手書きの場合(表中■のグラフ)でも,パソコン・ワープロ等を使って選ぶ場合(表中□のグラフ)でも,16~19歳で低くなっている。

豊かな心をハグクム

グラフ

 漢字で「顰蹙」,「齟齬」と表記する割合は,手書きの場合(表中■のグラフ)でも,パソコン・ワープロ等を使って選ぶ場合(表中□のグラフ)でも,20代,16~19歳の順で,漢字で表記する割合が低くなっている。

みんなにヒンシュクを買った

グラフ

互いの認識にソゴをきたした

グラフ

(2)手書きをする場合 <問17>(58ページ)
―はがきや手紙のあて名や本文の場合,手書きの割合が高い。―

 四つの場合を示して,手書きするかどうかを尋ねた。結果を全体と性別とに分けて示すと以下のとおり。(「分からない」は省略。)
 全体では,四つの場合とも,「いつも手書きをする」「大体手書きをする」を合わせた「手書きをする(計)」は,「手書きをしたりしなかったりする」「余り手書きをしない」「全く手書きをしない」を合わせた「手書きをしない(計)」を上回っている。なかでも,「はがきや手紙などのあて名」「はがきや手紙などの本文」では約4分の3以上の人が,「手書きをする」と答えている。また,性別で見ると,いずれの場合も,「手書きをする(計)」は女性の割合が高く,「手書きをしない(計)」は男性の割合が高くなっている。

〔全体〕

  手書きをする(計) 手書きをしない(計)
(1)はがきや手紙などのあて名 79.5% 14.0%
(2)年賀状のあて名 65.1% 27.8%
(3)はがきや手紙などの本文 74.9% 15.1%
(4)報告書やレポートなどの文章 45.8% 36.5%

〔性別〕

  手書きをする(計) 手書きをしない(計)
(1)はがきや手紙などのあて名 男性 71.0% 21.3%
女性 86.5% 7.9%
(2)年賀状のあて名 男性 58.7% 34.8%
女性 70.4% 22.1%
(3)はがきや手紙などの本文 男性 65.0% 22.6%
女性 83.0% 8.9%
(4)報告書やレポートなどの文章 男性 40.4% 44.3%
女性 50.3% 30.1%

5.今後の手紙のあるべき作法

(1)今後の手紙のあるべき作法 <問18>(60ページ)
―伝統的な書式への意識に年齢差,手書きへの意識に男女差―

 手紙の書式及び手書きをすべきか否かについて,今後,手紙の作法はどうあるべきだと思うかを尋ねた。  手紙の書式については,(1)で「(a)手紙の伝統的な書式を今後も守っていくべきである」,「(b)手紙の書式は伝統的な書式にこだわらなくてもよい」の二つの考え方のどちらに近いかを尋ねた。手書きをすべきか否かについては,(2)で「 (a)今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである」,「(b)今後は手紙も手書きにこだわらないようにすべきである」の二つの考え方のどちらに近いかを尋ねた。全体の結果と,年齢別の割合を示すと,以下のとおり。

(1) (a) 手紙の伝統的な書式を今後も守っていくべきである
  (b) 手紙の書式は伝統的な書式にこだわらなくてもよい

〔全体〕

(a)の考えに近い ・・・・・・ 39.3%
(b)の考えに近い ・・・・・・ 38.1%
どちらとも言えない ・・・・・・ 20.3%
分からない ・・・・・・ 2.3%

〔年齢別〕

グラフ〔年齢別〕

 (1)の手紙の書式については,全体では「伝統的な書式を今後も守っていくべき」に近い(39.3%)と「伝統的な書式にこだわらなくてもよい」に近い(38.1%)とは同水準である。
 年齢別に見ると違いが見られ,16~19歳,20代では,(b)の「伝統的な書式にこだわらなくてもよい」の割合が上回っている。30代では,(a)と(b)とが同水準。40代以上では,(a)「伝統的な書式を今後も守っていくべき」の割合が上回っている。

(2) (a) 今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである
  (b) 今後は手紙も手書きにこだわらないようにすべきである

〔全体〕

(a)の考えに近い ・・・・・・ 47.8%
(b)の考えに近い ・・・・・・ 24.8%
どちらとも言えない ・・・・・・ 25.4%
分からない ・・・・・・ 2.0%

〔性別〕

グラフ

 (2)の手紙を手書きにするか否かについては,全体では,約半数の人が(a)の「今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである」に近い(47.8%)と答えている。
 性別による違いが見られ,(a)の「今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである」に近いと答えた人の割合は,女性に多く,(b)の「今後は手紙も手書きにこだわらないようにすべきである」に近いと答えた人の割合は,男性に多い。
 (a)の「今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである」に近いと答えた人は,女性では半数以上(52.4%)であるのに対して,男性では4割台(42.2%)である。一方,(b)の「今後は手紙も手書きにこだわらないようにすべきである」に近いと答えた人は,男性では約3割(30.8%)であるのに対して,女性では約2割となっている(19.9%)。

6.慣用句の言い方

(1)慣用句の言い方 <問19>(64ページ)
―本来とは異なる言い方が,高年層で高い割合―

 二つの言い方のどちらを使うか,三つの例を挙げて尋ねた。全体の結果と,年齢別の割合を示すと,以下のとおり。  全体として,本来の言い方を使う人よりも,本来の言い方ではないものを使う人が多かったのは,「青田刈り」「汚名挽回」である。本来の言い方を使う人が多かったのは,「伝家の宝刀」である。
 年齢別に見ると,「青田刈り」を使う人の割合は,20代以下では「青田買い」よりも6~10ポイント低い。40代では「青田刈り」が「青田買い」とほぼ同じ割合になり,50代,60歳以上では「青田刈り」が「青田買い」よりも11~15ポイント高くなっている。「汚名挽回」を使う人の割合は,20代以下では「汚名返上」よりも9~39ポイント低い。30代で「汚名挽回」が「汚名返上」をやや上回り,40代~60歳以上で10~16ポイント高くなっている。「天下の宝刀」を使う人の割合は,すべての年代で「伝家の宝刀」を使う人の割合よりも低いものの,高年層ほど高くなる傾向が見られる。

(1) (a) 会社が学生を青田買いする
  (b) 会社が学生を青田刈りする

〔全体〕(※下線を付したものが本来の言い方。以下同じ)

(a)の方を使う ・・・・・・ 29.1%
(b)の方を使う ・・・・・・ 34.2%
(a)と(b)の両方とも使う ・・・・・・ 3.9%
(a)と(b)のどちらも使わない ・・・・・・ 22.3%
分からない ・・・・・・ 10.6%

〔年齢別〕

グラフ

(2) (a) 前回失敗したので今度は汚名挽回ばんかいしようと誓った
  (b) 前回失敗したので今度は汚名返上しようと誓った

〔全体〕

(a)の方を使う ・・・・・・ 44.1%
(b)の方を使う ・・・・・・ 38.3%
(a)と(b)の両方とも使う ・・・・・・ 7.2%
(a)と(b)のどちらも使わない ・・・・・・ 7.5%
分からない ・・・・・・ 2.9%

〔年齢別〕

グラフ

7.言葉の意味

(1)言葉の意味 <問20>(68ページ)
―「他山の石」は,「分からない」が多く,「世間ずれ」は,若年層ほど本来の意味と異なる意味で使用―

 三つの言葉を挙げて,どの意味で使っているかを尋ねた。全体の数値と,(ア)及び(イ),「分からない」の割合を年齢別に示した。
 全体の結果を見ると,「他山の石」では本来の意味を選んだ人の割合が,本来の意味と異なる意味を選んだ人の割合よりも多いものの,「分からない」と同水準。また,(エ)「どちらの意味でも使わない」も2割を超えている。「枯れ木も山のにぎわい」では,本来の意味と異なる意味を選んだ人の割合が,本来の意味を選んだ人の割合よりもやや多い。「世間ずれ」では,本来の意味を選んだ人の割合が5割以上である。
 年齢別に見ると,「他山の石」では,16~19歳,20代で本来の意味と異なる意味を選んだ人の割合が,本来の意味を選んだ人の割合よりも多い。また,「分からない」は,20代~40代で最も多い割合を占めている。「枯れ木も山のにぎわい」では,30代で,本来の意味と異なる意味を選んだ人の割合が,本来の意味を選んだ人の割合をやや上回る。「世間ずれ」では,40代以上で,年代が高くなるほど本来の意味を選んだ人の割合が大きくなり,30代以下で,年代が低くなるほど本来の意味と異なる意味を選んだ人の割合が大きくなる。

(1) 他山の石

〔全体〕 (※下線を付したものが本来の意味。以下同じ。)

(ア) 他人の誤った言行も自分の行いの参考となる ・・・・・・ 26.8%
(イ) 他人の良い言行は自分の行いの手本となる ・・・・・・ 18.1%
(ウ) (ア)と(イ)の両方の意味で使う ・・・・・・ 5.5%
(エ) (ア)や(イ)のどちらの意味でも使わない ・・・・・・ 22.4%
(オ) 分からない ・・・・・・ 27.2%

〔年齢別〕

グラフ

(2) 枯れ木も山のにぎわい

〔全体〕

(ア) つまらないものでも無いよりはまし ・・・・・・ 38.6%
(イ) 人が集まればにぎやかになる ・・・・・・ 35.5%
(ウ) (ア)と(イ)の両方の意味で使う ・・・・・・ 4.5%
(エ) (ア)や(イ)のどちらの意味でも使わない ・・・・・・ 12.1%
(オ) 分からない ・・・・・・ 9.2%

〔年齢別〕

グラフ

(3) 世間ずれ

〔全体〕

(ア) 世の中の考えから外れている ・・・・・・ 32.4%
(イ) 世間を渡ってきてずる賢くなっている ・・・・・・ 51.4%
(ウ) (ア)と(イ)の両方の意味で使う ・・・・・・ 3.3%
(エ) (ア)や(イ)のどちらの意味でも使わない ・・・・・・ 7.8%
(オ) 分からない ・・・・・・ 5.1%

〔年齢別〕

グラフ〔年齢別〕

8.言い方の使用頻度

(1)言い方の使用頻度 <問21>(75ページ)
―「「微妙」は6割近くが使用。「わたし的には」が5年前よりも増加―

 最近の会話で時々聞かれる言い方から六つの例を挙げて,それぞれの言い方をするかどうかを尋ねた。結果を表にすると以下のとおり。(「分からない」は省略。)なお,(1)~(3)は平成11年度調査でも調査しているので,併せて示した。
 (1)の「わたし的にはそう思います」は,「ある」の割合が平成11年度調査と比べて,増加している。(2)の「話とかしていました」,(3)の「とても良かったかな,みたいな……」は,平成11年度調査と比べて,大きな変化は見られない。
 平成11年度調査にはなかった設問のうち,(5)の「微妙」は,「ある」の割合が6割近くになっている。

  ある ない
(1) 「わたしはそう思います」を「わたし的にはそう思います」と言う 平成16年度 15.6% 83.9%
平成11年度 8.5% 90.1%
(2) 「鈴木さんと話をしてました」ということを,鈴木さんと話とかしてました」と言う 平成16年度 14.6% 84.8%
平成11年度 16.2% 82.4%
(3) 「とても良かった」ということを「とても良かったかな,みたいな……」と言って相手の反応を見る 平成16年度 15.0% 84.4%
平成11年度 13.0% 85.2%
(4) 「とてもすばらしい(良い,おいしい,かっこいい等も含む)」という意味で「やばい」と言う※ 平成16年度 18.2% 81.4%
平成11年度
(5) いいか悪いかの判断がつかないときに「微妙(びみょう)」と言う※ 平成16年度 57.8% 41.8%
平成11年度
(6) 面倒臭いことや不快感・嫌悪感を表すときに「うざい」と言う※ 平成16年度 17.0% 82.6%
平成11年度

※平成11年度調査にはなかった設問。

言い方をすることが「ある」と答えた人の割合(性・年齢別)

  わたし的には… 鈴木さんと話とか 良かったかなみたいな やばい びみょう うざい
総数 15.6% 14.6% 15.0% 18.2% 57.8% 17.0%
男性16~19歳 46.7%(36.7) 37.8%(40.8) 28.9%(32.7) 75.6% 95.6% 71.1%
20~29歳 32.6%(22.2) 37.1%(24.1) 28.1%(17.6) 51.7% 84.3% 49.4%
30~39歳 29.5%(7.6) 23.7%(22.9) 17.3%(13.2) 24.4% 79.5% 26.3%
40~49歳 9.2%(5.1) 8.5%(12.9) 11.3%(9.0) 19.9% 62.4% 19.9%
50~59歳 5.7%(2.6) 6.8%(9.1) 10.9%(8.8) 11.5% 48.4% 3.6%
60歳以上 7.5%(5.8) 7.0%(7.4) 9.5%(10.0) 8.1% 45.4% 1.7%
女性16~19歳 52.6%(46.0) 39.5%(54.0) 34.2%(20.0) 65.8% 97.4% 68.4%
20~29歳 44.1%(16.1) 42.3%(29.8) 34.2%(19.9) 53.2% 92.8% 59.5%
30~39歳 25.4%(5.4) 25.4%(27.6) 26.8%(21.2) 23.9% 76.6% 29.8%
40~49歳 14.6%(5.2) 13.7%(12.9) 13.7%(12.9) 14.2% 63.5% 15.5%
50~59歳 5.2%(5.5) 6.0%(10.2) 11.6%(12.5) 9.4% 49.4% 8.2%
60歳以上 7.2%(3.4) 5.9%(8.1) 6.9%(6.5) 3.6% 31.2% 1.8%

※表中の( )内の数字は平成11年度調査の結果

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