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今日のまとめというのは大変難しいですが、まずは放送事業者の立場としての話をさせていただきます。放送事業者としては、今大きく三つの立場だと思います。
一つは放送事業者として放送をしているということです。そこで放送事業から広告収入を得て儲けている。そのためにコンテンツを作ったり買ったり発注したりしているという状況です。
もう一つはコンテンツホルダーとしてそれを利用して事業に活用して儲けている立場。これは放送事業者として最近大きく出てきている。これがいわゆる二次利用とかライツビジネスなどと言われている世界だと思います。
そしてもう一つは放送を通じていろいろなコンテンツを作ってきた作り手として、新たな時代にどういう作り手としてあるのかという部分もまた放送事業者としてあると思います。それは別に放送番組以外のものでも今まででも、ビデオパックを作ってきたこともあるわけですし、その中では私どもがブロードバンド用のオリジナルコンテンツを自分たちで作っていく。あるいはブロードバンド配信事業者と共同して作っていく。そういうことも大いにありうる。
大きく言ってこの三つの立場があると思います。その三つの立場の中で我々は動いている。その中で言えば、ブロードバンドとの向き合いは今後ますます重要になってくると考えています。
そして、「放送は非常に強い力を持っている」と遠藤さんはおっしゃられました。私もその部分は確かにそうだと思います。それはなぜかというと、やはり社会的な役割として皆さんにすべての情報を投げる社会的媒体として一番皆さんが使いやすい媒体だからだと思っております。それを担っているから強くいられる以上、その立場にいる者としては、媒体を担っていく責任を考えていかなければいけない。ということで、もしもブロードバンドが今後すべての媒体をその上に乗せていく基盤になっていくのならば、やはりそこへの対応を積極的に考えていく責任があるだろうと考えています。その部分はこれからの宿題なのだろうと思っています。
私個人として思いますのは、やはり非常に強い力を持つ媒体として視聴者に向かってきた私どもとしては、ブロードバンドが本当にすべてのものを通す土台になるのならば、その中に流すインフォメーションやエンターテインメントについてどういうものを供給できるかという次を考えていくこともまた私どもの責務であり、またそこに私どもの生き残るチャンスが多大にあるのではないかと考えております。 |