2024年6月4日
文化庁文化資源活用課課長補佐 春田鳩麿
●「文化財サポーターズ」とは?
文化庁は、「文化財との新しいつながりを持つきっかけとしての寄付」というコンセプトのもと、社会全体で文化財を支えていくための仕組みづくりを目指し、公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団、株式会社博報堂、READYFOR株式会社との官民共創による寄付促進事業として、「文化財サポーターズ」を令和6年3月26日に立ち上げました。
▷詳しくはこちら:官民共創による寄付促進事業「文化財サポーターズ」について

左から、都倉氏(文化庁長官)、澤氏(公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団)、米良氏(READYFOR株式会社)、近山氏(PROJECT_Vega(株式会社博報堂))
●能登の文化を次世代へ、寄付募集を開始!
その第一弾として、年始に発生した能登半島地震で被災した文化財の復旧・復興のための寄付を現在募集しています。
文化財は自然環境と長い歴史の中で育まれた地域の伝統と、その土地に住む人々の生活様式が織りなし生まれた、その土地の貴重な資源であり、宝物です。
このたびの能登半島地震では、多くの文化財が被災しました。国が指定等した文化財だけでも被災件数は300件を超え、歴史的な町並みを残す黒島地区や匠の技の結晶である輪島塗などの被害の甚大さは、報道でも大きく取り上げられています。この他にも、県指定や市町村指定の文化財や、地域の核となる社寺や民家、伝統行事に関わる建物や道具、民俗慣習を伝える資料等の多くの文化財が被害に遭っています。

被災した文化財(旧角海家住宅) 石川県輪島市

被災した文化財(総持寺祖院) 石川県輪島市

地元の方々の説明に耳を傾ける都倉長官
文化庁は、被災自治体や文化財の所有者の方々と連携し、文化財の復旧・復興に全力で取り組んでいます。さらに、文化財を元に戻すだけではなく、その魅力をより一層伝える工夫に取り組み、「創造的復興」につなげていくことも求められています。
今回のプロジェクトでは、このような災害復旧と「創造的復興」に取り組み、個人・企業と文化財の新たな関係性をつくることを目指す意欲のある文化財所有者の方々などを積極的に支援していきます。また、皆様からの寄付による支援と合わせて、文化財サポーターズの運営事務局も、ノウハウの提供や伴走支援を行います。
●寄付はどう使われるの?
皆様から届いた心温まるご支援は、被災した文化財所有者の方々などへ届けます。令和6年の夏に文化財の復旧・復興が必要な文化財所有者等から申請を受け付けることを予定しており、その後、審査の上で配分先を決定し、支援金を届けます。なお、支援を決定した文化財の情報は、ウェブサイト等にて報告します。
文化財は、地域の人の心を支えるアイデンティティでもあります。能登をはじめとする各地域に連綿と受け継がれてきた文化を子どもたちに、そしてさらに未来へと受け継ぐために、「文化財サポーターズ」へのご協力をお願いいたします。

「文化財サポーターズ」のロゴ
●令和6年能登半島地震 文化財復興 緊急支援|文化財サポーターズ第1弾 特設サイト