「ふるさと文化財の森」の設定について

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平成30年3月16日

文化庁では,ふるさと文化財の森システム推進事業の一環として,新たに5か所の「ふるさと文化財の森」を設定することに決定しましたので,お知らせします。

1.設定書の交付式

  • 日時:平成30年3月23日(金)14:00~14:30
  • 場所:文化庁長官室(旧文部省庁舎5階)

2.今回の設定地一覧

  材種 名称 所在地 所有者 範囲
1 (うるし) 弘前市有漆林(うるしりん) 青森県弘前市大字百沢 弘前市 4.0ha
2 (かや)
(ススキ)
石巻北上茅場(かやば) 宮城県石巻市北上町 有限会社
熊谷産業
5.0ha
3 檜皮(ひわだ) 財賀寺(ざいがじ)境内林 愛知県豊川市財賀町 宗教法人
財賀寺
19.0ha
4 檜皮(ひわだ) 京都市合併記念の森ヒノキ林 京都府京都市右京区京北下弓削町 京都市 8.2ha
5 (かや)
(ススキ)
広陵学園芸北文化ランド茅場(かやば) 広島県山県郡北広島町 学校法人
広陵学園
1.5ha

3.「ふるさと文化財の森」の設定の概要

国宝や重要文化財などの文化財建造物を修理し,後世に伝えていくためには,木材や檜皮(ひわだ)(かや),漆などの資材の確保と,これに関する技能者を育成することが必要です。

このため,文化庁では,文化財建造物の修理に必要な資材のモデル供給林及び研修林となる「ふるさと文化財の森」を設定しています。また,この「ふるさと文化財の森」は,修理用資材を通じて文化財保護への理解を深めることも目的としています。

今回,文化庁では,この趣旨に賛同いただいた所有者等の申請に基づき,平成30年3月23日付けで新たに5か所の「ふるさと文化財の森」を設定します。

1の漆は,ウルシの幹に傷をつけて採取する樹液です。古くから建造物や彫刻などの塗装や接着のために用いられてきた伝統的な材料です。現在,国宝・重要文化財建造物の保存修理では全面的な国産漆の使用を目指しており,漆の増産が課題となっています。

2,5の茅(ススキ)は,古来より種類と地域を問わず建造物の屋根葺材として利用されてきたもので,地域ごとの多様性が顕著にみられます。5の茅場は旧スキー場を利用した校外施設に生育した茅を,教育の一環で収穫して,地域の文化財に提供しています。

3,4の檜皮は,古代から社寺を中心とする建築に用いられてきた,代表的な屋根葺材料の一つです。檜の立木から採取し長方形に整形した皮を何枚も積み重ねて葺くことによって,優美な曲線の屋根を形づくります。

これによって,「ふるさと文化財の森」は合計76か所となります。

4.参考資料

  • (1)今回の設定地
  • (2)ふるさと文化財の森システム推進事業について
  • (3)文化財建造物の修理について
  • (4)これまでの「ふるさと文化財の森」設定地一覧

<担当>文化庁文化財部参事官(建造物担当)

参事官
豊城浩行(内線2790)
補佐
中島充伸(内線2791)
修理指導部門
上野,黒坂,當山(内線2796)
電話:
03-5253-4111(代表)
03-6734-2792(直通)

別紙

今回新たに「ふるさと文化財の森」に設定された5か所の写真の掲載,及び場所を図示しています。

ふるさと文化財の森システム推進事業の概要を図示しています。(文字読み取り不可)

文化財建造物の修理の必要性や方法について記載しています。(文字読み取り不可)

平成29年3月14日時点の「ふるさと文化財の森」設定地71件の一覧です。

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