第1回ミュージアム・エデュケーター研修(後半日程)の実施報告

主催:
文化庁
共催:
東京国立博物館,独立行政法人国立美術館
期日:
平成24年2月6日(月)〜7日(火)
会場:
国立新美術館 研修室

平成23年2月6日(月)〜7日(火)までの2日間,国立新美術館の研修室を主な会場として,第1回ミュージアム・エデュケーター研修の後半日程が開催されました。
研修前半日程をうけて,自館の課題を発見・整理し,これをふまえて実践した取り組みを報告するよう,前半日程最終日に宿題が課され,2月までの半年弱ほどの間に受講生各々が宿題を通して博物館教育について振り返ることとなりました。前半日程と後半日程との間に振り返りの時間がとられたことにより,受講生の意識は高く保たれたようです。
初日は,この宿題に関するグループ発表やディスカッションを中心に,そして2日目は,「展示室における学び」をテーマに,講義や事例報告,ディスカッションが行われています。
全ての研修を通して,「ミュージアム・エデュケーターの仕事とは何か〜どうあるべきか?理想は?」「よいエデュケーターになるためには何をすべきか〜どうすれば?」という,前半日程のワールドカフェにおける問いを幾度も反芻することとなりました。また,随所で「どのような学びをおこしたいのか」という「教育」の観点に立ち返ることが意識されていました。
最終日には,全ての課程を履修した受講生53名に,修了証書をお渡しすることができました。
以下,研修で使用したテキストと,当日の発表資料そして写真で研修の様子をご紹介します。

研修後半初日(2月6日)

研修後半初日 前半研修終了後課題発表・ディスカッション

前半研修終了後課題発表
・ディスカッション

(進行:東京都美術館
稲庭彩和子)
受講生全員が,それぞれ取り組んだ宿題の内容をグループ発表し,取り組んだテーマに関して「問題の所在」や「改善の方策」「今後の課題」などを議論していきました。

研修後半初日(2月6日)

研修後半初日 ワークショップ 「連携はパーソナルとパブリックの間から生まれる」

ワークショップ
「連携はパーソナルとパブリックの間から生まれる」

(講師:東京工芸大学 笠尾敦司)
事例紹介
「新江ノ島水族館の高等教育機関・研究機関との連携」

(講師:新江ノ島水族館 植田育男)

午後は連携をキーワードにした事例紹介やワークショップを行いました。
ワークショップでは,思い出の場所を水彩で描き,その絵を背景に,自らを投影した「むすびめくん」という人形を置いて,思い出ジオラマを制作しました。これを仮想の博物館に収蔵することで,博物館がキーステーションとなって,人と人,人と地域や組織の繋がりを作り出す試みを体験しました。

研修後半初日 ワークショップ 「連携はパーソナルとパブリックの間から生まれる」

研修後半初日(2月6日)

研修後半初日 講義「出会いと,人から学ぶ楽しさ」

講義「出会いと,人から学ぶ楽しさ」
(講師:カナダ国立博物館・
国立歴史民俗博物館
三木美裕)
様々な博物館での経験から,エデュケーターが持ち合わせていたい心懸けを丁寧にお話いただきました。
多くの受講生から,「勇気づけられた」「初心に戻れた」等の感想が寄せられています。

研修後半2日目(2月7日)

講義「展示室における学び-展示室でのツールに関するディスカッション」
(講師:林原自然科学博物館 井島真知)

展示室での学びを深めるツールの事例紹介
(報告者:三井記念美術館
亀井 愛
奈良大学博物館 栗田美由紀)
ディスカッション
(進行:林原自然科学博物館 井島真知,
ハンズ・オン プランニング 染川香澄)

研修後半2日目 講義「展示室における学び-展示室でのツールに関するディスカッション」
研修後半2日目 講義「展示室における学び-展示室でのツールに関するディスカッション」

「展示室での学び」をテーマに,博物館の顔である展示と来館者との架け橋として,エデュケーターの果たす役割や配慮について,講義や事例紹介,ディスカッションを通して考えました。
グループディスカッションでは,受講生が持ち寄った自館で使用しているワークシートなど,展示室の学びを作り出す実際のツールを前に,利用者の視点をふまえた開発・運用・評価や,「展示室での学び」の定義について議論しました。受講生の方々の学びの意欲の高さから,休憩時間まで熱心に議論する姿があちこちで見られました。

研修後半2日目(2月7日)

研修後半2日目(2月7日)
修了式

エデュケーター研修の全日程を無事修了した受講生の方々にお一人お一人修了証書を交付しました。密度の高い研修を終え,緊張が解けて,にこやかに修了証書を受け取られています。
博物館の現場に戻られても,同じ課題を共有できる多くの同志は財産になるでしょう。

研修後半2日目 修了式
Adobe Reader(アドビリーダー)ダウンロード:別ウィンドウで開きます

PDF形式を御覧いただくためには,Adobe Readerが必要となります。
お持ちでない方は,こちらからダウンロードしてください。

ページの先頭に移動