著作権法の一部を改正する法律(平成30年法律第30号)について

1.はじめに

「著作権法の一部を改正する法律」が,第196回通常国会において,平成30年5月18日に成立し,同年5月25日に平成30年法律第30号として公布されました。本法律は,一部の規定を除いて,平成31年1月1日に施行されることとなっています。

(法律)

(政令・省令・告示)

(参考資料)

2.改正の趣旨

本法律は,平成29年4月に文化審議会著作権分科会において取りまとめられた「文化審議会著作権分科会報告書」等を踏まえ,デジタル化・ネットワーク化の進展に対応するべく,著作物等の公正な利用を図るとともに著作権等の適切な保護に資するため,必要な改正を行うものです。また,印刷物の判読に障害のある者の著作物等の利用機会を促進するため,世界知的所有権機関において,平成25年6月に採択された「盲人,視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」の締結のため必要な措置を講じるものです。具体的には,主に以下の4点について規定の整備を行います。

(1)デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定(※)の整備

(2)教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備

(3)障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備

(4)アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等

※権利制限規定:著作権者の権利を制限し,著作権者の許諾なく著作物を利用することができる例外的な場面を定めた規定。

3.改正の概要

(1)デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備

情報通信技術の進展等の時代の変化に柔軟に対応出来るようにするため,著作物等の市場に悪影響を及ぼさない一定の著作物等の利用について,適切な柔軟性を備えた権利制限規定の整備を行います。なお,制度設計の検討にあたっては,米国のフェアユース規定のように非常に柔軟性の高い規定を導入することの是非も含め,様々な選択肢を対象として検討しました。その結果,我が国の企業の法令順守意識,国民の著作権に対する理解の度合い,訴訟制度,立法府と司法府の役割分担の在り方,罪刑法定主義との関係といった観点を総合的に勘案し,我が国の諸状況を前提とすれば,フェアユース規定のような規定ではなく,明確性と柔軟性の適切なバランスを備えた複数の規定の組合せによって対応することが最も望ましいとの判断となりました。具体的には,次のように,通常権利者の利益を害しないと考えられる行為類型(下記[1]及び[2])と,権利者に及び得る不利益が軽微な行為類型(下記[3])について,それぞれ適切な柔軟性を持たせた規定を整備することとしました。

[1]著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用(第30条の4関係)

著作物は,技術の開発等のための試験の用に供する場合,情報解析の用に供する場合,人の知覚による認識を伴うことなく電子計算機による情報処理の過程における利用等に供する場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には,その必要と認められる限度において,利用することができることを規定しています。これにより,例えば人工知能(AI)の開発のための学習用データとして著作物をデータベースに記録する行為等,広く著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない行為等を権利者の許諾なく行えることとなるものと考えられます。
  なお,この規定の整備に伴い,現行第30条の4及び第47条の7は新しい第30条の4に整理・統合することとしました。

[2]電子計算機における著作物の利用に付随する利用等(第47条の4関係)

電子計算機における利用に供される著作物について,当該利用を円滑又は効率的に行うために当該利用に付随する利用に供することを目的とする場合(第1項)や,電子計算機における利用を行うことができる状態を維持し,又は当該状態に回復することを目的とする場合(第2項)には,その必要と認められる限度において,利用することができることを規定しています。これにより,例えばネットワークを通じた情報通信の処理の高速化を行うためにキャッシュを作成する行為や,メモリ内蔵型携帯音楽プレイヤーを交換する際に,一時的にメモリ内の音楽ファイルを他の記録媒体に複製する行為等を権利者の許諾なく行えることとなるものと考えられます。
  なお,この規定の整備に伴い,現行第47条の4,第47条の5,第47条の8及び第47条の9は新しい第47条の4に整理・統合することとしました。

[3]電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等(第47条の5関係)

電子計算機を用いて,情報を検索し又は情報解析を行い,及びその結果を提供する者は,公表された著作物又は送信可能化された著作物について,その行為の目的上必要と認められる限度において,当該行為に付随して,軽微な利用を行うこと等ができることとすることを規定しています。これにより,例えば特定のキーワードを含む書籍を検索し,その書誌情報や所在に関する情報と併せて,書籍中の当該キーワードを含む文章の一部分を提供する行為(書籍検索サービス)や,大量の論文や書籍等をデジタル化して検索可能とした上で,検証したい論文について,他の論文等からの剽窃の有無や剽窃率といった情報の提供と併せて,剽窃箇所に対応するオリジナルの論文等の本文の一部分を表示する行為(論文剽窃検証サービス)等を権利者の許諾なく行えることとなるものと考えられます。この他,本条の趣旨が妥当する新たなニーズが発生した場合には,政令で定めることにより当該ニーズに係る行為を権利制限の対象として追加することができることとしました。
 なお,この規定の整備に伴い,現行第47条の6は新しい第47条の5に整理・統合することとしました。

(2)教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備

学校等の教育の質の向上や教育機会の充実等に資するよう,ICTを活用した教育における著作物等の利用の円滑化を図るため,学校その他の教育機関における権利制限規定(第35条)において,現在権利制限の対象となっているコピー(複製)や遠隔合同授業におけるネットワークを通じた送信(公衆送信)に加えて,新たに遠隔合同授業のための公衆送信以外の公衆送信等についても広く対象とするとともに,今回新たに権利制限の対象となる公衆送信について権利者に補償金請求権を付与することとしています。これにより,例えば学校等の授業や予習・復習用に,教師が他人の著作物を用いて作成した教材を生徒の端末に公衆送信する行為等について,文化庁長官が指定する単一の団体への補償金支払を条件として,権利者の許諾なく行えることとなるものと考えられます。

(3)障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備

障害者の情報へのアクセス機会の向上のため,視覚障害者等のために書籍の音訳等を権利者の許諾なく行うことを認める権利制限規定(第37条第3項)において,音訳等を提供できる障害者の範囲について,現行法で対象として明示されている視覚障害や発達障害等のために視覚による表現の認識に障害がある者に加え,新たに,手足を失ってしまった方々など,いわゆる肢体不自由等の方々が対象となるよう規定を明確にしました。さらに,権利制限の対象とする行為について,現行法で対象となっているコピー(複製),譲渡やインターネット送信(自動公衆送信)に加えて,新たにメール送信等を対象とすることとしています。これにより,例えば肢体不自由で書籍等を保持できない方のために音訳図書を作成・提供することや,様々な障害により書籍等を読むことが困難な者のために作成した音訳データをメール送信すること等を権利者の許諾なく行えることとなるものと考えられます。

また,同項の規定により,視覚障害者等のために書籍の音訳等を権利者の許諾なく行える団体等について,適切な体制を有するボランティア団体等を広く対象に含めるため,改正前から対象とされている障害者施設や図書館等の公共施設の設置者や文化庁長官が個別に指定する者に加え,新たに文化庁長官の指定を受けずとも一定の要件を満たす者を対象とすることとしています。

(4)アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等

我が国の有する文化資料を適切に収集・保存し,またそれらの効果的な活用を促進することで我が国の文化創造の基盤となる知的インフラの強化に貢献するため,アーカイブの利活用促進に関する以下の整備を行います。

[1]国立国会図書館による外国の図書館への絶版等資料の送信(第31条関係)

絶版等の理由により一般に入手困難な資料で,デジタル化した資料を,国立国会図書館が他の図書館等に送信することができる図書館送信サービスについて,日本文化の発信等の観点から,外国の図書館等の施設に対しても送信できることを規定しています。これにより,日本研究を行っている外国の図書館等に貴重な資料を提供できることとなるものと考えられます。

[2]作品の展示に伴う美術・写真の著作物の利用(第47条関係)

技術進歩に伴う見直しとして,美術館等において,展示作品の解説や紹介を目的とする場合には,必要と認められる限度において,小冊子に加えて,タブレット端末等の電子機器へ掲載できること等を規定(第1項,第2項)しています。これにより,例えば,会場で貸出される電子機器を用いて,より作品の細部を拡大して制作手法を解説することや,展示方法の制約により観覧者が目視しづらい立体展示物の底面や背面の造形を解説すること等が権利者の許諾なく行えることとなるものと考えられます。
 また,同様に近年の情報通信技術の発展により,美術館等に行く際に,施設のウェブサイトやメールマガジン等で展示作品の情報を調べることが一般的になっていることを踏まえ,展示作品に関する情報を広く一般公衆に提供することを目的とする場合には,必要と認められる限度において当該作品に係る著作物のサムネイル画像(作品の小さな画像)をインターネットで公開できること等を規定(第3項)しています。

[3]著作権者不明等著作物の裁定制度の見直し(第67条等関係)

著作権者不明等著作物の裁定制度は,著作物の権利者が不明等の場合に,文化庁長官の裁定を受け,かつ通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託することで,当該著作物を利用することができるものです。今般の改正では,補償金等の支払を確実に行うことが期待できる国や地方公共団体等について,事前の供託を求めないものとし,権利者と連絡をすることができることになった際に,事後的に権利者に補償金を支払うことを認めることを規定(第2項)しています。同様に,申請中利用に当たって供託をすることが求められる担保金も,国や地方公共団体等については免除し,権利者が現れた場合に,利用に係る補償金を直接権利者に支払えば足りることとしています(第67条の2)。

(5)施行期日

この法律は,上記(1)デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定,(3)障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定,(4)アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定に係る改正事項については平成31年1月1日に,上記(2)教育の情報化に対応した権利制限規定に係る改正事項については公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日に,それぞれ施行されることとしています。

4.改正法Q&A

(1)デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備

問1著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用に係る改正について,具体的にどのような行為が対象となるのですか。(第30条の4関係)

(答)

改正後の第30条の4では,著作物は,技術の開発等のための試験の用に供する場合,情報解析の用に供する場合,人の知覚による認識を伴うことなく電子計算機による情報処理の過程における利用等に供する場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には,その必要と認められる限度において,利用することができることとしています。具体的には,

  • ・美術品の複製に適したカメラやプリンターを開発するために美術品を試験的に複製する行為
  • ・人工知能の開発を行うために著作物を学習用データとして収集して利用したり,収集した学習用データを人工知能の開発という目的の下で第三者に提供(譲渡や公衆送信等)したりする行為
  • ・コンピュータの情報処理の過程で,バックエンドで著作物をコピーして,そのデータを人が全く知覚することなく利用する行為
  • ・プログラムの調査解析を目的としてプログラムの著作物を利用する行為(いわゆる「リバース・エンジニアリング」)

等が権利制限の対象として挙げられるものと考えられますが,こうした例に限らずとも,著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない著作物の利用については,幅広く権利制限の対象となります。

なお,技術開発・実用化の試験のための利用(改正前の第30条の4)や,電子計算機による情報解析のための複製等(改正前の第47条の7)は,既に改正前の規定で権利制限の対象とされていますが,今般の改正に伴い,引き続き権利制限の対象とするとの趣旨の下で,これらの改正前の規定を改正後の第30条の4に整理・統合することとしています。

問2電子計算機における著作物の利用に付随する利用に係る改正について,具体的にどのような行為が対象となるのですか。(第47条の4関係)

(答)

改正後の第47条の4では,電子計算機における利用に供される著作物について,当該利用を円滑又は効率的に行うために当該利用に付随する利用に供することを目的とする場合(第1項)や,電子計算機における利用を行うことができる状態を維持し,又は当該状態に回復することを目的とする場合(第2項)には,その必要と認められる限度において,利用することができることとしています。具体的には,

  • ・ネットワークを通じた情報通信の処理の高速化を行うためにキャッシュを作成する行為
  • ・インターネットサービスプロバイダがウィルスや有害情報等のフィルタリングを行うために行う複製行為
  • ・著作物が記録されたメモリを内蔵するスマートフォンを新しいスマートフォンに交換する際に,著作物の利用を行うことができる状態を維持することを目的として,古いスマートフォンのメモリから新しいスマートフォンのメモリにデータを移行させるために,古いスマートフォンのメモリからデータを削除しつつ複製する行為

等が権利制限の対象として挙げられるものと考えられますが,こうした例に限らずとも,著作物の電子計算機における利用を円滑又は効率的に行うための付随的な利用に供することを目的とする場合や,電子計算機における著作物の利用を行うことができる状態を維持し,又は当該状態に回復するために行われる利用に供することを目的とする場合における著作物の利用については,幅広く権利制限の対象となります。

なお,複製機器の保守・修理のための一時的複製(改正前の第47条の4第1項),複製機器の交換のための一時的複製(改正前の第47条の4第2項),サーバー管理者による送信障害防止等のための複製(改正前の第47条の5第1項第1号及び第2項),サーバー滅失等に備えたバックアップのための複製(改正前の第47条の5第1項第2号),電子計算機におけるキャッシュのための複製(改正前の第47条の8),ネットワークでの情報提供準備に必要な情報処理のための複製等(改正前の第47条の9)は,既に改正前の規定で権利制限の対象とされていますが,今般の改正に伴い,引き続き権利制限の対象とするとの趣旨の下で,これらの改正前の規定を改正後の第47条の4に整理・統合することとしています。

問3電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等に係る改正について,具体的にどのような行為が対象となるのですか。(第47条の5関係)

(答)

改正後の第47条の5では,電子計算機を用いて,情報を検索し又は情報解析を行い,及びその結果を提供する者は,公表された著作物又は送信可能化された著作物について,その行為の目的上必要と認められる限度において,当該行為に付随して,軽微な利用を行うこと等ができることとしています。具体的には,

  • ・特定のキーワードを含む書籍を検索し,その書誌情報や所在に関する情報と併せて,書籍中の当該キーワードを含む文章の一部分を提供する行為(書籍検索サービス)
  • ・大量の論文や書籍等をデジタル化して検索可能とした上で,検証したい論文について,他の論文等からの剽窃の有無や剽窃率といった情報の提供と併せて,剽窃箇所に対応するオリジナルの論文等の本文の一部分を表示する行為(論文剽窃検証サービス)

等が権利制限の対象として挙げられるものと考えられますが,こうした例に限らずとも,サービス利用者が自己の関心に合致する著作物等の書誌情報や所在に関する情報を提供するサービス(所在検索サービス)や情報解析によって新たな知見や情報を生み出すサービス(情報解析サービス)といった同条各号に掲げる行為に該当する場合には,権利制限の対象となります。

なお,インターネット情報検索サービス(改正前の第47条の6)は,既に改正前の規定で権利制限の対象とされていますが,今般の改正に伴い,引き続き権利制限の対象とするとの趣旨の下で,これらの改正前の規定を改正後の第47条の5に整理・統合することとしています。

問4柔軟な権利制限規定に関するガイドラインは,どのように確認することができますか。(第30条の4,第47条の4及び第47条の5関係)

(答)

ガイドラインという名称ではありませんが,改正法の立法経緯や逐条解説等の法解釈に当たって参考となる情報として,柔軟な権利制限規定の整備を含む平成30年著作権法改正の詳細な解説を提供しております。同解説については,本ウェブページの「1.はじめに」の「(参考資料)」の「著作権法の一部を改正する法律(平成30年改正)について(解説)」よりご覧いただけます。

また,今後,柔軟な権利制限規定に関するより詳細なQ&A等を作成の上で,一般に公開することを予定しております。

(2)教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備

問5教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備に係る改正について,具体的にどのような行為が対象となるのですか。(第35条関係)

(答)

改正後の第35条では,改正前でも権利制限の対象とされていたコピー(複製)や遠隔合同授業におけるネットワークを通じた送信(公衆送信)に加えて,文化庁長官が指定する単一の団体(指定管理団体)への補償金支払を条件に,新たに遠隔合同授業のための公衆送信以外の公衆送信についても広く対象とすることとしています。具体的には,例えば以下の行為を権利者の許諾なく行えることとなるものと考えられます。

  • ・学校等の授業や予習・復習用に,教師が他人の著作物を用いて作成した教材を生徒の端末に公衆送信する行為
  • ・オンデマンド授業を行う際に教師が他人の著作物を用いて作成した講義映像や教材を生徒の端末に送信する行為

また,同条では,授業の過程においてネットワークを通じて送信(公衆送信)される著作物を受信してスクリーンやパソコンのディスプレイ等を用いて生徒等に視聴させる行為(公の伝達)についても,権利者の許諾なく行えることとしています。

なお,改正後に新たに権利制限の対象となる公衆送信については,指定管理団体への補償金支払が条件となりますが,改正前までも権利制限で無償とされている行為類型(複製及び遠隔合同)や公の伝達については,補償金支払の対象とはしないこととしています。

問6教育目的で著作物を利用する際の補償金の具体的な金額は,どのように決定されるのですか。(第35条等関係)

(答)

補償金の額については,指定管理団体があらかじめ教育機関の設置者を代表すると認められる団体から意見を聴いた上で設定し,文化審議会の諮問を経て文化庁長官が認可することとなっています(改正後の第104条の13)。

文化庁長官の認可については,授業目的公衆送信補償金の額が,改正後の第35第1項の規定の趣旨,公衆送信に係る通常の使用料の額,その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ,その認可をしてはならない(同条第4項)こととなっているところ,具体的には,「改正著作権法第104条の13第1項の規定に基づく「授業目的公衆送信補償金」の額の認可に係る審査基準及び標準処理期間」によることとしています。詳細については,本ウェブページの「1.はじめに」の「(参考資料)」よりご覧いただけます。

問7教育目的で著作物を利用する際の補償金は,どのように支払えばよいのですか。(第35条関係)

(答)

補償金の支払については,法律上は教育機関の設置者が指定管理団体に支払うこととされていますが,(改正後の第35条第2項,第104条の11),具体的な支払方法や手続については今後当事者間で検討の上で決定されることとなります。

問8教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備は,いつから施行されるのですか。(第35条等関係)

(答)

改正法のうち教育の情報化を推進するための権利制限規定等の整備に関する事項については,「公布の日[平成30年5月25日]から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日」から施行されることとなっており,具体的な施行日は,関係者における検討・準備の状況を踏まえて,今後政令で定めることとしております。

(3)障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備

問9障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備に係る改正について,具体的にどのような行為が対象となるのですか。(第37条関係)

(答)

今回の改正により,視覚障害者等のために書籍の音訳等を権利者の許諾なく行うことを認める権利制限規定(第37条第3項)において,書籍の音訳等を提供できる障害者の範囲について,改正前でも明示的に対象とされている視覚障害や発達障害等のために視覚による表現の認識に障害がある者に加えて,例えば四肢の異常や欠損等の理由により書籍等を保持することができない者,首を動かすことができないために書籍等を一定の角度に保持しなければ読むことができない者,紙やインクにアレルギーを有するために書籍等を保持したりページをめくったりすることができない者,眼瞼下垂の者等,視覚による表現の認識に障害は無いものの,他の障害を原因として書籍等の視覚により認識される著作物を利用することが困難な者についても,対象であることを明確にしております。

また,同規定(第37条第3項)により権利制限の対象となる著作物の利用行為について,改正前までも権利制限の対象とされていた,視覚障害者等への音訳図書等の提供のために必要なコピー(複製),譲渡やインターネット送信(自動公衆送信)に加えて,新たに,電子メールにより視覚障害者等に対しDAISY等の送付を行うメール送信サービスのような著作物の利用行為も対象とすることとしています。

問10視覚障害者等のために録音図書等を許諾なく作成できる団体となるためには,どのような要件を満たせばよいのですか。(第37条関係)

(答)

第37条第3項に基づく視覚障害者等のための複製・公衆送信が認められる者については,法律上,「視覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で政令で定める者」と規定されているところ,改正前の政令(著作権法施行令第2条)では,(1)障害者入所施設や図書館等の公共施設の設置者,(2)視覚障害者等のためのコピー(複製)またはインターネット送信(自動公衆送信)等を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力,経理的基礎等の体制を有するものとして文化庁長官が個別に指定する者が規定されていました。

第37条第3項に基づく視覚障害者等のための複製・公衆送信が認められる者については,障害者の情報アクセス機会の充実を図る上では,適切な体制を有しているボランティア団体等については広く対象に含めることが望ましいと考えられることから,今般,著作権法施行令及び著作権法施行規則を改正し,上記(1)(2)の者に加えて,「視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人」(法人格を有しないボランティア団体等を含む)であって,以下[1]~[4]の要件を満たす者については,文化庁長官の指定を受けることなく,複製・公衆送信を行うことができることとしています(著作権法施行令第2条,著作権法施行規則第2条の3)。なお,詳細については視覚障害者等のための複製・公衆送信が認められる者についてをご参照ください。

[1]視覚障害者等のための複製又は公衆送信(放送又は有線放送を除き,自動公衆送信の場合にあっては送信可能化を含む。)を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力及び経理的基礎を有していること

[2]視覚障害者等のための複製又は公衆送信を適正に行うために必要な著作権法に関する知識を有する職員が置かれていること

[3]情報を提供する視覚障害者等の名簿を作成していること(当該名簿を作成している第三者を通じて情報を提供する場合にあっては,当該名簿を確認していること)

[4]以下の事項を,「教育利用に関する著作権等管理協議会」のウェブサイトに掲載していること

ア)法人の名称

イ)代表者(法人格を有しない社団又は財団の管理人を含む。)の氏名及び連絡先

ウ)視覚障害者等のために情報を提供する事業の内容(複製又は公衆送信を行う著作物の種類及び当該複製又は公衆送信の態様を含む。)

エ)上記[1]~[3]の要件を満たしている旨

(4)アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等

問11国立国会図書館による外国の図書館等への絶版等資料の送信に係る改正について,具体的にどのような施設が対象となるのですか。(第31条関係)

(答)

今回の改正により,絶版等の理由で一般に入手困難な資料をデジタル化した資料について,国立国会図書館が他の図書館等に送信することができる図書館送信サービスの送信先に,外国の図書館等が追加されました。

具体的な施設は,政令(著作権法施行令第1条の4)において以下の要件を満たすものとされています。

[1]ベルヌ条約(※著作権に係る基本的な条約)の加盟国に所在すること

[2]司書に相当する職員が置かれていること

[3]国立国会図書館との間で,著作物の利用を適切に行うために必要な体制の整備に関する事項等について協定を締結していること

*協定の内容については省令(著作権法施行規則2条の2)に規定されています。

問12作品の展示に伴う美術・写真の著作物の利用に係る改正について,解説・紹介のためであれば自由に利用できるのでしょうか。タブレット端末等の電子機器へ複製等をする場合と,サムネイル画像をインターネットで提供する場合のそれぞれについて教えてください。(第47条関係)

(答)

1「美術品」「写真」のオリジナル(原作品)を展示するときに,以下の条件を満たせば,解説・紹介のために展示作品を「電子機器」に表示や上映をしたり,そのために必要なコピーをしたりすることができます。

[1]オリジナル(原作品)を展示する者が行うこと

[2]展示が展示権の侵害とならない(著作権者の了解を得ている場合又は例外的に展示が認められている場合)こと

[3]展示作品の解説・紹介のために行う「電子機器」を用いた表示・上映であること

[4]必要と認められる限度であること

[5]「出所の明示」を行うこと

2「美術品」「写真」のオリジナル(原作品)を展示するときに,以下の条件を満たせば,著作物の展示情報とともに展示する著作物の画像をインターネットで提供することができます。

[1]オリジナル(原作品)を展示する者又はこれに準ずる者(政令で定めるもの)が行うこと

*これに準ずる者としては,政令(著作権法施行令第7条の2)において,国若しくは地方公共団体の機関又は営利を目的としない法人で,原作品展示者の同意を得て展示著作物の所在に関する情報を集約して公衆に提供する事業を行うもののうち,文化庁長官が指定するものと定められています。

[2]展示が展示権の侵害とならない(著作権者の了解を得ている場合又は例外的に展示が認められている場合)こと

[3]美術展の情報を一般に提供するためにインターネット上に掲載する場合であること

[4]展示する著作物の画像がサムネイル画像(小さな画像)であること

[5]必要と認められる限度であること

[6]「出所の明示」を行うこと

問13著作権者不明等著作物の裁定制度の見直しについて,国や地方公共団体の他に事前供託が免除される機関はありますか。(第67条及び第67条の2関係)

(答)

今回の改正により,権利者不明の場合に文化庁長官による裁定を受けて著作物を利用できる制度に関し,国,地方公共団体のほか,「これらに準ずるものとして政令で定める法人」についても事前の供託が免除されています。

具体的には,政令(著作権法施行令第7条の6)において,1)独立行政法人,2)国立大学法人及び大学共同利用機関法人,3)地方独立行政法人,4)日本放送協会が対象とされています。

なお,著作権者不明等の場合の裁定制度の概要については著作権者不明等の場合の裁定制度を御参照ください。

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