文化庁主催 第2回コンテンツ流通促進シンポジウム
放送番組は、ブロードバンド配信の主役となり得るか?

2004年12月1日 国立オリンピック記念青少年総合センター(カルチャー棟小ホール)
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特別講演
吉村 毅 (よしむら たけし)
カルチュア・パブリッシャーズ株式会社
常務取締役

パッケージとVODのコラボレーションの可能性
〜韓国ドラマからVODの未来を占う
カルチュア・パブリッシャーズの吉村でございます。よろしくお願いいたします。ただいまご紹介いただきましたように、私は当初リクルート社からスタートしまして、その後カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に入社しました。創業期といいましても創業後1年後に入ったので、当時の感覚からすると最初に入った先輩方と1年後に入社した私とは歴然とした差があり、自分としては創業のメンバーだとは思っていないのですが、世間的には創業期のメンバーだ、と言われるので、一応そういうことにしております。創業2年目から入社し、ちょうど恐らく18年か19年たったのではないかと思っています。私はCCCの中では最初、販売促進担当からスタートし、その後店舗の店長、スーパーバイザーをいちばん長くやっておりまして、どちらかというと、パッケージ販売・流通側の経歴が長いです。その後、本部のほうで運営の責任者、商品の購入、マーチャンダイジング部門の責任者をやらせていただいたあとに、エスクァイア・マガジン・ジャパンであるとか、昨年まではギャガ・コミュニケーションのほうに出向という形で川上といわれる業界にお世話になり、今年からはカルチュア・パブリッシャーズ株式会社というCCCGの会社に戻りました。

今やっている仕事は映像の企画なのですが、特に映画の出資、それからビデオライツを購入してビデオを発売し、そしてツタヤとのコラボレーションを図っていくというような機能を担当しているような次第です。また、今若干お話しいただきましたが、デジタルハリウッドという大学院で、コンテンツの生涯収支をどう計算するか、ということを生徒さんにお教えさせていただいております。私はたまたま店舗側の経験と、川上側のエスクァイアやギャガという会社の経験がございますので、買付けの時点、もしくは映画の制作の時点から、最終的に、店舗でDVDが何枚売れるのかというところの試算までが一通りできるという、たまたまラッキーな経歴をつませていただきました。こういうコンテンツを買ってきた場合には、劇場はこうかけて、こうプロモーションして、流通はこうして、そのときに店での展開はこうすると採算が取れますよ、というようなことを教えている次第です。

CCCグループの100パーセント子会社である私の会社なのですが、今日のお話の中ではCCCという立場から離れまして、どちらかというとデジタルハリウッド大学院の講師という立場で、業界全体を俯瞰し、その中で客観的にCCCという会社もその中の一部として見るというような立場でお話をさせていただければと思っていますので、ご了承いただきたいと思います。また、CCCのもいろいろと多少ブロードバンドに絡んだところで話題になるようになってきましたが、今日のお話はあくまで私の個人的な立場からのお話でして、私自身はCCCのブロードバンド事業であるとかツタヤオンラインには直接かかわっておりませんし、現時点ではツタヤのパッケージ部門の流通には携わっておりますが、店舗のほうにも直接かかわっておりませんので、繰り返しますが、あくまでも個人的な見解として聞いていただければと思っております。

それでは、今日のテーマですが、パッケージとブロードバンドあるいはノンパッケージ、これが一般的にはカニバライズするという方向で考えられるわけですが、私の考え方としては、これは明らかにコラボレーションできるという考え方でお話をさせていただきます。VODをはじめとしましたモバイル、あるいはセットトップボックスを使った配信、あるいはネットのウェブでの配信、すべてを含めまして、新しい媒体とパッケージとのコラボレーションとはどういう意味で可能であるのかというところを、パッケージ屋、レンタル屋である私の立場からお話ししますので、多少でも参考になれば幸いであると思っております。
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