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講演


 
   
第一部 特別講演
   
   
「契約面から見たNHKオンデマンドの現状と課題」
   
   
関本 好則 (NHK放送総局特別主幹)
   
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     それから、では、オンデマンド市場が成立するか。PCについてはもうだいぶ述べましたので、少し省きます。
IPTVは、非常に伸び悩みがあって、高額で、使い勝手が今までのものはアクトビラも含めて、悪いですよね。こういうことで伸びなかったという問題があります。
 最後に、そうはいっても、やっぱりそのNHK、60代の人たち、コアなファンも含めていうと、使いやすくて、簡単操作ができて、ネットに簡単につなげられるIPTVが出てきてくれればありがたいなと、私は個人的には思っていますが、ただ、IPTVはテレビ局では諸刃の剣のところがありまして、この間、アムステルダムであったフォーラムで、この「欧州連合の新提案」と書いてありますが、こういう、これを受像機だと考えますと、この下の方とか横の方にウィジェット、ガジェットともいいますが、要するに、例えば日本でいえば、YouTubeとか、ヤフーとか、TSUTAYAとか。ダーっと書いてあって、「テレビ、面白くないな」と思ったら、そのボタンを押したらもうYouTubeに入れるとかというもののが出てきたのですね。これに対して、NBCやBBCは猛反発して、「字幕が読めないじゃないか」と、「あんなところに置いたら」。「そんなものは許せない」とかいうので、BBCはキャンバス構想というものを発表して、「まず、テレビが最初にありますよ」と。「そのテレビからネットには当然いきます」と。「でも、BBCのネットにいくんだ」と。「そこからほかのところにいくんだ」ということがBBCのキャンバス構想。BBCが、なぜ、そういっているかというと、イギリスにはテレビメーカーがないので、BBCとしてはそれを世界標準にしたい。NBCは、アメリカもテレビメーカーは、大きいところありませんから、NBCもどちらかというとそちら側です。ヨーロッパはフィリップスもありますし、そこではソニーさんも確か入っていたと思うのですが、そういうテレビメーカーさんにとってどっち側にいくのかという、つまり、そのポータル争いがこれから熾烈を極めてきて、争われており、ここは大変難しいのですが、そのIPTVを普及させるためには何が必要なのか、何が起爆剤になるのか。そういうことが様々に議論をされています。そういう中でNHKの今やっているビジネス・スキームが本当にいいのかどうか。これはこれからNHKのネットサービスの再定義議論が不可欠だなというふうに思っています。
 これしゃべると、持ち時間が相当オーバーするので、この問題は、後でパネルディスカッションのときに、もし、しゃべる時間があればしゃべらせていただきますが。今、こういう状況であるということで、今日のご報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。
   
         
岸原孝昌「携帯向け映像配信ビジネスの現状」 │ 関本好則「契約面から見たNHKオンデマンドの現状と課題」

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