日本には、地域独特の風土や食材、歴史、文化などに育まれ、受け継がれてきたさまざまな郷土料理があります。米どころである秋田のきりたんぽ鍋や、柿の葉を使った奈良の柿の葉寿司、かつて琉球王国であった沖縄の琉球料理などは、ほんの一例です。みそやしょうゆなどに代表される発酵調味料は地域ごとに味わいが異なり、例えば、みその素材は米、麦、大豆と地域により大きく違います。
また、海外との交流により砂糖や唐辛子、ジャガイモなどをもたらした南蛮文化。本来は米の輸送用であり、帰り荷として運ばれた昆布が京都や大阪の食を支えることになった北前船。これらは地域固有の食習慣にも大きな影響をもたらすなど、郷土料理は地域間の交流によっても変容し、独自性を増していきました。