群馬県007

前橋市立図書館

  • 1973年竣工
  • 設計/株式会社第一工房(担当:林 昭男)
  • 施工/建築工事:佐田設株式会社 設備工事:大和設備工事株式会社 電気工事:関東電気工事株式会社
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造 地上3階、地下1階 シート防水
  • 用途/文化施設
  • 所在地/群馬県前橋市大手町二丁目

前橋市立図書館は市制80周年事業として建設、1973年(昭和48)12月に竣工した。地上3階、地下2階建ての鉄筋コンクリート造で、建築面積1,362.11㎡、延べ床面積4,765.43㎡、敷地面積3,173.53㎡である。設計者は株式会社第一工房、担当した林昭男(1932年 - )は前橋出身である。施工者は建築工事が佐田建設株式会社、設備工事は大和設備工事株式会社、電気工事は関東電気工事株式会社による。敷地は群馬県庁や群馬会館に近く、西には市役所が隣接し、東には教会、南には小学校が建つ。この土地は1965年(昭和31)建設の図書館が建てられていたが、現図書館はその建物を解体し新築された。
外観はほぼレンガタイル張りとするが、東側階段室と中庭を囲む東面はコンクリート打ち放しである。中庭には竹が植えられ各階は中庭を囲むように計画されている。1階には東と南に出入口を設け通り抜け通路がある。その通路を囲むように新聞雑誌コーナー、中央図書室、親子読書室、奥には社会人読書室、北側には一段フロアーを上げ事務室を構える。中央図書室には中2階を設け吹き抜けとしトップライトで採光を取り、外壁出隅部分はスチールサッシで高さのある開口部を設け開放感を出している。2階は郷土資料室、展示室、調査相談室、県内資料室を設け、3階は視聴覚室(DVD上映:50席)、学習室、飲食コーナーがある。中地階には書庫、編纂室、地階には講堂(80席)、書庫、機械室を設けている。中庭に面する地下講堂の一部と講堂前のホールには床から天井迄の開口を設け自然光を取り入れている(中庭は建物外周よりも地盤面を下げている)。各階各室が中庭に面し配置され自然光が上手く取り入れられ開放感がある。エレベーターは事務室手前にあり蔵書の移動と兼ねている。
建設当時、閉架式が主流であったが市民が直接本を手に出来る開放的な開架式は革新的であり、後の図書館建設に影響を与えた。 また、蔵書は日焼けを嫌う中、自然光を取り入れ明るさを取り入れたことは画期的である。
当初の設計条件は「①蔵書数は、将来市民一冊を目標に30万冊、②幼児や老人、車椅子利用者に特別配慮する」がある。2025(令和7)年4月1日時点、市人口は32万人を超え、本館の蔵書数32万冊、その他市民サービスセンター内の分館として子供図書館他17館を統括、蔵書数は合計で106万冊余で本館は中央図書館としてとしての役割を担っている。2025(令和7)年3月末でカード登録者は市の人口の50%を超える169,873人でそのうち児童が12,000人を数える。建設後50年を経過しているが市民や近隣の人で年間利用者は8万人を超え、開館時(午前9時)前には来館者の列が出来ている。近年の高齢化に対応すべく、手摺の設置や身障者トイレの改修を行っている。(須田睿一)