群馬県016

白水ゴルフ倶楽部クラブハウス

  • 1991年竣工
  • 設計/㈱竹中工務店
  • 施工/㈱竹中工務店
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造 地上3階 地下1階
  • 用途/商業・事務所建築
  • 所在地/群馬県渋川市横堀

白水ゴルフ俱楽部は東は赤城山、南西に榛名山を望む子持山山麓に広がるゴルフ場である。クラブハウスの建物は南北をゴルフコースに挟まれた敷地の中央付近に建てられている。玄関前エントランスに隣接して池があり、風景の一部として湖上で休む白鳥の優雅な姿をイメージして設計された。 ゴルフ場建設については、地元子持村(当時)が過疎対策のための誘致計画であり、地域密着型のプロジェクトを使い、コンペにより施工業者を選定した。用地買収、許可申請も支障なく、1990(平成2)年12月に「子持GC白水C」の仮称で開発許可を取得した。
クラブハウスは㈱竹中工務店の設計・施工で、1991(平成3)年竣工する。鉄筋コンクリート造、地下1階・地上3階、平面は曲線を多用しており、どの部屋にも特徴的な曲線部が含まれている。外壁には群馬産の三波石が使用され、玄関ホール壁まで連続して積み上げて、内外の一体感を表している。又、玄関前の車寄部分の深い軒裏天井には杉の無垢材を張るなど、自然と調和する材料を使用している。玄関は3階までの吹抜けとなり、設計コンセプトでもある白鳥72羽が舞うシャンデリアが設置されている。脇にある階段は平面、意匠とも曲線で出来ている。南面にテラスも設置され、開放されたレストランは扇状の平面に、杉板を波型に張った天井が外部への広がりを造る美しい空間としている。北側のロッカールームは男性・女性用ともに、曲線奥壁及び窓を利用し、奥行に広がりのある家具の配置が明るく余裕感のある空間を生み出している。建物中央には中庭があり、内部に採光を取入れている。西端には赤城山を臨む男・女の浴室があり、円形の手摺と硝子間仕切り壁には白鳥が描かれている。2階は大きさの異なるコンベンションホールがある。外壁の曲りが1階より強く、部屋の種類を増やしているが、家具の設置には苦労するようだ。3階にはより外壁の曲がりが強くなり、倶楽部メンバー室のみがある。
クラブハウスは社会世相ではバブル期と呼ばれた時期に建設されており、全国に多数造られゴルフ場建物の一個である。現在では貴重な三波石を外壁に使用し、内部には木無垢材を曲げ加工した材料を多く使用して曲線を表現するなど、建設資金の豊富さを見て取れる建物である。ただし自然石や木無垢材を使い曲線を協調した内・外観は、グリーンや池、樹木との優しく調和し、設計イメージに合った美しい建物である。竣工後、グッドデザイン賞(1995)を受賞している。(貝磯 博子)