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モバイルの世界は、現実のビジネスが「ある程度の規模感」を持って成長しているというところがあります。これをどう拡大していくかが今の課題です。「次々世代」となると、二段階ほど飛躍した議論になるので、その前に我々のグループの場合は、まず二次利用で既存のコンテンツホルダーやコンテンツクリエーターに頼らないで全く新しい市場を提供するには、どうしたらいいかという議論をしました。
やはり既存のビジネスモデルから出てきた作品を前提にすると、色々な問題が出てきてしまって、現状のビジネスモデルに対する評価、解釈、問題点についての議論に時間を取られすぎてしまいます。

撮影:小池 良幸
ID:HJPI320100000590 |
7,000万人、8,000万人というユーザーとネットワークで直結しているという特性を活かして、全く新しいビジネスをそこに展開していくことを前提にする。そして、その前提に立ってアーティストを育成する。それによって我々自身も自由にプロモーションできる。
既存の様々な問題から全く自由な発想でやるには、今のモバイル・ビジネスを土台にして、全く新しいコンテンツビジネスを構築するということを、クリエーターと我々が共有する。そこが一番のポイントだという認識です。
「転々流通」についても、色々な課金が可能です。ショートムービー、音楽、小説でもいいのですが、例えば、ネットではまず一定期間無料にできるわけです。そして、評価が上がってきた段階で、よりボリュームを増し、またコンテンツの中身を良くした上で課金するということが、瞬時に、極端なことを言うと1日でできてしまう。そういう事例もどんどん出ています。
「ディープラブ」という作品をご存じだと思います。携帯メール小説が大ヒットして、それから本が出版されました。また、去年の話ですが、突然「阪神」が快進撃したので、携帯で「六甲おろし」の配信をしたら、対応端末がまだ500万台も普及していないのに、40万ダウンロードぐらいあるわけですよ。
そういうことが瞬時にできるのがネットのいいところです。我々としては、ネットのそういうパワーを使って、新しいビジネスを行っていく。だから、二次利用や従来のコンテンツに頼らない世界で、どのくらい市場規模を拡大していけるか、又は拡大していくにはどうしたらいいのかを議論しました。どの時点で、どうお金を取るか取らないかを、携帯は非常に簡単に判断できるところが特徴だと思います。 |