香川県003

さぬき市役所大川支所

  • 1964年竣工
  • 設計/富岡建築研究所
  • 施工/寒川工務店
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造 地上2階
  • 用途/官公庁舎
  • 所在地/香川県さぬき市大川町富田中2109

さぬき市大川町のほぼ中央、道の駅みろく近くに位置する建物である。竣工時は、大川郡大川町役場として業務を開始、その後平成14(2002)年の町村合併により、さぬき市役所大川支所となる。
RC造2階建て一部平屋建て床面積1.186㎡。昭和59(1984)年139㎡増築工事が実施され、同時に設備入替、内部の模様替実施。外壁はコンクリート打放し、コンクリート欠き落とし、一部のみ2丁掛けタイルとし、屋根は陸屋根である。
1階は、西道路側を玄関とし、北と南に事務室、中央の中庭によりとても明るい事務室となっている。東面に町長室、応接室があり、廊下を渡ると食堂や宿直室がある。宿直室があるのは、火災時に町内放送やサイレンを鳴らす為である。住民の為の必要不可欠な施設であったと思われる。
2階は議場となっており、町議員の委員会室、議長控室等がる。増築により会議室、議会事務室等を整備。
増築部分は、1階の上部に鉄骨で覆いかぶせる形での増築で既存とエキスパンションにて接続している。増築部の外壁はALCパネルで施工されている。
外観は、1階と2階を分断するように、先端で弧を描く庇を北西南の建物3面に巡らせているのが特徴である。庇は逆梁構造となり外壁面から3m程度持ち出しされ、威厳のある外観を作っている。外壁のモルタル45度掻き落としの意匠が特徴的で美しい。外観、平面計画、内部の詳細にわたりデザインされた作品として評価できる。
当役場は旧大川村役場の老朽化に伴い新庁舎の必要性から、昭和38(1963)年3月町議会にて決定し、2年継続事業で庁舎を新築した。設計者は富岡建築研究所、県内外の新庁舎を視察して設計。主体工事は高松市寒川工務店、付帯工事及び電気水道排水工事を関西電業株式会社が施工を担当した。昭和39(1964)年2月7日地鎮祭並びに起工式を実施。同年11月1日竣工した。(年代経緯は県立文書館所蔵 大川町史確認)(設計図書、写真等は、さぬき市所蔵図書確認)数年前、耐震診断の結果により対費用効果等を勘案した結果、今後は改修せずと決定。(さぬき市職員確認)現在は役所としての機能は無く、災害時の備蓄品倉庫や、役所の備品倉庫として使用されている。