静岡県001

日本バプテスト静岡キリスト教会

  • 1953年竣工
  • 設計/由井基俶建築事務所
  • 施工/日本鉄筋ブロック建設
  • 構造形式/木造 地上2階、塔屋1階 銅板葺
  • 用途/宗教建築
  • 所在地/静岡県静岡市葵区安東

静岡バプテスト教会は、1951年に日系米国人宣教師、星崎礼二・アサノ宣教師夫妻によって伝道が始まり、由井基俶建築事務所の設計により1953年に建立された。当時の図面にはBY Mr. R. HOSHIZAKI’S PLANINGとある。1958年に現名称に改称している。
建物は、高さ約9mの切妻屋根の礼拝堂、高さ約18mの鐘楼、教会学校の機能をもたせるために併設された切妻平屋建の幼稚園の、一続きの3棟から構成されている。
敷地は東に接道し、礼拝堂内では信者は西を向くかたちになる。礼拝堂南東の側面に鐘楼が立ち、その手前が入口となる。礼拝堂の南西に幼稚園が接続して、幼稚園はL字型の平面となり、礼拝堂との間が中庭となる。礼拝堂の東面には2つの半円アーチ窓が、北面には4つの尖頭アーチ窓が開く。南面にも尖頭アーチ窓があるが、幼稚園との接続部ではこれが高窓となる。鐘楼は四角柱の上部に尖塔を上げ、頂部に十字架を載せる。全体的にゴシックが基調となっている。
入口のポーチは南と東にオージーアーチを開き、入口から前室を通り、単廊式の礼拝堂に入る。礼拝堂の内陣は ポーチと同様の形状のアーチによって信者席と区切られている。内陣の奥は当初図面にはBAPTISTRYとある。屋根はトラスで構成され、方杖型が礼拝堂側面に現れている。前室上部のみが2階となり、信者席を見下ろすバルコニーとなる。
内外とも、プロテスタント教会らしい素朴な構成であるが、建設当時の姿が、周辺の良好な住宅地に落ちついた景観をもたらしている。