神奈川県037

藤沢市湘南台文化センター

  • 1989年竣工
  • 設計/長谷川逸子・建築計画工房
  • 施工/大林組
  • 構造形式/鉄骨鉄筋コンクリート造地上4階地下2階建
  • 用途/文化施設
  • 所在地/神奈川県藤沢市

湘南台文化センターは、1989(平成元)年に藤沢市北部の中心地である湘南台駅の駅前に開館した、こども館、市民センター、公民館、市民シアターを持つ複合施設である。設計者の選定に公開プロポーザルコンペが実施され、長谷川逸子・建築計画工房が選ばれた。設計コンセプトは「第二の自然としての建築」であり、そこでは「共生すべき自然系の様相によって記述され、読み取りうるものとして建築を作ること」とされている。
アプローチには「せせらぎ」、宇宙の不可思議な調べを聞く装置などがあり、こども館には地球儀のプラネタリウム、展示室などがある。体育室や会議室などの公民館機能は地下にあるが、ドライエリアを設けて地下室感をなくしている。第2期工事で完成した宇宙儀の市民シアターは600席の規模で学校行事やコンサート等に利用されている。瓦の床タイルやパンチングメタル、ビー玉、左官仕上げの土壁など、伝統的な素材から工業製品まで、さまざまな材料や仕上げが混用されている。モチーフの造形を建築に直接的に引用した1980年代のポストモダン建築を代表する作品の一つである。
プラネタリウムは2009(平成21)年に全面改修でリニューアルされ、小学校の課外学習等でもよく使われている。外部の瓦タイルは改修により一部を残すだけとなっているが、地球儀と宇宙儀を持つ特徴ある外観は、維持管理の困難を抱えつつも健在である。

受賞歴等/学会賞・BCS賞・神奈川県建築コンクール優秀賞