香川県024

瀬戸大橋記念公園マリンドーム

  • 1988年竣工
  • 設計/木島安史+YAS都市研究所
  • 施工/鹿島建設
  • 構造形式/木造、鉄筋コンクリート造および鉄骨造 地上1階
  • 用途/文化施設
  • 所在地/香川県坂出市番の州緑町6-13

瀬⼾内海と瀬⼾⼤橋を間近に臨む敷地に、イベント⽤観覧場として昭和63(1988)年に仮設建築物として建設された。RC造壁式構造の平屋建で、延べ⾯積は189.53㎡である。主に九州に建築作品を残した⽊島安史の、四国にある唯⼀の公共作品である。竣⼯時の雑誌発表名称は「瀬⼾⼤橋博’88 イベントプラザ」(『新建築』1988年5⽉号)で、瀬⼾⼤橋架橋記念博覧会会期中は「空海ドーム」と呼ばれ、博覧会終了後、公募で「マリンドーム」になった。平成元年に恒久建物として残すこととなり、⽤途を「休憩所、展望所」とし、延べ⾯積を1000㎡未満に抑えるためにステージを改修縮⼩した。また、当初は半円形であったが今後の活⽤を考え⻑⽅形に変更し、縮⼩されたステージに⼿すりを設置した。さらに、屋根の膜はポリエステル繊維、両⾯塩化ビニールコート張りだったが、不燃材のガラス繊維、両⾯塩化ビニールコート張りに交換された。スケーネ(背景のフレーム)と可動スクリーン、プレファブ建築であった楽屋は、撤去された。平成5(1993)年には⽤途を「観覧場・集会場」に変更し、消防法に従いスプリンクラーを設置した。最後、平成9(1997)年には控室を新設した。
瀬⼾⼤橋架橋記念博覧会会期中[平成9(1988)年3⽉20⽇〜8⽉31⽇、165⽇間]は会場にのべ350万⼈が来場し、当建物も多くのイベントでにぎわった。会期終了後も年間10〜30程度の申し込みによるイベントに活⽤され、公園の休憩施設として、また隣接する瀬⼾⼤橋記念館⾒学者の昼⾷スペースとして、今⽇までさまざまに活⽤されてきた。構造も、珍しいハーフドームで、アーチが額縁になり、優れた景観が⽣み出されている。80年代に始まる⽊造⼤構造の初期の建物としても評価に値する建築である。