香川県028

⾼松市牟礼総合体育館

  • 1991年竣工
  • 設計/梓設計大阪支社・牟礼町建築設計事務所連合共同企業体
  • 施工/大末建設四国支店
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造 地上2階
  • 用途/体育施設
  • 所在地/香川県高松市牟礼町牟礼152-10

⾼松市の東部、牟礼町図書館の北隣に位置し、竣⼯時から現在まで公共の屋内体育施設として使⽤されている。鉄筋コンクリート造2階建で、鉄筋コンクリート造の構造体の上に載せた鉄⾻スペースフレーム構造の⼩屋組みで、段差を付けた2次曲⾯のアーチ屋根を作っている。屋根材にはステンレス鋼板が葺かれてある。外壁はコンクリート打ち放しの上に吹付タイル仕上である。1階にはホールと事務室、メインアリーナがあり、外周部にトレーニングルームと会議室、シャワー室及びロッカー室などがある。2階には⼩アリーナと、メインアリーナを⾒下ろせるギャラリーがある。
平成5(1993)年に⾹川、徳島の2県共同で第48回国⺠体育⼤会「東四国国体」が開催されることとなり、旧⽊⽥郡牟礼町がフェンシング競技会場に決定した。このことを受け、新しい会場として体育館の建設が決定した。設計を梓設計⼤阪⽀社と牟礼町建築設計事務所連合共同企業体が担当し、施⼯を⼤末建設株式会社四国⽀店が請け負った。平成2(1990)年10⽉1⽇に着⼯し、平成3(1991)年9⽉30⽇に牟礼町総合体育館として開館した。平成18(2006)年1⽉10⽇に⽊⽥郡牟礼町が⾼松市と合併し、施設も⾼松市に引き継がれ多た際に⾼松市牟礼総合体育館と改称した。メインのアリーナはフェンシングはもとより、バレー、バスケット、卓球などの⼤会や練習会場として利⽤され、2階の⼩アリーナには畳が敷かれており柔道などの練習場として使われるなど、多種多様な競技で幅広い世代の⼈々に利⽤されている。
屋根を⽀えるフレームは、ボールジョイントの接点に鋼製丸パイプ材をつないだ四⾓錐を基本単位とした⽴体トラスである。曲率の異なる⼆つアーチを重ねることで段差をつけ、アリーナ中央上部にトップライトを設けている。屋根の形状は基本単位の連続で構成されているが、2枚の2次曲⾯が段差持ちながら重なった⾙殻形状をしており、部材の⻑さや⾓度などは細かく調整されて組み上げられている。
⾼い剛性を保ちながらも軽量な屋根を実現するためにスペースフレームを採⽤しているが、その⽴体構造の構成要素であるパイプ材とジョイント部の製作には、⾼度に発達した⼯場⽣産⼒と合理的な設計、施⼯技術が必要である。これらは我が国の建築技術及び⼯業⽣産⼒の⾼度な発展を例⽰している。