鹿児島県024

カトリック種子島教会聖堂

  • 1975年竣工
  • 設計/鮫島建築設計事務所
  • 施工/久永建設(基礎は教会の自営)
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造および鉄骨造 地上1階
  • 用途/宗教建築
  • 所在地/鹿児島県西之表市西之表6877

1975年の竣工の平屋建てのカトリック教会で、高台にありその特徴的なシルエットが、高速船ターミナルから象徴的に視認される。
アーチは海・丘・街の三方向に向かっており、それぞれの場で働く人達に思いをはせて神の祝福を祈る方向が、形態に表現されている。
正面玄関にマリア像が建っており、色ガラスは数々の人の心をあらわし、食卓である祭壇を囲んで祭りが行われている。設計は当時鹿児島市にあり多数の建築設計を手がけていた鮫島建築設計事務所で、施工は、久永建設である。
1974年8月に確認申請の許可があり、翌年3月に竣工した。基礎は教会のセルフビルドで写真が現存する。構造は鉄骨造で支えられているが、壁、天井、屋根は鉄筋コンクリート造である。
高台にあるため塩分を含んだ海からの強風にさらされており、2005年前後に外装の再塗装、2015年にクラックの補修と再塗装が実施された。
1985年前後に左右にあった出入り口が塞がれ、現在の平面形になっている。着工時の図面は正面に台形状の風除けがあるが、現状の平面で竣工していた言われている。
延床面積117㎡の小規模な平屋の聖堂であるが、屋根伏せは有機的な形状で、立体的には革新的な3方向のヴォールトのある形態で意匠性の高いモダンムーブメント建築として評価できる。
また、信徒に継続的に利用されるだけでなく、そのシルエットが西之表のランドマークとなっている。