静岡県013

下田プリンスホテル

  • 1973年竣工
  • 設計/黒川紀章建築都市設計事務所
  • 施工/熊谷組
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造 地上5階(一部地下1階)
  • 用途/宿泊施設
  • 所在地/静岡県下田市白浜

下田市の中心部から北に離れた白浜地区の海岸にたつリゾートホテル。西武グループによって1973年に開設された。設計は黒川紀章(1934-2007)。
敷地は海を東に望み、海岸線にきわめて近いが、急斜面の岩場にあり、小高い2つの山が北と南にある。建物は、この山に挟まれるように配置され、西側にエントランスを取り、ここを要として北東と南東に客室がV字型に延びる。5階建てであるがエントランスは2階に設定されている。
客室は片廊下型で全室海側を向き、広い開口部とテラスを持ち、各室が雁行している。RC壁式ラーメン構造によって、各室で眺望とプライバシーを確保し、廊下側の出入りと遮音にも配慮している。一方、共用部門とサービス部門は中央部に集中して計画され、サービス動線の省力化が図られている。
エントランス付近のガラスの階段室や円筒形のエレベーターシャフト等が外観を特徴づけ、白と青を基調としたインテリアがリゾートの雰囲気を演出している。
1990年の大浴場増築、2017-18年の改修・改装を経て、基本的に当初の状態を維持しながら使い続けられている。