静岡県014

サイコロの主題による家

  • 1973年竣工
  • 設計/相田武文設計研究所
  • 施工/三和建設
  • 構造形式/木造 地上2階 鉄板葺
  • 用途/住居建築
  • 所在地/静岡県東伊豆町大川

伊豆大川に開発された別荘地に立つ個人別荘。1973年に竣工した。設計は相田武文(1937-) 。
南東に海を望む斜面に、RCの基礎から6本の柱を立ててスラブを載せ、地面から切り離された箱を持ち上げる。木造2階建ての箱は1辺が6.9mの立方体で、北面2つ、東面3つ、西面4つ、南面5つの窓を開け、屋根に1つのトップライトを設け、箱全体をサイコロに見立てる。こうして形態としての独立性が強調され、外観は内部の機能を直接的には示さない。後に設計者が語る「遊戯性」に通じる設計手法は、機能主義的計画に一石を投じ、ポストモダンの先駆的作品のひとつとなった。
1階を1室のリビング・ダイニング、2階を個室とし、階の中間に位置する3の目の真ん中は階段室の窓、5の目の真ん中はリビングのハイサイドライトとして処理されている。
数度にわたる改修を経て、外壁はサイディングボードに、窓扉はシャッターに改変され、トップライトは塞がれているが、当初のコンセプトであった形態の独立性は現在でも保たれている。