神奈川県018

HAYAMA Funny house

  • 1966年竣工
  • 設計/吉村順三
  • 施工/鹿島建設
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造一部木造地上2階地下1階建、高窓付起りスラブ屋根
  • 用途/商業・事務所建築
  • 所在地/神奈川県横須賀市

相模湾に面した三浦半島秋谷の海岸波打ち際に、高い鉄筋コンクリート造の擁壁と一体的に造られた、奥行きが浅く幅の広い低い鉄筋コンクリート造平屋建ての白い住宅である。その大屋根の中ほどの上に長い高窓が低く立ち上がり、搭屋状の1室が載り、海に面した大きな開口部を有する。室内は2戸に分かれ、それぞれ低い軒先から奥へ行くに従い屋根スラブのカーブと共に天井が高くなり、明るい快い豊かな空間が広がる。主要室である居間、食堂や書斎は海に面して配置され、床レベルも地盤面より数段下げられ、一方、付帯する諸室は反対の屋外通路側に配され、合理的に外部と連続している。
外壁は、創建時は潮風対策のため粗いコンクリート打ち放しであったが、現在は白い吹付塗料に改変された。現在は個人所有者から企業が借り受け、旅館として企画、運営、管理、活用されている。各住戸は、2棟の宿泊棟としてそれぞれのテラス上に木造のガラス張りのジャグジー浴室を増築し、元車庫を厨房に改変し、その隣室にカウンター席を設け、海側テラスを木造ガラス張りで屋内化して数席の食堂としている。宿泊施設へと用途変更して活用する際に、原型をできる限り維持し、追加施設のみを低い軒下に組み込んで増築した、好ましい活用事例といえる。

受賞歴等/神奈川県建築コンクール優秀賞