神奈川県019

昭和シェル石油株式会社中央研究所

  • 1966年竣工
  • 設計/千代田化工建設K.K.一級建築士事務所・森京介建築設計事務所
  • 施工/千代田化工建設K.K.
  • 構造形式/鉄骨造平屋一部2階建、陸屋根
  • 用途/産業施設
  • 所在地/神奈川県愛甲郡愛川町

高度経済成長期であった1965(昭和40)年頃に、研究所に求められる静かな環境と広い敷地を求め、中津渓谷に近い工業団地の一角に建てられた石油会社の研究所である。平屋および2階建ての均質な鉄骨ラーメン構造の建物複数棟で構成され、南側の正門の正面に全体のエントランスを兼ねた管理棟が建ち、その背後に池を挟んで実験室など複数の研究棟を渡り廊下で連結した構成をとる。
管理棟の意匠には、外付けのマリオンや地上から浮かせたように見せるエントランスの階段など、随所にミース・ファン・デル・ローエのイリノイ工科大学を連想させる、水平・垂直性や浮遊感を強調したディテールが見られる。構法としては、将来的な増改築を念頭に置いて鉄骨造ALC(シポレックス)構法が採用された。
この研究所では、現在も新しいエネルギー関係の開発が行なわれており、西側の2スパンは同じ構法・意匠を踏襲して増築された。現在でも少しも古さを感じさせない優れたモダニズム意匠の建築である。

受賞歴等/神奈川県建築コンクール優秀賞