神奈川県020

東海大学湘南校舎3号館

  • 1966年竣工
  • 設計/山田守建築事務所
  • 施工/大成建設
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造10階建、陸屋根、塔屋4階付
  • 用途/学校建築
  • 所在地/神奈川県平塚市

1962(昭和37)年から平塚市の丘陵地で始まった東海大学湘南キャンパス計画で建設された3号館で、敷地は1号館、2号館とともに南下がりの北側にある。地上10階建て搭屋4階付きと、キャンパス内で一番高層の校舎であり、当初は小田急線からの景観を意識して最上部に京都タワーに似たデザインの塔が計画された。
教室棟は矩形でその中廊下の先に円形のエレベーター棟が続き、学生の垂直移動には教室両端部の外階段かエレベーター棟を利用する。エレベーター棟は、中心にエレベーター、その外側を螺旋階段が巡る構造で、外側には屋上駐車場に至る螺旋状の車路が巻き付いている。教室棟のバルコニーから続く水平線がエレベーター棟の手すりへと連なり、螺旋状に上部へと巻き上がっていく様子は、建物が垂直方向に高く伸びていく様子を強調している。なお、螺旋状に巻き付く曲面状の外壁は、白色のモザイクタイルで仕上げられている。
後年、歩行者の転落防止のため車路に柵を設置した。また2011(平成23)年の東日本大震災後、教室部を免震改修し、円形のエレベーター棟との取り合い部分をエキスパンション・ジョイントとした。

受賞歴等/DOCOMOMO Japan選定・神奈川県建築コンクール佳作賞