神奈川県024

横浜市平沼記念体育館

  • 1970年竣工
  • 設計/芦原建築設計研究所
  • 施工/三木組紅梅組建設共同企業体
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造地上5階地下1階建、陸屋根(記念館)、鉄骨造2階建、ドーム屋根鉄板葺(体育館)
  • 用途/文化施設
  • 所在地/神奈川県横浜市神奈川区

第15,16代横浜市長として戦後復興に尽力し、その生涯を通じてスポーツの普及・振興に尽力したとして文化勲章を受章した平沼亮三(1879-1959)の功績を記念して建設された体育館である。三ツ沢公園の入口、公園の南端高台の不整形な敷地に建ち、円形塔状5階建て(地階付き)の記念館と楕円形2層の体育館で構成され、高低差のある狭隘な敷地の中で2つの異なる機能の建物を一体化して配置している。
体育館の屋根は円形パイプの立体トラスによる楕円シェル構造でダイナミックな空間を造り出し、一方、円筒形の記念館は中央の螺旋階段をコアとし、周囲にキャンチレバーで展示室を張り出す構造としている。4階の展望バルコニーはあたかも独楽のように突き刺さった造形が極めて印象的である。
ランドマークになっている塔と低層の体育館との対比的な配置は、同じ設計者による駒沢オリンピック公園(1964年竣工)の記念碑的な管制塔と地を這うようなシェル構造の体育館との関係を思い浮かばせる。

受賞歴等/神奈川県建築コンクール入賞