神奈川県025

東急ドエル桜台コートビレッジ

  • 1970年竣工
  • 設計/内井昭蔵設計事務所
  • 施工/東急建設
  • 構造形式/鉄筋コンクリート造6階建、陸屋根
  • 用途/住居建築
  • 所在地/神奈川県横浜市青葉区

北下り西向きの急斜面に建つ桜台コートビレッジは、東急電鉄が田園都市線沿線の地域開発計画の一環として建設した地上6階建て40戸の集合住宅である。
住戸ユニットを斜面と南北軸に対して45度振って雁行型の構成とすることで各住戸への採光やプライバシーを確保している。雁行に配した住戸ユニットは、斜面地形を活かし2~3層重ねることで各住戸に広いルーフテラスを生み出している。また、各住戸へのアクセスは、中央の広い階段から伸びるパイプスペースを兼ねた路地のような通路によってそれぞれ独立している。3.6m×3.6mグリッド6個の住戸ユニットによる雁行型の組み合わせと路地的な通路は、一方で魅力的な外部空間もつくり出し、戸建て住宅を連続結合したようなボリュームが周辺の環境になじみ、全体としても開放性ある特徴的なファサードを生み出している。
内井昭蔵が独立した最初期の作品であるとともに、菊竹事務所時代に計画策定に携わった「ペアシティ」計画のチャンネル開発方式の実例として建てられた、3つのビレジの一つであることも特筆すべき点である。
50年近く経った現在でも空室はほとんどなく、維持管理も行き届いており、当初の姿をよく留めている。

受賞歴等/DOCOMOMO Japan選定・学会賞・BELCA賞・横浜市まちなみ景観賞