神奈川県035

横浜みなと博物館

  • 1988年竣工
  • 設計/三菱地所株式会社
  • 施工/大成・大林・フジタ・山岸・馬淵建設共同体
  • 構造形式/鉄骨鉄筋コンクリート造地上1階地下1階建、陸屋根
  • 用途/文化施設
  • 所在地/神奈川県横浜市神奈川区

旧三菱重工横浜造船所(旧横浜船渠)1号ドックに帆船日本丸を誘致し、臨海部親水公園「日本丸メモリアルパーク」として整備することを決定した横浜市が、横浜市制100周年および横浜開港130周年を記念して1989(平成元)年に開催した横浜博覧会において、隣接する広場にオープンした地上1階、地下1階建ての海事博物館が「横浜マリタイムミュージアム」であり、これが2009(平成21)年の開港150周年記念事業で「横浜みなと博物館」へとリニューアルされた。
日本丸が浮かぶ1号ドック前の半円形広場に面し、扇型に広がる地下空間が博物館である。屋上は芝生斜面が丘陵状に広がる。内部は、長い柱廊状のロビーからどこからでも日本丸が見えるようにと半円形広場に面する弧状のファサードを斜めに傾いたガラス張りとし、反対側の展示室は、広い傾斜天井の下に広がる吹抜けの展示室を見下ろすようになっている。また、当館は当初から、みなとみらい地区の地域エネルギーシステムに組み込まれている。
地域エネルギーシステムのため、収蔵庫面積に比して電気や機械設備室には面積と機器能力に余裕がある一方で、地下式の扇状平面や吹き抜けなど特殊な形態ゆえの展示方法の難しさや、収蔵スペースの不足などの課題を抱えているが、それらを克服しながらの企画運営、維持管理がなされている。

受賞歴等/横浜市まちなみ景観賞・神奈川県建築コンクール奨励賞