1 趣 旨
全国で毎年約8000件近く発掘調査が実施されておりますが,国民がその成果に実際に触れる機会は,極めて限られています。このため,平成7年度から,その前年度などで特に注目された出土品を中心とした展示を構成し,全国を巡回することにより,国民が埋蔵文化財に親しみ,その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として始めました。今回で第22回となります。
2 主 催
文化庁,東京都江戸東京博物館,大津市歴史博物館,秋田県立博物館,高知県立歴史民俗資料館,北九州市立自然史・歴史博物館,全国新聞社事業協議会,東京新聞,京都新聞,秋田魁新報社,高知新聞社,西日本新聞社
3 協 力
全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会,全国埋蔵文化財法人連絡協議会,公益財団法人元興寺文化財研究所,共同通信社
4 後 援
全国史跡整備市町村協議会
5 会場及び会期
東京都江戸東京博物館 | 平成28年6月4日(土)~平成28年7月24日(日) |
大津市歴史博物館 | 平成28年8月6日(土)~平成28年9月11日(日) |
秋田県立博物館 | 平成28年9月22日(木・祝)~平成28年10月30日(日) |
高知県立歴史民俗資料館 | 平成28年11月12日(土)~平成28年12月18日(日) |
北九州市立自然史・歴史博物館 | 平成29年1月2日(月・祝)~平成29年2月19日(日) |
6 展示内容
- (1)新発見考古速報展
- (2)特集1 復興のための文化力-東日本大震災の復興と埋蔵文化財の保護-
- (3)特集2 復興の歴史を掘る
7 展示図録
『発掘された日本列島2016 新発見考古速報』文化庁編 共同通信社発行
<お問合せ>
文化庁文化財部記念物課
代表:03(5253)4111
(内線2879)
主な展示品

(1)縄文 土器
(新潟県糸魚川市:縄文時代中期 約4500年前)
ほぼ完全な形に復元された縄文時代中期の土器群です。有名な「火焔型土器」に比べ流麗で躍動感のある文様が特徴です。また文様の特徴は,東北など遠隔地域との交流を示すものも多く認められます。良好に復元できる土器がこれほどまとまって出土することは少なく,縄文社会の動態を知る上で,極めて重要な情報をもたらしてくれます。
【右下の高さ31.9㎝ 新潟県埋蔵文化財調査事業団所蔵】

(2)家形 埴輪
(広島県安芸高田市:古墳時代前期末 約1600年前)
古墳の後円部墳頂に立て並べられていた5個の家形埴輪のうち最も良好に復元できたものです。
【高さ68.3㎝ 安芸高田市教育委員会所蔵】

(3)鬼瓦
(奈良県奈良市:奈良時代 8世紀)
鬼の全身像を描いた鬼瓦です。平城宮大極殿院の建物に使用されるために作られたものとみられます。鬼瓦に「鬼」の図像を表すようになったのは奈良時代になってからで,この全身像を描く鬼瓦は最も初期に作られました。全国的に見ても平城宮に用いられる鬼瓦ほど精巧なものはほとんど知られていません。
【高さ40㎝ 奈良文化財研究所所蔵】

(4)金箔 軒 平 瓦
(京都府京都市:安土桃山時代 16世紀)
伏見城跡に伴う堀の中から出土した金箔付きの瓦です。屋根瓦の先端部分に使う軒平瓦と呼ばれる瓦で,唐草文様が表されています。豊臣秀吉に関わる城郭等に用いられる金箔瓦は,文様の浮き出た部分に金箔を貼る特徴があります。きらびやかな瓦で飾られた城は,秀吉の豪勢な生活ぶりを象徴するようです。
【幅27㎝ 京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課所蔵】
発掘された日本列島2016展ポスター(4.3MB)

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