1 趣旨
全国で毎年約8,000件近く発掘調査が実施されておりますが,国民がその成果に実際に触れる機会は,極めて限られています。このため,平成7年度から,近年発掘され特に注目された出土品を中心とした展示を構成し,全国を巡回することにより,国民が埋蔵文化財に親しみ,その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として始めました。今回で第23回となります。
2 主催
文化庁,東京都江戸東京博物館,八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館,三重県総合博物館,安城市歴史博物館,壱岐市立一支国博物館,全国新聞社事業協議会,東京新聞,デーリー東北新聞社,中日新聞社,長崎新聞社
3 協力
全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会,全国埋蔵文化財法人連絡協議会,公益財団法人元興寺文化財研究所,共同通信社
4 後援
全国史跡整備市町村協議会
5 会場及び会期
東京都江戸東京博物館 | 平成29年6月3日(土)~平成29年7月23日(日) |
八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館 | 平成29年8月5日(土)~平成29年9月18日(月・祝) |
三重県総合博物館 | 平成29年9月30日(土)~平成29年11月5日(日) |
安城市歴史博物館 | 平成29年11月18日(土)~平成29年12月24日(日) |
壱岐市立一支国博物館 | 平成30年1月13日(土)~平成30年2月25日(日) |
6 展示内容
- (1)新発見考古速報展
- (2)特集1復興のための文化力-東日本大震災の復興と埋蔵文化財の保護-
- (3)特集2発掘された水中遺跡
7 展示図録
『発掘された日本列島2017新発見考古速報』文化庁編共同通信社発行
<お問合せ>
文化庁文化財部記念物課
代表:03(5253)4111
(内線2879)
主な展示品
(1)漆塗り 土器
(山形県高畠町:縄文時代前期後半約5,800年前)
赤色の漆を塗った上に,黒色の漆で渦巻きなどの緻密な文様を描いた土器です。完全な形を残しており,赤と黒の鮮やかなコントラストは縄文時代の人々の卓越した美的感性を物語ります。文様は関東地方の特徴を示しており,地域を超えた交流の一端を示しています。
【高さ13.9㎝山形県教育庁所蔵】
(2)銅鐸
(岡山県総社市:弥生時代中期約2,100年前)
つり手に流水文と呼ばれる文様が鋳出された銅鐸です。一般的に銅鐸は集落から離れたところで偶然発見されることが多いのですが,神明遺跡では発掘調査により集落の中で埋められたままの状態で発見されました。どのように埋められたのかが調査で確認された点も,資料としての価値を高めています。
【高さ31.6㎝岡山県教育委員会所蔵】
(3)三彩 瓦
史跡
(奈良県奈良市:奈良時代8世紀)
白色・緑色・褐色の三色の
【左中央幅22.5㎝,厚さ4.4㎝奈良県立橿原考古学研究所所蔵】
(4)丸瓦 ・平瓦
(福岡県新宮町:平安時代9世紀)
漁師の底引き漁の網に掛かり引揚げられた平安時代の瓦です。表面にはフジツボやカキが付着します。福岡市の斜ヶ浦瓦窯跡で作られ,平安京へと運ぶ途中で沈んだものと考えられています。遺跡には現在も多くの瓦が沈んでいることが調査により判明しており,当時の輸送手段が船であったことがわかる,水中遺跡ならではの調査成果です。
【右下長さ35.2㎝新宮町教育委員会所蔵】
発掘された日本列島2017展ポスター(1MB)
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