(1)文化芸術活動に対する支援の在り方の抜本的見直し

 文化芸術活動に対する支援に関しては,実質的に赤字を補填する仕組みとなっているため,自己収入の増加等のインセンティブが働かないとの問題,審査・評価体制の不十分さといった助成面の課題等多くの指摘がなされており,地方における鑑賞機会の不足,地方公共団体における文化芸術予算の削減等の現状も考慮して改善を図る必要がある。これらの現状と課題及び「新しい公共」等近時の動向を踏まえ,文化芸術活動に対する支援の在り方を抜本的に見直し,効果的な振興を図ることができるよう,以下の取組を進める。


  • ◆ 文化芸術団体にとって,より経営努力のインセンティブが働くような助成方法や,民間からの寄附金と公的助成金を組み合わせるマッチンググラント等新たな支援の仕組みを導入する。
  • ◆ 寄附税制の拡充や文化芸術資源の活用を促進する税制の検討等を通じて,企業等の民間や個人からの文化芸術に対する投資拡大を促すとともに,NPO法人等「新しい公共」による文化芸術活動を支援する。
  • ◆ 専門的な審査・評価を実施し,支援策をより有効に機能させる機関として,新たに「日本版アーツカウンシル(仮称)」の導入に向けた検討を行う。このため,早急に必要な調査研究を行うとともに,可能なところから試行的な取組を開始する。
  • ◆ 地域の核となる文化芸術拠点への支援を拡充する。また,その法的基盤の整備について早急に具体的な検討を行う。
  • ◆ 美術品の国家補償制度を速やかに導入する。
  • ◆ 国立の美術館・博物館や劇場について,地域的な配置状況も踏まえ,地方のこれらの文化施設との役割・機能の分担にも十分留意しつつ,今後のあるべき姿を含め,より柔軟かつ効果的な運営を行うことができる仕組みを早急に検討する。
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