国立美術館、国立文化財機構、国立科学博物館は独立行政法人として運営されており、5年ごとに中期目標・計画を見直しながら業務運営を行っています。令和8年4月から新たな中期目標期間に入るため、文部科学省は令和8年2月27日に中期目標を策定しました。
令和8年度から令和12年度までの5年間の中期目標は、我が国の文化芸術の伝承や、我が国の文化芸術の「顔」として、これまで以上にナショナルセンターとしての存在感を国内外に示すため、展示スペースの拡充や所蔵作品の充実を図りながら、戦略的に取り組んでいくための目標としました。
今回の中期目標に対しては、多数の皆様からご質問をいただいておりますので、特に質問の多い内容につきましてお答えいたします。
Q:自己収入の数値目標を設定するのはなぜでしょうか。
A:国立博物館・美術館の大きく分けて、作品等の「収集・保管」、「教育普及」、「調査研究」、「展示」の4つ業務がある中の展示事業に対してのみ自己収入の数値目標を設定しています。それは、展示事業は各館の創意工夫により収入を増やし、良質な鑑賞者サービスの提供につなげるためです。
その他3つの業務にはしっかりと国の予算を措置してまいります。

Q:収入の目標を達成できない場合は閉館されるのでしょうか。
A:「再編」については、「閉館」を想定しているものではありません。なお、各館の展示収入が4割未満となることだけをもって、すぐに「再編」の対象とするものではありません。中期目標に記載されているように、「社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館」について、各館の役割分担等を見直すことで法人全体の機能強化を図るものです。
Q:入場料の見直し、二重価格をなぜ導入するのでしょうか。
A:近年の物価高騰により展示費用が増加するなどの影響もあること、また、国立の博物館・美術館として、鑑賞された方に十分に堪能いただける魅力的な展示や、海外から日本に訪れる方への多言語対応など、よりよい鑑賞環境を提供する上で必要な対応を行うためです。
なお、子供の無料入館等、社会的・教育的に求められる措置については実施していく予定です。
Q:収入を増やすことにより、国費が減らされるのではないでしょうか。
A:国立博物館・美術館には引き続き、しっかりと必要な予算の確保に努めてまいります。令和8年度の政府予算案には、国費(運営費交付金)に初めて物価高対応等を含めた(3法人計6.5億円増)ほか、インバウンド対応予算の創設(3法人計31億円増)などのこれまでより充実した措置を盛り込んでおります。
今後とも国立博物館・美術館が、我が国の文化芸術の「顔」として、これまで以上にナショナルセンターとしての存在感を国内外に示すことができるよう、十分な予算の確保に努め、国立文化施設の機能強化・整備に積極的に取り組んでまいります。

Q:文化財の長期展示などを検討しているとのことですが、文化財をき損することにつながるのではないでしょうか。
A:多くの方々に国立博物館・美術館を訪れていただくため、来館動機につながるような展示の強化の一環として、展示期間の拡充等の多様な鑑賞機会を確保することを中期目標に盛り込みました。一方で、素材によっては長期間の展示に耐えうると考えられる作品とダメージを受けやすい作品とがありますので、それらを区別して運用することも盛り込んでいます。それらの展示は作品に影響のない範囲で行うこと、また、必要な設備の整備も図った上で行うこととしており、作品保護の観点から最大の配慮を払った上で多くの鑑賞機会を確保することとしています。
今後とも文化行政にご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。









