1 趣旨
全国で毎年約9,000件を超える発掘調査が実施されておりますが,国民がその成果に実際に触れる機会は,極めて限られています。このため,平成7年度から,近年発掘され特に注目された出土品を中心とした展示を構成し,全国を巡回することにより,国民が埋蔵文化財に親しみ,その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として始めました。今回で第26回となります。
2 主催
文化庁,東京都江戸東京博物館,新潟県立歴史博物館,福島県立博物館,一宮市博物館,中津市歴史博物館,全国新聞社事業協議会,東京新聞,新潟日報社,福島民報社,福島民友新聞社, 中日新聞社,大分合同新聞社
3 協力
全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会,全国埋蔵文化財法人連絡協議会,公益財団法人元興寺文化財研究所,共同通信社
4 後援
全国史跡整備市町村協議会
5 会場及び会期
東京都江戸東京博物館 | 令和2年6月13日(土)~令和2年8月3日(月) |
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新潟県立歴史博物館 | 令和2年8月22日(土)~令和2年9月27日(日) |
福島県立博物館 | 令和2年10月10日(土)~令和2年11月15日(日) |
一宮市博物館 | 令和2年11月28日(土)~令和2年12月27日(日) |
中津市歴史博物館 | 令和3年1月16日(土)~令和3年2月21日(日) |
※東京都江戸東京博物館の会期は、事前の案内から変更になっていますので、ご注意ください。なお、新型コロナウィルス感染症拡大の状況によっては、各館での開催日程の変更等が生じる場合がありますので、ご注意ください。
6 展示内容
- (1)新発見考古速報展
- (2)特集1日本の自然が育んだ多様な地域文化
- (2)特集2記念物100年―我がまちが誇る史跡・名勝・天然記念物―
7 展示図録
『発掘された日本列島2020新発見考古速報』文化庁編共同通信社発行
<お問合せ>
埋蔵文化財部門
代表:03(5253)4111
(内線2879)斉藤・芝
主な展示品
(1)遮光器土偶
石船戸遺跡 出土
(新潟県阿賀野市:縄文時代晩期前葉 約3,000年前)
新潟県内で最大の大きさの遮光器土偶の頭部です。胴体部分は見つかっていませんが,残っていれば30cm以上の大型品になると思われます。首の破損部分にはアスファルトが付着しています。壊れた土偶を何度も修復し,大切にしつづけた様子がうかがえます。
【高さ8.6cm,幅8.8cm,厚さ9.0cm 阿賀野市所蔵】
(2)柄付き鉄製鉇
八日市地方遺跡 出土
(石川県小松市:弥生時代中期 2,200年前)
鉄製鉇に木製の柄が付いた完全な状態で、弥生時代のものとして初めて出土しました。柄はイヌガヤ属の芯持ち材で,鉇本体を柄に挟み込み,糸とサクラの樹皮で固定しています。柄を片手で持ち,木の表面を薄く削ったり,文様を刻み込む作業などに使われたと考えられます。
【全長16.3cm,鉇本体は長さ5.1cm,幅1.9cm 公益財団法人石川県埋蔵文化財センター所蔵】
(3)蓋立ち飾り
ニサンザイ古墳 出土
(大阪府堺市:古墳時代中期 5世紀中葉)
古墳の周濠から出土した,コウヤマキで作られた蓋形木製品 もしくは蓋形の木製立物の一部です。蓋とは,古墳時代から古代にかけて使われた貴人に差し掛ける木製布張りの傘で,上部にこうした飾りが取り付けられました。古墳の墳丘や堤の上には,埴輪だけでなくそうしたさまざまな器物を模した木製品(木製立物)を立て並べて、古墳の墳丘が飾られていたことを示します。
【上:残存長54.8cm,厚さ1.3cm,下:残存長78.1cm,厚さ1.6cm 堺市所蔵】
(4)向鶴銅製目貫金具
史跡聖寿寺館跡 出土
(青森県南部町:室町時代~戦国時代前半 15世紀後半~16世紀前葉)
この銅製品は,室町・戦国時代としては東北最大規模の掘立柱建物の柱穴から出土したもので, 刀装具の一種である「目貫金具」と考えられます。1円玉ほどの大きさの円が二つ連なり,その中に三戸南部家の家紋「向鶴」があしらわれています。中世南部家の家紋の発生とルーツを考えるうえで重要な資料です。
【長さ2.6cm,幅1.3cm,厚さ0.2cm,南部町教育委員会所蔵】
発掘された日本列島2020展チラシ(1.2MB)
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