「発掘された日本列島2021」展の開催のお知らせ

1 趣旨

全国で毎年約9000件の発掘調査が実施されておりますが,国民がその成果に実際に触れる機会は,極めて限られています。このため,平成7年度から,近年発掘調査が行われた中で特に注目された出土品を中心とした展示を構成し,全国を巡回することにより,国民が埋蔵文化財に親しみ,その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として始めました。今回で第27回目となります。

2 主催

文化庁,東京都江戸東京博物館,苫小牧市美術博物館,群馬県立歴史博物館,全国新聞社事業協議会,東京新聞,北海道新聞社,上毛新聞社

3 協力

全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会,全国埋蔵文化財法人連絡協議会,公益財団法人元興寺文化財研究所,共同通信社

4 後援

全国史跡整備市町村協議会

5 会場及び会期

東京都江戸東京博物館 令和3年6月5日(土)~令和3年7月4日(日)
苫小牧市美術博物館 令和3年7月31日(土)~令和3年9月12日(日)
群馬県立歴史博物館 令和3年10月9日(土)~令和3年11月21日(日)

※新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては、各館での開催日程の変更等が生じる場合がありますので、ご注意ください。

6 展示内容

  • (1)我がまちが誇る遺跡
  • (2)新発見考古速報
  • (3)特集記念物100年―次の100年に向けて―

7 展示図録

『発掘された日本列島2021調査研究最前線』文化庁編共同通信社発行

<お問合せ>
埋蔵文化財部門
代表:03(5253)4111
(内線2879)芝・斉藤

主な展示品

(1)ミミズク土偶(どぐう)

ミミズク土偶

下ヶ戸(さげと)貝塚 出土
(千葉県我孫子市:縄文時代晩期 約3,000年前)

粘土粒を貼付けて表現した丸く大きな目と口が特徴的で、両耳には耳飾りもみられます。表情が鳥のミミズクに似ていることから「ミミズク土偶」と呼ばれています。頭から右腕にかけての部分と、左腕・両脚がそれぞれバラバラの状態で出土しましたが、全ての破片が揃い、ほぼ完全な形に復元できました。

【高さ15.5cm,幅9.8cm,厚さ5.5cm 我孫子市教育委員会所蔵】

(2)人形(ひとがた)容器

人形容器

高崎競馬場遺跡 出土
(群馬県高崎市:弥生時代中期 2,000年前)

壺形土器の一部に人面表現が加えられた容器で、口の部分には歯の表現がみられる大変珍しいものです。二重に描かれた目は信州で出土している同種の土器の特徴とも共通し、耳にはピアス用の穴、頭にはヘッドバンドか帽子のような被り物が表現されています。弥生人の信仰の一端を示す貴重な資料です。

【高さ15.5cm,幅11.0cm,厚さ8.5cm (公財)群馬県埋蔵文化財調査事業団所蔵】

(3)()(がみ)(もん)(おび)(かな)()

獅噛文帯金具

牟田辺(むたべ)遺跡 出土
(佐賀県多久市:古墳時代後期 5世紀末~6世紀初頭)

5世紀末に築造された9号墳の石室から出土した帯金具です。獅子のような獣の顔が表現されていることが特徴で、類例は朝鮮半島と国内あわせて10数例しか確認されていません。また、大半が帯飾りの一部分の金具しかみつかっていない中、本遺跡ではまとまった状態で出土しており、当時の帯飾りの全容が初めてわかりました。

【長さ2.8cm,厚さ1.3㎝ 多久市教育委員会所蔵】

(4)(そう)(ぎょう)(しん)(りゅう)(ぞう)

僧形神立像

大南遺跡 出土
(山形県米沢市:室町時代~戦国時代 15世紀~16世紀)

剃髪頭で耳は福耳状をなす僧形の神像です。唇部分は赤く彩色されており、ヤナギ属が素材に用いられています。腕を胸の前で組み、岩座風の台座もみられます。領主の屋敷を区画する溝から出土したもので、当時の神仏習合の様子がわかる珍しい資料です。

【高さ20.3cm,幅4.5cm,厚さ2.5cm,米沢市教育委員会所蔵】

発掘された日本列島2021展チラシ(1.81MB)

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