「発掘された日本列島2023」展の開催のお知らせ

1 趣旨

全国で毎年約8000件の発掘調査が実施されておりますが、国民がその成果に実際に触れる機会は、極めて限られています。このため、平成7年度から、近年発掘調査が行われた中で特に注目された出土品を中心とした展示を構成し、全国を巡回することにより、国民が埋蔵文化財に親しみ、その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として始めました。今回で第29回目となります。

2 主催

文化庁、山梨県立考古博物館、対馬博物館、全国新聞社事業協議会、山梨日日新聞社、長崎新聞社

3 協力

全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会、全国埋蔵文化財法人連絡協議会、公益財団法人元興寺文化財研究所、共同通信社

4 後援

全国史跡整備市町村協議会

5 会場及び会期

山梨県立考古博物館 令和5年9月16日(土)~10月29日(日)
対馬博物館 令和5年11月11日(土)~令和6年1月8日(月・祝)
アフター発掘された日本列島2023展
平城宮いざない館
令和6年1月20日(土)~2月11日(日)

※アフター発掘された日本列島2023展では、新発見考古速報の一部などが展示の対象外となります。

6 展示内容

  • (1)我がまちが誇る遺跡
  • (2)新発見考古速報
  • (3)特集 遺跡から読み解く多様な歴史文化

7 展示図録

『発掘された日本列島2023 調査研究最前線』文化庁編 共同通信社発行

<お問合せ>

埋蔵文化財部門

代表:075(451)4111

(内線9764)大澤・長

主な展示品

装飾付器台

(1)装飾付器台

大石古墳 出土 <我がまちが誇る遺跡>

(大阪府八尾市:古墳時代後期 6世紀)

装飾が豊富な須恵器の器台。口縁部には、ミニチュアの𤭯(はそう)短頸(たんけい)()、その間には鳥が巡るように飾られています。こうした装飾を加えた須恵器は、横穴式石室に副葬される祭具の一つでした。

【高さ57㎝、八尾市教育委員会所蔵】

(2)土面(どめん)・土偶・土版(どばん)・土製耳飾・()(だま)

土面・土偶・土版・土製耳飾・土玉

大久保貝塚 出土 <新発見考古速報>

(宮城県南三陸町:縄文時代晩期 約3000年前)

土面(左)は土製の仮面で、顔面にあてるなどして儀礼に用いられたと考えられています。左上部や下部は失われていますが、眉は立体的で、口には粘土粒の貼り付けによる前歯が3本みられます。頭部にはπ(ぱい)()(もん)と呼ばれる文様が描かれています。

【土面 縦15.3㎝ 宮城県教育委員会所蔵】

(3)子持(こもち)勾玉(まがたま)

子持勾玉

北大竹遺跡 出土 <新発見考古速報>

(埼玉県行田市:古墳時代後期 6世紀)

子持勾玉とは、大型の勾玉の表面に勾玉の小型省略形(子)をつくりだしたもので、増殖に関する呪術的な遺物と考えられています。勾玉の背、腹、両側面に子を持つものが基本ですが、省略化が進行し、子は突起のみの表現となっています。

【長さ11.8m 埼玉県さきたま史跡の博物館所蔵】

(4)十六間筋(じゅうろっけんすじ)(かぶと)

騎西(きさい)(じょう)跡・騎西城武家屋敷跡 出土 <新発見考古速報>

十六間筋兜

(埼玉県加須市:戦国時代 16世紀)

シコロと吹返し、正面には前立を立てる(はらい)(だて)を備え、小札の大きさ、素材、平面形が円形となる鉢の形状などから越後系の兜と考えらえます。永禄6(1563)年の上杉謙信による騎西城攻略の際に、上杉方の武将が着用していたものと推定されています。

【最大幅26.5㎝、高さ15㎝、加須市教育委員会所蔵】

ページの先頭に移動