1 趣旨
全国で毎年約8000件の発掘調査が実施されておりますが、国民がその成果に実際に触れる機会は、極めて限られています。このため、平成7年度から、近年発掘調査が行われた中で特に注目された出土品を中心とした展示を構成し、全国を巡回することにより、国民が埋蔵文化財に親しみ、その保護の重要性に関する理解を深めることを目的として始めました。今回で第31回目となります。
2 主催
文化庁、佐世保市教育委員会、佐世保市博物館島瀬美術センター、京都府立山城郷土資料館、三重県総合博物館、郡山市歴史情報博物館、全国新聞社事業協議会、長崎新聞社、京都新聞、中日新聞社、福島民報社、福島民友新聞社
3 協力
全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会、全国埋蔵文化財法人連絡協議会、公益財団法人元興寺文化財研究所、共同通信社
4 後援
全国史跡整備市町村協議会
5 会場及び会期
佐世保市博物館島瀬美術センター | 令和7年7月12日(土)~令和7年8月24日(日) |
京都府立山城郷土資料館 | 令和7年9月6日(土)~令和7年10月5日(日) |
三重県総合博物館 | 令和7年10月18日(土)~令和7年12月14日(日) |
郡山市歴史情報博物館 | 令和8年1月6日(火)~令和8年2月22日(日) |
6 展示内容
- (1)我がまちが誇る遺跡
- (2)新発見考古速報
- (3)特集 遺跡から読み解く多様な歴史文化
7 展示図録
『発掘された日本列島2025 調査研究最前線』文化庁編 共同通信社発行
<お問合せ>
埋蔵文化財部門
代表:075(451)4111
(内線9764)大澤・田中
8 主な展示品
(1)山上碑

特別史跡山上碑及び古墳 <我がまちが誇る遺跡>
(群馬県高崎市:飛鳥時代後半 7世紀後半)
放光寺の僧長利が母の黒売刀自の供養のために建立した石碑。完形の石碑としては国内最古です。展示は複製品となります。
【高さ110㎝、高崎市教育委員会所蔵】
(2)銅矛と木柄

顕孝寺遺跡 出土 <新発見考古速報>
(福岡県福岡市:弥生時代中期 約2200年前)
矛とは、筒状の部分に棒状の柄を差した槍のような武器です。青銅器は銅と錫の合金で、鋳造時は金色に輝いていました。顕孝寺遺跡の出土品は初期の国産品に位置づけられます。また、木柄の先端が残っていたことは非常に珍しく、国内初の事例です。
【左 長さ35.1㎝ 福岡市埋蔵文化財センター所蔵】
(3)男子埴輪

陵東遺跡 出土 <新発見考古速報>
(大阪府羽曳野市・藤井寺市:古墳時代中期 5世紀後半)
頭部に十字の帯を持つ砲弾型の帽子を被る男子の埴輪。この埴輪は5世紀後半に製作されたと考えられますが、6世紀後半に掘削されたとみられる溝から、人為的に壊され、頸部と胴体が切り離された状態で出土しました。何らかの祭祀に伴うものと考えられています。
【高さ75m 大阪府教育委員会所蔵】
(4)極印鑽
御土居跡 出土 <新発見考古速報>

(京都府京都市:江戸時代 16世紀)
慶長6(1601)から元禄8(1695)年まで95年間鋳造された慶長丁銀に、極印(品質保証のための刻印)を打つための鑽。「常是」の文字と大黒天の像が陰刻されています。これを打ち込むことで正式な丁銀としました。
【長さ約11.3㎝:京都市考古資料館所蔵】