Q&A集答え

マークを付けるとき

【そもそも・・・】

Q1.  著作者が「自由利用マーク」を付けると,どんなメリットがあるのですか?
  A. 

自分の創った作品(著作物)が多くの人に広く利用してもらいやすくなります。
他人が創った著作物を利用するときは,特別な場合(文化庁ホームページwww.bunka.go.jpを参照)を除き,その著作物を創った人(著作者)の了解が必要です。しかし,あなたの創った著作物を利用したいと思っても,「了解が得られるかどうかわからない」「すぐ使いたいがいつ返事がくるかわからない」などの理由から利用をあきらめる人もたくさんいると思われます。
あなたが,「一定の範囲内であれば,あなたへの連絡や利用料の支払いなしに著作物を使ってもらってもかまわない」と考えている場合,「自由利用マーク」を付けるとあなたの考えを利用者にきちんと伝えることができますから,あなたの創った著作物が利用されやすくなり,多くの人にあなたの作品を知ってもらえる可能性が広がります。

Q2.  「自由利用マーク」は,何に基づくマークなのですか?
  A. 

「自由利用マーク」は,著作物を創った人(著作者)が,「一定の範囲内であれば,自分の創った著作物を,連絡や利用料の支払いなしに自由に使ってもらってよい」ということを表すマーク(意思を表示するマーク)です。
著作者の意思表示を,一目でわかるようにマークという形にしただけで,法律や規則等に基づくマークでもありません。このマークを付けるか付けないか,付けるとしたらどのマークを付けるかは,著作者の自由ですし,マークを付けるときに届け出が必要というものではありません。著作者が自由に利用できるマークです。

Q3.  著作物を創作したら,必ずマークを付けなければいけないのですか?
  A. 

いいえ。
「自由利用マーク」を付けるか付けないか,付けるとしたらどのマークを付けるかは著作者の自由です。
「自由利用マーク」は著作物を創った人(著作者)が「一定の範囲内であれば,自分の創った著作物を,連絡や利用料の支払いなしに自由に使ってもらってよい」と考えた場合に,その意志を表示するためのマークであり,一度付けるとその撤回は困難なため,よく考えた上で付けるようにしてください。はっきりとした意思がない場合には付けるべきではありません。

Q4.  3つのマーク全て付けないといけないのですか?
  A. 

1つでも2つでも結構です。
「自由利用マーク」は,著作物を創った人(著作者)が,マークが示す目的・方法の範囲内であれば,「自分の創った著作物を,連絡や使用料の支払いなしに自由に使ってもらってよい」ことを意思表示するものです。著作者は,どういう場合に自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいかということを考え,それに合ったマークがあれば,1つでも,2つでも,3つ全部でも,自由に選んで付けることができます(自分の考え方に合うマークがなければ付けないでください)。なお,全ての選択に対応したマークがダウンロードできるようになっております。
 また,障害者のための利用を認めるマークとしては,「障害者のための非営利目的利用OKマーク」の他に,EYEマーク・音声訳推進協議会が定めた「EYEマーク」もありますので,著作者は自分の考えに合ったマークを利用してください。

Q5.  「自由利用マーク」を加工して,別の利用を示す新しいマークを勝手に作ってもいいですか?
  A. 

勝手にマークを作ってはいけません。
「自由利用マーク」は,著作物を創った人(著作者)が,マークの示す目的・方法の範囲内であれば,「自分の創った著作物を,連絡や使用料の支払いなしに自由に使ってもらってよい」ことを,利用者に意思表示するためのものですから,マークを付ける人とマークの付けられた著作物を利用する人が,マークの意味をきちんと理解しておくことが必要です。「自由利用マーク」を加工して勝手に新しいマークが作られた場合,著作者の意志がうまく利用者に伝わらず,著作権侵害を助長する恐れがありますので,勝手にマークを加工して新しいマークを作ることは禁止しています。

Q6.  マークの内容を勘違いして付けてしまった場合,マークは無効になりますか?
  A. 

無効とはなりません。
マークの付けられた著作物を利用しようとする人には,マークが勘違いにより付けられたものかどうかはわかりません。
「マークを付けるときの注意」に書かれているとおり,マークの内容を十分に理解した上でマークを付けることがルールとなっていますので,そのルールを守らずに付けられたマークは有効と考えられます。必ずマークの内容を十分に理解し,よく考えてから付けるようにしてください。

Q7.  後でマークを取り消すことはできますか?
  A. 

取り消すことはできません。
「自由利用マーク」が付けられた著作物は,多くの人により様々な場所で利用されることになりますので,たまたま,ある利用者から利用前に問い合わせがあり,その時に取り消したい旨を伝えられた場合は別ですが,マークを付けた後に,マークの付いた著作物を利用したいと考えている人に確実に取り消しの意思表示を伝える方法はありませんから,マークは取り消すことができないと考えるのが適当です。
ただし,(使用期限:~平成○○年○○月)のようにマークに使用期限を付すことは可能ですので,暫くして他人に利用されることを望まない可能性がある場合には,マークを付さないか,使用期限を付すことを検討する必要があります。 必ずマークの内容を十分に理解し,よく考えてから付けるようにしてください。

【付けられる"人"】

Q8.  著作物を創った後,他人に著作権を譲渡したのですが,マークを付けられますか?
  A. 

自分の意思だけでは付けることはできません。
 著作権を他人に譲渡した著作物にマークを付けるには,著作物を創った人(著作者:人格権をもつ)と譲受人(財産権をもつ)の全員の合意が必要です。合意していないにも関わらず,マークを付けた場合には,合意していなかった人から後で訴えられるなどトラブルになる可能性があります。マークを付ける際には,誰かに著作権を譲渡していないか,譲渡している場合は,全員の合意があるかどうかをよく確認してから付けるようにしてください。
 注:著作権には人格権と財産権があり,人格権は譲渡できませんが,財産権は譲渡できます。

Q9.  他の人と一緒に創った著作物に,勝手にマークを付けられますか?
  A. 

自分の意思だけでは付けることはできません。
 複数の人が共同して一つの著作物を創った場合は,全員が著作者になりますので,マークを付けるためには全員の合意が必要です。合意していないにも関わらずマークを付けた場合には,合意していなかった人から後で訴えられるなどトラブルになる可能性があります。

Q10.  学校の授業で生徒が創った作品に,先生はマークを付けられますか?
  A. 

付けることはできません。
 学校の授業中に生徒が創った作品については,それを創るときに先生がアドバイスしていたとしても,著作者はその作品を創った生徒になります。マークを付けられるのは著作者ですから,先生が勝手にマークを付けることはできません。

Q11.  親友から自作の小説をインターネットに掲載するよう頼まれましたが,多くの人に読んでもらえるようマークを付けてもいいですか?
  A. 

付けることはできません。
 マークを付けることができるのは著作物を創った人(著作者)ですので,著作者ではないあなたは勝手にマークを付けることはできません(もちろん,「付けてくれ」と頼まれていた場合は別です)。たとえ親切心でマークを付けたとしても,勝手にマークを付けたということで,親友である著作者から損害賠償などを請求される可能性があります。

【付けられる"著作物"】

Q12.  おもしろい小説があったので英語に翻訳し,その翻訳物に勝手にマークを付けてもいいですか?
  A. 

自分の意思だけでは付けることはできません。
 他人の著作物を「原作」として,翻訳などの「加工」を行うためには,「原作」の著作者(原作者)の了解が必要ですし,その翻訳物(加工品)を利用する場合には,加工品の著作者であるあなただけでなく,原作者の了解も必要です。「自由利用マーク」は一定の範囲内であれば著作物を利用してもかまわないという意思を表示するものですので,加工品にマークを付ける場合は,原作者の同意が必要です。

Q13.  「部品」として使われる著作物にはどのようなものがありますか?
  A. 

自分で創ったから・・・と思っている著作物でも,実は他の人の著作物を「部品」として利用している場合が多くあります。したがって,マークを付ける前に「部品」として他の人の著作物を利用していないかどうかを確認することが必要です。
 「部品」として使われる著作物としては,ホームページでいえば,解説文,写真,画像,音楽(曲,詞,演奏)などがあります。動画でいえば,あらすじの脚本,音楽(曲,詞,演奏),写真,差込画像などがあります。また,そこで使う差込画像に含まれる音楽や脚本も「部品」として使っていることになります。
 なお,こうした複雑な権利関係について,後でトラブルが起きるのを防ぐために,「自由利用マーク」では"動画"と"音楽"にはマークを付けられないこととしています。

Q14.  ヒット曲を自分で演奏や録音したものに,マークを付けることはできますか?
  A. 

付けることはできません。
 あなたが演奏し,録音したものであっても,使われている音楽の著作者はあなたではありませんので,あなたが勝手にマークを付けることはできません。
 音楽の場合,自分で演奏や録音をすると自分が作ったものと思いがちですが,実際には,作曲した人,作詞した人,編曲した人,歌った人,伴奏した人,録音した人など多くの人が関係しています。音楽の場合,勘違いや確認漏れなどによりトラブルが生じる可能性が高いため,マークは付けないでください。

Q15.  自分で撮った学芸会のビデオに,マークを付けることはできますか?
  A. 

付けることはできません。
あなたが撮ったビデオであっても,ビデオの中には,音楽,脚本,出演者の演技など様々なものが「部品」として使われていますので,あなたが勝手にマークを付けることはできません。
 一般的に,ビデオやアニメなどの動画には,動画を創った人が意識していなくても,写真,美術,音楽,脚本,原作,俳優の演技など様々な「部品」が使われており,それを利用するためには全員の了解が必要です。動画の場合も音楽と同様に,勘違いや確認漏れなどによりトラブルが生じる可能性が高いため,マークは付けないでください。

Q16.  自分が撮ったものであれば,集合写真に勝手にマークを付けることはできますか?
  A. 

自分の意思だけでは付けることはできません。
 集合写真の著作者は写真を撮ったあなたですが,集合写真には他人の顔などが写っており,写った人にはそれぞれ肖像権(自分の肖像を他人にみだりに使われない権利)があります。そのため,他人が写っている写真にマークを付けるには,写っている人全員の同意が必要です。

【付ける"場所"】

Q17.  複数の著作物があるとき,どのようにマークを付ければいいのですか?
  A. 

どの著作物にマークが付けられているか明確になるようにマークを付けてください。
 マークを付ける位置は,著作物の中でも外でも結構ですが,外に付ける場合は誤認されることのないよう,なるべく著作物の近くに付けてください。
 画面構成上,著作物とマークが離れてしまうときは,例えば,「このマークはこのページの○○に付けられたものです」というように,どの著作物にマークを付けたのか明記してください。
 他人の著作物を対象にしているような誤解を与える位置にマークを付すと,後でトラブルになることがありますので注意してください。

Q18.  作品の芸術性に影響するため,離れたところにマークを付けたいのですが,どのように付ければいいのですか?
  A. 

どの作品に付けたマークなのか明記してください。
 画面構成上,著作物とマークが離れてしまうときは,例えば,「このマークはこのページの○○作品に付けられたものです」というように,どの著作物にマークを付けたのか明記してください。

Q19.  ホームページにマークを付ける場合,サイト全体で一つのマークを付ければいいのですか?
  A. 

サイト全体で一つのマークでは不適切です。
 「自由利用マーク」は,「部品」ごとに,その「部品」がマークの対象であることが明確となる位置に付けるのが原則です。しかし,ページ内の全ての著作物又は複数の著作物に同じマークを付ける場合には,どの著作物に付けられたかを明記した(例えば,「このマークはこのページの全ての著作物に付けられたものです。」とマークに付記する。)上で,まとめて一つのマークとすることができます。
 サイトの中には他人のサイトへのリンクが多数含まれていることから,サイト全体で一つのマークとすると,その対象範囲が不明確ですし,また,途中のページから見始める利用者もいますので,まとめてマークを付ける場合でも,ページごとに付ける必要があります。

【その他】

Q20.  マークに,例えば「1枚1円」など利用料を求めることはできますか?
  A. 

利用料を求めることはできません。
 「自由利用マーク」はマークが定める方法・目的の範囲内であれば,連絡や利用料の支払いなしに自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよい場合にその意思を表示するマークです。利用料の支払いを条件に利用を認める場合には,「自由利用マーク」は付けられません。

Q21.  著作物を利用してもらうときに,自分の名前を付けてもらうことは可能ですか?
  A. 

可能です。
 著作物を創った人(著作者)には,自分の創った著作物に,自分の名前を付けるか付けないか,付けるとしたらどんな名前にするかを決める権利(氏名表示権)を持っています。したがって,マークを付ける著作物に自分の名前を表示しておけば,利用者は著作物を利用する際,その名前を表示することになっています。

Q22.  「EYEマーク」と「自由利用マーク」との違いは何ですか?
  A. 

利用できる範囲や条件が異なります。
 両マークとも利用に係る著作物を創った人(著作者)の意思を表示するためのマークですが,「自由利用マーク」は利用できる範囲や条件が固定されているのに対し,「EYEマーク」は利用できる範囲や条件を記述できるようになっています。そのため,特段の限定なく障害者のために利用してもらってよい場合には「自由利用マーク」の方が適していると思われますが,より細かく利用条件を設定したい場合(例えば,「録音図書」「拡大写本」のみを認める場合や,利用した際には報告して欲しい場合)には「EYEマーク」の方が適していると思われます。いずれにしても,両マークの内容をよく理解した上で,自分の意思に合ったマークを選択するようにしてください。

マークのある著作物を利用するとき

【そもそも・・・】

Q23.  「自由利用マーク」が付けられていると,どんな利用ができるのですか?
  A. 

マークが示す目的・方法の範囲内であれば,改めて著作者に連絡したり,利用料を支払ったりせずに,その著作物を利用できます。
 「自由利用マーク」には,「プリントアウト・コピー・無料配布OKマーク」「障害者のための非営利目的利用OKマーク」「学校教育のための非営利目的利用OKマーク」の3つのマークがあり,それぞれ著作物を利用できる目的・方法が異なっていますので,「マークのある著作物を利用するときの注意」をよく読んで,利用の目的・方法がマークの示す範囲内であることを必ず確認した上で,著作物を使うようにしてください。

Q24.  「自由利用マーク」とはどういう位置付けのマークなのですか?
  A. 

「自由利用マーク」は,著作物を創った人(著作者)が,どういう場合に自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいかということを表すマーク(意思表示マーク)です。
 また,「自由利用マーク」は,法律や規則等に基づくマークではありませんので,仮にトラブルが起きた場合には,一般の裁判手続になります。

Q25.  著作者に「自由利用マーク」を付けさせることはできますか?
  A. 

付けさせることはできません。
 「自由利用マーク」を付けるか付けないかは著作者本人が決めるものであり,付けることを義務付けるものではありませんので,利用者又は第三者が著作者に対しマークを付けさせようとするのは筋違いです。

Q26.  どういう著作物にマークが付けられているのですか?
  A. 

「自由利用マーク」を付けるか付けないかは著作物を創った人(著作者)の自由ですし,マークを付けたことを届け出たり報告したりすることもありませんから,どういう著作物にマークが付けられているかはわかりません。
 なお,「自由利用マーク」は,著作者への連絡や利用料の支払いなしに著作物を利用してかまわないとの意思を表示するマークですので,元々無料で提供している著作物(ホームページや広報・PR用の資料などに掲載された著作物)は,比較的マークが付けられやすいものと思われます。いずれにしても,マークが付いているかどうか,どのマークがどの著作物に付けられているのかをよく確認した上で,著作物を使うようにしてください。

【利用に当たって】

Q27.  マークの内容を十分に理解せずに,そのマークが示す目的・方法の範囲外の利用をしてしまった場合,違法となりますか?
  A. 

違法になります。
 「自由利用マーク」には,それぞれ著作物を利用できる目的・方法が定められており,その範囲内であれば著作物を利用してかまいませんが,その範囲外の利用を行う場合は,マークが付いていない著作物と同様,著作物を創った人(著作者)の了解が必要になります。そのため,マークのある著作物を利用するときは,文化庁ホームページにある「マークのある著作物を利用するときの注意」をよく確認するようにしてください。
 なお,著作権法に定められている"例外的に著作者の了解なしに著作物を利用できる場合"に該当するときは,マークの有無に関わらず,著作物を利用することができます。

Q28.  マークに付けられている期限内にコピーしておいたものを,期限後に配布することはできますか?
  A. 

できません。
 期限後は「コピー」「配布」「送信」など,著作権が及ぶすべての行為を無断で行えなくなるので,期限後に残っている複製物を配布することはできません。期限が付けられている著作物については,計画的に利用するようにしてください。
 なお,著作物を「見る」ことなどには著作権が及んでいませんので,期限前に配布されたものを期限後も(「コピー」などを伴わず)単に「見たり」「聞いたり」することは可能です。また,著作権法に定められている"例外的に著作者の了解なしに著作物を利用できる場合"に該当するときは,期限後であっても,著作物を利用することができます。

Q29.  マークのある著作物を利用するときに,マークは付けられますか?
  A. 

付けることはできません。
 マークを付けることができるのは,著作物を創った人(著作者)だけですので,マークのある著作物を利用するときは,その著作物にマークを付けないでください。親切心でも「自由利用マーク」を付けてはいけません。
 ただし,マークが写真の中に付けられているなど著作物と切り離すことが困難な場合には,マークの付いた状態で利用することができます。

Q30.  売り出されたばかりの人気ソフトが個人のホームページにマークが付けられて掲載されているなど,
「ありえないのでは?」と思う場合に,確認せずに利用すると違法となりますか?
  A. 

違法となります。
 著作物を創った人(著作者)が,売り出されたばかりの人気ソフトを利用料なしで自由に利用してかまわないということは通常考えられませんし,一般の人のホームページに掲載することも通常考えられません。このように,「誰がどうみてもおかしい」と思われる場合,確認もせずに利用すると,重大な過失があるとみなされ,違法な利用になると考えられます。

第三者の行為

Q31.  他人の著作物にわざとマークを付した場合,違法となりますか?
  A. 

違法となります。
 気軽な気持ちやいたずら半分であっても,他人の著作物にマークを付けた場合(いわゆる「なりすまし」をした場合),損害賠償などを請求されるだけでなく,「著作権法」「刑法」「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」などにより罰せられることがありますので,他人の著作物には絶対にマークを付けないでください。

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