第1回埋蔵文化財保護の在り方に関する実務者会議議事要旨

埋蔵文化財保護全般について意見交換

  • 〇 発掘調査について、大規模工事の場合、環境影響評価手続き(アセスメント)の際にも文化財部局と協議しており、更に民間の土地利用の制限をかけているなど、一定の手続きを経て事業も進めている。その上でとなると、文化財行政の方で公共事業に対してもきっちりとした説明ができるようなことを考えてもらわないといけない。
  • 〇 工事中などに重要な遺跡が出てきて事業計画などを変更しなければならない場合、サンクコストの発生、完成時期が遅れることによる事業効果の減少、次の工事受注計画が立たなくなるなど、色々な影響があるが、そういうものに対しての補償は当時考えられていなかったのか。
  • 〇 文化財側と開発側の共存ということをテーマに議論するということであれば、人と金の見通しも含めてそれらがサステナブルになっているかということもセットで検討すべき。重要な埋蔵文化財を残したいことは分かるが、記録保存の方が圧倒的に多いので、そのようなところもサステナブルにできるような仕組みを作っていければと思う。
  • 〇 開発側の視点に立って、リスクを回避するためにも、埋蔵文化財の中でもより重要性が高いものについては要注意のような制度を作っていくことや、地域の重要な文化資源に対する知識があまりにも共有できていないこともあるので、文化財側がもう少し開発側へ説明や働きかけが出来るような姿勢を今後充実していくべきだと思う。
  • 〇 国と地方の意識の乖離があるのではないかとの指摘が問題意識としてある中で、特に重要なものについて整理(リスト化)し、事前に相談できるようにということは大事だが、リストに掲載されないものについて、国が何らか情報を得た時には、国はまずは地方公共団体と情報共有して、従来の流れで保護に向けて指導・助言をするのではないか。
  • 〇 これまでの話は開発側から文化財側になされる質問でもあるので、どこかでまとめておくのはありではないか。文書などでまとまるのであればマニュアルとして今後も使っていけるものとなるので、今までの課題も含めて書いていただけると助かる。
  • 〇 埋蔵文化財の対応に伴って、単純に事業費の増加のみではなく、地域経済や権利者等、広く影響する。それ相応の補償をやるべきであり、そのためのルールをつくるべき。また文化財行政においても事業への影響に関する説明責務を果たすべき。現行制度における周知の埋蔵文化財包蔵地に関する規制等を強化することは、開発事業者への負担が増加するため、受け入れられない。指定相当の埋蔵文化財をどう位置付けていくのか、整理をしていただきたい。
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