第2回埋蔵文化財保護の在り方に関する実務者会議議事要旨

埋蔵文化財保護と開発事業との調整等の実例について意見交換

  • 〇 国道建設について、40年近くかけてルート変更や設計のやり直しを行いながら御苦労されている。文化財側と開発側共に苦労していることから、リストの精度を上げていく、メリハリをつける、事業計画に着手する前から周知していくことが重要だと感じた。
  • 〇 この30年ぐらいの間で埋蔵文化財の調査の蓄積がかなりあり、歴史研究や様々な分野との連携もあって、色々な遺跡の情報が整理されてきている。その為、現時点でこれから重要なもののリスト化を進めて、それが保存と開発事業との円滑な調整につながると思う。
  • 〇 史跡指定を目指す時、自治体から文化庁に協議する際のチェックリストのようなものはあるのか。無いのであれば、今後ルール化、「見える化」をしていく方がよい。
  • 〇 何が文化財であり、何が価値があるのかというのは開発側において説明していくことは難しく、文化財側に説明してもらわないといけないことはよく分かる。その際、色々な形で開発者側に要望をいただくが、要望は、盛り上げていくという意味では大事なのかもしれないが、多方面から一斉に要望されると受ける側としては辛い。何か良いやり方がないのかと思う。
  • 〇 特に重要な埋蔵文化財包蔵地、史跡相当の遺跡をリスト化することは大変難しい側面があると考える。異なる自治体で、同じような価値をもつ遺跡があったとしてもリスト化した際に同じように上がってくるとは限らない。広域で議論することも必要であり、むしろ都道府県が指導する必要があると思う。リスト化の実際の作業工程が課題。
  • 〇 既に中世城館などはリスト化されていると聞いているが、地方自治体のほうでも文化財を使った町づくりを悪く思わず、期待しているところもあるように思う。リストは自治体と共有されているのか。リスト化されたものは更に調査が進んでまちづくりに資するような計画作りができる等ポジティブな仕掛けがあればいいと思う。
  • 〇 文化財保護法の改正により、自治体ごとに文化財保存活用地域計画を定められるようになった。きちんと市の政策として組み込んでいくということも加わり、町づくりとのつながりも重要になってきている。立ち遅れていた文化財が前向きに文化財を活用する、それは重要なものをあらかじめ開発側の皆様にお知らせすることにもつながると思う。
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