文化審議会著作権分科会(第36回)議事録・配布資料

  • 日時:平成24年3月29日(木)
  • 16:00 ~17:30
  • 場所:グランドアーク半蔵門 4階 富士 東の間

【議事】

  1. 1 開会
  2. 2 議事
    1. (1)文化審議会著作権分科会長の選出について
    2. (2)小委員会等の設置について
    3. (3)その他
  3. 3 閉会

【配布資料】

資料1
文化審議会著作権分科会委員名簿(156KB)
資料2
小委員会の設置について(案)(180KB)
資料3
第12期文化審議会著作権分科会 各小委員会における検討について(184KB)
参考資料1
文化審議会関係法令等(180KB)
参考資料2
著作権法の一部を改正する法律案の概要

【議事内容】

  • ○ 今期の文化審議会著作権分科会委員を事務局より紹介した。
  • ○ 本分科会の分科会長の選任が行われ,土肥委員が分科会長に決定した。
  • ○ 副分科会長について,土肥分科会長より中山委員が副分科会長に指名された。
  • ○ 会議の公開について運営規則等の確認が行われた。

※ 以上については,「文化審議会著作権分科会の議事の公開について」(平成二十二年二月十五日文化審議会著作権分科会決定)1.(1)の規定に基づき,議事の内容を非公開とする。

【土肥分科会長】
   それでは,本日は今期,最初の著作権分科会となりますので,近藤文化庁長官から一言ごあいさつを頂きたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
【近藤文化庁長官】
  改めまして,文化庁長官,近藤でございます。
 文化審議会著作権分科会の第12期,通しでは第36回だそうでございますが,開会に当たりまして,一言ごあいさつを申し上げます。
 まずは委員の先生方におかれましては,公私ともに大変御多用の中,委員を引き続き,あるいは今回新たにお引き受けいただきまして,まことにありがとうございます。
 前期の分科会におきましては,著作権法第30条の私的使用のための複製,あるいは間接侵害等,多くの案件が検討事項となっております。これらの問題は,毎日のようにデジタルネットワークの技術が進歩する中で,大変複雑な利害関係が絡んでおりまして,なかなか解決が難しい問題でございます。また,これ以降も今後も新しい問題が生ずるかもしれません。逆に,技術の発展が新しい解決をもたらすかもしれません。そういう,なかなか不透明な中で,権利者の権利を保護しながら,しかし著作物の普及を図っていくという微妙なバランスをとっていくには,どういう体制がいいか,どういう政策がいいかにつきまして,先生方のお知恵やアドバイスを引き続きいただく必要があろうかと思います。是非ともよろしくお願いいたします。
 先ほど,事務局より御紹介させていただきましたが,昨年1月に,この分科会で取りまとめていただきました報告書をもとに,著作権法の一部を改正する法律案が3月9日に閣議決定いたし,今,国会に提出されております。まだ,この時点ではっきりと見通しはわかりませんけれども,今国会成立に向けて,文化庁としても全力を挙げてまいりたいと思いますので,先生方の御支援を引き続きお願いしたいと思います。
 今年は主要国のリーダーの選挙があり,またユーロ危機は一応静まりつつあるようには見えますが,引き続き,世界経済の情勢は予断を許しません。新興国もやや陰りが見えている傾向もございます。政治経済の行く先が非常に不透明な中で,著作権,デジタル関係の技術は,引き続きどんどん進歩していくだろうと思います。そういう中で,どうやって先ほど申し上げましたような,権利者の権利の保護と著作物の普及のバランスをとっていくのは,非常に難しい問題であることをつくづく痛感する次第でございます。
 どうか引き続き先生方のお知恵やアドバイスをお願い申し上げまして,簡単ではございますけれども,私のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 次に,文化審議会著作権分科会,運営規則第3条第1項の規定に基づきまして,小委員会の設置につき,決定したいと存じます。今期の小委員会の設置案につきまして,事務局から説明をお願いいたします。
【池村著作権調査官】
   資料2に基づきまして,小委員会の設置について説明をさせていただきます。資料2におきましては,案といたしまして,1にもございますとおり,文化審議会著作権分科会,運営規則第3条第1項に基づきまして,法制問題小委員会と国際小委員会を本分科会に設置する旨を記載させていただいております。各委員会における審議事項につきましては,次の2をごらんいただければと思います。
 法制問題小委員会では,著作権保護制度の在り方に関することを審議事項として,記載させていただいております。次の(2)の国際小委員会でございますが,国際的ルール作りへの参画の在り方に関することと記載させていただいておりますが,この場をおかりしまして訂正をさせていただきたいと思います。お手数ですが,資料3をごらんいただければと思います。こちらの2ポツの国際小委員会についての,次の四角の審議事項ですけれども,ここに書いてございます,国際的ルール作り及び国境を越えた海賊行為への対応の在り方に関することが,国際小委員会の審議事項となりますので,こちらの記載を資料2の(2)国際小委員会の部分に,差しかえをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 各小委員会の構成員についてでございますが,著作権分科会運営規則の第3条第2項に基づきまして,分科会長が指名する委員,臨時委員及び専門委員により構成されることとなってございます。
 最後に,その他といたしまして,各小委員会における審議の結果につきましては,分科会の議を経た上で公表することなどを記載してございます。
 資料2に基づく説明につきましては,以上でございます。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 小委員会の設置に関する説明につきまして,御質問,御意見がございましたら,お願いいたします。
 よろしゅうございますか。
 小委員会の設置につきましては,今,御説明があったとおりと決定させていただきます。
 なお,使用料部会,小委員会に分属をお願いする委員につきましては,文化審議会令第6条第2項及び,文化審議会著作権分科会運営規則第3条第2項の規定により,分科会長が指名することとされております。したがいまして,私から指名させていただくことになりますけれども,各小委員会への委員の分属につきましては,後日,皆様にお知らせをさせていただきたいと思います。
 次に,今期の著作権分科会において検討するべき課題について,意見の交換を行いたいと思います。各小委員会における検討等につきまして,事務局から説明をお願いいたします。
【池村著作権調査官】
  資料3に基づきまして説明いたします。
 資料3の1ポツでは,法制問題小委員会における検討課題例が掲げられてございます。具体的には著作権法制度の在り方に関することを審議する法制問題小委員会では,前期の法制小委で課題の整理がなされました,著作権法第30条の私的使用のための複製に係る課題,あるいは前期において間接侵害等に関する考え方の整理,こちらは司法救済ワーキングチームによって取りまとめられましたので,こちらを受けまして,今後さらなる検討が求められてございますが,いわゆる間接侵害に係る課題が掲げられてございます。
 また,国際的ルール作り及び国境を越えた海賊行為への対応の在り方に関することを,審議事項としてございます国際小委員会では,著作権保護に向けた国際的な対応の在り方,インターネットによる国境を越えた海賊行為に対する対応の在り方,知財と開発問題,フォークロア問題への対応の在り方といったものが掲げられてございます。
 以上,2つの小委員会における検討課題例をお示ししておりますが,資料の冒頭にもございますとおり,今後の状況の変化等に応じまして,検討体制等につきましては,適宜見直すことも考えられるところでございます。短いですが,資料3については以上でございます。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明に対する御質問も含めまして,意見の交換を行っていただければと思います。御意見等がございましたら,どうぞ御自由にお願いいたします。
 どうぞ,河村委員。
【河村委員】
  私は消費者団体を代表して,この場に出ておりますけれども,委員の顔ぶれを見させていただきますと,純粋に利用者の側(そば),消費者の側(そば)の立場にいるのは,私1人でございまして,ほとんどが権利者の方,学者の方,弁護士の方となっています。
 小委員会に関しましても,法制問題と国際という2つになりますと,以前でしたら,私的録音録画小委員会ですとか,基本問題小委員会ですとか,数は圧倒的に少なかったけれども,私以外の利用者側の委員もいらっしゃいましたし,いろいろ意見を言う機会がそれなりに用意されていたと考えております。利用者あっての文化だと思います。それに利用者がいなければ,著作権法という法律も必要ないと私は思いますから,とても大事な立場の1つ,ステークホルダーだと思うわけなのですけれども,ここにたった1人でおりますと,いつも利用者,消費者は専ら侵害する人という枠組みで語られている感じがいたします。消費者は,侵害する人ばかりで成り立っているわけではなく,ほとんどは,専ら善良な市民でございますから,そういう立場も含めて,利用する人の声を活(い)かしていくのは,とても大切なことだと思います。新しい生活の形,新しい機器,使い方などに関しまして,新しいアイデアや,こういう要望があるのだと,多様な利用者が意見を言える機会が,もっとあっていいのではないか,そういう利用者の視点が必要なのではないかと思います。また例えば,地上波の放送の話などになれば,利用の視点というだけではなくて,公共性という観点からも見ていかなければいけませんから,専ら権利者の方の視点となっていくのはどうかと思います。いろいろな運営の中で,私だけではなくて,様々な立場の利用者,消費者の側(そば)の声を酌み取るということを心がけていただけたらと思います。よろしくお願いします。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 申し上げるのを忘れていましたけれども,分科会全般の事柄についての意見をちょうだいする時間も,この後,設けておりますので,またそのときにいただければと思います。この小委員会において,どういう事柄を検討するかという点について,特にこの時間で御意見をちょうだいできればと思いますが,いかがでしょうか。
 お願いいたします。福王寺委員,どうぞ。
【福王寺委員】
  美術家連盟の福王寺と申します。
 この中に,保護期間の問題であるとか,戦時加算撤廃についての問題,あるいは追及権,リセールライトについての事柄を審議していただきたいと思いますけれども,国際標準があると思いますが,それに比べて日本の著作権につきまして,保護期間は50年になっておりますけれども,ほとんどの国が70年になっておりますし,戦時加算につきましては,前にも申し上げておりますけれども,施策では保護期間を70年にすれば戦時加算を撤廃するということをいっているわけで,それについては政府にも要望書が提出されていると思いますが,そういった中で,国際標準について考えていただくような審議を,法制問題小委員会の中でしていただけないかということを申し上げたいと思いますが,いかがでしょうか。
【土肥分科会長】
  御意見はもちろんちょうだいするわけですけれども,このペーパーの中でも,その他の課題,今後の状況の変化等に応じてという説明がございましたとおり,存続期間の問題は,どこかのタイミングで議論していかざるを得なくなるのだろうと思います。それがいつなのかは,前回の分科会においても委員の間で御意見があったわけでございますので,そういうものを踏まえて,適宜,事務局と相談をして,決めていければと思っております。
 何かありますか。
【永山著作権課長】
  分科会長から,今御説明があったとおりなのですが,保護期間につきましては,21年1月の当分科会の報告書におきましても,引き続きの検討事項という形で整理をされております。我々としても重要な課題の1つという認識をしておりまして,当然,これから時宜を得て,様々な国際的な状況も踏まえて,検討していくことになると思っております。
 ただ時期,また,先ほど河村委員からございましたように,仮に具体的な検討を本格的にスタートする際に法制問題小委員会で行うのか,それとももう少し構成メンバーなどを変えた新しい委員会,21年報告の際は,過去の利用など,特別な小委員会をつくって,検討した経緯がございますので,そこら辺も含めまして,分科会長とも御相談の上,検討していきたいと思っております。
【土肥分科会長】
  ほかにございますか。
 この2つの小委員会における検討課題は,こういうことで,当面,検討を始めることでよろしいですね。
 それでは,そのように当面進めていきたいと思っております。
 先ほど申し上げましたように,各小委員会への委員の分属につきましては,後日,お知らせをいたしますけれども,各小委員会におきましては,本日の各委員からの御意見も踏まえて検討を行っていただきたいと,引継ぎをしたいと思っております。
 著作権分科会全般の事項が出ておりますけれども,これについて,ちょうどよい機会でございますので,本日,何かご意見がございましたら,御発言いただきたいと思います。
 どうぞ,御自由に全般的なことも踏まえて,御発言いただければと思いますが。
 特によろしゅうございますか。
 本日,予定しておりました審議事項は以上でございます。ほかに特段ございませんようでしたら,本日はこのくらいにしたいと思いますけれども,事務局から連絡事項がございましたら,お願いいたします。
【池村著作権調査官】
   本日はありがとうございました。
 次回の文化審議会著作権分科会につきましては,各小委員会における検討状況等を踏まえつつ,改めて日程の調整をさせていただきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 以上をもちまして,文化審議会著作権分科会第36回を終了させていただきます。本日はありがとうございました。
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