文化審議会著作権分科会(第38回)議事録・配布資料

  • 日時:平成25年5月8日(水)
  • 10:00~11:30
  • 場所:東海大学校友会館
    望星の間

【議事】

  1. 1 開会
  2. 2 議事
    1. (1)文化審議会著作権分科会長の選出について
    2. (2)小委員会の設置等について
    3. (3)その他
  3. 3 閉会

【配布資料】

資料1
文化審議会著作権分科会委員名簿(72KB)
資料2
小委員会の設置について(案)(80KB)
資料3
第13期文化審議会著作権分科会各小委員会における検討について(104KB)
資料4
文化審議会著作権分科会法制問題小委員会パロディワーキングチーム報告書(平成25年3月)(384KB)
参考資料1
文化審議会関係法令等(180KB)
参考資料2
「知的財産政策ビジョン」(案)で示されている今後の検討課題(192KB)
参考資料3
電子書籍の流通と利用の促進に資する「電子出版権」の新設を求める(平成25年2月19日 一般社団法人日本経済団体連合会)(328KB)
参考資料4
出版者の権利のあり方に関する提言(平成25年4月4日 印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会配布資料)(244KB)
 
出席者名簿(72KB)

【議事内容】

  • ○ 今期の文化審議会著作権分科会委員を事務局より紹介した。
  • ○ 本分科会の分科会長の選任が行われ,土肥委員が分科会長に決定した。
  • ○ 副分科会長について,土肥分科会長より大渕委員が副分科会長に指名された。
  • ○ 会議の公開について運営規則等の確認が行われた。
  • ※ 以上については,「文化審議会著作権分科会の議事の公開について」(平成二十二年二月十五日文化審議会著作権分科会決定)1.(1)の規定に基づき,議事の内容を非公開とする。
【土肥分科会長】
  それでは,本日は今期最初の著作権分科会となりますので,近藤文化庁長官から,一言ご挨拶(あいさつ)を頂戴(ちょうだい)したいと存じます。
 なお,もしカメラ撮りがございます場合は,文化庁長官のご挨拶(あいさつ)までとさせていただきますので,そのようにお含みおきいただければ幸いでございます。
 では,長官,お願いいたします。
【近藤文化庁長官】
  おはようございます。文化庁長官,近藤誠一でございます。本日は,第13期の分科会の第1回会合ということで,一言ご挨拶(あいさつ)を申し上げます。
 まずは,この分科会の委員を新たに,あるいは引き続き,お引き受けいただきまして,まことにありがとうございます。公私ともに御多忙の中,この分科会で,それぞれお持ちの知見等を私どもにいただければと思っております。
 著作権をめぐる状況の難しさは,先生方が一番御存じだと思います。IT技術のとめどもない進歩と同時に,法律の高度な知識といいましょうか,両方をうまくバランスをとった上で,勘案しながら新しいルールづくりに進んでいかなければいけないということは,言うはやすく,行うには非常に難しい点であると思います。
 特に,民主主義がどんどん発展し,ITが発展して,国民の価値観が多様化し,かつ,それぞれの分野の国民の方々がいろいろな形で,ロビーイングという形もございましょうし,ソーシャルメディアを通して,それぞれの御意見,立場を表明される。それがどんどん多様性を増している中で,どうやって誰(だれ)もが納得するルールがつくれるのかというのは,大変難しい問題であると思います。
 それを行っていく上で大事なことは,それぞれのITや法律の技術に関する知識だけではなくて,今後の社会が進んでいく方向,国,国民の価値観の将来進む方向をしっかりと見極めながら,かつ,先ほども分科会長がおっしゃいましたように,座してコンセンサスができるのを待つのではなくて,積極的にいろいろな提案をし,意見を聞きながら前に進んでいく,国内の議論をリードしていくということだろうと思います。
 それを行う上で,クレディブルなバランスのとれたメンバーの方々に来ていただいておりますこの分科会は,非常に国民の期待するところが大きいと思います。下村文部科学大臣も先般の所信表明演説で,適切な著作権制度を積極的につくっていくという趣旨の発言をされました。文部科学省全体の中でも,大変重要なプライオリティを置いているということだろうと思います。
 先ほど申し上げましたことは,言うはやすく行うにかたいことでございますけれども,是非とも先生方の知見を結集させていただいて,国民の議論をリードしていく,将来のあるべき姿について,できる限り積極的に前向きに提案をし,あるいはそれを修正して,議論を引っ張っていくということを,是非お願いしたいと思います。
 簡単ではございますが,冒頭に当たりまして,私からのご挨拶(あいさつ)とお願いでございます。ありがとうございました。
【土肥分科会長】
  近藤長官,どうもありがとうございました。
 次に,本日の2番目の議題でございますけれども,文化審議会著作権分科会運営規則第3条第1項,これは参考資料1の8ページにあるわけでございますけれども,この第3条第1項の規定に基づき,小委員会の設置につきまして決定したいと思います。
 今期の小委員会の設置案について,事務局から説明がございます。お願いいたします。
【菊地著作権課課長補佐】
  それでは,資料2に基づきまして,小委員会の設置案について御説明させていただきます。お手元の資料2をごらんいただければと思います。
 資料2におきましては,まず,案といたしまして,文化審議会著作権分科会運営規則第3条第1項に基づきまして,出版関連小委員会,法制・基本問題小委員会,国際小委員会を本分科会に設置する旨を記載させていただいております。
 各委員会における審議事項につきましては,2をごらんいただければと思います。まず,出版関連小委員会では,出版者への権利付与等に関することを,法制・基本問題小委員会では,著作権法制度の在り方及び著作権関連施策に係る基本的問題に関することを,国際小委員会では,国際的ルール作り及び国境を越えた海賊行為への対応の在り方に関することを,審議事項として記載させていただいております。
 3でございますが,各小委員会の構成員について,著作権分科会運営規則第3条第2項に基づきまして,分科会長が指名する委員,臨時委員及び専門委員により構成されることとなってございます。
 最後に,その他といたしまして,各小委員会における審議の結果につきましては,分科会の議を経た上で公表することを記載させていただいております。
 資料2に基づく説明につきましては,以上でございます。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして,御意見,御質問がございましたら,お願いいたします。
 特にございませんか。よろしゅうございますか。
 特にないようでございますので,それでは,今期の小委員会の設置につきましては,資料2にございますように,こういう形で3つの小委員会の設置をすることを分科会の決定とさせていただきます。
 なお,使用料部会と小委員会の分属をお願いする委員につきましては,先ほど説明がございましたように,分科会長が指名することとなっております。したがいまして,私から指名をさせていただくことになりますけれども,各小委員会等への委員の分属につきまして,後日,皆様にお知らせをさせていただきたいと思いますので,その際はどうぞよろしくお願いいたします。
 次に,今期の著作権分科会において検討すべき課題につきまして,意見交換を行いたいと思います。各小委員会における検討課題等につきまして,まず,事務局から説明をお願いします。
【菊地著作権課課長補佐】
  それでは,資料3と参考資料2から4までに基づきまして説明をさせていただきたいと思いますので,資料3,参考資料2から4をお手元に置いていただければと思います。
 まず,資料3でございますが,各小委員会における検討課題例を掲げさせていただいております。
 具体的には,1.では,出版者への権利付与等に関することを審議事項とする出版関連小委員会の検討課題例といたしまして,出版者への権利付与等と書籍の出版・電子配信に係る契約等の在り方を掲げてございます。
 ここで参考資料2をごらんいただきたいのですが,この検討課題例については,知的財産戦略本部で議論されております「知的財産政策ビジョン」(案)においても,検討課題として掲げられているところでございます。
 また,参考資料3及び参考資料4において,出版者への権利付与等の具体的な方策に関連して,今までに出されてございます提言等をお配りさせていただいております。それぞれの提言の詳細な説明は省略させていただきますが,参考資料3は,本年2月19日付の日本経済団体連合会の「電子書籍の流通と利用の促進に資する「電子出版権」の新設を求める」というタイトルの資料ですが,ここでは,出版者への著作隣接権の付与とは異なる,著作権者との設定契約の締結により発生するという,「電子出版権」の新設ということが提案されてございます。
 参考資料4は,本年4月4日の印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会の配布資料でございます,「出版者の権利の在り方に関する提言」というタイトルの資料でございますが,ここでは,著作権者との契約によって設定される現行の出版権の拡張・再構成が提案されております。
 参考資料3及び参考資料4,双方ともに,文化審議会において,これらの課題について検討してほしいという旨が記載されているところでございます。
 次に,資料3にお戻りいただきまして,2.では,著作権法制度の在り方及び著作権関連施策に係る基本的問題に関することを審議事項といたしております法制・基本問題小委員会の検討課題例を記載しております。ここでは,「知的財産政策ビジョン」(案)で示されている検討課題と記載しておりまして,詳細は参考資料2とさせていただいております。
 参考資料2の2ページ目をお開きください。検討課題例といたしましては,例えば,3の(1)の新たな産業の創出環境の形成に向けた環境整備といたしまして,クラウドサービスやメディア変換サービスと,著作権法整備やライセンシング体制の在り方について検討が求められております。
 また,(2)では,私的録音録画補償金制度の見直しなど,クリエーターへの適切な対価還元に向けた制度整備について検討が求められております。
 このほか,(3)以下でございますけれども,放送番組の二次利用促進についてとか,孤児著作物等に関連して,裁定制度の在り方についてなどの検討が求められております。
 3ページ目をお開きいただければと思います。このほかにも,例えば4.の(1)では,デジタル・アーカイブ化のための環境整備等について検討が求められております。
 参考資料2で掲げさせていただいておりますのは,「知的財産政策ビジョン」の抜粋でございますので,詳細はこれをお読みいただければと思います。
 もう一度,資料3にお戻りいただきまして,最後に3.でございますが,国際的ルール作り及び国境を越えた海賊行為への対応の在方に関することを審議事項としております国際小委員会についての検討課題例といたしまして,著作権保護に向けた国際的な対応の在り方,インターネットによる国境を越えた海賊行為に対する対応の在り方,知財と開発問題,フォークロア問題への対応の在り方といったことを掲げさせていただいております。
 以上,3つの小委員会における検討課題例をお示ししてございますが,資料3の冒頭に書かせていただいておりますとおり,今後の状況の変化等に応じて,検討体制等につきましても適宜見直すことが考えられるところでございます。各小委員会における検討課題例として御説明させていただいているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明に対する御質問も含め,この検討課題について意見交換を行っていただければと存じます。どうぞ自由に御意見,御質問,お願いいたしたいと存じます。
 松田委員,お願いいたします。
【松田委員】
  松田です。法制・基本問題小委員会に示されている検討課題を見てみますと,デジタル・コンテンツ産業の市場拡大のための環境整備等という問題につきましては,結局はデジタル・コンテンツとして,いかに商コンテンツを流通させるために使いやすい法制にするかということになるわけであります。
 これにつきましては,デジタル・コンテンツ流通促進の特別小委員会だったと思いますが,正式な名前は覚えておりませんが,長い間議論をいたしまして,かなり立派な報告書ができているわけであります。これについては現段階で,言ってみますと,デジタル・コンテンツ流通のデジタル・コンテンツの部分だけ著作権保護から切り離して,特別な緩やかな制限規定を設けるとか,強制的な利用許諾制度を廃止するとかということは導入しないということの結論に明確に至っていたと思います。そういう報告書がとりあえずあるということ。
 それから,ほかの点を見てみますと,著作権者不明の場合の裁定制度,これも著作権課がまさに御苦労なさって,法制局と詰めて,詰めて,詰めて,新しい制度をつくっております。確かにこれについての実効性については,検証する必要はあるかと思いますが,今,この問題を提起されて,従前の状況とどう違うのかということが議論されるべきだろうと思います。
 もう一つ出てきているキーワードとしては,クラウドという言葉があります。クラウドにつきましても,苗村小委員会がたしかできまして,クラウドについての今の著作権法のスペックにおける司法改正要求等を導入するところの状況にないということの意見にまとまっているわけであります。
 私は今,3つの報告書,ないしは法改正の問題も含めましてお話ししましたけれども,言ってみますと,ずっと提起されている問題で,ずっと議論し,なおかつ,報告書や改正が行われたところの問題も更にここにあらわれているわけであります。コンテンツを取り巻く社会情勢が変化しつつありますよ,変化していますよというのは,確かにそのとおりでありましょうが,こういう報告等を踏まえて,なお継続して議論をしなければならない必要性というのは,一体どこにあるのかということだと思います。
 私は,こういう会議において,完全の一事不再議が法的に拘束力を持ってあるとは考えておりません。適宜議論すればいいんだと思っております。しかしながら,議論してみても十分な意味がないような場合については,会議の一般原則に基づいて,一事不再議は基本的にはあるんだと考えるべきだろうと思います。というのは,毎年同じ議論をして,毎年膨大な費用と労力を使って報告書を書くなんて,そんなばかなことをすべきではないというのは,これはそういう意味においても,承認されるべきことだろうと思います。
 そういう点から考えますと,今言ったような3つの問題だけを取り出して考えましても,報告書が出た後,この報告書や改正は極めて直近に成立し,行われているわけであります。この後において,新しい議論をしなければならない立法事実があるかどうかということをきちんと整理すべきだろうと思います。もちろんそれは事務局において整理していただいて,そのうち,立法事実というべき新しい状況を整理した,そのことだけを議論すればいいんじゃないかと思います。
 言ってみますと,直近の報告書等を踏まえて,それから上乗せする部分だけを議論し,極めて効率的にやるべきではないかと私は思います。むしろ法制・基本で議論すべき手続としては,新たな法状況について具体的に示していただいて,その部分について上乗せして議論して,報告書に加えるというやり方をとるべきだろうと思っています。それでなければ,法制・基本問題小委員会は膨大な時間を使うだけでなく,過去の検討が無駄になると思います。
 新たな法状況の一つとして,私は,社会経済状況が変わったということだけではない,それは認めるべきだろうと思います。それは何かというと,国,特に政府が,知財や著作権について新しい方針が立って,その方針に基づいて今までの報告書を検討しなければならないというのも,ある意味では法状況だと思います。それが,立法や審議会に求められている法状況の一つだろうと思います。
 したがいまして,そういう点の資料もあるのであれば,具体的,基本的な著作権法制に関する新しい方針を,過去の報告書との違いという点で議論することについては意味があると思っておりますが,それが示せないという場合であれば,ほとんど議論する意味はないのではないかと私は思っております。
 以上です。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ほかに御意見,御質問がございましたら。
 瀬尾委員,どうぞ。
【瀬尾委員】
  今,松田委員からのお話も,長年この審議会で議論なさってきた松田委員ならではのお言葉だと思いますし,実際にこの審議会で決めたことというのが,法制度以外,システムや何かで実現した例というのは非常に少なかったように思います。
 ただ,私が今年,考えているのは,ここで決めなければならない審議会なのではないかということを考えています。つまり状況として,これまでのように議論をすることが目的ではなくて,確実に結論を得なければいけないことが山積されている,そういう特別な年の特別な審議会であり,特別な小委員会であろうかと考えております。
 というのは,今の状況の中で,いろいろな外的な状況,法状況ということもおっしゃいましたが,社会状況として,やらなければならないことが出てきたときに,これまでのようにバランス論だけで議論が継続していくのではなくて,多少のバランスの欠如があったとしても,結論を出さなければならない事項が多いのではないかと考えています。特に,法制・基本問題小委員会で扱われる問題の多くは,過去からさんざん議論されてきて結論が出なかった問題にたくさんかかわってくるのではないかと思っています。
 ただ,そのときにきちんとした議論,そして,その仕組みとして,法制・基本問題小委員会で上げたことと,それから,この審議会自体が,法制・基本小委から上げたことを単純に承認するだけではなくて,きちんとここでの審議等の二重の審議をして,そして決めるということをしていかないと,政府,それから,社会の要求している著作権に関する問題というのは解決しないだろうし,それをきちんとできないとすると,審議会の基本的な機能を疑われるということになるかと思います。
 いろいろな形で,立法の方法はたくさんあるかと思いますが,この審議会をきちんと通して,この審議会が,最も著作権について知見の深い方々,私はその末席にいるのかもしれませんけれども,適していないと言えるかもしれませんが,でも,少なくとも各分野からの方々で構成されているとすると,ここで決める。そして,この審議会がきちんと機能しているというのを見せる。それによって,社会で著作権がきちんと活用できるということが最も重要になると思います。
 ですので,私は,今年の審議会,そして小委員会というのは,これまでと一線を画して,非常に強い審議会で運営するということが必要なのではないかと考えています。
 以上です。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ほかに御意見,御質問ございませんか。
 椎名委員,どうぞ。
【椎名委員】
  椎名でございます。今,瀬尾委員がおっしゃったこと,全く同感でございます。
 法制・基本問題小委員会で,恐らく補償金制度の話もしていくんだと思うんですが,これが長らく10年来,議題として上っている。当然ながら,知財計画の方にも見直しということはずっと上っていながら,文化庁の場に来ると,関係者間協議,その一言で終わってしまっていて,なかなか本質的な議論にならない。関係者間協議の戦略論みたいなところで行ったり来たりという隘路に入っていたと思うので,そうではなく、大きなグランドデザインとして,コンテンツの私的な利便性と権利保護の調整をどう考えるのか?ということをきちんと議論していくべきだと思います。
 かつて私的な領域で機材や媒体に複製されてきた時代をはるかに超えて,これからはネットワーク経由での様々なコンテンツの移動でありますとか,複製でありますとか,そういった部分まで含めたときに,果たして現行制度でいいのか?現行制度は機能していないわけですから,現行制度でいいわけはないですけれども,そういった視野も含めた形で,著作権分科会が一定の方向を示していくということが非常に重要になってくるのではないかと思います。
 以上です。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 どうぞ,瀬尾委員。
【瀬尾委員】
  先ほどの補足になりますけれども,例えば,私は写真という分野から出ております。ただ,先ほど私が申し上げたようなお話とか,今,椎名委員がおっしゃったお話の中で,当然,その分野に対しての利害関係をきちんと主張させていただくということは,もちろんあると思いますけれども,ただ,権利者だからといって,権利者エゴを出して足を引っ張っていくとか,それを主張していって対立するとかではなく,引くところは引き,認めるところは認めないと結論が出ないということは,申し上げておきたいと思います。
 ですから,みんなが自分の利益を言って分野エゴを丸出しにしたとすると,絶対にここでは何もまとまらないということはあると思います。ですけれども,守らなければならない線もあると思います。ですので,みんな少しずつ引き,少しずつ譲り合った中でやっていかなければいけないということが,先ほどの全体論を決めるということだと申し上げておきます。
 私も,分野に関して全く投げ出すということはできませんし,そういうことをする必要もないと思いますが,特定の分野に関してのエゴイスティックな部分が非常に強く出た場合は,全体論を破壊するんじゃないかということは強く危惧(きぐ)しております。ですので,決めることについては,その部分の議論というのは,皆さん識者として参加されているということを前提に,ある意味で公正な,社会的な,きちんとよい案に落としていくということをしなければいけないのかなと思っております。
 決して分野エゴを主として決めてしまうことがいいと言ったのではないので,ちょっと誤解を招きそうなので補足させていただきました。
 以上です。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 龍村委員,どうぞ。
【龍村委員】
  龍村でございます。今回,いろいろなテーマを知財政策ビジョンの中からピックアップいただいているわけですが,その中で,新たな産業の創出・拡大に向けた権利処理の円滑化というテーマも上げられております。確かに過去,権利処理の円滑化を巡ってはいろいろな議論の積み重ねがあったのは事実ですが,実際の新規ビジネスの勃興や進展は,思うより早く,世界各国で生起して来ているのも事実でございます。
 一例を挙げますと,音楽分野で,スポティファイなどに代表されるような、欧米で普及してきたストリーミングによる定額制聴き放題サービスがありますが,このような新たなビジネスモデルが席巻してきています。日本は,ようやく近時,同種の事業が立ち上げられていますが,そういう分野では出遅れている状況にあろうかと思います。このようなビジネスモデルに対して,現状の分配の仕組みでは必ずしも十全には対応できていないように感じられます。このように,新たな産業の発生と既存の制度のずれというのは常に生じてくるわけです。
 そのようなギャップをウォッチしていく機関が必要になると思いますし,そのような役割を担うのが当審議会であり,各小委員会であろうかと思います。そのようなギャップを埋めるという観点で新規産業の生起を見ながら,制度を常に見直していくという取組み姿勢が必要とされるのだろうと思います。私的録音録画の問題もその種の問題であるかと思いますが,新たな産業がクリエーターへの適切な対価還元とバランスしているのかというあたりを常に見直していかなければならないと思います。そういう観点から見ますと,取り上げるべきテーマはまだまだあるのが実情かと思いますので,今回、例に挙げられているものも意義のあるテーマ設定であると拝見した次第です。
【土肥分科会長】
  どうもありがとうございました。
 ほかに御意見ございますか。
 山本委員,どうぞ。
【山本委員】
  先ほど松田委員から法制・基本問題小委員会のテーマについて問題提起がありました。私も、参考資料2に上げられているような課題を,単純に法制・基本問題小委員会の課題という形にするというのは,余りにも漠然として生産的ではないだろうと考えます。これを扱う上では,新たな切り口を何らか示した上で検討しないと,余り生産的な話にはならないのではないか。
 例えば,孤児著作物については,以前検討されて,裁定制度の在り方を変更するという形で,とりあえずは落ちついているんですけれども,私から見ると,ある意味,縮小均衡であって,抜本的な解決にはなっていないんじゃないかと。これは,諸外国でも孤児著作物の問題は重要で,各国でいろいろ法制を検討されているところです。ですから,現在の検討状況を踏まえて,更に抜本的な解決ができるのかどうかということを照会した上で検討する、というような切り口が必要なんだろうと思います。
 更に,クラウドの問題なんですけれども,これも苗村ワーキングチームで検討されて,一応の結論は出たんですけれども,大きく言うと,先ほど松田委員の御紹介のように,特にクラウドサービスだから法律を変える必要はないという結論だったと思います。しかし,結局,アクセスコントロールの保護が必要だという認識に至ったということを私は聞いております。
 ところが,アクセスコントロールに対する保護の問題は,根本的には議論されておりません。ですから,アクセスコントロールの観点から,クラウドの問題を新たに検討し直すとかいうのはあるんじゃないかと思います。
 例えば,昨年10月に京都でALAIの研究大会がありまして,そこでアクセスコントロールについて発表させていただいたのですけれども,クラウドサービスの場合には,複製を伴わない,従来の著作物の利用の仕方とは異なる利用の仕方というのが発生します。それは典型的には,ダウンロードせずに,サーバーに置いたまま著作物を利用する。
 例えば,データベースでもそうなのですけれども,データベースの著作物はサーバーにあって,ダウンロードするのは個々の素材だけであって,その素材は別に著作物ではない。したがって,著作物であるデータベース自体のダウンロードは行われないので,あくまでも著作物はサーバーだけで利用される。これは従来の権利の中には,対象にはなりません。したがって,この著作物の利用の仕方に対しては,従来の著作権ではカバーされない。ですから,いわゆるコピーコントロールでは保護されないということになります。
 したがって,クラウド状況の中では,アクセスコントロールによる保護というのはどうしても必要になるというような問題があると思います。ですから,クラウドサービスについても,もう検討が終わった問題ということじゃなしに,切り口を変えて新たに検討し直すということは,法制・基本問題小委員会で,あっていいんじゃないかと思います。
 更に,ネットワーク社会での問題なのですけれども,ライセンス取引を推進するためにどうするのかというのは,昔,検討されたのは確かです。しかし,これは,権利者が誰(だれ)か,ライセンス条件はどうかというものをデータベース化して,更に,そこからコンテンツを配信するときに透かし技術を利用するというような形で,広い利用の仕方ができる技術の組み立て方によって,この可能性は大きく広がると思います。いろいろな問題が解決できると思います。そういう可能性がありますので,新たな技術を踏まえた上で,ネットワーク社会での問題点を検討し直すというのもありだと思います。
 それから,30条問題,私的複製の問題についても,去年度ですか,法制問題小委員会で検討されましたけれども,これの検討も終わっておりませんし,抜本的な問題になるので,さわりたくないということはあるのかもしれませんけれども,大きな課題として残っております。地道に解決できるところから検討していって取り組んでいくということも,法制・基本問題小委員会の課題としてあっていいと思います。法制・基本問題小委員会として取り上げるべき事項というのはまだまだ切り口を替えればあるように私は思います。
 以上です。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 野原委員,どうぞ。
【野原委員】
  各委員会で検討すべき課題について説明を伺いまして,基本的にこのとおりでよいと思います。
 例えば、法制・基本問題小委員会で検討する課題として,新しい産業創出の環境作りに向けた制度整備等のテーマがありますが、このような問題は非常に重要だと思います。先ほど龍村委員がおっしゃったことにも賛同します。
その一方で,これらの検討課題は,「知的財産政策ビジョン」に基づいて、文科省・文化庁関連・著作権関連のテーマをピックアップするという形をとっています。しかし,先ほどからの話にも出ていますように,産業環境の変化が著しく,新しい技術やサービスが数多く出てきますので,次々と新たな課題が出てくるという状況です。
 例えば私は,IT戦略本部で今,安倍政権下での新たなIT戦略を検討しているところですけれども,あるいは総務省等でも新たなICT戦略を検討していますが,それらの検討の中で,ビッグデータ時代に向けて公共データのオープン化をどのように進めていくか,あるいは,民間データでも公共性の高いデータを適宜オープン化して,新たなサービスを創出しやすくするかというテーマがあります。そのためには,個人情報等のアノニマイズ化というか,個人データの取扱いについて消費者保護と利活用のバランスを取るためのルール作りということも、検討テーマになっています。
 これは例えばの例ですけれども,これに類する新たな、著作権等にかかわる問題も出てくるので,ここにあげたテーマだけではなく,次々と制度の見直しが必要となる新たなテーマが起こってくることを前提に,プラスアルファ,更に検討途中においても,必要なテーマがあれば随時加えつつ議論をしていくというスタンスを実施していただきたい。
 環境はどんどん変化しておりまして,海外のビジネス状況や日本の新たなサービスの状況を見つつ,的確に対応していくことが必要になってきていると思います。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 久保田委員,どうぞ。
【久保田委員】
  皆さんのお話を聞いていますと,法と電子技術のところを中心にお話が進んでいるんですけれども,教育の現場において,今の中高生,大学生の情報に対する認識といいますか,ネットに上がっているものはただだと。価値がないと言ってもいいかもしれません。
 使い捨てというような感じの中で,情報に対する認識という問題が非常に重要になってきている中で,著作権法の趣旨とか,著作物をめでるとか,それによって豊かな文化を享受するというあたりを,そういう意味では教育というのは,法と電子技術と教育的な観点で考えたときに,法と電子技術の方は,ビジネスの話もありまして,どうしてもそこに目が行ってしまうのはいたし方がないと思うんですけれども,そこのベースを支えている教育の部分というのを,審議会ベースで皆さん見識をお持ちの人たちが,どうしたら次の世代,もしくは我々の同僚も含めて,著作物をめでる,文化をめでるというのか,そのあたりからアプローチをしていくということになると,常に審議会の現場では,ピラミッドで言うと一番頂点の仕事をしているといいますか,産業としての部分に目が行って,それを下で支える文化の部分にアプローチがされないうらみを感じるんです。
 特に著作権思想の普及という観点からいうと,次の世代が,ソフト経済社会とか情報民主主義社会と言われる中で,情報に対する認識をどういうふうに我々は深めていくようなアプローチをしたらいいかというのは,特に文化庁と文科省の関係の中で考えると,文化庁と文科省がもう少し横串というか,そのあたりでしっかりと公教育,社会教育も含めて,もう少し問題意識を具体化できるようなアプローチというのを日々,とりわけ審議会の現場で,皆さん見識をお持ちだと思いますので,そのあたりの参考,アイデアといいますか,そういうものが出てきて,法と電子技術をうまく支えていくという観点からのアプローチが今期されたら,私も現場に行って,若い連中とか子供たちと話をする機会が多いんですけれども,そういう意見が,各権利者団体も含めて,著作権思想の普及は日々やっていると思うんですけれども,実質的な意味で,情報に価値があるということをどうやって伝えるかという中での著作権法の役割というのを,是非教えていただいて,皆さんと考えていけたらいいなと思っています。
 意見です。失礼しました。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 大寺委員,お願いします。
【大寺委員】
  今の久保田委員がおっしゃったこと,私も同感でございます。特に文部科学省でございますので,青少年への教育というのは重要な課題かなと思っています。
 今日,私が申し上げたいのは,TPPの関係ですが,まさに今から交渉を開始されるということで,関係省庁がいろいろな国々と折衝されるということですけれども,是非そうした中で,例えばTPPについて言いますと,保護期間についてどうのこうのとか,そういうのはわかりますが,これからいろいろな課題が提起されて,各国間で調整がされるだろうと思います。
 そこで,1つ申し上げたいのは,協定によって内国民待遇とか最恵国待遇という形で,諸外国の状況,特にアメリカの状況が影響してくるだろうと思います。そうした情報を著作権分科会に適宜反映していただいて,必要な国内法整備とかそういうのをお願いしたいと思います。
 特に,例としまして,アメリカでミレニアム法が成立しましたが,それによって,米国外に対してその法律が効力を有するということで,いろいろな問題を引き起こしましたけれども,今後,そうした問題が同じように発生するだろうと思います。したがって,そこら辺について,是非国際小委員会を中心に,適宜ご検討いただければと思っています。
 以上です。
【土肥分科会長】
  ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 たくさん御意見を頂戴いたしまして,ありがとうございました。
 今回の法制・基本小委,あるいは出版小委,国際小委,3本立てになっておりますし,何よりも名は体をあらわすというのがありますけれども,今回の場合,名称からして,やるぞということがあらわれているのではないかと私は感じております。
 そのためにも,内外のこれまでの知的な成果物なり資源,そういったものを十分活用して,今期は是非結論を得る年度にしていきたいと思います。是非とも,それぞれ皆さんのよって立つお立場というのは重々承知しておりますけれども,そこを超えて一定の結論を得るよう,是非とも汗をかいていただきたい,このように思います。
 細かい問題については,それぞれ各小委で検討課題を詰めていって,順番づけといったものをすると思いますけれども,本日の分科会における各委員の御意見をそういう場において伝達し,反映していくという形になるよう,私もその責任の一端を果たしたいと思っております。どうもありがとうございました。
 それでは,先ほど申し上げましたように,各小委員会の委員の分属については後日,早々にお知らせすることになると思うんですけれども,その委員になられた場合は,本日,分科会における議論等も踏まえて検討していただくことが可能になろうかと存じます。
 その他といたしまして,前期の著作権分科会法制問題小委パロディワーキングチームにおいて,平成25年3月に報告書が取りまとめられております。そこで,事務局から,この報告書の説明をお願いいたします。
【小坂著作権調査官】
  それでは事務局より,パロディワーキングチーム報告書について御説明をさせていただきます。お手元の資料4をごらんいただければと思います。
 1ページ目,目次の次をめくって,「序」をごらんいただければと思います。ここでは,問題意識や審議経過につきまして,簡単にまとめてございます。
 現行著作権法には,著作物のいわゆるパロディとしての利用を明示的に対象とする個別の権利制限規定はございません。しかしながら,デジタル・ネットワーク社会の中で,多くの著作物が創作,流通されている現状等に鑑み,著作物のパロディとしての利用についての様々な課題を検討すべきであるということが,平成23年の「文化審議会著作権分科会報告書」や「知的財産推進計画2012」において指摘がなされておりました。
 そこで,平成24年6月,第12期著作権分科会法制問題小委員会においてパロディワーキングチームを設置し,我が国における著作物のパロディとしての利用に係る課題について,平成24年7月以降,7回にわたり検討を実施いたしました。
 次に,2ページ目をごらんください。第1章では,著作物のパロディとしての利用に係る課題を検討する際に問題となる,パロディとは何かという点について記載しております。
 我が国においては,法律上,パロディの定義や著作物のパロディとしての利用を明示的に対象とする権利制限規定はなく,パロディに関連して争われた裁判例を見ましても,パロディの定義について明示的に判示したものは見当たりません。
 また,諸外国における法制度においても,パロディの定義を定めているものは見当たらないため,結局のところ,パロディとしての明確な定義は確立していないと言えます。
 そこで,本ワーキングチームにおきましても,厳密にはパロディを定義せず,既存の著作物を何らかの形で自己の著作物において利用しているものを,広く「パロディ」と捉(とら)え,検討を行うことといたしました。
 続きまして,4ページ目をめくっていただきまして,第2章をごらんください。この章では,主要な諸外国における著作物としてのパロディの取扱いについて,平成23年度に文化庁が実施しました,「海外における著作物のパロディの取扱いに関する調査研究報告書」を参考にしつつ,ワーキングチームにおいて検討を行った諸外国の法制度及び議論状況を整理しております。
 4ページ,第1節においてアメリカ,第2節でイギリス,8ページになります。第3節においてフランス,14ページ以下となります。最後に17ページ以下になりますが,第4節でドイツにつきまして,各国それぞれのパロディ保護の法的根拠,関連する裁判例,許容すべきパロディの3点からまとめております。
 なお,各国における詳細な議論状況につきましては,時間の関係もございますので,ここでの報告は割愛させていただきます。
 続きまして,少し飛びますが,21ページの第3章をごらんください。
 第3章では,我が国における著作物としてのパロディの取扱いにつきまして,第1節において,関連する裁判例及び学説の概要を整理した上で,23ページ以降の第2節において,我が国におけるパロディの実態等を把握するため,本ワーキングチームが行った関係団体等からのヒアリングの概要についてまとめております。
 このヒアリング結果につきましては,23ページ以降において,マンガ,写真,広告,放送,インターネットの各業界において行われているパロディの内容,パロディにおける権利処理の実態,パロディに係る法制化といった3点からまとめております。
 なお,26ページにありますとおり,今回のヒアリング対象者からは,パロディに係る権利制限規定をつくるとそれが線引きとなり,許容されるパロディと許容されないパロディが生じ得るため,法制化には慎重であるべきという意見が多数示されたところでありまして,加えて,業界における慣行や秩序のもと,パロディの創作が一定程度行われており,法制化するよりも,それぞれの業界内で形成される一定の秩序の中で,新しいパロディの在り方が浸透していく方が望ましいといった意見が示され,おおむねパロディに係る法制化に対しては消極的な意見が示されたところでございます。
 最後になりますが,27ページの第4章をごらんください。第4章では,第1章から第3章までの検討を踏まえ,我が国におけるパロディの法的在り方について検討を行いました。
 まず,1のところですが,パロディに関する我が国の現状評価につきましては,関係団体等のヒアリングを踏まえますと,商業利用の場合はおおむね権利処理が行われていること,仮に権利処理が行われていない場合であっても,権利者と利用者との間で,ある種の緊張関係が保たれ,そのもとで広い意味でのパロディが行われていると評価することができるとの結論に至りました。
 また,2の部分ですが,パロディに関する法制化の当否につきましては,今申し上げました,パロディに関する我が国の現状評価に加え,我が国で念頭に置かれているパロディには,批判・風刺等の目的ではなく,原作品への愛着・敬意の表現を目的として,それを模倣ないし補完的な著作を行うものなどが少なからず含まれているため,仮にパロディに関する法制化がなされた場合,ある種の線引きとなり,これまで業界慣行等により形成された土壌を壊すことになりかねず,そのことが新たな創作に対する消極的な効果をもたらすのではないかといった懸念があること,また,デジタル・ネットワーク社会において著作物の利用形態が急速に変化している中で,著作物としてのパロディの在り方やその権利意識について,権利者・利用者共に急速な変動が見られることなどから,ワーキングチームとしましては,少なくとも現時点においては,立法による課題の解決よりも,既存の権利制限規定の拡張解釈ないし類推適用や,著作物の利用の実態から見て一定の合理的な範囲で黙示の許諾を認めるなど,現行著作権法による解釈ないし運用により,より弾力的で柔軟な対応を図る方策を促進することが求められているものと評価できるとの結論に至りました。
 以上のとおり,ワーキングチームにおける検討の結果は,少なくとも現時点においては,パロディに係る立法措置を講じるべきとの結論には至りませんでしたが,本報告書29ページ以降にありますとおり,今後とも,我が国におけるパロディの実態についての把握に努めるとともに,新たな裁判例や学説,諸外国の動向についても引き続き注視し,適宜適切に必要な検討を加えることが重要であると,本報告書には記載されております。
 最後になりますが,32ページにはワーキングチームのメンバー名簿がございます。また,33ページには審議経過がそれぞれ記載されておりますので,あわせて御参照いただければと思います。
 事務局からの説明は以上となります。
【土肥分科会長】
  ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明に対する御質問がございましたら,お受けいたしたいと思いますけれども,御意見もありましたら,この際,お出しいただければと存じます。何か特にございますでしょうか。
 ワーキングチームのメンバーの方には大変御苦労いただいて,こういう立派なものをおまとめいただいたわけでございますけれども,本日の分科会の委員の中にもメンバーの方がおいでになりますが,特に何かご発言になるようなことはございませんか。
 前田委員,よろしいですか。
【前田委員】
  特にございません。
【土肥分科会長】
  それでは,本日予定しております議事については以上ですけれども,全般的な事項について,つまり,せっかく今日お集まりいただいたわけでございますので,本分科会全般の事項について,何かご意見,御要望がございましたら,この際,少し時間がございますので,お出しいただければと思います。いかがでございましょうか。
 よろしいですか。特にないようでございますので,本日はこのぐらいにしておきたいと思います。
 最後に,事務局から連絡事項がございましたら,お願いいたします。
【菊地著作権課課長補佐】
  本日はありがとうございました。
 次回の文化審議会著作権分科会につきましては,各小委員会における検討状況等を踏まえつつ,改めて日程の調整をさせていただければと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【土肥分科会長】
  それでは,以上をもちまして文化審議会著作権分科会第38回を終了とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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