文化審議会著作権分科会基本政策小委員会(第5回)

日時:令和3年10月6日(水)

13:00~15:00

場所:オンライン開催

議事

  1. 開会
  2. 議事
    • (1)関係者からのヒアリング
    • (2)簡素で一元的な権利処理について
    • (3)その他
  3. 閉会

配布資料

資料1
第21期文化審議会著作権分科会基本政策小委員会(第5回)ヒアリング出席者一覧(54KB)
資料2
一般社団法人 アーティストコモンズ 御発表資料(1.3MB)
資料3
簡素で一元的な権利処理に係る具体的検討に当たっての論点(パブリックコメント資料)(285KB)
資料4
権利情報データベースの構築に関する検討(588KB)
資料5
UGC等のデジタルコンテンツの利用促進について(233KB)
資料6
現行の裁定制度に関する検討(384KB)
参考資料1
第21期文化審議会著作権分科会基本政策小委員会委員名簿(135KB)
参考資料2
第21期文化審議会著作権分科会基本政策小委員会(第1回~第4回)における委員意見の概要(743KB)
参考資料3
関係者からのヒアリング(第2回~第4回)における意見の概要(2.3MB)
参考資料4
集中管理・データベース管理の状況(661KB)
参考資料5
第21期文化審議会著作権分科会基本政策小委員会の今後のスケジュール(153KB)

議事内容

【末吉主査】  ただいまから、文化審議会著作権分科会基本政策小委員会(第5回)を開催いたします。

本日は、御多忙の中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、基本的に委員の皆様にはウェブ会議システムを利用して御参加いただいております。皆様におかれましては、ビデオをオンにしていただくとともに、御発言いただく際には、御自分でミュートを解除して御発言いただくか、事務局でミュートを解除いたしますので、ビデオの前で大きく手を挙げてください。

議事に入る前に、本日の会議の公開につきましては、予定されている議事内容を参照いたしますと、特段非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方々にはインターネットを通じた生配信によって傍聴していただいているところでございますが、特に御異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【末吉主査】  ありがとうございます。では、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方々にはそのまま傍聴いただくことといたします。

それでは、まず、事務局に人事異動があったようでございますので、事務局からその紹介と、併せて配付資料の確認をお願いいたします。

【小倉著作権課長補佐】  まず、人事異動の御紹介をさせていただきます。

9月21日付で、文化庁次長に杉浦久弘、また、著作権課著作物流通推進室長に高見暁子、著作権課国際著作権室長に児玉大輔が着任しております。

続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。配付資料につきましては、議事次第の配付資料一覧にあるとおりでございます。

以上でございます。

【末吉主査】  それでは、議事に入ります。本日の議事は、議事次第のとおり、(1)から(3)の3点となります。

早速、議事(1)の「関係者からのヒアリング」に入りたいと思います。前回に引き続き、「デジタルトランスフォーメーション(DX)時代に対応した著作権制度・政策の在り方」についてヒアリングを行います。まず、事務局より簡単に趣旨の説明をお願いします。

【小倉著作権課長補佐】  資料1を御覧ください。本日は、一般社団法人アーティストコモンズ様より御発表いただきます。アーティストコモンズ様におかれましては、業界や立場を代表するものではなく、一団体として御意見をいただくこととなりますので、あらかじめ御了承ください。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

それでは、アーティストコモンズ様、お願いいたします。

【アーティストコモンズ(三浦)】  アーティストコモンズの三浦と申します。

まず、5ページ目の沿革のところを御覧ください。もともと2014年ぐらいに、ネットの時代、デジタルの時代で、いろいろなメディアやサービスが、円滑につながって、アーティストの活動やマーケットが広がり、あるいは、そこから出てくるいろいろな付加価値を最大化するにはどうしたらいいかというような議論が、2ページ目、3ページ目の理事や顧問、幹事のメンバーで、エンターテインメント全体のDX化にどんなことをしたらいいかという議論を2014年ぐらいから始めました。

それで、結論から言うと、全てのコンテンツというのは人が作り出しているということで、人をキーコードにすることで、いろんなものが破綻なくつながるのではないかというような発想に立って、まず人をきっちりとキーコードとするために、ユニークなIDを発行しようというのが1番目に決まったことです。

それと、もう一つ、つながるときに、例えば、ラジオのオンエア楽曲から音源のサービスにつながる、あるいは、そこからいろいろなキャラクターグッズにつながるみたいなところでも、今までは個別にAPIというものを設定して、お互いにデータのやり取りをしていたのですけれども、それだと結局N対Nで組み合わせが非常に多くなってしまうので、IDをまず一意にすることと、共通のAPIを開発することというのが重要なのではないかという議論になって、実際にACIDとAPIを開発しました。

その後、これが机上の空論ではなくしっかり動くのかということで実証実験を始めまして、radikoに協力を依頼して、radikoのオンエア楽曲からプレイガイド4社のチケット情報に自動的にこのACIDをキーコードとしてつながるかどうかという実験をしました。実験をしたところ、非常にうまくいくと。何の人手を介さずにうまくいくので、マーケット拡大としては重要なツールになるのではないかなという認識で、これを進めるには責任ある組織にしなければいけないということで、2019年8月に一般社団化して今に至っているということです。

それで、その後、いろいろ要望が多かった、特に音事協さんが社員なのですけれど、そこからはやっぱりタレントの肖像のことをかなり気にされていて、オフィシャルの写真、プロフィールも併せてアーティストコモンズから供給したほうが望ましいだろうということで、ACID、AC-API、それと写真・プロフィールといったところを提供するというようなことになりました。今、個別の音制連、音事協の事務所、あるいは、そこの委任者を中心に、各事務所が写真・プロフィールを登録できるCMSを提供して、自動的にそこから取得できるということを、もうどんどん実用化を進めています。登録していただけるアーティストさん、写真・プロフィールというのも非常に増えてきています。

それで、現在は、一番右下にあるように、最初は音楽アーティストからスタートしているのですが、次にラジオ出演者関連、それから、テレビの出演者関連の補捉といったところにIDの付番対象を増やしているという現状です。

6ページ、御覧ください。今お話ししたことをイメージにしているものですが、今までは左のように、実際の連携の線というのは、もっともっと複雑に、網の目のようにいろいろな情報というのをつなげようと思ったら、個別にそれぞれの管理IDとAPIを変換などをしなければいけなかったですが、この共通のAPI、IDを使うことによって、非常にシンプルにいろんなサービスがつながるということで、このACIDとAC-APIを開発したということです。

次のページを御覧いただいて、先ほど申し上げたradikoの実証実験ということですけど、ラジオのオンエア楽曲から、イープラス、チケットぴあ、CNプレイガイド、ローチケというところの4プレイガイドに直接自動的につながって、そこでチケット購入までいけるということを、これは実証実験、今も続いていますけれど、うまく機能するというようなことが可能になっています。

次の8ページ目ですが、どの程度IDを付番しているかについてですが、まず音楽分野、具体的には、例えば、ラジオでオンエアされている楽曲であるとか、音事協・音制連に関連の事務所のアーティストの方を中心に、まず音楽から付番を始めています。それで、音楽関係は1万数千で、ほぼテレビ、ラジオ、動いているアーティストというのは捕捉できています。

それで、これは普通のIDの付番のようにシーケンシャルに自動的に付番するのではなくて、本当に活動実績があるのか、いつから活動しているのかという確認を、いろいろなウェブサイトとかを見ながら付番の事務局がやっていますので、結構人手がかかって時間がかかるといったところです。それで、去年ぐらいから、ラジオ、テレビの品質、これはもう音楽にかかわらず、俳優さん、芸人さん、それから、局アナの方みたいなところにも付番を広げている状況ではあります。

次の9ページ目、例えば、マーケットの拡大という視点で言いますと、スペースシャワーとか、あるいは、プロモーターのホットスタッフプロモーションとかディスクガレージ、それから、音楽の情報サイトのナタリーというところに、このIDさえあれば自動的に写真・プロフィールがこういうところに表示されるというようなことをもう既に実現しています。

次のページを御覧いただきまして、先ほど申し上げたように、公式のアーティスト写真・プロフィールというのも提供を始めていまして、これも各プロダクションにウェブの管理画面から直接アップロードできる、あるいは更新できるという環境を配って、これは音事協・音制連の事務方が各プロダクションに説明にあがって、今どんどん増えているという状況です。

実は、写真に、非常に薄く、アーティストコモンズからの提供ということがわかるようにロゴが入っていますので、ここから供給されている写真はオフィシャルのもの、そうでないものは勝手に使われているというような、不正利用対策にもいずれ対応しようということを考えています。

それから、次のページ、テレビの出演者情報は、メインのタレントさんというのはある程度番組表などで分かりますが、それだけでなくて、本当に端役でちょっとしか出ない方も含めて、これは今AIによる顔認識なんかとも組み合わせながら、自動的にACIDが付番するシステムで、さらにはそれをブロックチェーンとかで、当該番組がネット配信なんかされた場合には、どの程度その部分が見られたかという捕捉の実験なんかにも着手しているというところです。

それで、12ページ目を御覧いただいて、アーティストコモンズという組織は、ここが直接権利処理をするとか権利許諾をするということではなくて、あくまでエンターテインメント全体のDXに資する基盤整備をするというところに徹しようというポリシーですので、例えば、それぞれのいろいろな権利者さんは、人に関するコードは既にお持ちです。例えば、芸団協CPRAであれば、CPRAコードというのをお持ちです。ただ、そのCPRAコードは、例えば、商業レコードの二次使用の分配なんかにも使われているコードですので、それがあまりマーケット利用で一般的に流通するというのは望ましくない点もありますので、あくまでACIDは一定の条件下では皆さんがお使いになれるので、どちらかというと、これでマーケット拡大、異なるサービスが自動的につながる、あるいは、視聴履歴、聴取履歴みたいなものをちゃんと取れる仕組みというところまでをアーティストコモンズが担って、それで必要があれば、そこから権利者の人物コードと全部変換をしていこうというようなのが基本的なポリシーです。

そのまま使っても別に問題はないのですが、やはりいろいろな個人情報保護の観点から、逆引きができたりとかということはあまり望ましくないかなと思いますので、あくまで中間IDとして利用していただくというポリシーを考えています。

最後に、スタートはあくまでマーケット拡大、アーティストの付加価値を最大化するということを今まで進めてきたのですが、今、2つ大きな事業に着手しようとしています。1つは、アーカイブの事業です。アーカイブは、まず音楽のアーカイブと考えているのですが、非常に貴重な、例えば60年代、70年代、80年代の音資料、映像資料というものがどんどん散逸していきますので、そういったものを保全、蓄積、整理、継承する。そのときにちゃんとIDをつけていくということで、非常に検索性も増すので、そういったことを、今、まずはアーティストコモンズの内部でどういうやり方がいいかということを議論しておりますので、これもいずれぜひ御相談させていただきたいところです。

それと、もう一つ、先ほどの中間IDの話ですが、ちょうどアーティストコモンズの理事や監事の方からの意見を伺うと、使われないで死蔵されるよりも、一定のルールに従ってきっちりと使われて、その実績が捕捉でき、その上で、どういう分配が一番フェアなのかというのを議論していくという、積極的に使うための基盤も整備しようというお話を結構伺うようになってきたので、そこらの技術的なバックボーンみたいなものを整備するために、ブロックチェーンであるとか、IDを自動的に付与することから、結果的にマーケット拡大と適切な権利処理、それから、アーカイブも実現できたらなと考えております。

簡単ですが、私からの説明は以上です。

簡単ですが、私からの説明は以上です。

【末吉主査】  ありがとうございました。

ただいまの御説明につきまして、御質問がありましたらば、御発言をどうぞ。お願いします。

奥邨主査代理、どうぞ。

【奥邨主査代理】  お話、大変ありがとうございました。多分、今、データベースそのものを連携させるのではなくて、中間コードを利用することによって、複数のデータベースを連携して使うことが可能になるというお話だったかと思うのですが、今日、多分後半で出てくるような話を検討する上でも非常に参考になるお話だったのではないかと思います。

そこで一旦お伺いしたいんですが、今回は多分アーティストコモンズさんの対応される分野だからこういうことになったのかと思いますが、人をキーコードにするということをおっしゃったわけです。アーティストさんをキーコードにするとおっしゃったわけなんですけれども、著作物のデータベースなんていうことを考えた場合は、人がいいのか、著作物がいいのか、コンテンツがいいのかというのは、多分分かれてくると思うんですけれども。コンテンツをキーコードにするというのは、今回の分野では無理だと思うんですけれども、それはそもそも技術的にとか、あと、やることとしては非常にハードルが高いのか。それは、分野によってはコンテンツをキーコードにするということもあり得るのか。そこはいかがなんでしょうか。

【アーティストコモンズ(三浦)】  恐らくこれはかなり前から著作物のデータベースを整備するときに、コンテンツIDをつけて、そこを整備していくという議論が大分なされたと思うのですが、そうすると、やっぱり汎用性がなくなるというか。ある特定の分野で、例えば、音楽の分野でISRCを日本レコード協会さんが管理されてつけられていますけど、それは音楽の原盤という分野では非常に有効だと思うのですが、そうではない、作品はどうなるのか、いろいろな観点からいくと、1つのキーコードだけで全部汎用的に使うというとコンテンツのIDの場合はちょっと難しくなるので、それが人であれば、例えば、今は音楽から始めていますけど、出演番組で、将来的には、例えば脚本だとか、あるいはデザインだとか、どんなことでも人をキーコードにしてくると、そこから生み出されているコンテンツが自動的につながったり、記述できたりできるので、各それぞれの違うデータベースがうまく有機的に連携できるのではないかということで、あくまで人をキーコードにするという、そういうポリシーは一貫してやっていこうかなと考えています。

【奥邨主査代理】  ありがとうございました。大変参考になりました。

【末吉主査】  坂井委員、どうぞ。

【坂井委員】  坂井です。今、奥邨先生が御指摘された、コンテンツIDなのか、人をキーコードにするのかというところですが、radikoのところで見ているものを見ると、今流れている曲と言って、Amazonへのリンクが張ってあったじゃないですか。あれって何となくコンテンツな気がしていて、この人の楽曲だったら分かるんですけど、この今流れている曲というと、コンテンツにひもづかなければいけないなと思っているのが1点。あと、これはもしかしたら聞き忘れてしまったんですけど、もう少し最初に立ち上げたときのニーズ、皆さんどういうことに困っていて、どういうことで基盤整備をしなければいけないんだということで立ち上がったのか、そこにあった課題というのを教えていただきたいのと、あと、単純に、この制度に参加したくないといった人がいたときに、オプトアウトとか、あるいは、結構手間かけてやっていらっしゃるというのは、個別に許諾を取っているとか、そんなところの実務的なところを教えていただければと思います。

以上です。

【アーティストコモンズ(三浦)】  まずradikoに関しては、おっしゃるとおりで、まずは楽曲名から実はAmazonのデータベースにぶつけて、ISRCを先に出させてというところから始めているので、コンテンツが基準になっています。ところが、そこにニーズとしては、やっぱりこのアーティストのライブ情報を知りたい、そのプロフィールを知りたい、活動、これからどういうことをやるかということを知りたいというニーズがすごくあるので、今、基本的にそこを人ベースにどんどん変えていくような、ちょうど今転換点にあるということです。

例えば、レコードとかサブスクだけだったら、音源をIDにしていいのですが、それがライブ情報だとか、グッズだとか、ファンクラブだとか、そういうことになってくるとどうにもならなくなるということなので、汎用的な意味で、人にどんどん置き換えていったほうがいいねと。

今、2つ目の質問は、まさにそういうところにあって、ユーザーさんのいろんなニーズとして、やっぱりこのアーティストの活動実績とか、例えば、演劇で出ている、実は小説も出したとか、そういうようなことも全部知りたいというニーズに応えられれば、例えば演劇の舞台にも出ているみたいなことも全部答えられると、結果として、そのアーティスト活動は最大化できるのではないかという発想で、それをやるためにどうしたらいいかという議論を積み重ねてきたということですね。

それと、オプトアウトというか、IDそのものは勝手につけている部分はもちろんあるのですけど、これは人にIDをつけるということで、まず音事協さん、音制連さんというところで、ちゃんとここの理事や監事の了解も得て、あと、日本の場合非常に大きいのは、ジャニーズ事務所という存在も大きいので、ジャニーズ事務所にも、IDをつけて、それを後ろ側の連携事業にするには問題ないということで、お話はさせていただいています。

【末吉主査】  よろしいですか。

ほかに御質問いかがでしょう。

菅委員、どうぞ。

【菅委員】  ありがとうございます。小説家の菅です。

私が考えている部分と一番近いデータベースだなと思いました。人と関連づけるというのが一番、一クリエイターがたくさんのものを作りますのでいいかと思います。

それに伴いまして質問ですが、例えば、アーティストコモンズさんが今つけられているIDを、ほかの団体、もしくは今お話しさせていただいているような、このような一元的著作権の管理に、流用と言うと言葉が悪いんですけれども、していただくことは可能でしょうか。

なぜかと言いますと、やはり相当の御努力をもってつけられたIDですので、さらに別団体が同じようなことをするというのはとても無駄だと私は考えるので、アーティストコモンズさんのものを基盤にしたIDというのを、ほかの者が使わせていただくということは可能でしょうか。

【アーティストコモンズ(三浦)】  そのためにむしろやっているというところはあります。それで、具体的には、一応規約上は、会員、それから、社員、準社員の関連の企業とか団体が使っていいよということになっていますけど、例えば、ラジオの出演者というと、音事協・音制連以外にも、PREさんとか、いろいろなところがあるので、まずは、今、ちゃんとしたところであればどんどん使っていただく。できれば、そういったところはちゃんと会員なり社員になっていただくというのが望ましいというふうには思っていますが、クローズドにしようという気は全くありません。

【菅委員】  ありがとうございました。

【末吉主査】  ほかにいかがでございましょう。

坂井委員、どうぞ。

【坂井委員】  ちょっと細かいところで大変恐縮なんですけど、先ほどのコンテンツIDと人にひもづけるACIDの関係で、例えば、コンテンツを一意に特定するのに、ACIDと、それから、もう一つ、コンテンツのサブキーみたいなものを持つとか、コンテンツIDに制作者という属性情報を持つとか、そこを組み合わせたら、両方が指定できるような気がするんですけれども。今の、例えば属性情報として持っていれば、この人というものはマスター管理されているので、その人は例えばどういう小説を書いたのかとか、演劇へ出ているのかとかいうところまでは追えると思うんですけれども、人のほうに寄せていらっしゃるところの意図というのがあれば教えていただきたいんですけど。すみません、細かいところで恐縮です。

【アーティストコモンズ(三浦)】  実はそこの辺、非常に重要なところでありまして、例えばデータベース、今、ほかの権利者情報で、例えば音楽で言うと、先ほどのISRCがあったり、作品コード、JASRACだとか、NexToneデータがあったり、あるいは、それのCDCIDがあったりという、そういうメタデータを音源に関してちゃんと持っていらっしゃるデータベースが別にあったら、ACIDでそこのデータベースにひもづくことができるという機能がすごく重要だと思っていますので、アーティストコモンズ側で全てのカラムを、巨大なデータベースを作ってというのではなくて、いろいろそれぞれの用途に応じた、それがマーケット拡大なのか、権利分配なのか、あるいはアーカイブの分割資産保全なのかという、それぞれのデータベースに全部相互接続ができるための中間IDであったり、それのための共通のAPIだという考え方で進めているというところであります。

【坂井委員】  分かりました。ありがとうございます。よく理解できました。

【末吉主査】  ほかに、いかがでございましょう。

【河野委員】  恐れ入ります。河野と申します。御説明ありがとうございました。なかなかいい仕組みがもう既にできているんだなと思って伺っておりました。

伺いたかったのは、このデータ基盤というか、全体のスキームを動かすのに、どのぐらいのコストがかかっていて、それは現在どのような形で捻出されているのかというところを教えてください。

そしてまた、拡大していくことによって、プラスの面とか、それから、リスクとかもあると思いますけれども、財政というふうな視点で少し御説明いただければと思いました。お願いいたします。

【アーティストコモンズ(三浦)】  ありがとうございます。

これは、実は、どうしてこういう構造にしたかという大きな理由は、コストですね。多分、データベースを構築されたことがある方は御存じだと思いますが、巨大なデータベースを作って、それをメンテするのにものすごい費用がかかるんですね。恐らくこれだけのことを1つのデータベースでやるというと、非常に大きなコストがかかるとお感じになると思いますが、実はびっくりするぐらい低コストでやっています。

基盤としては、最初に構築するときに、若干公的な資金とかも助成で頂きましたけど、それ以降は基本的に社員、準社員、会員の会費だけで賄っています。だから、かなりボランタリーにみんなやっているところはありますが、そこで何とか回ってはいます。さすがに今、接続先が増えてきて、サーバーの負荷とかトラフィックも、うれしい悲鳴ですが、非常に増えてきているので、少し財政基盤とか、そういったことも含めて、どうやって安定的な運用をするかという、実は課題であります。

ただ、言ってみると、データベースを作る、総合的なものとやると、やっぱり数億とかというイメージだと思いますけど、それの大体全部10分の1以下でできているというふうなイメージで捉えていただければと思います。

【河野委員】  ありがとうございました。

【末吉主査】  ほかにはいかがでございますか。よろしゅうございますか。

ありがとうございました。以上でヒアリングを終了いたします。アーティストコモンズ様におかれましては、御協力いただきましてありがとうございました。

【アーティストコモンズ(三浦)】  どうもありがとうございました。それでは、失礼します。

【末吉主査】  失礼いたします。アーティストコモンズ様は、ここで御退出いただきました。

次に、議事(2)の「簡素で一元的な権利処理について」に入りたいと思います。本日は、パブリックコメントについて現状の報告をいただいた後、データベースやUGC、現行の裁定制度の個々の論点について御議論いただく予定です。

まずは、事務局から、パブリックコメントの現状報告をお願いします。

【小倉著作権課長補佐】  9月22日からパブリックコメントを開始しております。今回は、中間まとめに向けた議論の参考にするため、広く意見を募り、今後の審議に生かすという趣旨の下、現時点でパブリックコメントを実施しているものであります。

こちら、文化庁ツイッター等を活用するとともに、各委員の御協力を得ることによりまして、幅広く展開できておりますので、この場を借りて御礼申し上げます。

なお、昨日時点で20件ほどの御意見となっております。パブリックコメントの結果は、次回の本小委員会で御報告させていただきたいと考えておりますが、今後まだパブリックコメントを実施中でございますので、さらなる意見をいただきたいと事務局としては思っているところでございます。

以上です。

【末吉主査】  ここからは個々の論点について御意見をいただきたいと思います。初めに、権利情報データベースについて議論をしたいと思います。

事務局において資料を用意いただいておりますので、資料4に基づき、説明をお願いいたします。

【小倉著作権課長補佐】  失礼します。「権利情報データベースの構築に関する検討」、資料4を御覧ください。

1ポツ、データベースに係る現状について、まず御説明します。

最初のパラグラフにございますように、現在、集中管理団体や一部の権利者団体において、データベースを整備しております。こちらは本日の参考資料4でもまとめております。これらの各データベースは、各団体の管理業務や流通等のために整備されておりまして、その内容や公表範囲は様々となっております。

また、団体を超えてデータベースの構築がされている例として、一般社団法人音楽情報プラットフォーム協議会の音楽権利情報検索ナビもございます。こちらについては、著作物の適法かつ円滑な利用を促進する基盤を整備するため、文化庁が散在する権利情報を集約化し国民に提供する実証事業として3年にわたり行っているものでございます。本データベースに関しては、個人クリエイター等の権利情報集約化及び利用円滑化のためのシステムの構築等の事業を今年度も実施しておるところでございます。

その他、集中管理団体及び権利者団体以外に、既存の関連する取組として、Japan Search、Japan Content Catalog等もあります。その他多くのデータベースがございますが、ここではこの2点の紹介にとどめます。

続きまして、2番、検討の方向性についてです。

資料4、1ページの下側になりますが、分野を横断する包括的な権利情報データベースは、利用者の権利者探索のコストを軽減するというメリットとともに、クリエイターにとっては利用機会の拡大が期待されます。また、著作権等管理団体にとりましては、管理運営コストの軽減にもつながります。

こうした三者三様のメリットがある中で、実現可能性や持続可能性の観点から、データベースの構築、管理・運用にかかるコストの負担等においてどういった工夫が考えられるかという問題提起でございます。

その下、いくつか論点として示しておりますが、各団体等が所持するデータベースとの連携、更新の自動化、また、データベース管理主体の目的や業務に必要最小限な範囲とすること、例えば、権利情報のメタデータのみとすること、等。

次のページに続きますが、データベース構築後に容易に拡張できるようにすること。

各団体が所持していないUGC等のデータについては、積極的に登録してもらうためのインセンティブの付与。前回までの御議論では、例えば、商用サイトとの接続、こういったものもアイデアとしてございました。

その他、Japan Search等既存のコンテンツデータベースとの連携、こういったものも考えられます。

こうしたものを少し議論のたたき台として分かりやすく、3番、権利情報データベースのパターンイメージ(たたき台)として示しました。

こちら、まず①全体設計になりますが、大きく一元型なのか、連携型なのかといった書き方で分けさせていただいております。

一元型につきましては、全ての分野を1つのシステムで管理できるというメリットは当然ございますが、三角で示しておりますように、膨大な数のある著作物を1か所に登録するというシステム負荷とか、管理・運営コストの膨大化。また、データベースの内容やニーズ、これは目的によって様々異なってきます。どういった汎用的な活用が可能になるか。

一方、その下の連携型とありますが、各団体等の持つデータベースと連携したデータベースを構築させるということで、1つ目、既存のデータベースを活用することが可能。あるいは、拡張することができるかどうか。2つ目のメリットとしては、当該データベースの目的や使途に応じた必要な情報のみを持つことにすることで、必要以上の個人情報やデータ容量を持つ必要がなくなるのではないかとしております。

三角印のデメリットとしましては、データベース間での最低限での標準化であるとか、そもそも既存のデータベースがない分野についての新たな整備の必要性などが考えられます。参考として、連携型権利情報データベースのイメージ図といったものも示してみました。

続きまして、資料の3ページ目の②、連携型データベースに搭載する機能・情報として考えられる例として示しております。例えば、他のデータベースと連携を行うための共通の規格。また、著作物毎の権利情報(名称、著作者・著作権者、利用条件、権利者への連絡を可能とする手段等)、どこまで入れるべきなのか。また、利用者が仮にこのデータベースを直接使うというものにする場合は、権利者探索のための統一インターフェースのようなものも必要になるかもしれません。また、対価の還元であるとか分配、こういったものには著作物または著作者等に関する統合ID等があることで、またその利便性が図られるとも考えられます。

米印に書いておりますが、こうしたデータベース全てをウェブサイト上で公開するかどうかといったものも別途、検討は必要なのかなと考えております。また、規格の共通化、連携情報の最小化によりまして、接続や活用が容易になるかどうかといったところも論点です。

以上のような権利情報データベースの検討に関連しまして、前回までの審議会での御議論でも、国による検討、支援が必要といった御意見もいただいております。これにつきまして、文化庁では、経済産業省、知財事務局とも相談させていただいておりまして、今般、経済産業省の御厚意によりまして、一元的な権利処理に資するデータベースに関する調査事業を連携して実施させていただくことになりましたので、御報告申し上げます。

こうした調査事業を今後本格的に進めてまいりますが、引き続き、事業結果も踏まえまして、実効性のある検討をしていきたいと考えております。

以上でございます。

【末吉主査】  それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでございましょう。

【仁平委員】  よろしいでしょうか。仁平でございます。

私、JNCAとして、実は前述していただきましたMINCのほうにずっと最初から参加させていただいておりますが、特に音楽情報のデータベースというところからいきますと、必要なデータとしてメタ情報を集めるというのはもちろんですし、つまり、作詞・作曲家情報とか、そういうことですね。あと、必要なコードの情報、例えば、ISRCとか、JASRACコードとか。そして、それだけではなくて、実は、音源そのもののWAV情報というんですか、音源そのものの情報、そして、4番目として、フィンガープリント等のデジタルマッチングさせるための情報、この4つというのを実はきちんとデータベース化するべきだなと。今後の課題として、するべきだなというふうに感じております。

そして、もう一つ、そのデータを集めるのに、今、集中化するのかどうなのかというお話ありましたけど、1つのデータベースに皆さんが入れるというのは、理想ではあるかもしれませんけど、現実的にとても難しいです。なので、既存あるそれぞれの小さいデータベースというものがあります。特にUGCの世界の中であれば、例えばクリプトンさんがやられているピアプロとかROUTER.FMの情報とか、例えばドワンゴさんがやられているニコニコ動画そのものの情報とか、ニコニ・コモンズという、コモンズ宣言ができる場所の情報とか、世の中にはいろいろなデータベースがあるので、そういったデータベースの情報を積極的に取り入れられる形のデータベースを構築するということが大事だと思います。

その中で1つ考えておかなければいけないのは、じゃ、共通の、必ずこの項目は小さいデータベースを作るときも入れておかなければいけないですねというものが実際あると思うんですね。例えば音楽であれば、ISRC情報は入れましょうみたいな、そういう文化をつくっておけば、ISRCを必ず小さいデータベースはもう持っているということになれば、それを集中データベースにデータを提供するときも、ISRCが1つの引き金となって、いろんなデータの結びつきができるので、そういう文化というのもあるかなということと、あとは、UGCの人間が自分でコンテンツを作ったら、そのコンテンツに関する使い方を必ず宣言しましょうねという文化をつくるというのもいいかなと。私のコンテンツはこういう使い方はオーケーです、だけど、こういう使い方は駄目ですよというのを宣言するというのが、もうUGC等の人間としては当たり前なんだというような文化をつくることによって、各小さいデータベースにはUGCデータが入ると同時に、使い方がそこには分かっている。それを大きな集中的なデータベースにデータを共有するのか何なのか、つなぎ込むのかで使ったときもそれが分かるということで、UGC系の作品に関しては、使い勝手も良くなるし、権利者に対してのいろいろな権利を守るということもできるのではないかなと考えています。

以上でございます。すみません、長くなりました。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがですか。

【畑委員】  よろしいでしょうか。畑でございます。よろしくお願いします。

この資料4の冒頭でMINCに触れていただきましたので、一言意見を述べさせていただきます。

まず、音楽情報プラットフォーム協議会で運用しておりますデータベース、「音楽権利情報研検索ナビ」というサイト名で一般公開していますけれども、このデータベースにつきましては、この3ポツ①記載のデータベースのパターンイメージとしては「一元型」になります。具体的には、JASRACさん、NexToneさん、レコード協会、芸団協CPRAさん、それから、先ほど御発言ありました仁平さんの団体の個人クリエイター情報などを全部1つの大きなデータベースに集約化して、各種IDの紐づけをして一元データベースを作るというのがMINCの取組になっています。

ただ、今般議論されております一元的な権利処理を実施するために必要なデータベースというのは、全ての著作権分野の情報を横断的に集める必要がありますので、これについては、やはり「連携型」のほうが適しているのだろうと思っております。

“データベース間で最低限の標準化が必要”というコメントがこの資料には記載されていますけれども、音楽分野だけでも、先ほど仁平さんもおっしゃったとおり、どこまでの情報を集めるのか、それをどうやって見せるのかということを決めるのは結構大変なんですね。それは、例えば、書籍出版のデータであったり、映画のデータであったり、放送番組のデータであったり、それを同じ標準化された仕様でデータベース化するというのは、これはかなり困難な話だと思っています。それぞれの業界において、それぞれのやり方、慣習、それから、どこまで一般に公開できるかという考え方もやっぱり違いますし、ここについての標準化というのはなかなか難しいのではないかなと思います。データベースそのものは、やはりそれぞれの業界の事情に則したものであるべきであろうと思っています。

ただ、我々はよく検索ポータルという言い方をしますけれども、一つの検索ポータルサイトのようなものを作って、そこに著作権等管理事業者、権利者団体、あるいはその他のデータベースを接続して、一定範囲のデータを定期的に吸い上げるということによって、ユーザーが検索して情報を確認できるような機能のポータルサイトを作るという方向性がいいのではないかと思っています。

そのときに、そのポータルサイトと各管理事業者、権利者団体等のデータベースをつなぐときの情報フォーマットは標準化が必要であるということ。そこが標準化できれば、それに合わせていろんなデータベースをつないでいけると思います。また、ポータルサイトには必要最低限の情報を持つということに留めるべきではないかと思っております。

その理由の一つとして、情報の鮮度という問題もありまして、例えば、今MINCのほうでは、JASRACさんのデータ、レコード協会のデータ等々、1か所に集めているわけですけれども、JASRACさんのデータは随時更新されますが、MINCとJASRACさんの間は1週間に1回読み込むという形になっています。そして、MINCで表示される情報は1か月ごとの定期更新ということになっています。したがいまして、大本のJASRACさんのデータ、JASRACさんを引き合いにして申し訳ございませんけれども、JASRACさんの更新データがMINCで表示されるまでには1か月近いタイムラグが生じる場合もあるということになりますので、検索サイトで確認した情報をもって、その最新の情報や詳細情報はやはり元のデータベースをリンク等で見に行ってもらうといった構造にするのがいいのではないかなと思いました。

以上でございます。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでございますか。

福井委員、どうぞ。

【福井委員】  本日も非常にためになる発表とおまとめ、ありがとうございました。

まず2の方向性についてですけれども、これは既に出ている視点ですが、拡張性、それから、互換性や接続性が非常に重要になるだろうと思います。ビジネス、それから、ニーズは過去10年でも大きく変わりましたように、今後も大きく変わっていくだろうと思います。そのとき、例えば、項目を増やすとか、互換性をさらに高めるとするたびにやり直し、システムの作り直しをしなければいけないというような事態は過去も様々見られたように思いますけれども、これは避けるべきだと思います。最初から拡張性を見込んで構築していくことが大事かなと。

特に、Japan Searchなど、コンテンツがどこに所在しているのか、あるいはコンテンツ自身、そういう各データベースとのマッチングも重要になるだろうと思います。これらは、おっしゃるとおり、各データベースの情報の在り方、コードはまちまちですから、ACIDも参考にして、どう互換性を取っていくかということが重要になろうかと思います。

次いで、3のパターンのイメージですけれども、これはやはり連携型が現実的だと思います。特に、どうしても議論が音楽と芸能の部分に集約されていくんですけれども、それ以外の分野では、ヒアリングでも分かったとおり、組織率が決して高くないんですね。ACID、アーティストコモンズには私も関わっておりますけれども、業界組織が中心となって進めたから、あれだけの付番が進められたというところがあります。それに比べて、組織率の低い分野、例えば映像そのもの、あるいはヒアリングにもあったイベントに関わる権利ですね。あるいは、出版、漫画、学術とか写真・美術すら、まだまだ高くはありません。つまり、大半のコンテンツはノンメンバーが権利を管理しているわけですね。

しかも、権利処理というものは要素がお互いにつながっていますから、どれか1つの要素が処理できなかったら、そこがボトルネックになって、もう作品全体の流通ができなくなってしまう。まさに記載されているノンメンバーとか、あるいは、不明作品、この登録をいかに促していくかが鍵かなというふうに感じました。

最後に、コストです。言及いただいたとおり、経産省や知財本部との連携は非常に良いことだと思います。ただ、それはまだ入口にしかすぎないと思うんですね。DX対応ということを政府がこれだけ言い、また、少子高齢化の中で情報立国、コンテンツ立国ということを真剣に考えるならば、権利情報のデータベースは、まさに基盤インフラになりますね。早く、政府としてそれを十分に支えていくんだという姿勢を打ち出すことが、既存の権利者団体の皆さんの不安の解消にもつながるであろう、こんなふうに思うわけです。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかに御意見いかがでしょう。

坂井委員、どうぞ。

【坂井委員】  坂井です。先ほどお話をお伺いしたアーティストコモンズさん、あそこのやっていらっしゃったところはすばらしいなと思うし、必要最低限の、特にニーズに応えるようなところをやっていたところはいいと思うんですけれども。今回、今、事務局さんのほうで、目的として、ユーザーのメリット、それから権利者のメリット、そして権利者管理団体のメリットということで、そのメリットを享受するためにはどうしたらいいのかというのは、1つ目的として考えなければいけないなというふうに、目的の違いを考えなければいけないなと思っています。

具体的に言うと、ACIDというのが、権利者のメタ化の情報だけで、コンテンツIDみたいなものを持たないでいいのかというところは、議論が必要だと思っています。

それから、今、経産省さんのほうで、ディーポがやっているジャックサーチさんと同じようなものをもう1個作ってもしょうがないと思っていて、私の認識だと、ジャックサーチは、ある程度プロの人たち、海外に売れるようなコンテンツも含めて、かなりデータベースとしては、そういった目的ではうまくできているのかなと思っています。

ただ、一方、UGCに代表されるような、本当に今福井先生の御指摘にあったような、誰が管理しているかよく分からないというようなもの、そちらを文化庁さんとして整理するのであれば、そういうジャックサーチとの切り分けというのがかなり必要になるのではないかなと思っています。

併せて、今、文化庁さんでやっているメディア芸術データベースについては、権利者情報とか、出演者情報とか、そんなようなところがメタ化されていないというふうに聞いています。そういったところもやっぱりきちんとメタ化しないと、横の隣のデータベースにつながりませんので、そういったところはきちんと整備として、国の責任においてやることが必要なのではないかなと思っております。

あとは、仮にACIDみたいなものを本当に広めるのであれば、逆に、コンテンツ側にメタ情報として、メタタグみたいな形でちゃんと置くということを標準で、文化庁さんが標準フォーマットみたいなものを作れるのであれば、そこは最低限のコストで、ACIDにひもづくような、人にひもづくデータベースだけで済むのかなというところも、議論として入れてもいいかなと思っています。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでございますか。

倉田委員、どうぞ。

【倉田委員】  失礼いたします。本日もたくさん勉強させていただきました。

先ほど坂井委員がおっしゃっていたところにすごく同意しまして、やはり目的というところが非常に重要になるだろうなと思いました。つまり、最低限の標準化の開発には、データベースの目的をしっかりと明確化する必要があると。

私個人としては、DX時代にマッチした著作物の利用円滑化というところがやはり一番大きいのかなと思っておりまして、これをもし目的とするならば、やはりコンテンツを利用したいユーザーは何を知りたいのか、どういう情報が欲しいのかというのは、やはり幾つか整理する必要があるのかなと思っております。そのために、今行っていただいているパブリックコメントの情報というのが非常に重要な情報になると思いますので、またそちらのほうで勉強させてもらったらと思います。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでございますか。よろしいですか。

ありがとうございました。それでは、次に参ります。

次は、UGCに係る論点について議論をしたいと思います。事務局において資料を用意いただいておりますので、資料5に基づき説明をお願いいたします。

【小倉著作権課長補佐】  資料5を御覧ください。「UGC等のデジタルコンテンツの利用促進について」です。

まず1ページ目、1ポツ、検討の方向性についてです。

冒頭、1つ目のパラグラフにありますように、誰もがコンテンツの創作を行い、様々なユーザーがコンテンツを利用し、さらなる創作活動が行われるようになってきています。

こうした中、一般ユーザーが創作するコンテンツ、ここでは、これを以下「UGC」と仮に呼ばせていただきますが、これらは必ずしも営業目的または販売目的といったビジネスの対象とならないようなコンテンツや、既存の流通形態に乗らないインターネット上のコンテンツとして急速に増えてきています。

これらのコンテンツの中には、利用のニーズがある一方で、権利の所在や利用条件等が明らかではなく、その利用許諾を取ることができずに死蔵されているものや、必ずしも権利者が権利行使を望んでいないにもかかわらず、その意思が明示されていないがゆえに利用が控えられてしまっているものもあります。

こうしたUGC等のデジタルコンテンツの利用を促進することは、当該デジタルコンテンツ自体の価値を高めるとともに、ユーザーにとっては安心して利用することが可能となり、ひいては、コンテンツ産業や新たなコンテンツの利活用・創作による文化振興にも資すると考えられます。

このため、権利者の意思表示がなく許諾を得ることが困難で、利用することができずにいるデジタルコンテンツについて、その具体的範囲・内容を検討し、想定される利用場面における利用円滑化方策を検討してはどうかと考えております。

なお、今般の議論の趣旨に鑑みまして、既に公表済みであり、また、ユーザーのアクセスが容易であるがゆえに権利処理円滑化の必要性が相対的に高いと考えられるインターネット上にあるデジタルコンテンツを中心に検討を行うこととしてはどうかとしておりますが、こちらも御意見いただければと思います。

次のページを御覧ください。まず、この「UGC」の具体的範囲・内容についての論点となります。

1つ目のパラグラフにありますように、いわゆる「UGC」については、その定義・内容・範囲は必ずしも定まっておりません。これまでは、規制改革実施計画や内閣府の知財事務局の報告書に記載例がございまして、例えば、「いわゆる「アマチュア」のクリエイターによる創作物」、また、「ユーザー生成コンテンツ」といった記載例があります。

これだけだとイメージがわきづらいと思いまして、事務局で例示をしてみたものが2つ目の白丸の部分になります。個人ユーザーが作成したイラスト写真、漫画、小説、音楽、ゲーム、動画、「○○してみた」やゲーム実況中継等。また、ユーザーによるSNS等への投稿文や画像そのもの。また、ユーザーが作成した二次利用を想定した素材と言える背景画、歌詞・曲、効果音、こういったものが考えられると思います。

これらについて、利用円滑化方策の対象となるものを限定していくに当たっては、どのような観点が考えられるかといったところで、この観点例を2ページ目の中ほどに示しております。

あくまで観点例ではございますが、まず1つ目につきましては、例えば、商用・営利目的等で掲載されていない、いわゆる「アウトオブコマース」の概念を用いて対象範囲を画していくことはどうかといったものです。

ただ、米印にありますように、「アウトオブコマース」についても定義が多義的でありまして、実務上のビジネスモデルも踏まえて明確にする必要があると考えております。例えば、その時点で販売・公開等がなされていなかったり、一定期間のみ無償とされていたりするものがあるなど、具体的な内容を検討の上、明確化していくことが必要だと考えております。また、無償で置いてあるとしても、広告収入等を得られている場合も多いかと考えます。こういった場合の扱いをどう考えるか。

2つ目の観点例としては、そのUGCについて、集中管理がされていないこと、あるいは、利用条件・利用規約・連絡先が示されていれば、これに沿って利用することも可能になるかと考えておりますが、こういったものが示されていない場合。

3点目は、権利者と思われる連絡先に連絡を取ったり、利用したいという意思を権利者が容易にチェックできるウェブサイト等で公示を行ったりしても一定期間に応答がないものといった観点も考えられるのではないかと思っております。

②は、そのコンテンツの内容であるとか、客観的な条件に照らし合わせた観点かと言えます。③につきましては、どちらかというと、利用者側のそのコンテンツを使うまでの手続、こういった観点になるかと思います。米印にありますように、これらの観点は相互に重複することも考えられます。

続きまして、その下の白丸のパラグラフに書きましたが、上記のこれらの観点に該当するとしても、利用円滑化方策の対象とすべきでないものとして、どういった観点が考えられるかというところで、こちらも事務局において検討の上、少し観点例を示しました。

1つ目としては、当該UGCコンテンツの中に、UGCやアウトオブコマースとは言えない、いわゆるプロのコンテンツが用いられているもの。

②として、海賊版等、違法に複製・公衆送信されているもの。

③、他者の名誉、社会的信用、評判、プライバシーを侵害するもの。

④、ダウンロード防止措置や複製禁止措置等が取られているもの。

⑤、各種プラットフォームサービスや企業等で包括的に利用規約が定められているものなどがあると思います。

また、その他の論点として、権利者不明著作物がここに含まれることになるかと思いますが、含めてよいのか。また、二次的著作物は原著作者の権利も考慮する必要があるが、どのような取扱いとすべきかといったものです。

ここまでが、対象となるUGCの中身の議論です。

次の3ポツ、想定される利用場面につきましては、記載のとおり、UGC等のデジタルコンテンツが利用される具体場面はどういったものが想定され、このうち、利用円滑化を行うべき場面をどう考えるかというものです。

1つ目の黒ポツにありますように、ユーザーによる当該コンテンツの二次利用(自己が制作する映像や動画等に当該UGCコンテンツを取り込む際の複製や公衆送信)。

また、個人ユーザーによる当該コンテンツの紹介や評価、共有などの部分的利用。

個人ユーザーではない事業者等によるこういった利用。

さらには、これらの利用のうち営利・商業目的の利用があるかと考えます。これらの中には、当然、現行法における引用などの既にある権利制限規定、こういったものを活用して使える場面もあるかとは思いますが、これらをどう捉えて利用円滑化方策を考えるか。

次の4ポツ、利用円滑化方策につきましては、1つ目のパラグラフには、これまでの審議会での御意見にもありましたように、誰もが使うことのできる状況に置かれており、権利者からの一定期間の反応・申出がないことを踏まえると、例えば、許諾があったものと推定したり、事後的な申出があるまでの暫定的利用を可能としたりする方策は考えられるかと示しております。

これらについても、論点ばかり多くて恐縮ですが、以下のような論点があるかと考えております。

例えば、対象とする利用行為に制限をかけるかどうか。複製・公衆送信のほか、本案等です。

また、利用円滑化方策を取ることのできる要件を判断する時点として、例えば、当該UGCコンテンツの公表時の要件なのか、当該UGCコンテンツを利用するときの時点なのか。

また、暫定利用を認めた場合、暫定利用の期間とその効果です。例えば、その暫定利用期間中の差止請求権や罰則との関係についてです。

また、事後に権利者による意思表示があった場合の考え方としまして、暫定利用行為時点までの免責、あるいは、その後の扱いですね。すぐさまその利用を止めさせるのかどうかといったところ。

また、事後に当該UGCコンテンツに係る利用条件等の権利者意思の変更があった場合の考え方。

また、その意思表示の主体として、UGCコンテンツ自体の権利者のみならず、例えば、それが二次創作であれば、原著作者の考え方、あるいは、使用されている素材があれば、その著作権者等を含めるべきかどうか。

最後に、許諾の推定をするからには、かなり明確な条件が必要になると思いますが、こういった事実や具体的条件をどこまで特定できるか。また、仮に権利制限をする場合は、その権利制限を正当化する根拠はどうかといったものが論点になるかと考えております。

以上でございます。

【末吉主査】  それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見を承りたいと思いますが、いかがでございましょう。

仁平委員、どうぞ。

【仁平委員】  JNCA、仁平です。よろしくお願いします。

先ほどもお話ししたんですけれども、UGCコンテンツをどういうふうに使っていいのかというのは、意外と細かいところがあるので、これはもう御本人が宣言をしてもらうというところの文化をきちんと明確化したほうがいいかなと。事実、もうそういう文化があるにはあるんですね。先ほどもお話ししましたようなクリプトンのピアプロというサイトだとか、ドワンゴさんのニコニ・コモンズとかというサイトには、ちゃんと作品を紹介できて、ダウンロードできて、使い方に関する、こういう使い方はオーケーだよというところまでちゃんと明示されているという、そういう機能がもう既にあります。

ただ、まだそこに載っかっていないようなものもあるので、今後は、例えば、それこそブログで何か面白い記事を書いたよというものまで含めて、この私の作品に関しては、こういうふうな使い方はオーケーですというのを宣言してもらうというのが、もうこれはIGCの中では当たり前なんだという、そういう文化をまずつくりたいなと。その上で、その情報が一括で検索できるような何か検索エンジンがあればいいかなと思います。

あともう一つは、商用利用という言葉がちょっと危険だなといつも思っていて。といいますのも、世間一般では商用利用と言うと、CDに焼いて売るとか、そういうものが商用利用なんですけど、ネットの場合には、たとえ参照だとしても、何かのコンテンツを参照にした動画をYouTubeなりに上げて広告収入を稼ぐということもあるわけですよ。これは商用利用ですよね。そういう人たちは、それで生活しているわけなので。

ニコニコ動画の場合には、参照された元の動画もしくは作品の権利者にもお金を返すという、コンテンツツリーとかという機能があるんですけど、一般にそういうものがないようなところでは、参照されただけなんだけど、実際はそれは商用利用されたのと同じだよというのがあるので、この商用利用という言葉の定義をもう少し細かくしたほうがいいと思います。

ちょっと乱暴な言い方をすれば、ネットで使われる二次創作は、ほぼ全部商用利用と言い切ってもいいぐらい、お小遣い稼ぎだとか、バナーで稼ぐとか、もうそういうものを全部含めて、これは何らかのメリットを感じているからやっている人たちが多いので、商用利用という言葉は大事かなと思います。

なので、商用利用という言葉と宣言する場の充実、その文化の拡大というところが大事かなと思いました。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでしょう。

菅委員、どうぞ。

【菅委員】  ありがとうございます。仁平さんとは、いずれサブカルの話をしたいなと思いつつ聞いておりました。

おっしゃるとおりで、私も、この会議の前回、もっと前から、もうCCマークをつけようよというような宣言の場というのを大事に思っていますので、私も、この宣言文化をきちんと広報して、根づかせていくというのが一番大事だと思います。それがクリエイターの意思の尊重であり、利用者の円滑な活用の根本だと私は思っています。

あと、私は解決を持たないけれども、気をつけなければいけないなと思ったのは、先ほど仁平さんもおっしゃっておりましたけれども、どこまで商用かというのを決めていかないといけない。

ただ、少し私と意見が違うと思ったのは、二次創作、ここでは法律的な二次利用とは別に、ファンアートとしての二次創作の場合は、お小遣いはいいから見てちょうだいという人たちも非常にたくさんいらしたり、そこにたまたまWeb広告がついていたというような場合もありますので、これも宣言として、私はもうこれ二次創作としてやっています、ファンアートですというような、宣言の種類として、そういうことを自分でおっしゃっていくのが大事かと思います。

それと、そういう場合に、例えば、自分の描いた作品のバックに素材サイトから素材を持ってきた。そのときに、素材サイトのほうの規約で、これを背景に使うのであれば、商用だったらこうだけど、非商用、ファンアートだったらこうだよというすみ分けがある場合。そうすると、自分の描いたコンテンツというのが売れてしまった場合に、いきなり商用になって、バックが使えなくなる。いわゆる放送におけるふたかぶせのような事案が出てくる可能性もあります。これは、私、今解決を持ちませんけれども、そういう危険性もある、傾向もあるということを皆さんにお知らせしたいと思って発言しております。

もう一つ、ファンアートの場合です。これ売ります、すごくいいです、みんな買いますという場合に、実は原型が既存のアニメ、漫画である場合があります。それは計画的に悪意を持って、わざと加工してそう見えないように、または、それをにおわせる程度に抑えたように作って売る場合と、申し訳ないですけれども、技術が追いつかなくて、すごくファンがそのつもりで描いたのに、あんまりうまくなくてオリジナルに見えちゃったという場合があって、その悪意の差が全然違うんですね。だから、もしファンアートにも広げて、いいものを使いたい、それで、もっと著作権というものを広めたいというところに踏み入れるのであれば、そういう危険性もあるということをお伝えしておきます。

ただ、私は、今はファンアートの議論の場ではないと考えていますので、一応これ流れとして申し上げましたが、知識として片隅に置いていただければと思います。

ありがとうございました。

【末吉主査】  ありがとうございました。

福井委員、どうぞ。

【福井委員】  お二方の御意見、非常にもっともだと思いました。そして、この項目に関しては、まだまだ議論の整理が必要だなというのが第一印象です。

UGCとは非常に多義的ですから、これを明確に定義して、UGCというものを特に切り出して、そのために固有の法制度を設けようという方向は、恐らくあまりワークしないのではないかなというのが印象です。

例えば、投稿動画や投稿イラストという例を取っても、それをUGCであるのか、それとも、もし「従来型のコンテンツ」という言い方が許されるなら、従来型のコンテンツであるのかという議論をし始めても、そんなにはっきり区別できないだろうと思うんですね。

言えるとすれば、一般的傾向ですね。例えば、今お話のあったとおり、いわゆるUGCでは二次創作の比率が恐らく高いかなとか、それから、アマチュア的な志向性のクリエイターの方が恐らく多いかなとか。また、その方々は、恐らく固有のSNSとの結びつきが活動の中でかなり強くて、そのSNSのエコシステムとがっちり結びついているはずなんですよね。そうすると、そのエコシステムと切り離して議論するというのは、恐らくそんなに簡単ではない。こんな傾向は言えると思うんです。でも、あくまでも傾向であって、それでさっぱりと切り分けられるようなものではないと思うのですね。

そこで、むしろの提案というか、視点なんですけれども、ほかの検討項目のうちの3つ、つまり、1つ目としては、ノンメンバーも含めて集中管理とか、あるいは、今議論のあった意思表示をどう進めていくかという検討。

2つ目として、アウトオブコマース作品をどう利用促進していくかという検討。

3つ目として、言わば最も絶望的な権利者不明作品の利用促進をどう進めていくかという検討。

この3つの議論に、少なくとも法制度の議論としては、吸収させていって、その中で、先ほど来確認されてきたUGC的なるものの特質に十分我々は対応できているか、目配りできているかということを考えていくのが現実解ではないかなというのが、私の現時点での印象です。

それを申し上げた上で、では、アウトオブコマースということが途中議論に出てきたので、そこにちょっと移りますと、これについては、少なくとも定義や外延について、海外でも議論があります。仁平さんのお話にもあったけれども、元のエコシステム内で流通が続いているものは、有償だろうが無償だろうが、それはアウトオブコマースとはやっぱり言わないと思うんですね。

例えば、YouTuberがYouTube上でマネタイズできて、みんなが見ることができる動画、それをアウトオブコマースと呼ぶようだったら、本屋で売られている書籍だって、デジタルで流通していないだけの理由でアウトオブコマースになっちゃいますね。でも、そんなふうには多分議論しないと思う。だから、そこはアウトオブコマースからは省くほうがいいのではないか。ただ、作者と連絡がつきやすいかとか、ちゃんと意思表示、集中管理されているかという議論に、吸収させていけばいいのかなと思うんですね。

ということで、3番の各論は、そういう3項目の中で議論していくのがいいのではないかなというのが意見ということになります。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

奥邨主査代理、どうぞ。

【奥邨主査代理】  ありがとうございます。

私も、この議論を伺ったときに思うこととしては、どうしてもUGCの定義が難しいということが1つ基本にあるんだとは思うんですけれども、そのために、実際ここで御提案になっている形というのは、アウトオブコマースであって、かつ孤児著作物であるものということに実質なっていると思うんですね。ここまで絞ってしまうと、実は、UGCという、上がっているんだけれども、実際これに当てはまるものってどれぐらいあるんだろう。しかも、プラットフォーム上の利用規約があるものは除くとかなんとかというと、ここに当てはまっているものはほぼないのではないかなと。

で言うと、果たしてこういうアプローチで何か、一般の方々にとっても、権利者の方々にとっても、プラスになるような答えって出るのかなと。一所懸命やるんだけれども、難しいことに挑戦するんだけれども、その効果が果たして目に見えるかなというのはすごく心配になりますね。

UGCの定義、やっぱり難しいのは、一般的な定義をするのは難しいのはもう当然なんですけれども、それを裏返すと、やはり今苦労しているところであるんですけど、この3番の想定される利用場面のところをもうちょっと具体化していくこと。UGCって何ですかという議論をしても、水かけ論というか、堂々巡りになりますので、それよりは、どういう使い方がしたいんだということをまず議論して、その中に、今、福井先生がおっしゃったような形で、ほかのもので当てはまらないものとして何かUGCっぽいものが残るというのであれば、それに当てはまるものだけを括弧つきのUGCと定義して対応を検討すればいいのであって、何に使いたいか、どう使いたいかというところが不明確なまま、何かUGCというものがあって、それに対する対応策で、それに対してはこれぐらいしか使えませんというのだと、どんどん絞っていってしまって、もうほぼ何も残らないような感じになってしまうのかなとちょっと心配する。後ろのほうの利用円滑化方策で出ていることって非常に重要なことが出ていて、これが実現できればかなりいいことがあると思うんですが、対象になるものが少ないと、せっかくいい方向が出てもメリットは少ないかなと思いました。

あともう一つは、先ほどから宣言をするということを1つ文化にしていくべきだと、これは非常に重要なことだろうと思います。UGCについて、仮にそういうアプローチを1つの柱とするんだとすると、むしろ私たちがやることは、そういう宣言の法的な性質や法的な位置づけというのをきっちりとする。場合によっては、法的な手当てをすべきだと思うんです。ずっと昔、これはUGCの前に、コンピュータソフトウェアのフリーソフトというのが世の中に出始めたときからずっと議論になっているんですけど、この性質って何なんでしょうか。これは私はフリーソフトで使ってくださって結構ですという、これは何なんでしょうね。これ、撤回することは可能なんでしょうかとか、ずっともう30年、40年前から議論していて、それってほったらかしのままなんですよね。みんな、その中で漠然と使っている。

これを積極的に推進していくのであれば、例えば、つけた人にとってのメリットがあり、また、それを守った人にとってのメリットがある。例えば、今ありましたけど、宣言をして撤回をした場合に、撤回までの間に使っていたことについては、法的に何の問題もないということをきちっと立法で明記するとか、いろいろやることはあると思うんですね。

ですから、宣言を1つの柱にするのであれば、私は、その宣言の立法的な根拠をはっきりする、著作権法上の根拠をはっきりするということをするというのが、1つの柱として、裏側として、ただ単に頑張りましょうだけではなくて、そうしたものを使うことの意義と、つけることの意義というのを法律的に担保してあげるというのはあっていいと思っております。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでございましょう。

菅委員、どうぞ。

【菅委員】  再び失礼します。考えていることがそんな間違えていなくてよかったなと思っております。

福井先生と奥邨先生のおっしゃったことに少し意見を足したいと思っております。

まず乱暴な言い方をします。とても乱暴な言い方をすると、私は、UGCの在り方というのは、ファンとかはもう放っておいて、先ほど言ったファンアートは放っておいて、売りたい、使ってくださいという人を救済するのが一番の目的ではないかと個人的には考えております。

私自身がクリエイターなせいで、どこで発表したらどう使ってもらえるかというのに敏感なことが原因だと思うんですけれども、とにかく勝手に楽しんで描いている人はまず置いておいて、使ってほしい、私のこれを広めたいという人を救済してあげたいという気持ちが大きいです。

そのためには、どこにも帰属できない人たち、本当に素人に毛の生えたというか、そういう人たちが、ここに行ったら私の作品が見られます、または使えます、または私の名前が出てきますというようなデータベースに積極的に登録してもらうことが一番だと思います。

それを、今、ゲートウェイ構想のほうが主になってきていますから、どこまで担えるか分かりませんけれども、この新しい一元かつ簡単に使えるという、このところに自分から登録しに行って、私がここにいますよというふうに登録した人が、そこにアクセスした人によって使っていただける、名前が知れるというようなWin-Winの関係を、登録すればこうなる、使いたい人はそこに行けば使えるというような関係で、自分から登録していくというのでいいと思うんです。それ以外のUGCというのは、私は今あまり考えなくてもいい、描きたい人だけがというふうに考えます。

もう一つは、その帰属の方法なんですけれども、先ほどからプラットフォームという言い方がありましたけれども、これは、例えばUGCという乱暴な言い方をすると、イラストの場合では、pixivが大手だと思っております。例えば、YouTube、pixiv、そういう投稿サイトのほうでもう少し協力を得て、この投稿サイトに載っているものはこうである、そのうちA、B、Cのランクがあって、自分はこのBという権利を選んでいるということを簡単に出していくといいと思います。

詳しく言うと、pixivというのは、ファンアートとオリジナルが混在する世界なんですけれども、私がオリジナルをやっているから、これは使ってくれるときにはマルCをつけて、連絡をくださいという条件を1セットにして、pixivのAコースみたいな、そういう条件づけをしていくというのも大事です。

とにかく私が救済したいのは、売りたい、使ってほしいという意味でのUGCです。ファンアートというのは、もう切り離して置いといたらいいかなと思いました。

ちょっとまとまりがなくて申し訳ないですけど、以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでございましょう。よろしゅうございますか。

ありがとうございます。

それでは、最後に、現行の裁定制度について議論をしたいと思います。事務局において資料を用意いただいておりますので、資料6に基づいて説明をお願いいたします。

【小倉著作権課長補佐】  資料6、「現行の裁定制度の改善に関する検討」を御覧ください。

まず初めに、1ポツ、裁定制度の概略でございます。

冒頭ありますように、裁定制度とは、著作権者が不明である等の理由により、相当な努力を払っても権利者と連絡することができない場合に、文化庁長官の裁定を受け、かつ、文化庁長官が定める額の補償金を権利者のために供託することで、その著作物等を利用することができる制度になっております。

この3つ目のポツにありますように、本制度は、権利者が不明な場合に利用することができる制度であることから、権利者が不明であるという事実を担保するに足りる程度の「相当な努力」を行うことが前提となります。

2番、これまでの裁定制度の改善について御説明いたします。

制度面の改善としましては、資料にありますように、順次行ってきております。平成30年には、事前供託の一部免除として、国や地方公共団体等については、事前の供託を求めないこととする法改正を、また、平成29年には、申請手数料の負担軽減、平成28年には、過去に裁定を受けた著作物等を利用する場合の、より簡便な措置を可能にした要件緩和などを行っております。

次のページを御覧ください。また、平成26年度につきましては、権利者捜索のための「相当の努力」の要件を見直しております。こちら、例えば、真ん中の表にありますように、見直し前は、このアからカまでの全ての対応を求めておりました。これについて、見直し後は、右側のように、簡略化して、全てをというものでないような形にしております。

さらに、制度面の見直しのみならず、運用面の見直しとして、2ページ目の後半の部分になりますが、CRICのウェブサイトでの広告について、7日間の経過を待たず広告掲載直後からの裁定申請を可能にすることであるとか、③のように、利用期間について請者が設定できることを明確化する。また、④のように、書籍の増刷、販売後の電子書籍化、その配信期間の延長のように、同一の著作物等について、追加的な利用を予定する場合は、あらかじめ申請内容に含めておき、利用の数量や期間を区切って補償金を追加供託することにより利用が可能となるといったようなことも行っております。

次の3ページ目になりますが、その他、ウェブサイトへの広告掲載料の減額であるとか、第三者に利用させることを内容とする裁定申請が可能であることの明確化、こういったものを進めてきております。

3、裁定制度の利用実績になります。申請1回毎における著作物数の制限がないため、対象著作物等の数には年度毎にばらつきがありますが、御覧いただいているグラフ、表のように、裁定件数は増加傾向にあります。

こういった状況を踏まえまして、4番、今後の改善方策に関する検討(案)でございます。

これにつきましては、まず1つ目、申請に必要な供託手続の不要化ということで、これまでも議論してきておりますが、例えば、現在、国、NHKを除いて、補償金の事前供託が必要となっております。例えば、この事前供託をどうするか。また、この事前供託の手続について、さらに不要とすることが可能かどうか。

2つ目のポツとして、供託金の算定の根拠となる情報の提供とあります。これは、今、補償金(供託金)の額の算定のために、同様の利用形態についての使用料の相場が分かる資料や算出方法について、この裁定を用いて使おうとする利用者が、著作権等管理事業者や著作権団体等に問合せを行って算定していくといったことを運用として行っているところです。例えば、定型的な利用については、この補償金の根拠となる情報の事前提供を行うとか、こういった工夫によりまして、相当程度、この裁定の申請に係る労力、コストが減るのではないかと考えております。

次の4ページ目をお開きください。その他の方策として、前回までの委員からの御意見では、例えば、供託手続の改善ができないか、供託金の納入に関する手続きの簡便化に関する方策、こういったものもございました。また、手続の民間化として、文化庁への事前相談も含む申請手続先について、例えば、文化庁以外が行う場合の方策とか留意事項があるか、こういったものも御意見としてありましたので、載せております。

以上になります。

【末吉主査】  それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見を伺います。いかがでございましょうか。

菅委員、どうぞ。

【菅委員】  度々すみません。分からないのでお聞きしたいことがあります。

1つ、福井先生にちょっとお伺いしたいんですけれども、オーファンワークスに長く関わっていられるように伺っております。この供託金制度があるのに、まだオーファンワークスが非常に問題であるというようにお考えになる根拠というか、原因はいかがでしょう。

すごく素人考えで申し上げますと、オーファンワークスで分からない、一所懸命検索したけど分からなかったら、もう供託にしてしまって使わせてくださいというのが、すごく簡単な解決のような気がするんですけれども、福井先生が今お考えになっている問題点というのはもっと複雑なんでしょうか。すみません。本当に素人考えで。お願いします。

【福井委員】  主査、どうしましょうか。

【末吉主査】  恐縮ですが、福井委員、お願いします。

【福井委員】  分かりました。

非常に本質的な御質問だと思います。これ、供託制度というか、利用裁定制度ですけれども、確かに、探す努力を尽くし、それでも見つからない権利者に対しては、文化庁、具体的には著作権課に申請を行い、そして、事前供託を行うことによって利用を適法に開始することができるという制度ですね。

この供託金は何のためにあるかというと、つまり、権利者が将来万一現れた場合、その権利者は、過去利用した分について使用料を請求することもあるだろう。そのときに、利用した人がその時点で資力があれば、そのとき払えばいいんでしょうけれども、資力がない可能性もあるわけですよね。あるいは、何か争いになっちゃうとかね。そこで、事前に全部供託させておけば安心だろうという考え方です。

これ自体は全く理解できないものではなくて、やっぱりベルヌ条約の壁を乗り越えるために、利用裁定制度というのは、それだけ慎重な制度設計をしなければいけないという性格を持っているわけですね。

ただ、現実に申請をなさったことっておありですか。

【菅委員】  ないです。

【福井委員】  そうですか。やると、なかなか、よくノイローゼになるなんていうことを言ったりしますけれども。つまり、探す努力を尽くしたかということもかなり厳しく見られますが、もう一つは、供託金の金額の確定なんですよ。相手がいれば簡単なんですね。その相手と連絡を取り合って、「すみません、あんまりお金ないんで今回は無償で」とか、あるいは、「5,000円でどうですか」とか言って、「うん」と言われれば、その瞬間決まるわけですよね。ところが、相手がいない。そのいない相手に対して、一体幾らが適正であるのかということを、文化庁著作権課さんがちゃんと確認し納得する必要がある。委員も含めてね。そうすると、これを示すのが非常に難しい。関連団体さんなど問合せをかけても、「いやあ、うちの会員じゃない人についてめったなことは言えないよ」という反応が、当たり前ですけど、返って来やすいわけです。

つまり、安心できる材料をそろえて、この金額でいいんだねということを事前に示すのが相当大変で、やり取りは、これは申請者側に手抜かりがあるせいもあるんでしょうけれども、10回以上に及ぶようなケースもあるんですね。相当大規模プロジェクトでないと、とてもじゃないけどできないという話になって、気軽に利用できる制度とはちょっと言いかねるところがある。

じゃ、その供託金どうなりますかというと、まず、権利者が将来現れたとき以外は使えないわけですね。現れる率って、一般的には1%前後だろうというふうに言われています。何せ探す努力を尽くしても見つからなかったわけですから。

なおかつ、現れたときに、利用した側に資力がない、金銭について解決がつかない場合を特に想定しているわけですから、言わばレア中のレアケースのために、それだけの苦労をして供託をしなければいけないということ。結果、ほとんど使われずに残るわけですね。これ、還付の手続はないはずですから、永遠に埋蔵金になるという性格を持っており、どうもこれだと、気楽に一般の方が使えるということにはなかなかならないので、それこそUGC的な利用で使うなんて、ちょっと夢のまた夢かなというところがあり、アーカイブの現場でも非常に苦労する点です。

こんなこともあって、供託金の不要化とか、あるいは、申請手続きのさらなる簡便化という意見がしばしば要望としては出てきているように理解しています。

一応以上です。

【菅委員】  ありがとうございます。すみません。

次に、夢のような話を申し上げたいと思います。作家ですので、夢は大切ですね。夢のような話を申し上げます。

先ほどから議論の進んでいる一元的なデータベースですけれども、そこでもうオーファンワークスであるということのデータベースもできればなと私は考えております。これはもう以前にいっぱい人が探したけれども駄目で、一度この裁定制度によってオーファンワークスであるとして供託を受けているというふうな事実も、ここで積み上げていっていただきたい。そうすると、2番目に同じようなものを使おうとした人は、この探す手間というのが時代の変遷でもっと出てくる場合もあるでしょうけれども、一応はこれはもうオーファンワークスなので供託すればいい、供託金は幾らだというのが、もう事前に、捜査しなくてもデータとしてある状態になるので、私はこれは手間が省けていく累積事項だと思っております。

それで、やはりオーファンワークス、よく小説でも、この権利者が見つからないけど出版しました、権利者の方、名のり出てくださいというようなものが奥付に書いてある場合があるんですね。でも、そうやってどんどん使っていかないと文化が死んでしまいますので、積極的にオーファンワークスが使える仕組みというのは大事だと私も考えております。

今の供託制度の難しい問題というのは、先ほど福井先生がおっしゃったように、まず探索の手間だと思うんですね。だから、それをちょっと見直していただきたい。ただ、その後の払込みだとか何だとかというのは、このデジタル時代ですから、例えば、「これを使いたいです、ポチッ」、「あとクレジットカードで払います、ポチッ」でいけるようになってきていますので、探索の基準というのをどこまで持ってくるかによって、オーファンワークスはこれからももっともっと生きている文化として使えていくのではないかと思います。

取りあえず今考えているデータベースの中に、過去の供託、この人は見つからなかったという宣言のようなものを貯めていくというのが私の意見です。

どうも、いろいろ御助言、御示唆いただきまして、ありがとうございました。これからも勉強していきたいと思っております。

ありがとうございます。

【末吉主査】  ありがとうございました。

【福井委員】  主査、少しよろしいでしょうか。

【末吉主査】  どうぞ。

【福井委員】  福井です。貴重な御指摘だと思いました。

私の申し上げることでもないかもしれませんが、現在の利用裁定制度には、おっしゃったような要素は既に一部制度として取り入れられており、一度裁定が行われた作品は、簡易に使える形にはなってはおります。また、文化庁のホームページ上でも、過去の裁定作品は検索しやすい状況にはなっています。

それをさらに超えて、そうした裁定済みの権利者不明作品をデータベースにという話は、今回、資料4の中で事務局も提言案として加えていただいているかなと思います。

ただし、おっしゃった「ポチッ」で支払いをするためには、幾らが適正かということを誰かが確定しなければいけないので、現在はそこが非常にボトルネックですね。こんなふうに思いました。

【菅委員】  ありがとうございます。

大変個人的な意見ですけれども、いないと分かっている人なので、もう私は一方的に決めていいという乱暴な意見を持っています。今1%しか見つからないとおっしゃっていたのに、残りはもう国庫に行くものとして決めてしまって、後から出てきた人は、「いや、見つからなかったので、今こう決まっているんで、これしか払えません」で私はいいような気がします。

すみません、乱暴な意見で。今のは本当に私感です。失礼いたしました。

【末吉主査】  ありがとうございました。

ほかにいかがでございますか。

今子委員、どうぞ。

【今子委員】  ありがとうございます。

この資料のグラフによりますと、2000年頃には裁定件数がほぼゼロだったのが、最近では年間60、70を超えてくるようになったということで、これまで地道に改善いただいた結果だと思います。非常に良かったと思います。

これからも、例えば、4ポツに書いてあるような改善方策を検討するというのは非常に大事だなと思いますし、コンテンツ創作の好循環をつくっていくというお話ですが、それに寄与するものだと思います。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

太田委員、どうぞ。

【太田委員】  私が、裁定制度を十分分かっているかどうか自信はないのですけれど、見るところ、事前の裁定という建付けで、先に補償金額を決める制度でしょう。ところが、実際に問題となるというか、権利者が出てくるのは1%以下だというようにお聞きしました.そうすると、事前に、基準もはっきりしない中で苦労して決めて、99%は無駄になるといえ,非効率な気がしています。例えば、事前の仲裁契約のような形にして、もしも権利者が出てきたときに話し合ってもらい、まんいち合意できなかったら、裁定委員会の裁定に従うというような事後の裁定の建付けのほうが合理的な気がします。そうすれば、本当に100のうち1出てきたときに、合意できればそれでいいわけですし、合意できないとなったら、訴訟する代わりに、迅速な仲裁のような形で裁定委員会が裁定するという制度にしたほうがワーカブルかなと思います。ちょっと乱暴な意見かもしれませんが、いかがでしょうか。

特にこの制度の趣旨に対応するものと位置づけうる制度としては、保険制度なども、将来いつどこでどのような事故が起きるか分からないので、最初に事前にプレミアムを払っておいて、本当に事故が起きたときに保険金を払うという制度です。あるいは、ちょうどアメリカ合衆国のベイルボンド、保釈するときに金を積み、そして逃亡したら本当にそのお金を没収するという制度も想起されます。仲裁や保険のような制度のほうが何となくもうちょっとワーカブルというか、一般の小口のクリエイター等が使える制度になるような気がします。そういう方向での制度設計というのはあり得ないのでしょうか。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがですか。

今子委員、どうぞ。

【今子委員】  すみません。言いたいことを言い忘れておりまして、追加で発言させていただきます。

先ほど申し上げたとおり、改善方策は検討していければと思っているんですけれども。それでもなお、この制度はやや使いづらいなと思っている点がありまして。先ほどの福井委員がおっしゃったことと同じかもしれないんですが、より公益性の高い利用ですね。例えば、デジタルアーカイブなどが代表的な利用かと思いますが、そうした利用も促進していく必要があると思うので、公益性の高い利用、そういったものをターゲットにした裁定制度の在り方みたいなのも検討していければと思っています。

販売などをするわけではないようなものについて、例えば、業界の標準料金を出すとか、そこから使用料を算定するとか、供託金の話とか、やっぱりやや使いづらいのかなという点はあるのかなと思います。

対価還元の創出とか増加とかという観点からは少しずれますが、この点、ちょっと申し述べさせていただけたらと思います。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでございますか。よろしゅうございますか。

ありがとうございました。

以上、各論を3つやってまいりましたが、そのほかに、全体を通して何か御意見、御発言がございましたらば、どうぞ、お願いいたします。

よろしいでしょうか。

ありがとうございました。ほかに特段ございませんでしたら、本日はこのくらいにしたいと思います。

最後に、事務局から連絡事項がありましたら、お願いします。

【小倉著作権課長補佐】  本日はありがとうございました。

次回の本委員会につきましては、10月27日13時からを予定しております。よろしくお願いいたします。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございました。

それでは、以上をもちまして、文化審議会著作権分科会基本政策小委員会(第5回)を終了させていただきます。本日はありがとうございました。

―― 了 ――

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