文化審議会著作権分科会政策小委員会(第6回)

日時:令和6年3月13日(水)

13:00~15:00

場所:文部科学省東館3F1特別会議室

(オンライン併用)

議事

1開会

2議事

  • (1)DX時代における適切な対価還元についての関係者からのヒアリング(Google/ByteDance)
  • (2)放送条約の検討に関するワーキングチームの報告について
  • (3)令和5年度政策小委員会の審議の経過等について
  • (4)その他

3閉会

配布資料

資料1
Google 発表資料(3MB)
資料2
ByteDance 発表資料(575KB)
資料3
放送条約の検討に関する対応の在り方についての検討経過報告(207KB)
資料4
令和5年度政策小委員会の審議の経過等について(案)(304KB)
参考資料1
DX 時代におけるクリエイターへの適切な対価還元方策に係る現状、課題、論点(案)(491KB)
参考資料2
DX 時代におけるクリエイターへの適切な対価還元方策に係る現状、課題、論点(案)関係資料(4.5MB)

資料4について以下の通り了承されました。

資料4
令和5年度政策小委員会の審議の経過等について(418KB)

議事内容

【太田主査】定刻となりましたので、ただいまから文化審議会著作権分科会政策小委員会(第6回)を開催いたします。

本日は、御多忙の中、御出席いただきましてありがとうございます。本日は、委員の皆様には、会議室とオンラインにて、それぞれ御出席いただいております。オンラインにて御参加されている皆様におかれましては、ビデオをオンにしていただき、御発言されるとき以外はミュートに設定をお願いいたします。

議事に入る前に、本日の会議の公開につきましては、予定されている議事内容を参照いたしますと、特段、非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方々には、既にインターネットを通じた生配信によって傍聴していただいているところでございますが、そのまま傍聴していただこうと思います。特に御異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【太田主査】では、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方々にはそのまま傍聴していただくことといたします。

それでは、事務局より資料の確認をお願いいたします。

【白井著作権課専門官】ありがとうございます。資料につきましては議事次第にございますとおり、資料1と資料2については、この後ヒアリングをさせていただきますGoogle、ByteDanceからの発表資料になります。資料3と4については、今回が今期最後の政策小委員会になりますので、これまでのワーキングチームの審議経過報告、それから本小委員会の審議経過に関する資料になります。

以上です。

【太田主査】どうもありがとうございました。

報道関係の方々につきましては、以上をもちまして御退室をいただきますようお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

【太田主査】ありがとうございます。それでは議事に入ります。本日の議事は、議事次第のとおり、(1)から(4)の4点となります。

早速議事(1)「DX時代における適切な対価還元についての関係者からのヒアリング」に入りたいと思います。本日は、Google合同会社様と、ByteDance株式会社様より、DX時代における適切な対価還元について、第1回で確認した論点に沿って、それぞれ御発表いただきます。

それでははじめに、資料1に基づき、Google合同会社ディレクター ミュージックコンテンツパートナーシップYouTube Japan、鬼頭武也様より御発表いただきます。それではどうぞ、お願いいたします。

【Google(鬼頭氏)】皆様こんにちは。はじめまして。Google YouTubeの鬼頭と申します。私は日本におけるYouTubeの音楽のパートナーシップを担当させていただいております。本日はどうぞよろしくお願いします。

では早速ですが、1ページめくっていただきまして、私どもYouTubeの今の姿、こちらから簡単に御説明をさせていただければと思っております。

また1ページめくっていただけますしょうか。まずYouTubeですが、現在、100以上の国と地域で利用可能なプラットフォームになっており、言語としては80か国語以上に対応、そして、実際にクリエイターさん、アップローダーさんからアプロードいただく動画の量というのは毎分500時間以上、それだけの膨大なコンテンツがアップロードされているプラットフォームとなっております。次のスライドお願いします。

そのようなYouTubeですが、今、2023年5月時点で、YouTube、私どもの月間の日本におけるユーザー数が7,120万人以上となりました。この中で、日本全体で18歳以上のユーザーの中では、同世代人口に対して66%を超える多くの方々に御利用いただいております。次のスライドお願いします。

ここで一度、せっかくの機会ですので、YouTubeとは一体何なのか、私たちの使命は一体何なのかという部分を簡単に御説明させてください。YouTubeのミッションですけれども、YouTubeは表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届けること。これが私たちYouTubeのミッションです。次のスライドお願いします。

そしてこのミッションを実現するために、YouTubeは4つの自由を大切にしています。4つの自由というのは、1「表現の自由」、2「情報にアクセスする自由」、3「機会を得る自由」、4「参加する自由」、この4つです。これはどういうことかといいますと、YouTubeに動画アップしてくださる方お一人お一人が、YouTubeのコミュニティーに参加し、自由に表現する機会を得ている。そして動画を御覧いただく視聴者の方々は、そういったアップロードされた動画、つまり情報にアクセスし、様々な知識を得て、それを新しい取組や表現にまたつなげていく、そういった循環が実現するような場としてYouTubeは振る舞っていきたいと考えております。次のスライドお願いします。

ただ、このようなYouTubeですが、クリエイターの皆様、そして視聴者の皆様に安心して使っていただける環境を提供するために、開かれた場であること、OPENNESS、こちらを重要視するとともに、もちろんコミュニティー、YouTubeに利用いただくユーザーさん、クリエイター様で構成されるコミュニティーを守る責任、RESPONSIBILIT、この2つのバランスをとても大事にしています。表現をする場所をあらゆる人に提供するというミッションを御紹介しましたが、それを実現するためにも、開かれた場であり続けるためにも、そのコミュニティーを守ること、そして、いかにそれを安心で安全な場にするか、このOPENNESSとRESPONSIBILITY、この2つのバランスを常に意識しながらプラットフォームの運営をしております。次のスライドお願いします。

具体的には私、音楽のほうを担当させていただいておりますが、特に音楽に関しましても、もちろん日本のそれぞれの地域の権利者様とのパートナーシップを非常に私たち重要視しております。例を挙げると枚挙にいとまがないのですが、例えば去年ですと、これは経産省さんの講演で実現されているTIMM、東京国際ミュージックマーケット、こちらのサポート並びにパートナーシップを組ませていただきまして、ちょっと写真が小さいですが、この鏡割りのところに、私の上司も参加させていただく、このようないいパートナーシップを実現させていただきました。

また、日本を代表する大きなロックフェスであるFUJI ROCK FESTIVALロック様、こちら、ライブストリーミングのお取組を4年間以上続けさせておりまして、特に2020年、コロナ禍に関しましては、コロナで実際の現地における開催ができないFUJI ROCKというものを、この文化を大切に守るべく、私たちのほうで、特に大きなライブストリーミングを一緒する、こういったパートナーシップも実現させていただいております。

また、特に具体的な権利者様で申し上げますと、ちょうど昨年ですか、JASRAC様と私どの契約更新も実現いたしまして、このような形でプレスリリースも御一緒させていただいております。こういった形で様々な、日本国内における音楽権利者の皆様、アーティストの皆様、業界団体の皆様と幅広いパートナーシップの下、責任を持ってプラットフォームのほうを推進させていただいております。次のページをお願いいたします。

ここから本題の、いただいております御質問、論点に関しまして、私どもからお答えができればと思っております。次のスライド、お願いをいたします。

まず1点目の御質問。いわゆる取引の透明性、こちらに関しまして私たちの考え方をお伝えさせてください。まず、YouTube、もちろん透明性というのは非常に大事にしており、透明性を促進するために、「著作権透明性レポート」というものを半年ごとに定期的に提供し、皆様からアクセスできる環境を御用意しております。ここにはYouTubeにおける著作権保護の取組と、また、皆様にお使いいただく利用可能な全てのツールに関する情報を定期的に発信・共有させていただいております。具体的な内容に関しましては、また追って御紹介できればと考えております。次のスライドお願いします。

透明性に関する2つ目の御質問。こちらは著作権管理事業者様と権利者様との間の説明責任の在りの方と解釈しておりますが、私たちYouTubeは、音楽パートナー様、権利者様、アーティスト様に対して、十分な量のデータと、またその管理、コントロール手段を提供し、またそれらを可能にするツール、枠組み、こちらに対して多大な投資を行っております。世界中の多くの権利者様、何千もの権利者様とライセンス契約をさせていただき、そして、このライセンス契約に基づく形で、各権利者様、パートナー様、業界の皆様には、定期的にYouTubeにおける権利物の使用レポート、こちらを御提供させていただいております。またさらに、レポートに加えまして、著作権管理を行うためのシステムの構築・管理に、繰り返しになりますが、多大な投資を行っており、このシステムを通じて、各権利者様、私どものパートナー様は、私たちYouTubeの上でのプラットフォームのコンテンツ管理、またそのコンテンツの振る舞い、コントロールを可能にする状態、こちらのほうを維持しております。次のスライドお願いいたします。

また、透明性に関する3つ目の御質問、こちらは著作者様並びに実演家から見た透明性の必要性という御質問と認識をしておりますが、私たちの考え方としては、YouTubeは権利者様が受け取るロイヤリティーに関する正しい理解を各権利者様から得るためには、やはり私たちがお取引、ライセンスさせていただいているレーベル様や著作権管理団体様と、その先にいらっしゃる個別のアーティスト様、実演家様並びに作詞作曲家様との間における透明性、こちらも担保することが重要と考えております。なぜならば、もちろん私たちは、残念ながら、私たちが分配申し上げた先にいらっしゃる個々の権利者様、実演家の皆様、作詞作曲家の皆様との実際に再分配がどうなっているかという部分に関しましては、私たちはどうしても知り得ない先にございますので、その部分においても透明性を全体として担保することが重要なのではないかと考えております。

ただ、私たちYouTubeは、そういった個々の先にいらっしゃる権利者様に対して、もっと、より多くの情報とインサイトを御提供すべく、例えばアーティストアナリティクスといった、個々の権利者の方、アーティスト様が使えるような分析のツール、こちらをオープンに提供させていただいております。次のスライド、よろしくお願いします。

透明性の話から変わりまして、対価の妥当性・公平性、こちらに関する課題に関しましてお返事をさせていただきます。まず対価に関する妥当性・公平性に関する1番目の御質問に関しましては、先ほども申し上げましたが、私どもYouTubeは全ての世界中の主要レーベル様を含む権利者様と、何千ものライセンス契約を締結させていただいており、そしてそのライセンス契約に基づく形で、特に有料サブスクリプションサービスに関しましては、ほかの同種のプラットフォーマーと同程度の料率でお支払いをさせていただいております。有料サブスクリプションの収益還元に加えまして、YouTubeは広告収益の分配も加えて分配を申し上げる、そのような形で対価をお支払いをしております。この有料サブスクリプションの分配、並びに広告の分配、この2つを合わせることで、具体的な実績といたしましては、ちょっと数字が古くはなるのですが、2022年9月時点で、この時点における直近1年間で、グローバルの音楽業界の皆様へ合計60億ドル以上の還元をさせていただくことができました。こういった音楽業界への1年間60億ドルの還元というものに加えまして、直近過去3年間、音楽業界を含む全てのクリエイター様、音楽業界の皆様、そしてメディア企業様等々、いわゆる広い意味での権利者様に還元した金額が700億ドル、こちらを上回るようなボリュームとなっております。

また音楽に戻りますが、皆様にお伝えするまでもないかもしれないですが、音楽業界、すごく最近、昨今伸びています。その成長の原動力というのはデジタルであるということは皆様も御承知おきではないかと思っております。御承知のとおり、IFPI様のデータによると、アジアだけ見ても15.4%と3年連続で2桁の成長を記録し、世界全体の成長率を上回っており、また日本だけ見ても2年連続の成長、直近で言うと、およそ5%を超える成長を記録しています。こういった成長が主に私どもYouTubeを含むデジタルから業界全体にもたらされており、また、私たちの貢献といたしましては、この中でどれぐらい私たちが貢献しているかという部分はなかなかつまびらかにできない部分ではありますが、例えばJASRAC様が2023年5月に発表された先方様の2022年の事業報告によると、動画共有プラットフォームを通じて徴収されるロイヤリティーの増加が収益増加の1つの原動力になっているというふうにおっしゃられておりました。その中、動画共有プラットフォームとしてのYouTubeも、そこにおいて貢献させていただいているんじゃないかなと感じております。次のスライド、よろしくお願いをいたします。

また対価の妥当性並びに公平性に関する2つ目の論点に関する考え方をお伝えさせてください。こちら、プラットフォーマーが提供する権利管理ツールの在り方という論点というふうに理解をしておりますが、4点、私どもYouTubeからお伝えをさせていただければと思います。

1点目ですが、基本的な考え方として、私たちYouTubeは音楽のエコシステム全体を強化するツールの構築に積極的に、かつ継続的に投資を行っております。これは当然、コンテンツIDと呼ばれる著作権法技術、こちらはもちろんですが、そこに限らず、その周辺にあるYouTubeの様々なサービスであったり、またそれを支える考え方、ポリシー、ここも含めて広範に投資を行っております。

そして2点目になりますが、そういったYouTubeの権利管理ツールに関しまして、個人のクリエイター様はもちろん、事業会社様に至るまで、いわゆる全ての権利者様がYouTubeが御提供する権利管理ツールをできる環境を整え、つまり全ての権利者様がYouTube上の権利物の管理を行うことが可能な状態、こちらを実現しております。YouTubeの権利管理ツール、様々なツールがあるのですが、それを権利者様おのおのがお持ちのコンテンツの規模であったり、また、個人なのか、法人様なのか。法人様であれば、どれぐらいの規模の会社様なのか、どれぐらいの運用リソースを持ちなのかというところに合わせて、様々な、適切な機能を御提供させていただいております。

3点目の部分になりますが、著作権管理ツール、先ほど、幾つかのツールがございますと申し上げましたが、具体的には大きく、ウェブフォーム、コピーライトマッチツール、並びにContent ID、この3つが主要なツールとして、先ほど申し上げましたとおり、様々なニーズに合わせて御提供させていただいておりますが、これら全てContent IDと呼ばれる、いわゆるContentで、権利物の利用の自動検出技術、こちらに依拠する形で、この3つのツールが成立しております。ちなみにContent IDに関しましても、長年投資を行っているのですが、昨今で申し上げますと、YouTubeのプラットフォーム上で権利の申立て、つまり権利主張、権利者様にいただいたもののうち、99.5%もの分量が、このContent IDの技術による自動的な権利物利用特定が可能になっております。こういった形で、プラットフォームとして自立的に粗悪物の利用を特定し、権利者の皆様にコントロールを御提供するような環境を実現しております。

また最後に、こちら、いわゆる権利物利用における収益還元という部分になりますが、議事録等々拝見しますと、以前には、この場において、私たちのパートナーでもいらっしゃるJASRAC様やNexTone様とのヒアリングの際にも御評価いただいたと思っておりますが、Content IDによってもたらされる収益還元、こちら大きく業界の皆様に歓迎いただいていると考えております。Content IDは、権利物が使われたコンテンツをYouTube上で見えなくするという、いわゆる抑止的な操作のみならず、それを収益化し、収益還元に充てていく、そういった機能も実現をしております。

この収益化機能、ユーザーアップロード動画における権利物使用の収益化機能によって、先ほど申し上げました60億ドルの2022年時点でのグローバル音楽業界の皆さんの還元のうち、30%程度がContent IDによるユーザー投稿動画からの収益還元というような構成となっております。こういったContent IDによって、ユーザー投稿動画における権利物利用からも収益を得ることができる。このような貢献というのは、私どものすごくユニークな部分なのではないかと思っております。次のスライド、よろしくお願いいたします。

ここからしばらく、先ほど申し上げましたYouTubeの著作権管理ツールの御説明になってまいりますので、少しお時間の都合もあろうかと思いますので、本日この場における御説明はスキップさせていただき、もしよろしければ、後ほど御覧いただければと思っておりますので、こちらの画面で言うと、御説明が終わり同じような形に戻るスライドで22ページ目、そちらまでスライドを進んでいただけますと幸いです。

責任あるデジタルデジタルプラットフォーマーとしてというところになりますが……。21ページ目、ごめんなさい、1個飛ばしてしまいました。1ページ戻っていただけますでしょうか。「対価の妥当性と公平性」、こちらの3点目の御質問に関してお答えできればと思っております。

もちろん、私どもYouTubeは、権利者様が適切な報酬を受け取ることができるように努めております。YouTubeは、先ほども申し上げたとおり、全ての主要なレーベル様であったり著作権管理団体様とライセンス契約を締結し、権利の使用管理し、YouTubeでより多くのユーザー、視聴者へのリーチと収益を上げられるようにパートナーシップを締結させていただいております。音楽コンテンツの利用に関しましては、もちろん様々なアーティスト様、実演家様、そして作詞作曲家様の著作権法上の権利が関係してくるものと思いますが、YouTubeはそういった権利者さんとライセンス契約、音楽コンテンツの利用におけるライセンス契約を通じて対価をお支払いさせていただいております。

そしてまた、先ほども申し上げましたとおり、このライセンス契約に基づいてお支払いさせていただいた後に生ずる、その先にいらっしゃる個々の権利者様、アーティスト様、実演家様への分配、再分配に関しましては、ライセンス契約を私どもがさていただいております、締結しておりますパートナー様の、その先の分配になりますので、そこでまた適切に、かつ透明に行われるべきと考えております。では次のページ、よろしくお願いをいたします。

最後のテーマ、「適切な競争関係」。権利者様の皆様とプラットフォーマーとの適切な関係というテーマに移れればと思っておりますが、経営者とプラットフォーマーとの関係という御質問の1点目の部分に関しましては、私たちYouTubeは、責任あるデジタルプラットフォームサービス事業者として、何よりもパートナー様、権利者様から御提供いただいた権利物並びにその権利に関する所有権、権利者様の所有権データ、こちらを活用し、それに依拠する形で権利物を的確にコントロールし、保護し、またその利益を保護し、このデータ、皆様から御提供いただいた所有権情報に基づいて、使用料対価ロイヤリティーをお支払いするという考え方に基づいております。もちろんこの対価を還元するのみならず、先ほど申し上げましたとおり、権利物をコントロールする、権利物の振る舞いをYouTube上でコントロールするツールの御提供を通じまして、各作品権利物を管理、コントロールいただくような環境を整備しております。また、もちろんこういった環境を多くのユーザー、利用者の皆様の利益になるように、しっかりとコンテンツの永続的な、長い期間におけるライセンスをしっかりサスティナブルに、永続的に確保することによりまして、著作者の皆様、またYouTubeのクリエイターコミュニティーの皆様、そして並びに視聴者の皆様、ファンの皆様の利益のバランスを追求をしております。次のページ、よろしくお願いをいたします。

また、適切な競争関係、権利者とプラットフォーマーとの関係の在り方、こちらの最後の御質問に関しましては、やはり透明性、こちらが大きな問題解決の1つのキーワードになるんだと考えております。また、繰り返しにはなりますが、個々の権利者様が受け取るロイヤリティーに関する正しい理解、よい理解をいただくためには、いわゆるレーベル様、著作権管理団体様と、その先にいらっしゃる個々の権利者様との間の再分配の透明性の実現というのも非常に重要と考えます。私たちからのこういったレーベル様、著作権管理団体様とのお取引、こちらに加えて、その先の分配の透明性、こちらも含めて、エコシステム全体としての透明性を担保することが重要だと考えております。

質問に関する私たちの回答は以上となりますが、私たちYouTube、引き続き、日本の音楽パートナー様、権利者の皆様と密にコミュニケーションを継続させていただきながら、責任あるプラットフォームとして、透明性を維持しつつ、日本の音楽文化、並びに市場全体のさらなる発展に向けて御支援ができればと思っております。

私からの御説明は以上になります。ありがとうございます。

【太田主査】どうもありがとうございました。

ただいまの御発表について、御質問がございましたらお願いします。なお御意見につきましては、ByteDance株式会社の御発表が終わった後に、まとめて意見交換の時間を設けますので、その際によろしくお願いいたします。

御質問ございますでしょうか。

伊東委員、どうぞ。

【伊東委員】非常に興味深い発表ありがとうございます。音楽業界でいろいろとContent IDを使ってうまくやっているというようなお話は非常に興味深く感じました。ところで私は、ABJという団体の所属ですが、日頃は出版社で海賊版対策に従事しておりまして、Content IDももう14年ぐらい使っております。YouTube上には出版物、主に漫画の静止画をパラパラと紙芝居のように動画にしてアップしているケースであったり、あるいは絵本など、読み聞かせで、ユーザーが自分でページをめくりながら読んでというような動画が大量にアップされています。Content IDに関して言うと、出版物の違法動画に関しては、Content IDが一切効かないということで、出版社の人間は専門の業者を雇ったり、あるいは自らYouTube上で検索して、侵害動画を発見しては消すという作業をやっています。音楽業界の皆さん、JASRACさんなどの発表でも、Content IDで還元されるからいいというような御趣旨の発言もあって、確かにContent IDに関して、海賊版を捕捉して18億ドルぐらいがContent IDで還元されているという発表もあり、確かにすごい金額だなと思いました。音楽業界全体で18億ドル、一方、出版社にはContent IDに関して、海賊版を捕捉しての還元が一切ないではないかと強く感じました。出版物の海賊版に関して、Content IDで対応できないというこの状況に関してどう思いますかというのが1点目の質問です。あと2点ありますが、まず1点目の質問から。

【Google(鬼頭氏)】ありがとうございます。今いただいた御質問なのですが、私自身の役割が日本における、どうしても音楽のパートナーシップに限られてしまっておりますことから、お答えできる立場にございませんこと、どうぞ御理解いただければと存じます。

【伊東委員】分かりました。それではもう2つ。少し関連しますが、我々はYouTube上の海賊版に困っているので、アメリカだったり、日本国内であったり、裁判所等々で発信者情報開示請求をYouTubeさん、Googleさんにやっておりまして、その件に関して2点質問あります。1つは、開示請求をして開示されても虚偽情報が出てきて、全く開示請求が役に立たないというケースがあります。

それともう一つは、登録されているはずの情報を開示請求しても、Googleさんが嫌がって開示してくれないというケースが過去ありました。Gメールのアドレスは開示されたけれども、アクセスIPアドレスが開示されないなどというケースです。この件に関してはいかがお考えでしょうか。

【Google(鬼頭氏)】こちらも私が、いわゆる法務並びにその部門ではないので、お答えが難しいところでありますが、基本的な私の理解では、個々の国の法令に準する形で対応させていただいていると認識をしております(※)。

※会議後追記:Googleは透明性と法令遵守に取り組んでいます。Googleは、知的財産権を侵害するコンテンツを報告するためのさまざまなツールを提供しています。私たちはこれらの主張を非常に真剣に受け止め、適切な対策を取るために徹底的に調査しています。

また、Googleは法律で必要とされる場合にコンテンツに関する特定のデータを開示することがあり、Googleのデータ保護、管理、開示はプライバシーポリシー(https://policies.google.com/privacy?hl=ja)に則って行われています。

Google は、ユーザー情報の開示要求を慎重に検討し、適用法の要件を満たしているか確認します。開示請求に対応して開示されるデータは、適用される法律、リクエストされるデータの範囲、Google の利用規約やプライバシー ポリシーなど、さまざまな要因によって異なります。

【伊東委員】分かりました。私からは以上になります。

【太田主査】ありがとうございます。

ほかに・・・。畑委員、どうぞ。

【畑委員】畑でございます。いつもお世話になっております。3点ほど、今回のテーマ及び今日のプレゼンに関連して御質問させていただければと思います。

1点目は、今回この検討を行っているきっかけの一つが、EUにおけるDSM著作権指令、これの17条、18条以降の規定があるわけです。特に17条についてはユーザーアップロード型DSPに関するライアビリティー、責任範囲の見直しが成されており、DSPの事業規模に応じて様々な要件が規定されています。この著作権指令については加盟各国の国内法制化がほぼ終わったという中で、YouTubeさんとして、それに対応するために、何かサービス仕様の変更ですとか、何か取り組まれた変更点といったものがあるのかどうかというのが1点目。

2点目としましては、その著作権指令の関連で、大規模DSPについては侵害コンテンツのステイダウンの要件等が課されています。これは、一度削除要請があったコンテンツについては、それ以降、二度と同じコンテンツがアップロードされてはならないという規定ですが、それについては、私の理解では、先ほど説明されたContent IDの機能として、ステイダウンと似たような効果が発揮できるのかなと思います。他方、今日の資料の中にある「コーピーライトマッチツール」、これも同じような趣旨なのかなと思うのですが、その辺、ステイダウンに対する取組はどうお考えになっているかというのが2点目。

3点目が、先ほどご説明された意味をちょっと確認させていただきたいのですが、アップロードされるコンテンツに対して、Content IDで99.5%がマッチしているという言い方をされたような気がします。レコード協会はふだんContent IDを使う立場にはないので、レコード会社の感覚を聞いたところ、そこまではマッチしないのではないかと。Content IDでのマッチング漏れというのは結構量が多くて、第3回のこの小委員会で私から少しお話しさせていただいたのは、Content IDで当たらなかったものを、また別の関連サービス、具体名を出すと、Vobileであったり、ORFIUMであったり、そういったサービスを使って権利者自身の負担で2次的なマッチングをして、それでマネタイズする、あるいはブロックするといった作業をレコード会社が自らやっている状況はご存じかと思います。その関係で、マッチング精度の今の現状と今後の改善策とか、そういったことについて何かお考えがあるかというところをお聞かせいただければと思います。

【Google(鬼頭氏)】ありがとうございます。先に2つ目の御質問のほうからお返事をさせていただきますと、申し上げました99.5%という数字はYouTube上で著作物利用されたものを全体100として、そのうち自動化されたものの割合となっております。YouTube、いわゆる権利者の皆様が手動で特定の動画に対して権利主張するという機能もありますので、全体100のうち、99.5が自動で権利物の利用の特定ができた。残りの0.5が手動の運用によって権利物特定を捉えた、そういった割合の形になっております。

また、いみじくも御指摘いただきましたとおり、私どものContent IDそのものがまだ完璧でないということは重々承知をしております。ですので、申し上げますとおり、継続的な投資を続けておりますし、また、各権利者の皆様のContent IDの運用を御支援するような、こういうローカルでのお取組も様々な形でさせていただいております。また折に触れて、私ども製品開発のチームが権利者様の下に直接御意見の伺い、フィードバックを伺うような、そういった場の提供もさせていただき、フィードバックをいただきながら、どういった機能、どういった精度を上げていくのが、一番、権利者の皆様のニーズに合うのかという部分の、まさにコミュニケーションとフィードバックのループを繰り返しながら、日々日々改善を進めさせていただいております。こちらが2点目の御質問に関する私どもお返事となります。

1点目の、いわゆるDSM指令の部分ですが、すみません、こちらも私自身が法律の専門家ではないので細かいところのお返事で難しい部分はありますが、基本的にはやはりこの法令を遵守するような考え方に立っており、またステイダウンに関しましても、私もステイダウンの細かい定義に関して理解ができているわけではないんですが、おっしゃられますとおり、先ほどのコピーライトマッチツール含めた様々なツールで、しっかりと権利者様にコントロールを御提供する、それをまた進化させていく、そのような考え方で権利者様のお役に立てればと考えております。

【太田主査】よろしいでしょうか。

【畑委員】はい。

【太田主査】仁平委員、どうぞ。

【仁平委員】ネットクリエイター協会の仁平と申します。Content IDに関しては、ボカロPさんは本当にとってもいい影響を与えてくれていまして、僕は事あるごとに、Content IDを登録しようよ、登録しようよと言わせていただいております。おかげさまで、Content IDに登録するという作業だけで生活が潤ってきたボカロPさん、家を建てちゃったボカロPさん、何人も僕は知っています。本当にそういう意味ではすばらしいツールだなということをまず最初に。

実はこれ、すごくつまらない質問なんですけど、Content IDをどんどん登録しようと。登録して、これを2次創作促そうよというふうにボカロPさんに言っています。ボカロPさんは、この楽曲に関してはもうContent ID登録したから、皆さん自由に使ってYouTubeに上げていいだよというのをツイッター等で、X等でつぶやいてもらっています。そうすると、BGMにその音楽を使った方、歌ってみた方がYouTubeに上げると、これは表記の問題なんですが、著作権の申立てがつきましたという、すごいおっかないコメントが出てくるんですよね。これは伺ったところによると、英語表記をそのまま日本語に直しているから、「申立て」というおっかない言葉になっているだけで、別にこれ気にしなくていいんだよというのは僕も聞いているので、クリエイターさんからそういう涙ながらの電話だとか、申立てついちゃったんですよみたいなTwitterのメールが来たときには、それ気にしなくていいんだという言い方はしていますが、意外とそれが後を絶たないです。どういう言い方をしたらいいのかはあれですが、もうちょっと優しい表現で日本語表記していただくということは可能なんでしょうかって、ちょっとすみません、子供みたいな質問ですが。

【Google(鬼頭氏)】まずは冒頭の、本当に勇気づけられるようなコメントありがとうございます。そしてまた、今いただきましたフィードバックですが、しっかりと持ち帰らせていただこうと思いますので、また御指摘の部分、もともと著作権の申立ては私が入る前もすごく、もっともっとすごく、クリエイターが萎縮するような表現だったのを……。

【仁平委員】そうです。

【Google(鬼頭氏)】はい。社内の議論の中で変えてきたという事実もありますので、これは1回持ち帰らせていただこうと思っております。

【仁平委員】よろしくお願いします。

【太田主査】よろしいでしょうか。

ほかに質問ございますでしょうか。生貝委員、お願いいたします。

【生貝委員】一橋大学の生貝です。大変貴重な御説明ありがとうございました。まず1つは、実は畑さんが御質問された1点目の内容は僕も御質問しようと思っていて、今日この場で御回答いただくのは難しいということであったのですけれども、やっぱり1つは、果たしてDSM著作権指令、この会議でも既に議題に挙がっているものの求めるものというのが、著作権侵害対策、あるいはライセンスを権利者様から取得していくプロセスを含めて、どのように変化があったのか。このことというのは、例えば従前からのGoogle様、YouTube様がやっているプラクティス、グッドプラクティスをある種追認するものと理解できる部分がそれなりにあるのかどうか、あるいはその変更というのが、例えば欧州連合域内だけに限られているのか、あるいはグローバルに依拠している部分があるのかといったようなこと、もし可能であればお持ち帰りいただいて、分かること等があれば教えていただけると非常に参考になるなと思ったことがまず1つでございます。

それからもう一つ、関連して2点目、これも今日必ずしもということではないのですけれども、DSM著作権指令17条については、立法プロセスの中でも、そのメリットということと、それからオーバーブロッキングを含めたリスクというところの両面がかなり激しく論じられてきたところだと考えています。そうしましたときに、やっぱりこの3年ほど、Google様が欧州連合市場で、少なくともコンプライアンスを進める作業をやられる中で、例えば、仮に日本でそういった議論を進めていくとしたら、こういうことに特に注意を払うべきであるといったようなことがあれば教えていただけると、様々な参考になるのかなと思いました次第です。以上でございます。

【太田主査】もし何かあれば、お願いします。

【Google(鬼頭氏)】そうですね、すみません、私が法律の専門家ではないので、この場で御回答申し上げることが難しいので御容赦いただきたいと思いますが。よろしくお願いします。

【太田主査】どうもありがとうございます。

ほかに御質問ございますでしょうか。今村委員、どうぞ。

【今村委員】YouTubeさんの先進的な取組でクリエイターに、特に音楽の分野で還元されているということが十分理解できた気がするんですけれども、今お話の出たDSM指令などとも関連するんですが、少なくとも欧州のほうでそういう新しいルールが出来て、そちらの、例えば、言うなればより厳しいルールが出来たときに、そっちはそっちのルールでやるけど、日本は別の対応ルールで対応するとか、そういうことでやるのか、それとも一番適切と思われる地域とか国のルールに従って全世界に対応するのでしょうか。そうであれば、YouTubeさんとの関係では、日本としてあまり気にしなくてもよいということになるような気もします。もちろんプラットフォームはYouTubeさんのほかにもたくさんありますから、いろいろ考えなくちゃいけない部分もあるんですけども、その点、いかがなものでしょうかという点をお伺いしたいと思います。

【Google(鬼頭氏)】すみません。こちらも私が法律の専門家でないので御回答が難しい部分があるんですが、私の理解では、基本的にYouTube、全ての適用される法令を遵守する、このような考え方で運用させていただいております。

【太田主査】よろしいでしょうか。

【Google(鬼頭氏)】総論の回答になりますが、お許しください。

【太田主査】あと坂井委員、先ほど手を挙げていらっしゃったと思います、どうぞ。

【坂井委員】エンターテイメント表現の自由の会の坂井です。すみません。先ほどの前、2名の方と質問重なってしまうんですけれども、まず1点目、特にヨーロッパの著作権指令との関係なんですけれども、特に情報公開の粒度とか、それから範囲。これは現状では一致しているんでしょうか。それとも先ほどおっしゃったように、地域の法令に遵守してということで、違う可能性があるということの理解でいいのかというのが1点目。

それからもう一つ、違法アップロードされたコンテンツから、事実上、Googleさんは収益を得ていらっしゃると思うんです。結果的にですね。それもなくす方向だというのは分かるんですけれども、それをどのくらい本気でなくそうとしているのかというのがあんまり我々見えてこないので、そこら辺について教えていただきたいなと思っています。

あともう一つ、ちょっと今の今村委員の質問との関係で、各地域の法令を守るとなると、例えば宗教の関係であったりとか、文化の関係であったりして、先ほど、一番最初に言われていた表現の自由と大きく、反対の関係になるようなところがあると思っているんです。そこら辺、明確にお伺いしたいんですけれども、全世界を統一の基準で、全部の法令を守るようにするのか、それとも国ごとに合わせて守るようにされるのか、そこら辺、もう少し明確に教えていただけると助かります。すみません、よろしくお願いいたします。

【太田主査】お願いいたします。

【Google(鬼頭氏)】3つ御質問をいただいたと思うんですが、一番最後の御質問からお返事申し上げますと、まさに各国の法令という話と併せて、私たちYouTube、先ほども御説明申し上げましたが、プラットフォーム全体に適用されるコミュニティーガイドラインという、ある意味、この場を守るためのルールがございます。このコミュニティーガイドラインと各国の法令の遵守、このバランスを持ちながら、責任を持ったプラットフォームとして運用しております。これは個々別の案件によってどういった考え方になるのかというのは判断が変わってこようかと思いますので総論の御回答になりますが、法令と、また一方で、プラットフォーム全体のルールとしてのコミュニティーガイドラインというものを設定させていただいており、そちらを常に守っていると御理解いただければと思います。

1個前の御質問、2点目の、いわゆる違法アップロードコンテンツからの、私たちYouTubeの収益化という部分なんですが、基本的な考え方として、そういった違法アップロードそのものをなくしていく、ちゃんと権利者様がコントロールできるような環境を実現していくというのがまず大原則にございます。そして、残念ながらそこから出てきてしまった、擦り抜けて出てきてしまった違法アップロードコンテンツ、当然、これに対して、例えば広告が出てしまうこと、これは当然、広告出稿主様にとっても大きなデメリットになってまいりますので、なるべくそういったことがないように、本当に権利者の皆様を守ること、そして広告主様を守るという観点でも、そういったことがなるべく起きていかないような努力を進めていきたいと思っております。

一番最初の御質問が、すみません、もう1回お願いさせていただいてよろしいでしょうか。

【坂井委員】すみません。わらわらとお伺いして。ヨーロッパで著作権指令があって、今ずっと議論になっていましたけども、特に情報公開の義務づけがありますけども、結論として、今、日本とヨーロッパで、Googleさんがコンテンツであったり、あるいは相当外部に対して情報提供している範囲とか粒度というのというのは違いがあるのか、それとも日本とヨーロッパで一緒なのかというところをお伺いしたいのですが。

【Google(鬼頭氏)】今おっしゃられた情報公開というのは様々な要素があるかと思うのですが、基本的に私たちYouTube、権利者の皆様に関しましては、皆様個々、分配に必要な様々なレポートというので御提供しており、その情報項目等々というのはおのおのの権利者様との御契約に基づく形になりますので、同じかもしれない、もしかすると違うかもしれないのですが、そこは権利者の皆様とのお話合いの中で、情報公開レポートの粒度というのは一緒に決めさせていただいております。

【太田主査】よろしいでしょうか。

【坂井委員】ありがとうございました。

【太田主査】どうもありがとうございます。

ほかに御質問ございませんか・・・。内山委員、どうぞ。

【内山委員】今日はどうもありがとうございます。些末な質問で申し訳ないのですけれども、今日の資料の13ページで、YouTubeが提供する対価は、有料サブスクに関しては他(のサブスク)と一緒ということですけれども、まず有料サブスクと言ったときの範疇は、いわゆる Premiumと、あとは本国でやっているYouTube TVまでが含むのか、それ以外のものがあるのかというのが1つ目の質問です。他と同程度の料率というのであれば開示してほしいなというのが本音です。

それから、ちょっと立ち入った質問になってしまいますけれども、御社の広告収益の分配に関して、広告の範囲、原資の部分で、御社の場合、本国の財務を見ると、基本的にはSearch AdsとYouTube Adsで明確に事業セグメントで分けていらっしゃるんですけれども、実際、御社が広告主に営業するに当たって、Search AdsとYouTube Adsと、きれいに分けて営業されているのかどうか。分けられた上で、YouTube部分の広告アドに関して分配原資してますよというのだったら分かるんですけれども、もしSearch AdsとYouTube Adsが一緒に営業されていて、一緒に収入として入ってきて、そのときにどうSearch AdsとYouTube Adsを分配しているのかなというのがちょっと疑問に思ったもので、その点、もし開示できる範囲で教えていただければと思います。よろしくお願いします。

【Google(鬼頭氏)】まず1点目の御質問、私ども、YouTubeの有料サブスクリプションですが、おっしゃられたとおり、YouTube Premium、そしてYouTube Music Premium、そしてYouTube TVというのが私どもの有料サブスクリプションを構成しておりますが、ここで申し上げたものに関しますと、いわゆる音楽サブスクリプションに該当するものになりますので、YouTube Music Premium並びにYouTube Premiumを指して、ここでは有料サブスクリプションとお伝えさせていただきました。

ほかの同種のプラットフォームは同程度の数字なのですが、それはちょっと、相手方もいらっしゃるお話のため、この場では差し控えさせていただければと存じますので、御理解いただければと思います。

後者の御質問に関しましては、すみません、こちらも私が広告の部門に所属しているわけではございませんので正確なお返事ができないんですが、YouTubeの広告とGoogleのSearchの広告、広告の製品として別のものが存在をしておりますので、全てが十把一からげではないという部分は御理解をいただければと思います。

【太田主査】よろしいでしょうか。

【内山委員】どうもありがとうございます。

【太田主査】ほかに御質問ございますでしょうか。

ありがとうございます。それでは、本当にありがとうございました。

【Google(鬼頭氏)】ありがとうございました。

【太田主査】それでは続きまして、資料2に基づきByteDance株式会社Global Music Business Development & IP Rightsシニアマネジャー、嘉藤富至様より御発表いただきます。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

【ByteDance(嘉藤氏)】すみません、御紹介いただきまして、どうもありがとうございます。ByteDanceのGlobal Music Business Developmentでライセンス関係を担当しております嘉藤と申します。よろしくお願いします。

まず、TikTokに関して既に御存じの方も多いと思うんですけれども、なじみのない方に向けて、少し簡単に御紹介させていただきたいと思います。

TikTokは、いわゆる動画投稿プラットフォームになりまして、2017年に日本でサービスを開始しました。今現在で7年目のサービスということになります。我々、TikTokに関しては、ユーザーの皆さんに安心して動画を視聴、投稿できるような環境、場を御提供できるように、日々社員努めております。またTikTokは、視聴や投稿をお楽しみいただけるプラットフォームですが、ここでやはりポイントに挙げられるのが秀逸なレコメンデーション機能なのかなと思います。このレコメンデーション機能によって、TikTokがいわゆる発見の場として御活用いただけているというような機会が増えてきていると感じております。また、音楽に関して申し上げますと、TikTokで動画を投稿していただく方は、私たちTikTokが用意している音楽ライブラリから音源を御自身の動画につけて投稿ができるというようなサービスになっておりますので、ここで音楽と、いわゆる動画コンテンツの融合が生まれて、これによって、TikTokが、先ほど申し上げた発見の場として、またプロモーションの場として、世界中で親しまれるようになっていると感じております。

TikTokは、そういった意味では、音楽を消費・視聴するためのプラットフォームではなく、アーティストさん、クリエイターさん、またファンの皆さんが、TikTokという場に集まっていただいて、グローバルな音楽トレンドを創出して、多様なコンテンツが投稿される場所を提供するようなプラットフォームという位置づけでございます。音楽に限らずですけれども、TikTokでキャリアをスタートして人気クリエイターになられたような方も増えてきておりますし、こと音楽で言いますと、アーティスト・作詞作曲者など権利者の皆様が、TikTokの持つ、いわゆる発見する力を長期的に活用していただけるように我々は取り組んでおります。今回、音楽に特化して、弊社のライセンスに関して御紹介をさせていただこうと思います。

資料2枚目です。ありがとうございます。TikTokがカバーしている範囲で言いますと、右のほうから著作権管理団体、これはJASRAC、NexToneさんのライセンス、真ん中は著作隣接権、レーベル等というところになります。また一番左はディストリビューションサービスです。いわゆるクリエイターの方が楽曲を登録して、そこから広く、様々なプラットフォームに展開しておられるような、そんなサービスになります。こういった方々と御契約を締結させていただいているというのが現在の状況でございます。次のページお願いいたします。

こちらのページに関しては、今までの我々の足取りといいますか、これまでのライセンスに関するような軌跡というところになります。2017年、日本で展開を開始したタイミングで、JASRAC、NexToneと包括契約を締結しております。2018年にはレーベルさんとの包括的な契約が進んでまいりました。この頃はまだ、TikTokで楽曲というところはそれほど大きく目立っていなかったのではないかなと思います。2019年になりまして、この辺りから日本の、いわゆるクリエイターさんが投稿していただいたような楽曲が大きくバイラルをする、つまりTikTok上で大きな人気を博して、そこから外部、例えば放送であったり、YouTubeさんであったり、いろいろなサービスで広く利用されるようになり始めたというところかと思います。今2024年ですけれども、契約社数は増えていっておりまして、今数えてみたら43社あったというところになります。

多くの楽曲は、ほとんどが、先ほど冒頭で申し上げた、レーベルさんからもそうです、ディストリビューションのサービスからもかなり多く入っていまして、こちらは日本の実績なんですが、これが私たち、各地域に私と同じようにライセンスの仕事をしている者がおりますので、その地域地域で楽曲コンテンツを集められております。これによって、TikTokが多くの楽曲を提供することができるようになっていまして、投稿される方がTikTok上で御自身の好きな楽曲を選んで投稿していただけるという、いわゆる適切に還元ができるようなモデルを構築できているのではないかと思います。

次、4番目です。こちらが、イメージとしては、先ほど申し上げたようにTikTokの中だけではとどまらず、やはりTikTokから、例えばプレイリストであったり、チャートの連携をさせていただいたり、もしくはTikTokで使われている動画が、そのままほかのプラットフォームにアップされたり、もしくはTikTokではやった楽曲が有料の音楽サブスクリプションサービスで多く聞かれたりというような、TikTokにとどまらない楽曲展開というところができるようになってきているのではないかと思います。

私ども自身も、楽曲のチャートの展開をさせていただいたり、コンテンツの展開をさせていただいたりというところで、例えば一番右にあるチャートで言いますと、音楽チャートで言うと、ビルボードさんにTikTokのランキングを載せていただいたり、もしくは、カラオケチャートはカラオケのデンモクの中にチャートランキング入れていただいて、ユーザーの方がTikTokではやった歌を歌えるようになっています。これによって、権利者さんには楽曲により還元される規模がどんどん拡大していきます。TikTokをきっかけに楽曲が外で大きく拡大していきまして、外部で使われたものに関しても著作権や原盤に関する収入を権利者さんが得られるというような環境づくりを行っております。

ここまでが一旦の、TikTokがどういう役割を担っているかというところの御説明になります。

次、各論点のところに参りたいと思います。こちらの論点につきましては、私自身が、実は以前、JASRACで働いていたということもあって、目線としては、今はプラットフォームの目線ではいるものの、権利者の目線も持ちながら、お話しをさせていただければなと思います。各論点に関する部分で、「取引の透明性」について、まずお話をさせていただきたいと思います。私ども自身、特にTikTokに関しては、デジタルプラットフォームサービスの事業者としては、例えばJASRAC、NexToneさんのやっておられるような包括的な許諾契約、使用料規定に基づく契約、このメリットはすごく享受できていると思っております。というのは、やはり決まった使用料を払いさえすれば、ほぼ全ての楽曲が利用できる、適法に利用できるというような環境をつくっていただけているというところで、非常にこのメリットは享受できておりますし、また、JASRACさん、NexToneさんを通して私たちが支払った使用料は適切に還元されているというような実態に鑑みても、やはりここのメリットは非常に大きいと思います。

また、この公平性というところ、不透明と言われているところではありますけれども、恐らく私のJASRACにいて使用料徴収をしていた感触からすると、ほぼ全ての契約においては、JASRACが定めている上限規定が適用されているということもありますので、この意味ではすごく公平な管理が行われているという認識ではおります。ですから私どもも適用されている料率というところは上限の規定になっていますので、この規定、一番上の部分の規定が払われている。他社さんもそれが払われているというところで、こういった実態に鑑みると、プラットフォームといわゆる権利者団体の間は非常に私は透明であると思っております。

楽曲の著作権管理において、デジタルのプラットフォームは特に管理団体に対して強いのかというところで言うと、今申し上げたように上限の規定がそのまま当てられているという実態に鑑みても、かなり透明性は高い契約が締結できているのではないかと考えております。ここに関して、特にその透明化法というよりは、楽曲の著作権の適正な管理という観点に立ち返って検討してみていただいてもよいのかなとも思っております。

というのは、我々、先ほど申し上げたように、使用料に関しては規定が適用されています。また楽曲報告、楽曲や収入、こちらは契約上の報告義務に従いまして、我々は報告をする義務があるということもありまして、私たちとしては、例えばフィンガープリントを実装してみる、そこで追いつかないものには手動で照合してみる、また、報告のデータにおいては、やはり楽曲の権利関係が全て分からないようなものもありますので、権利者と利用者双方で設立した、CDCのような団体も使わせていただきながら、プラットフォームとしてはコストをかけて楽曲報告の正確性を担保するように努めているという立場でございます。

また、他方で管理事業者側においても、私たちが報告したものに関して漏れがないようにするために、ここに関してもコストをかけて照合作業を行っているということですので、プラットフォーム、権利者、双方が努力し合いながら、ベストエフォートの上で精緻な分配を実現しているという一面があるのではないかと思います。ですからそういった意味では、契約から、私が両方見てきている目線で言うと、管理事業者とプラットフォーム双方が、最大限努力しながらここの透明性を担保するように、分配の透明性を担保するように努められているのではないかと思います。

また、楽曲報告においては、JASRAC、NexToneさんに報告しているようなものを、同程度のコストをかけたものをレーベル様にも御報告をさせていただいております。

次に行きまして、「対価の妥当性・公平性」というところでお話しさせていただければと思います。対価が妥当かどうかというところで言いますと、やはり料率、使用料規定がそもそも妥当であるかどうかというところは1つ、論点があってもよいのかなとは思いました。団体においては使用料規定でお支払いをしていますし、レーベルさんにおいては規定がないというところもありますので、やはりそれに関しては、楽曲の利用頻度であったり、利用状況、もろもろに鑑みながら、レーベル様と協議させていただきながら使用料が決まっています。ここで私が申し上げたいところで言いますと、使用料規程ですけれども、この規程、適用されているものが、何といいましょうか、10年以上前に出来上がっているような規程がそのまま当てられているので、今の発展していくようなデジタルの中において、この規程がそもそも、その当時考えられていたものと、もう私たちは恐らく違う、何というんでしょうね、もう少し先々に目を向けたような利用も考えられてきていますから、単に過去に作られている規程をそのまま当てるということではなくて、よりデジタルに即したような規程というものがあってもよいのではないかと思います。

プラットフォームサービスと権利者間において、規程を作るというところで言いますと、金額であったり、認識であったりに隔たりは大きいと思われますので、そこの妥当性をどう図っていくかというところは非常に難しいのではないかと思います。

分配の公平性というところにおいては、そういった意味ではレポートを提出している、より精緻なレポートを提出するように我々としては努力をしますので、やはりプラットフォームにおいてはこのレポートをどれだけ正確に行えるかというところが非常にハードルではないかなと思います。

次に行きまして、ここにおいては、日本地域の特性に近いのかなと感じてはいるのですけれども、日本においては、動画プラットフォームが立ち上がった際に、やはりユーザーの利便性を確保するというところを第一に置きまして、自発的にプラットフォーム側が、例えばJASRACさん、NexToneさんのライセンスを得るというような文化が根づき始めているのではないかなとも考えております。特に、TikTokにおいては、まだレーベル様との契約がなかったところから、JASRAC、NexToneさんの契約にも着手しておりましたので、ここはかなり、実務の面でのお話にはなりますけれども、そういった啓蒙啓発というところが功を奏しているというところはあるのではないかなと思っております。

また、TikTokにおいては、原盤においてはやはり、まだYouTubeさんのような、Content IDのような仕組みが導入できてはいないんですけれども、ここで私どもが考えないといけないのは、Content IDのような仕組みがよいのか、それとも今、我々が行っているような、レーベルさんと行っているような、事前に金額を決める、いわゆる包括型の契約、こういったものと、どれが本当に日本にフィットするのか、TikTokというサービスにフィットするのかなど、こういったところも考えていかないといけないポイントであろうと思います。システム、仕組みを導入することによって、例えば、かえって、楽曲展開のときの創意工夫であったり、楽曲利用の競争であったり、こういったところを損ねるようなことがあってはいけないと思いますので、これらプラットフォーム側、もしくはその先におられるユーザーさん側が、どういった利用が一番新たな楽曲利用であったり、展開であったり、最も我々が寄与できる形であるのか、権利者とプラットフォーマー、双方で検討していくようなことなのかなとは考えております。

次に行きまして、「適切な競争関係」で、こちらのページになります。私ども、ここで考えることとしては、権利者とデジタルプラットフォームのプラットフォーマー、これは特に、殊さら競争関係ということではなくて、私は常に思っているのですけれども、クリエイターのために、やはり同じ方向を向いて歩みを進めていくというのが大事になるのではないかなと思っております。特に敵対、競争というよりは、我々が目指すのはクリエイターさんに対価がきちんと還元されたり、クリエイターさんが最大のメリットを享受できるような、そういった環境をつくることなのではないかと思っておりまして、ですからそういった意味で、特にTikTokにおいてはクリエイターさんの育成や保護に注力していますし、コンテンツを大きく展開いただくためのプロモーションの場として広く使っていただいております。

2019年以降、TikTokをきっかけに、日本の楽曲が海外でも広く知られるようになったり、日本でも大きく使われるようになった、周知されるようになったというようなアーティストも多数登場しておりますので、TikTokはグローバルに展開しておりますので、グローバル規模で、クリエイターさんにとって楽曲の展開として、より多く使っていただける場とするとともに、やはりTikTokユーザーさんには、クリエイター、楽曲を発見するような場としても使っていただきたいなというふうに思っております。ここは、楽曲で言いますと、やはり権利者さんのお力というところは外せるものではありませんので、TikTokという場をどれだけ最大限使っていただけるのか、またそれを通じて、クリエイターさんがどれだけメリットを享受できるのかを双方で考えることができればというところが切なる願いとなります。

最後のところ、ここは私たちプラットフォームサービスとしては、特に権利者さんに使用料を支払うというような直接的な対価だけではなくて、権利者さんが、例えばこの楽曲を伸ばしていかれたいと言われたときに、プロモーションサポートを御提供さしあげるというようなことも考えられると思っておりまして、特に対価というところには、金銭的なものもあるのでしょうけれども、そういった我々からのサポートというところもあると思いますので、また権利者とプラットフォームのサービスというところで言いますと、一緒に、その場を使ってコンテンツであったりファンダムを築いていく、広げていくというような方法を模索する。またフェアな関係での取引を原則とした、より建設的で、より発展性のある関係を築くというところを私たちは今後も目指していきたいと考えております。

TikTokからは以上になります。

【太田主査】ありがとうございました。

ただいまの御説明を踏まえ、御質問がございましたらお願いしたいと思います。

伊東委員、どうぞ。

【伊東委員】貴重な御説明ありがとうございます。TikTokの方のまとまった御説明を初めて聞いたので、非常に参考になりました。それで、さっきもお話の中で出てきたとおり、例えばYOASOBIの「アイドル」はTikTokさんのおかげで全世界に広がって、私、集英社の人間ですが、私の給料の一部になったりとか、あるいは漫画やアニメだけではなくて、小説の分野でもTikTok売れとか、小説紹介クリエイターとか、非常に文字物に対する波及効果、特に若年層に対するアピールが大きい、非常に効果的ということで、大変TikTokさんには期待する部分は多いです。

とはいえ、私の質問の前に全体的なTikTokの状況に関して考えを述べさせていただきます。さきほどから公平性という話が度々出てましたが、音楽業界さんとの取組では、TikTokときちんと権利処理をして、ちゃんと補足して、音楽業界さんにはきちんと対価が還元されているのに、出版物に関して言うと、もちろんTikTok売れなどである程度還元はされますが、TikTok上には非常に出版物の海賊版が多数アップされております。長年、私は、YouTubeさんも含めて対策をしてきて、これまで動画投稿サイトに関して言うと、YouTubeさんが圧倒的に海賊版が多くて、一番多い月は月に2万件ぐらい削除しておりました。しかし、今年の夏ぐらいから、遂にTikTokさんがYouTubeを逆転して、今、月によっては2倍から3倍、TikTokさんのほうに海賊版が多くアップされているという状況になっております。非常に我々も困っておりまして、担当者と侵害対策会社の人間が日々削除をしておりますが、なかなか減らない状況です。

この状況を整理して、1から4まで申し上げますが、それぞれに関して、把握されているのか、あるいは把握した上で対策等を考えていらっしゃるのかということをまずお聞きしたいです。

1が、今申し上げたとおり、漫画も含めた出版物の海賊版が非常に多い状況を把握されているか。2、レコメンドに海賊版が表示されやすいという状況を御存じでしょうか。3番目、YouTubeと比較すると、悪質なアカウントに関してアカウント停止がされにくいというのが現場の実感ですが、そういう状況を把握されていますでしょうか。4番目に、ユーザーが著作権意識に残念ながら乏しいという状況を把握されていますでしょうか?

ユーザーが著作権意識に乏しいという実例を挙げますけれども、若者に人気の集英社の作品が、TikTok上に100話ぐらいアップされていて、当然、我々頑張って削除しますが、そのアップしていた人間が、「運営に消されました」と書き込んでいます。それに対して、TikTokのユーザーたちが、「ほとんど消されているので、また投稿してください」「最新話アップしてください」など、悪いものだから消されたという事実は全然気にしなくて、「再アップしてください」というコメントばかり、手元に資料がありますが、全部読み上げませんけれども、30くらい、そんなコメントがばっと読み取れるくらいという、非常に著作権意識に乏しい状況がありますので、その1から4までの状況認識と、対応に関してもしお考えであればお聞かせください。

あと、プラス、その後、もう一つだけ質問があるので、またそれは後ほど。

【太田主査】ではよろしくお願いします。

【ByteDance(嘉藤氏)】そうですね。冒頭、ポジティブなコメントありがとうございます。今の海賊版であったり、テイクダウンに関しては、すみません、私の業務範疇から外れておりますので、ここでの御回答は差し控えさせていただきたいと思います。

【伊東委員】分かりました。例えばユーザーが著作権意識に乏しいとか、そんな感触はあまり感じられたことはないですか。

【ByteDance(嘉藤氏)】そうですね、私ども、こと音楽に関して申し上げると、クリエイターさん、音楽向けのクリエイターさんへの著作権を守ろうであったり、啓発啓蒙という活動は日々行っておるところです。

【伊東委員】では啓発という話で言うと、出版社も含めたコンテンツ企業、アニメ業界の皆さんとか、映像業界の皆さんとも話し合う機会があって、やっぱりTikTokさんは海賊版が非常に多いという現状認識は一致しております。その点も含めた若年層への啓発は喫緊の課題であるのと認識です。TikTokさんとコンテンツ業界が連携して、若年層に向けて啓発活動を実施したいと思っておりますが、そういう可能性はありますでしょうか、というのが最後の質問です。

【ByteDance(嘉藤氏)】ありがとうございます。非常にポジティブなお話に感じられますので、一度社内へ持ち帰らせていただいて、検討させていただきたいと思います。

【伊東委員】ぜひよろしくお願いします。

【太田主査】よろしいでしょうか。

畑委員、どうぞ。

【畑委員】畑でございます。ByteDanceさん、また、そのプラットフォームであるTikTokにつきましては、音楽業界の新しいコンテンツのブレークを演出するという意味で非常に有効なプラットフォームになっているんですね。その点、非常に感謝しております。

質問につきましては、先ほど伊東委員のご質問とかぶる部分があるんですけれども、違法利用と言いますか、不適切利用と言いますか、伊東委員は漫画のことをおっしゃいましたけれども、音楽につきましては、先ほど啓発もやっていますというお話だったのですが、片やTikTok上における不適切利用、違法利用の対応が改善されないということで、ユニバーサルミュージックなどは原盤を引き上げるとか、パブリッシングも作品を引き上げるといった動きが既に現実のものとなっています。そういった面で、TikTok上の違法対策ということをこれからどのように進めるお考えなのか、というところがまず1つ目の質問。

もう一つは、コンテンツマネジメントの話ですが、YouTubeさんにおきましては、コンテンツマネジメントツールということで、Content ID含め、ダイナミックな機能の管理ツールを長い年月かけて導入されておられますが、先ほどTikTokさんのお話では、フィンガープリント照合で権利者やレーベルに分配していくと。基本的な契約は包括で定まった条件でやっていますということだったのですが、何かアップロードのコントロールですとか、公開のコントロールとか、そういったダイナミックに動く機能をコンテンツマネジメントとしてツール化していく計画はおありなのでしょうか、というのが2つ目の質問でございます。

【ByteDance(嘉藤氏)】ありがとうございます。1つ目に関しては、TikTokにおいては、今、フィンガープリントの実装を行っておりまして、TikTokの投稿には2種類あって、1つがレーベルさんの公式な音源ですね。これに関しては、利用が完全に補足できる状態になっています。もう一つが、ユーザーが御自身の動画に楽曲をつけて投稿するようなパターンなんですけれども、ここに関してフィンガープリントを働かせるというようなイメージになります。ここでひもづいた楽曲に関しては、TikTok上に含まれる楽曲として、その楽曲のタイトル、アーティスト名が表示されるという機能がもうすでに実装されていまして、それに基づきまして、UGC部分、いわゆるユーザーが投稿してくる部分の使用料は支払いができている状況になっております。お支払いをしており、またそれが楽曲報告にも含まれているというようになっています。

もう一つ、アップロードのコントロールの部分ですけれども、特にアップロード部分のコントロールは行っておりませんで、やはりアップロードされたものを後追いで捕捉していくというような手法が、こういった動画投稿のプラットフォームにおいては、1つ手法としてはあるのではないかと思っております。これもやはり、音源であれば、レーベルさんから公式にいただいている音源を使わせていただきながらのフィンガープリントということになっております。

【畑委員】追加質問ですけど、フィンガープリントで捕捉できないコンテンツもありますよね、多分データベースにないものとか……。

【ByteDance(嘉藤氏)】そうですね。

【畑委員】それはもうすり抜けるってことでしょうがないという感じでしょうか。

【ByteDance(嘉藤氏)】そうですね、今のところ……。例えばフィンガープリントも、完全に音源とマッチするようなフィンガープリントもあれば、もう一つ、メロディーを用いたようなものの開発検討などもされていますので、これからのフェーズになるとは思っておりますけれども、今のところはやはり大多数、大部分を音源のマッチングに頼らざるを得ないというような状況であると思います。

【太田主査】よろしいでしょうか。ありがとうございます。

ほかに御質問ございますか。仁平委員、どうぞ。

【仁平委員】日本ネットクリエイター協会、仁平です。今のフィンガープリントのお話なんですけども、僕の考え方は、UGC楽曲はどんどんTikTokでも使ってもらいたいなと思っている方たちがたくさんいるんじゃないかなと感じています。その中で、ほとんどのUGC楽曲は、恐らくフィンガープリントできてないと思うんです。なので、UGC楽曲を積極的にTikTokさんが使われているフィンガープリントに登録していきたいと思っていますし、そういうことを希望する、何というんでしょう、UGC楽曲の音楽を管理している団体さんはたくさんあると思うんですけど、その辺り、今後何か、こういうふうにやればどんどん登録できるんだよというのはあるんですか。

【太田主査】お願いいたします。

【ByteDance(嘉藤氏)】ありがとうございます。そうですね、楽曲の登録、例えばディストリビューションのサービスを通して登録していったり、レーベルさんから登録いただいたものに関しては、フィンガープリントのデータとして利用させていただいております。

【仁平委員】だからあれですよね、ディストリビューターさんが、この楽曲使っていいですよと登録すればもちろんそうだと思うんです。僕言っているのはそうじゃなくて、要はUGCの世界なので、登録されてないものでもどんどん使って動画作りたいじゃないですか。そのときに、じゃあその人たちは、もちろんTikTokの画面を見て、あ、これ使えるんだ、じゃあ使おうというふうにする人たちもたくさんいますけど、そうじゃない方たちもいて、例えばニコニコ動画でこれはやっているから、これを使って踊ってみたをやってみようと。TikTokの画面を見ても、まだこの曲は登録されてないけど、僕、この曲大好きだから、これで踊ってみたをやりたいんだというふうに恐らく使っていく人たちというのはたくさん今後は出て、まあ、出てほしいんです。曲を作った人も、そうやって使ってもらいたいはずなんです。もちろん、使ってもらった後に、この楽曲はほにゃらかさんが作った楽曲でというのがちゃんと分かって、なおかつ対価が還元されればさらにベストなんですけど。

だからディストリビューターさんが介在、わざわざ営業的に介在しなくても、自動的に、例えば意識のあるボカロPさんは、自分でTikTokのContent IDに登録してみようとか、何かそういうようなことができたらいいかなとか、もしくは、例えばドワンゴさんと契約してもらって、ドワンゴにあるボカロの楽曲のフィンガープリント情報が、もうオートマチックで全部TikTokの中には入っているよと。だからニコニコ動画で使われている楽曲は、TikTokにアップロードされた瞬間に、ああ、これは何々ですねとすぐ分かるような状況になるところまでいったらいいかなと。今の話は御社とドワンゴさんとのビジネスの話になっちゃうので、ここで話しすることじゃないかもしれないんですけど、何かそういう取決めがあると、もっともっとUGC楽曲、TikTokでどんどん使ってもらえるんじゃないかなという気がします。僕、先ほどユニバーサルさんが原盤引き上げた云々の話は、ある意味、僕らUGCからするとチャンスかなとも思っていて、この機会にUGC楽曲どんどん入れてやろうと思っているわけです。そのときの入り口を広めるという意味でいかがでしょうかというとこで、ぜひ御検討みたいなものいただければ。

【ByteDance(嘉藤氏)】ありがとうございます。そうですね、検討させていただきます。私たち、立ち位置としては、やはりUGCで投稿されるというよりは、そういった楽曲を品ぞろえとして、安全な状況にする、御契約をした上で、安全に使っていただけるような状況をつくっていきたいと思っておりますので、そういった意味では、TikTokに公式的に音源、楽曲を入れていただくというのが理想的ではないかと思った次第です。

【仁平委員】要はうそで登録する人たちが出てくるというところですよね。だから正式な情報として、ちゃんとした権利者が登録してくれるかどうかの保障をどこでするかというところですよね。分かりました。でも、これちょっと、ぜひいろいろと、いろんな企業さん、団体さん含めて、うまくいけたらいいなと思っていますので。

【ByteDance(嘉藤氏)】そうですね。ありがとうございます。公式な音源が増えて、それが安全に使われて、また公式音源であれば、先ほども申し上げたように、全て捕捉はできるということから、レポートであったり、対価であったり、もろもろの還元は権利者さんにもメリットがあるのではないかとも思っております。ありがとうございます。

【太田主査】ありがとうございます。

ほかに御質問ございますでしょうか。ありがとうございました。

今村先生、どうぞ。

【今村委員】すみません、2つほどお伺いしたいんですけども、1つはUGCをつくるときに、ユーザーは音楽ライブラリから音楽、音源を選んで動画を作るわけですね。その音楽ライブラリというのは、基本的に、著作権とか、著作隣接権があるものだけなのか、それともそうした権利がないものも入っているのでしょうか。権利があるものだけ使ってもらったほうがクリエイターの利益還元にはなると思うので、それを1点目お伺いしたいと思います。

もう一つは、ユーザーの方がネットコンテンツをつくる場合、音楽も含めて一から全部作るのは大変ですから、音楽ライブラリについては非常に貴重な資源として使っていると思いました。これはご担当の部署の関係で、そういうのが分かるかどうか分からないですけども、音楽以外の何かライブラリみたいなもの、要するに動画を作る素材みたいなもので、著作権者から預かっていて対価還元ができるような、何かそうした音楽以外のライブラリみたいなものがあるのかないのかお伺いできればと思います。TikTokについては、使ったことはあるんですけど、コンテンツを作ったことはないものですから、お伺いできればと思いました。以上の2点についてお願いできればと思います。

【太田主査】よろしくお願いします。

【ByteDance(嘉藤氏)】ありがとうございます。そうですね、TikTokのライブラリは、レーベル様と契約をさせていただいて、公式的に音源をいただいたもののみが保存されている、蔵置されているライブラリになります。ですから、そのライブラリに上がってくるのは、いわゆる原盤契約が済んでいるもののみとなります。

もう一つが、音楽以外のライブラリというのは、今のところは存在しませんで、そうですね、動画を加工するようなエフェクトであったり、こういったものはあるんですけども、ライブラリとは性質が違うのかなと思います。

【太田主査】よろしいでしょうか。

ほかに御質問ございますでしょうか・・・。ありがとうございます。

それではこれから意見交換を行いたいと思います。御意見等がございましたらお願いいたします。また、もし御質問がありましたら、このタイミングでもお受けしたいと思います。それではどうぞ、よろしくお願いいたします。

仁平委員、どうぞ。

【仁平委員】今回のYouTubeさんとTikTokさんにお話しすること、質問とかではないんですけど、多分、TikTokさんもYouTubeさんも、レコメンドの能力というのが物すごく、ユーザーから見たら重要になってくるサイトというか、プラットフォームだと思っています。それに関しての、これは個人の意見なんですけれども、特にYouTubeで、ここ数か月、もしかしたら1年ぐらいかな、「猫ミーム」って、はやったじゃないですか。猫ミームって、多分、御存じのない方いらっしゃると思うんですけど、要は猫の動画を、本当に素人目線で撮った動画をグリーンバックで抜いて、それに適当なせりふか何かを入れて、猫が会話しているというものなんですけど、物すごくはやったんですね。このはやった理由というのが、どうやらYouTubeさんのレコメンド機能というのが結構関係しているという話が何となく分かってきました。

というのは、YouTubeさんは全世界的に発信しているサイトなので、宗教的な内容であるとか、暴力的な内容であるとか、もしくは幼児ポルノと取られる可能性があるような内容というのは、基本的にもう排除というか、レコメンド上がってこない。じゃあその中で、どういうものがレコメンドに上がりやすいのかというと、子供が出てきてニコニコ笑っているとか、動物が出てきて何か楽しそうというようなものに関しては、比較的レコメンドされやすいというようなところから、YouTubeでも、最近は小学生のユーチューバ-が、すごくニコニコと遠足について語るみたいな、ほのぼのとしたものも結構出てきてるし、さっきの猫ミームなんていい話だと思うんですね。

つまり何が言いたいかというと、レコメンド機能、恐らくこれ、AIか何かを使っていると思うんですけど、AIなどのレコメンド機能がヒット作品を作っていくというのが今、現状なのかなとちょっと感じています。これは恐らくTikTokさんも似たようなところがあると思ってて、つまり、これ、別にYouTubeさんの中に影の軍団がいて、この楽曲をはやらせてやろう、こういうものをはやらせてやろうという意図でAIをつくっていると思っているほど僕は中二病ではないんですけども、要は、そういうAIのプログラムによってはやる作品が制限され、制限と言ったらおかしいな。はやる作品が生まれてくるという、はやり廃りに物すごく影響を与えているということなんだなとちょっと感じています。

これがいいか悪いかということもちょっとあるんですけど、こういうような事実で、コンテンツが事実上、制限とは言わないな、何か全世界的に当たり障りのないものがはやってしまうというところもちょっと怖いなと思っているんです。なので、まず1つは、そういうような自社のセレクト機能とか、レコメンド機能が、作風に影響を与えているんだというところに関してどのようにお感じになっていますかというのが1つ。

あと、やっぱりそれは、UGCの世界から言うと、なるべくそういうものはなくしたいなと思っているので、各社がいろいろとレコメンドのシステムを今つくっていると思うんです。日本だったら産総研さんなんかも結構面白いレコメンドの仕組みをつくっているので、例えば、そういう面白いレコメンドの仕組みをYouTubeなりTikTokなりにズバッと差し込めるような、そういう、何というんでしょう、口を開けていただくという言い方をするんですかね、そういうような今後の可能性というのはどうなんでしょうか。つまりユーザーがレコメンドをしやすくなるような市捨て鵜の口をYouTubeさんなり、もしくはTikTokさんなりが、そういう何か用意してもらうということは今後あるんでしょうか。この2つ、すみません、何かちょっと、興味本位の質問なんですけど。

【太田主査】もし、リアクションがございましたら・・・。では、お願いいたします。

【Google(鬼頭氏)】先にちょっと私、YouTubeの立場でお返事申し上げますと、多分、直接のお返事にはならないかとおもうのですが、YouTubeの基本的なレコメンデーションの考え方として、まさに、やっぱりおのおの視聴者が望まれるコンテンツをちゃんと御提供するという部分がございます。ですので、これはパブリックにもさせていただきますが、やはり一人一人のお客様がどういったコンテンツを今まで見てきて、どういったコンテンツを見た際に、途中で離脱してしまったか。逆にどういうコンテンツであれば、最後までしっかり見て、もしかすると「いいね」を押した、もしくはチャンネル登録したかと、そういう様々なシグナルを集めて、一人一人のお客様に対して、一番最適と思われるコンテンツをレコメンドで出すというのが、基本的にエンジンというか、考え方として根底にございます。

ですので、新しい、バズをつくるようなレコメンデーションにしていこうとか、バズがあることによって作風を変えていくような、そんな影響を及ぼすようなレコメンデーションエンジンにしていこうという議論は少なくともなく、やはり基本的には視聴者の方が一番御満足いただだける、必要とされている情報をしっかりレコメンデーションしていくという部分が根底にありつつ、当然、議論としては、それでいわゆる、エンタメのコツばかりで、堕落と言うとよくないんですが、YouTubeが完全に娯楽だけのプラットフォームになってしまっては、これはこれでやはり社会的な責任についてよくないので、様々な医療の情報であったり、もしかすると社会情勢の情報であったりという、いわゆる社会責任に関わる情報も適度に入れながら、一人一人のお客様にとって、生活する上で求める様々な情報が、硬めの情報からエンタメまで、しっかりとレコメンデーションで流れてくる。そういった世界観にしていきたいなというのが、まず社内で要求をされているところでございます。

【太田主査】ありがとうございます。TikTok様はいかがでしょうか。もしあれば・・・。

【ByteDance(嘉藤氏)】すみません、レコメンドの機能自体について、すごく詳しいわけではないですけれども、楽曲に関して申し上げると、レコメンド機能は、TikTokを使っているうちに、自分の好きなコンテンツ、好きな楽曲がどんどん手元に推薦されてくるというものであって、何かレコメンド機能を使って意図的にこうしようというようなところではなくて、はやっていればはやっているだけ、回転していれば回転しているだけ、楽曲が伸びる傾向には確かにあるとは思うんですけれども、突然こういうのが下りてきて、自分にすごくはまっていたと。そういうのを発見できるというところが、だから面白いんじゃないかな。だからTikTok面白いんじゃないかなとは思います。

【仁平委員】ただ、レコメンド機能がどういう仕組みなのかというのは、コンテンツ側からすると、常にリサーチをかけて、YouTubeさんで、今はやる楽曲はこれだなとか、こういうサムネール画像を作るとレコメンドされやすいなとか、みんなもうピリピリ考えてるじゃないですか。だから実際問題として、僕は癖はあると思うんです。YouTubeさんではやりやすい楽曲、TikTokさんではやりやすい楽曲。だからそこはいたちごっこかもしれないんですけど、僕らは僕らで常に考えたいなとは思っています。

2つ目の質問であった、外部のレコメンドシステムを積極的にそれぞれのプラットフォームに登録していく考え方はどうなんですか。例えば、さっき産総研さんの話しちゃったので、産総研さんのこの仕組み面白いから、これ、YouTubeを産総研さんの仕組みで検索したいなとか、何かそういうようなことをやりやすくするための仕組みとかって、どうなんですか。YouTubeさん的にはノーなのか、いやいや、こういうふうにやれば、普通にやってもらう分にはいいよなのか、もしくは積極的にこういうプログラム用意する予定ですよみたいなことというのは。

【太田主査】もしご回答があれば・・・。

【Google(鬼頭氏)】まず、外部のレコメンデーションをYouTubeの中に組み込んでいくことがあり得るかどうかという、ここに関して、私は製品開発ではないので何とも申し上げられないんですが、やはり先ほど申し上げた、どうしてもYouTubeでコミュニティーガイドライン、これとレコメンデーションエンジンをしっかりインテグレートする必要がどうしても出てくるので、なかなか外部のエンジンを入れていくというのは難しいんじゃないかなと思っております。当然私たちも、コミュニティーガイドライン自体も、日々日々見直しておりますので。ただ、これがお答えになっているかどうかは分かりませんが、YouTube、基本的に外部のプレーヤーのAPI等々もありますので、いわゆるビジネス上の議論としてあるのが、外部のレコメンデーションを持ちのユーザー様と、私たちのYouTubeの公開されているAPIを登録することで、YouTubeの外の世界で、ちょっと独自のキュレーションがかかっているYouTubeを実現いただく、そういったアプローチというのはよく議論でも上がっておりますし、御相談もいただくことはございます。

【仁平委員】こういうアプローチだったら御相談に乗っていただける可能性があるということ。

【Google(鬼頭氏)】はい。APIのドキュメントもそろっておりますので、いつか議論はできるかと思います。

【仁平委員】それはちょっとすみません、僕が勉強不足でした。ありがとうございます。

【Google(鬼頭氏)】とんでもないです。

【太田主査】ちょっと、私の方からよろしいでしょうか。仁平委員の話を一歩進めると、昔のファッションプロモーターとかが、次季のファッショントレンドを仕掛けたりしますよね。それと同じことをYouTubeやTikTokさんができて、それによって文化の方向性を、レコメンドエンジンの仕組み次第で仕掛けることができるようにもなると理解してよろしいのでしょうか。

【Google(鬼頭氏)】今おっしゃられたところは、いわゆるはやりを仕掛けていくみたいなところですよね。先ほど申し上げましたように、YouTubeのレコメンデーションエンジン自体は、どうしても何かしら恣意的にコントロールできるものではなく、先ほども申し上げましたように一人一人のユーザー様をアルゴリズムで判断した上で、一番望まれる動画を出していくという形になりますので、なかなか狙って仕掛けていく、それもYouTube自身が何か特定のコンテンツを優遇して仕掛けていくということは基本的には行っておらず、アルゴリズムの癖をアプロの皆様に見抜いていただいて、いろんな試行錯誤いただく、そしてまた、日々日々アップロードいただく動画が、ちゃんと一人一人のお客様にしっかり好評をいただいて、最後まで見ていただいて、先ほど申し上げましたとおり、「いいね」がついて、チャンネル登録までちゃんと結びついていく、そのような試行錯誤いただいて、お客様にとってもいいコンテンツを登録いただくような関係をつくっていくのがよいのではないかなと思っております。

【太田主査】ありがとうございます。どこかの国なんかでは世界戦略としてそういう仕掛けをやっているとも,それに対抗手段を講じようとしている国もあるとも聞いているので、ちょっとお聞きした次第です。

ほかに質問、御意見、ございますでしょうか。伊東委員、どうぞ。

【伊東委員】すみません、今のレコメンドの話に関連して、お2人にお聞きしたいのですが、恐らく暴力的な動画とか、児童ポルノとか、宗教的に非常に厳しいものはレコメンドに絶対上がってこないと思います。それは多分、何かフラグが立っているはずですが、海賊版は平気で上がってくるというところで、海賊版のフラグはないということですよね。そこら辺は何か技術的にレコメンドに上がってくることを防御できることはないのかなというのが正直な希望というか、感想になります。

【Google(鬼頭氏)】今のレコメンデーションのお話というよりは、そもそも、やはり原理原則として海賊版というのは上がってしまってはいけないと思いますし、また、そういった海賊版のコンテンツを上げるチャネル自体が存在してしまっているということがすごく大きな課題なんだと思っております。全然、レコメンデーションエンジンとか、Content IDとはまた別の部分で、私たち、いわゆるアビューシブというか、問題のあるコンテンツばかり投稿しているチャネルに関しては、かなり強いエンフォースメント、チャネルを停止するような取組を行っておりますので、レコメンデーションのお話、Content IDを中心とした著作権管理ツールのお話、そして、ある意味本当にコミュニティーガイドラインに準じて、問題ありと思われるチャネルをしっかり取り締まっていく、この3つの組合せなんじゃないかなと思っております。

【太田主査】TikTokの嘉藤さん、もしあれば。

【ByteDance(嘉藤氏)】そうですね、今、鬼頭さんがおっしゃられたのとかぶる部分はすごくあるんですけれども、やはりガイドラインというところで、レコメンドで、どんどん、どんどん、拡散されていってしまうという部分がありますので、やはりレコメンドに上がる前、動画が投稿された際に、どのように止めていくか。またそれが上がらないように、どういうふうに啓発啓蒙しながらコントロールしていくかというところがやはり重要になるのではないかなと思いました。

【太田主査】よろしいでしょうか。

【伊東委員】ありがとうございます。

【太田主査】唐津委員、どうぞ。

【唐津委員】今日は本当に興味深いお話ありがとうございました。先ほど仁平委員から、ちらっと猫ミーム、多分、本当にいらっしゃる方ほとんど御存じないと思うんですけれども、検索するとすぐ出てくるのですが、その動画について、つい数日前に取材を受けまして、簡単に「猫ミーム動画の著作権問題」という記事を書いたんですね。そうすると、私自身が非常に驚いたのですが、それをX、Twitterでアップしたら、1日で7,000リツイートされて、3万の「いいね」がついたというので、非常に驚いたんですけど、それで自分の記事なので気になってコメントを見ていたのですが、そこで思ったのは、若い方、気にはしているんですね。気にしているから、本当に法律の話だけをしている、ある意味つまらない記事なんですけれども、「猫ミーム」「著作権問題」と聞くと、えっと思って見る若い方が、あ、それだけいるんだなというのが1つ発見だったことと、そのコメントを見ると、本当に基本的な著作権のこと、全然知らないで使っている方がたくさんいるんだな。

だから悪意じゃなくて、先ほど伊東委員から、TikTokを使っているユーザーの方の著作権の意識が乏しいというお話が出ましたけれども、ある意味、TikTokさんが非常にうまく権利処理をして、この音源使っていいですよ、プロモーションになるからどんどん流してくださいというプラットフォームを用意してくださったことで、ユーザーの若い方たちは、あ、使っていいんだという、逆に使ってどんどん流せば権利者も喜ぶんだというマインドが、ある意味、TikTokさんからできてしまった。決して悪いことではなくて、そういう形で使えるし、アーティストもプロモーションになるというプラットフォームが出来たことは、すごくプラスの面はあると思うんですけれども、一方で若い方の著作権意識というのがそこである程度、方向性が決められてしまったようなところもあるなというのを感じて、何万人もの方が「いいね」と押したということは、恐らく、多分、100万人くらいの方が読んだんだとは思うんです。

だから気にはしているし、権利侵害をしたいと思っているわけではなくて、ただ知らない環境に慣れてしまって、無意識のうちに使っていいんだと思っているところを考えると、TikTokさんとかYouTubeさんがサービスを提供すると同時に、これをやっていいのはTikTokだからですよというようなお話ですとか、ほんとは権利者がいて、こういう権利があって、例えば音源と楽曲の著作権は別なんですよと。そこも多分、ほとんどの方、意識をしていないと思うので、先ほども出た啓蒙というところに力を貸していただければ、利用も広がるし、意識も広がるし、若い方が決して悪いわけではないので、そこを知れば、多分意識してもっと健全に使っていくことができるんじゃないかなとつい最近感じたので、それは質問というか、ぜひ取組としてやっていただきたいなとは思っています。以上です。

【太田主査】もし何かリアクションがございましたならば・・・。どうぞ。

【ByteDance(嘉藤氏)】すみません、ありがとうございます。私、ByteDanceで今やっている立場からしても、やはり著作権意識ですね。プラットフォームが権利を取得して、安全安心な場をつくると。これは確かに、プラットフォーム内に限定されたことであって、包括契約があることによって、いつでもどこでも好きに使っていいんだというような意識が芽生え始めるというところは、確かにそのとおりだと思いました。また、著作権部分に関しては、啓蒙啓発というところで、そういった意味で、逆にTikTokを使っていただきながら、そういった啓蒙啓発をして、アップしているユーザー、若い人たちに対して働きかけを行っていくというのを権利者の皆様と一緒に、お取組としてできれば面白いんじゃないかとも思いました。ありがとうございます。

【太田主査】ありがとうございます。

ほかに御質問ございますか・・・。内山委員、どうぞ。

【内山委員】すみません、手短にいきます。透明性問題ということで、これは、著作権処理とか取引にかかわらず、いろんなところに波及している問題だと思うんですけれども、もし御存じであれば。EUがDSAでお2人の会社を、Very Large Online Platformerとして指定した、あるいはDMAでゲートキーパーとして指定したときに、本国なり、あるいはヨーロッパ法人はどういう声明を出されたか。本当は調べれば分かる話なのですけれど、もし御存じであればというところでございます。

【太田主査】よろしければお願いします。

【Google(鬼頭氏)】すみません、私、お恥ずかしながら、そこの部分まで存じません。申し訳ございません。

【ByteDance(嘉藤氏)】私もです。

【太田主査】ありがとうございます。

ほかに御質問は・・・。丸山委員、どうぞ。

【丸山委員】芸団協の丸山でございます。まずはこの発表、ありがとうございます。せっかくの機会ですので、この機会に、私は実演家の立場で、実演家ですので、いくつかの意見をちょっと申したいなと思っております。今日の発表で、YouTube、改めて本当に世界で多くの人が利用されているということは、本当に何か、改めてですけれども、思いました。ただ一方で、先ほど1年間で音楽業界に60億ドルの支払があったというお話があったと思うのですけれども、単純にとっても大きな額だと思いましたが世界中に利用者がたくさんいて、そこからYouTubeが得る利益との関係で、これが適切な対価があるというところでいくと私は正直わからなかったです。このお金に関して言いますと今やユーザーの方が音楽を聴く方法は、やっぱりYouTubuというのがトップなのだと思います。YouTubeが定める対価の条件に納得できるか否かというのは別にしまして、我々実演家にとって、音楽活動を行う上で絶対に避けては通れない存在です。一緒にできるということが一番いいと思っておりますので、音楽コンテンツを創作する、その循環を促進するためにも、YouTubeからクリエイターに適切な対価を還元しているということがとても重要だと思っております。毎回こういう話になってしまうのですけれども、ぜひそう言った役割と、それから責任を担っているという認識を持って、クリエイターへの適切な対価還元に積極的に取り組んでいただきたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。

【太田主査】ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

菅委員、どうぞ。

【菅委員】ありがとうございます。今までこの会議で聞いてきたのは著作権管理をされる方が多かったです。今回、プラットフォームの方が来ていただいたので、ちょっと意見です。何か質問ではなくて意見になってしまうんです。プラットフォームのほうでは、自分たちから発信をされる強みというのがあると思うんですね。管理をどうのじゃなくて、じかに視聴者に発信ができる。ということは、先ほどから皆さん、意識が低いとか、著作権使っていいのか、上げていいのかみたいなところというのは、プラットフォームの責任として、自ら発信をして、お知らせをしてあげるのが私は大事かと思います。

知らないんだったらやってしまうけど、知ってたらやらない。そういうことが特に若年層は多いと思うんですね。例えばYouTubeさんで言ったら、ノンスキッパブルであったり、バンパーであったり、必ず見せる広告というのがあると思うんです。例えばそれが、日に1回、最初にアクセスしたときに、必ずノンスキッパブルで著作権情報が出るとか、あと、繰り返し繰り返し告知をしていくのが大事だと思います。また、プラットフォームさんですので、様々な方々とお付き合いがあると思いますので、いっそ番組にしてしまう。著作権について、例えばノンスキッパブルとかバンパーとかで、リンクを踏むと、タレントさんが、短い5分で、うちはこんな取組をして、これは使っていい曲であって、これは駄目なやつで、なぜかというとみたいなところでライブラリーに飛ばしてやるとか、そういうふうにリンクをちゃんと張って、タレントさんなり、キャラクターなりを使って、番組をプラットフォームさんが自主的につくって、もっと責任を持って発信して啓蒙するという形が私はあると思います。すみません、勝手な意見でございました。

【太田主査】ありがとうございます。よろしく御検討をお願いいたします。

ほかに御意見等ございますでしょうか。

【伊東委員】すみません、もう一度。

【太田主査】伊東委員、どうぞ。

【伊東委員】度々すみません、今まで言ったことと重ななりますが、今日、この場に来る前に、大勢の出版界の人間からぜひ言ってくれと言われたので、代弁させていただきます。先ほどから申し上げているとおり、両者のプラットフォームには海賊版がたくさんあって、それが表示されると、アップした人間と、プラットフォームの両者には収益が発生します。音楽の場合はContent IDなどで捕捉して、音楽の皆さんに還元されていますが、出版物に関して言うと、一切、権利者には還元されておりません。逆に、YouTubeやTikTokで、ある漫画の全話が読めるとなったら、もうコミックスを買わない可能性もあります。そういうような特殊な状況にありますので、きちんと、真剣に対応していただきたいというのが我々出版界の総意となります。よろしくお願いします。

【太田主査】よろしくお願いします。

では、ほかに御意見がございませんでしょうか…。生貝委員、どうぞ。

【生貝委員】すみません、意見として、再び3つほどなんですけれども、まず1つは、先ほどお話に出ていたレコメンデーションですとか、あるいはコンテンツモデレーションに関わることというのは、どちらかというと僕の本業の世界のほうで、まさしくディスインフォメーションとの関わりですとか、様々な違法・有害情報との関わり、あるいは最近ですと、例えば我が国のグルメサイトに関する訴訟等において、そのアルゴリズムのポリシーに関する競争法上の議論というのも様々な形で成されるようになってきている。そうしたときに、やっぱり我が国ですと、著作権、知的財産権という観点から、コンテンツモデレーション、レコメンデーション等を議論するということ、あまり集中的にはなされてこなかったであろうところ、やはり、例えば海賊版との対策もそうですし、あるいは先日少し御紹介をした、音楽ストリーミングに関する欧州議会のレゾリューションの中でも、やはりそのことの透明性の重要性というものが非常に強調されているといったときに、やはり著作権政策におけるレコメンデーション、モデレーションの位置づけといったようなことは、これはやっぱり継続的にイシューとして捉えて考えていくというのが、やはりプラットフォームの問題を正しく考えていく上で非常に重要なんだろうなと考えるところでございます。

それから2点目として、本日のヒアリング等を通じましても、やはり様々な論点がある中で、透明性の重要性というのはかなりコンセンサスに近いところにあるのかなと見ましたきに、透明性とは、例えば権利者様との利益配分に直接関わるようなこともあるし、あるいは著作権侵害対策としてどういうことをやっているのか、あるいは、個人的にはコンテンツモデレータ、日本語ができる人が何人くらいいるんだろうとか、いろんな気になることがあるんですね。そういったときに、著作権政策にとって必要な透明性ということについて、果たして何が透明になると望ましいのかということの整理をして、そのことをまさにプラットフォームの方々との様々な対話にも生かしていくといったようなことが、これ、1つは今後重要になってくるのかなと感じたのが2点目でございます。

それから3点目、これは菅委員が先ほどおっしゃっていたような、例えば著作権をちゃんと青少年を含めて守るように促していくといったような取組。これ、広くは、例えばコンプライアンス・バイ・デザインといったような言葉でも表現されるようなことがあるかなと思いますけれども、また、例えば先ほど内山委員から言及のあったデジタルサービス法のVLOPに関わるデューデリジェンスといったようなところでは、プラットフォーム上で起こる様々なリスクというものを特定して緩和する責務というのがやはりプラットフォームの方々にあるということを向こうは法令上求めているといったときに、投稿された著作権侵害に対応するだけではない、アップロードフィルターをするだけではない、様々な未然の抑止のサービスのアーキテクチャーのつくり込み方というものの望ましいベストプラクティスというのは、多分いろいろなコンセンサスというものがあるのであろうところ、それを法令上求めるかどうかはまた別にしても、やはりこういったことをしっかり責務としてやっていただきたいですといったようなことをしっかり整理していくというのも、しばしばそれを行動規範と呼んだりもいたしますけれど重要なことなのかなと感じたところです。

以上3点、意見でございます。

【太田主査】貴重な御意見ありがとうございます。

ほかにございますでしょうか。

ありがとうございました。意見交換は以上といたしまして、次に議事(2)の「放送条約の検討に関する対応の在り方についての検討経過報告」に入ります。検討経過報告について、本ワーキングチームの座長である上野委員から御報告をお願いいたします。

【上野委員】時間が押しておりますので、大変手短にワーキングチームでの検討状況を御報告いたします。テーマはWIPOのSCCR(著作権等常設委員会)で長らく検討しております放送機関の権利に関する新たなルールづくりと、これへの対応に関してでございます。

先月26日にワーキングチームを開催いたしまして、放送条約の最新の議長テキストに関する論点を議論いたしました。チーム員につきましては、資料3の2ページ目に名簿を掲載しておりますので御参照ください。今回のワーキングチームでは、放送事業者のチーム員2名の方々に放送に関する侵害状況ですとか、あるいはこの条約への期待について御発表をお願いした次第でございます。その後に、議長テキストにおける幾つかの点、とりわけ「受益者」という概念の範囲ですとか、あるいは「保護対象としてのインターネット送信の留保の必要性」等につきまして、我が国でどういう方針を取り得るかということにつき、検討を行った次第でございます。

今後の方針につきましては、国内外の放送に関する実態や動向の分析を行いつつ、引き続き放送条約における先ほどの論点等を中心として、WIPOでの議論の進展に応じて我が国の対応の在り方の検討を進めていくという予定でございます。

以上でございます。

【太田主査】ありがとうございました。

ただいまの上野委員の御報告について御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。

ありがとうございます。ございませんということでで、よろしいでしょうか・・・。ありがとうございました。

それでは次に議題(3)の令和5年度政策小委員会、この委員会でございますが、「審議の経過等について」に入ります。

事務局において、審議経過報告(案)を作成していただいておりますので、事務局から御説明をお願いいたします。

【渡邉著作物流通推進室長】それでは資料の4を御覧ください。「令和5年度政策小委員会の審議の経過等について(案)」でございます。本件につきましては、本日御了解いただきました後に、来週開催されます分科会に対して報告をさせていただくものとなってございます。

1番、「はじめに」でありますけれども、今期の本小委員会におきましては、ここに挙げております(1)(2)の議題について審議等を行ったということでございます。

2ポツ、審議状況につきまして具体に記載してございますけれども、まず(1)の議題につきましては、1段落目から、また2段落目にかけまして、令和3年の文部科学大臣からの諮問と昨年度の実態調査を踏まえた審議などの経過について記載をしてございます。そして2段落目の最後のほうにありますように、今期の本小委員会につきましては、特に「音楽分野を念頭に置きつつ、論点の検討を進めることとした」ということでございます。

また、次の段落にありますように、「従前のコンテンツ流通を前提に構築されてきた対価関係の仕組みについても、その在り方を捉え直す必要性を確認した」としてございます。

ⅰ番の「DX時代におけるクリエイターへの適切な対価還元方策に係る論点について」ということでございますけれども、別添資料1におつけしておりますとおり、取引の透明性、対価の妥当性・公平性、適切な競争関係という3つの視点から論点を整理をして、各種ヒアリングを行ってきたということでございます。そして別添資料として、初回に御確認いただいた論点資料を添付する形としております。

2ページ目でございますけれども、以降、各回においてヒアリングをさせていただいた内容の概略をまとめさせていただいております。そのうち4段落目でありますけれども、まさに本日ヒアリングをさせていただいたものについて記載してございますけれども、本日の審議の内容を踏まえまして、主査とも相談させていただきながら記載を修正させていただければと考えてございます。また、次の段落にありますように、デジタルプラットフォームサービス上での著作権侵害に係る課題も契約に基づく対価還元と表裏をなすものとして検討することとして関係者からのヒアリングも行ったということを記載させていただいております。

ⅱ番、「関連する諸制度の在り方について」ということで、本小委員会では、DX時代におけるクリエイターへの適切な対価還元方策に関連する制度として、私的録音録画補助金制度及びレコード演奏・伝達権について取り上げて審議を行ったということでございます。次の段落以降にそれぞれの制度につきまして、現状、利用者の意向、社会的な理解、国際的な著作権制度との調和等を踏まえて検討する必要性を確認し、今期の本委員会においては各種調査研究の報告等を聴取して議論を行ったというようにしております。

3ページ目でございますけれども、最後に、「次期本小委員会においては、今期確認をした論点及び審議の経過等を踏まえ、論点の検討をさらに深めていくことが期待される」としております。

(2)番が、「著作権保護に向けた国際的な対応の在り方について」ということでございますけれども、1段落目、今期第1回の本小委員会において、WIPOの動向等について報告をさせていただいたということ、2段落目に、放送条約の検討に関するワーキングチームの設置と議論の経過について記載をしてございまして、先ほど上野先生から御報告いただいたワーキングチームの検討結果報告を別添資料として添付をすることとしております。

次の段落で、第4回の小委員会における国境を越えた海賊版による著作権侵害に対する対応についての審議について記載をしてございます。

そして最終段落でありますけれども、「次期本小委員会においては、海賊版対策の取組状況や日々変化する侵害対応等を踏まえ、必要な検討を的確に行うことはもちろん、海賊版対策とコンテンツの海外展開を両輪として引き続き検討を行うことが期待される」としてございます。

次のページからは本小委員会の開催状況、委員名簿といった関係資料をまとめてございます。

以上でございます。よろしく御審議のほどお願いいたします。

【太田主査】ありがとうございました。

ただいまの御説明について、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか・・・。

ありがとうございました。審議経過報告については修正を要する点はなさそうということでよろしいでしょうか。なさそうですので、本日のヒアリング及び御議論いただいた内容と、議事(2)の放送条約の検討に関する対応の在り方についての検討経過報告も含めて、本小委員会としての「審議経過報告」として取りまとめさせていただきたいと存じます。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【太田主査】ありがとうございました。

小委員会での審議状況については、著作権分科会に報告することとなっております。来週でございます。「審議結果報告」については、主査である私から、来週19日に開催される第2回著作権分科会において報告することといたします。

大分時間も押してまいりましたが、その他、全体を通して何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

ありがとうございました。本日は今期最後の政策小委員会でございますので、私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。

私のふつつかな司会のために、多くの場合、時間を超過したり、挙手を見落としたりして、大変御迷惑をおかけしたことを、今さらではありますがお詫びしたいと思います。それと同時に、毎回、活発な御意見、御質問をいただいて、充実した審議ができたのではないかと皆様に感謝する次第でございます。本当にありがとうございました。

【中原文化戦略官】文化庁文化戦略官の中原でございます。今期の本小委員会を終えるに際しまして、一言御礼を申し上げたいと存じます。今期の本小委員会におきましては、6回にわたりまして、DX時代に対応した著作物の利用円滑化、権利保護、適切な対価還元に係る基本政策及びその著作権保護に向けた国際的な対応の在り方につきまして、多角的な示唆で非常に精力的に御審議をいただいたところでございます。審議に際しましては、権利者や著作権等管理事業者、そして海賊版対策の関係者、デジタルプラットフォームサービスの事業者の皆様など、幅広い関係者の皆様からヒアリングを行わせていただきました。審議事項につきまして、重要な御示唆をいただきましたこと、そして関係者の皆様にはこの場をお借りして深く御礼を申し上げたいと存じます。ありがとうございました。

国境を越えてコンテンツが流通・利用されまして、またそのコンテンツの提供の在り方も変化する中で、対価還元の方策の検討ですとか、あるいは国境を越えた権利の保護といいますのは、コンテンツの利用と創作の循環というものを最大化して、我が国の文化芸術の継続的かつ健全な発展を図る上で極めて重要なものであると認識をしております。頂戴した、こうした検討課題につきましては、今期皆様に御審議いただいた内容を十分に踏まえまして、また来期以降、引き続き審議を深めていければと考えております。

委員の皆様方におかれましては、今期の本小委員会の充実した御審議のために多大な御尽力を賜りましたこと、改めて感謝を申し上げたいと存じます。本当にありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

それでは以上をもちまして、第23期文化審議会著作権分科会政策小委員会を終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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