文化審議会著作権分科会政策小委員会(第6回)

日時:令和7年3月18日(火)

13:00~15:00

場所:文部科学省東館3F1特別会議室

(オンライン併用)

議事

1開会

2議事

  • (1)放送条約の検討に関するワーキングチームの報告について
  • (2)法制度に関するワーキングチームの報告について
  • (3)令和6年度政策小委員会の審議の経過等について
  • (4)その他

3閉会

配布資料

資料1
放送条約の検討に関する対応の在り方についての検討経過報告(234KB)
資料2
令和6年度法制度に関するワーキングチームの検討の経過等について(201KB)
資料3
令和6年度政策小委員会の審議の経過等について(案)(962KB)
参考資料1
「著作権法の一部を改正する法律に基づく文化庁告示案の概要」に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果について(204KB)

議事内容

出席者

・委員 :
太田委員(主査)、早稲田委員(主査代理)、麻生委員、生貝委員、伊東委員、内山委員、正親町委員、唐津委員、楠本委員、河野智子委員、河野康子委員、坂井委員、島並委員、水津委員、菅委員、田村委員、墳﨑委員、仁平委員、渕委員、𠮷田委員
・文化庁:
中原文化戦略官、籾井著作権課長、持永著作権課課長補佐、三輪著作権課調査官、八田流通推進室長、小林国際著作権室長

【太田主査】定刻になりましたので、ただいまから、文化審議会著作権分科会政策小委員会(第6回)を開催いたします。

本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、委員の皆様には、会議室とオンラインにて、それぞれ御出席いただいております。オンラインにて御参加されている皆様におかれましては、ビデオをオンにしていただき、御発言をされるとき以外はミュートに設定をお願いいたします。

議事に入る前に、本日の会議の公開について、確認いたします。予定されております議事内容を見ますと、特段、非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方々にはインターネットを通じた生配信によって傍聴していただいているところですが、特に御異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【太田主査】ありがとうございます。では、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方々にはそのまま傍聴していただくことといたします。

それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【持永著作権課課長補佐】事務局でございます。配付資料の確認をさせていただければと思います。

本日の配付資料は、次第のとおりとなります。対面で御参加の委員の方でもし不足などがございましたら、近くの事務局職員までお声がけいただければと思います。

資料の確認は、以上となります。

【太田主査】ありがとうございました。

それでは、議事に入ります。本日の議事は、議事次第のとおりとなります。また、今期最後の政策小委員会となりますので、議事の最後に委員の皆様から一言いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、早速、議事(1)の放送条約の検討に関するワーキングチームの報告について、に参ります。本ワーキングチームの座長である渕委員より、御報告いただきます。

よろしくお願いいたします。

【渕委員】僭越ながら、私から御報告申し上げます。

世界知的所有権機関(WIPO)の著作権等常設委員会、いわゆるSCCRでございますが、こちらの委員会で検討中の放送機関の権利保護に関する新たなルールづくりへの対応に関しまして、ワーキングチームでの検討状況を御報告いたします。資料1を御覧ください。

先日、3月12日にワーキングチームを開催し、放送条約の最新の条約草案に関する論点について、議論をいたしました。ワーキングチームのチーム員につきましては、資料1の2ページ目に記載しておりますので、御参照ください。

ワーキングチームでは、条約草案における「受益者の範囲」や「インターネット送信の保護」などの点につきまして、我が国でどのような方針を取り得るかにつき、検討を行いました。

今後の方針につきましては、国内外の放送に関する実態・動向の分析を行いつつ、引き続き、先ほど申し上げました放送条約における論点等を中心に、WIPOでの議論の進展に応じまして我が国の対応の在り方の検討を進めていく予定でございます。

私からの報告は、以上でございます。

【太田主査】ありがとうございました。

ただいまの御報告につきまして、御意見、御質問がございましたら、挙手をお願いいたします。オンラインの方々は、挙手ボタンにてお知らせください。いかがでしょうか。

ございませんようですので、次に行きたいと思います。

それでは、次に、議事(2)の法制度に関するワーキングチームの報告について、に参ります。本ワーキングチームの座長である早稲田委員から、御報告いただきます。

よろしくお願いいたします。

【早稲田主査代理】法制度に関するワーキングチーム座長の早稲田でございます。私のほうから、御報告させていただきます。

資料2を用いまして、法制度に関するワーキングチームにおける検討の経過について、御報告をいたします。

今期の法制度に関するワーキングチームは、第1回の本政策小委員会決定を踏まえ、AIと著作権制度に関することについて、著作権侵害の国外犯処罰の執行の在り方について、を主な検討課題として、検討を行いました。

まず、AIと著作権制度に関することについては、生成AIをめぐる最新の状況について事務局から情報を共有するとともに、生成AIによる声優を模した声の生成・利用と著作権の関係について、議論を行いました。そこでは、著作権法は声そのものを保護しているわけではなく、声そのものに著作権法上の権利は及ばないことを確認いたしました。一般不法行為等の、パブリシティ権、その他の権利について保護の可能性があるということの御指摘もいただいております。本検討事項については、引き続き、諸外国における検討状況を含めた関連の動向を注視しつつ、必要に応じて検討を行うことが期待されるとしております。

次に、著作権侵害の国外犯処罰の執行の在り方について、でございます。これはインターネット等で海外に拠点を置く海賊版サイトの対応について、が中心的な議論でございますけれども、これにつきましては、国外犯処罰の執行というよりも、国内犯の処罰規定が適用される場合における実行性の確保のほうがより重要であるという課題意識を共有した上で、出版物の海賊版被害の対策に関連し、出版権登録制度のうち、登記事項記載書類におけるプライバシーに関する情報の取扱いや、登記事項記載書類の在り方について、議論を行ってまいりました。本検討を踏まえ、まず、出版権登録について、実現に向けた所要の措置を講じることが期待されるとしております。

以上でございます。

【太田主査】どうもありがとうございました。

ただいまの御報告について、御意見、御質問がございましたら、挙手をお願いいたします。オンラインの方は、挙手ボタンによりましてお知らせください。いかがでしょうか。

【早稲田主査代理】すみません。ちょっと訂正させていただきます。先ほど「登記事項」と申し上げましたが、これは「登録事項」の間違いでございます。訂正させていただきます。

【太田主査】ただいまの訂正も含め、御質問、御意見、ございませんでしょうか。

菅委員、お願いいたします。

【菅委員】ありがとうございます。小説家の菅です。ちょっと理解が及ばないところを質問させていただきます。

普通の人間は肖像権というのを持っていて、自分の姿が勝手に使われたら困るということになっていますが、声優さんに関しては、声優の声は著作権には違反しないというのが今の結果でございましょうか。

【持永著作権課課長補佐】事務局からお答えさせていただきます。

【太田主査】よろしくお願いします、事務局。

【持永著作権課課長補佐】先ほどの検討の経過の中では、著作権法の保護は及ばないという結論に至ったというふうに承知しております。

【菅委員】保護が及ばないのと、勝手に使うとは違うと思うのですが、もう少し、素人に分かりやすく御説明いただけますか。

【太田主査】事務局のほうでお願いします。

【三輪著作権課調査官】事務局より補足させていただきます。

今、菅委員より御指摘いただきました肖像権ですとか、あるいは声優さんの声に関する権利というところに関しまして、今回の法制度ワーキングチームでは、著作権法上の権利が及ぶかどうかという点で申しますと、例えば、実演家等の権利については必ずしもこれが直ちに及ぶものではないというような形で御議論をいただいたところでございます。

他方で、先ほど御報告にもありましたように、一般不法行為でありますとか、パブリシティ権、あるいは、今、菅委員から御指摘いただきましたような肖像権でありますとか、そういった人格権と言われるような権利については、権利行使、保護の可能性があり得るという形で御議論いただいていたところでございまして、先ほど報告にありました著作権法上の権利が及ばないという趣旨としては、あくまで著作権法の枠内での権利については及ばないというような御議論をいただいたところでございます。

以上、補足でございました。

【太田主査】よろしいでしょうか。

【菅委員】分かりました。また勉強し直してまいります。ありがとうございました。

【太田主査】唐津委員、どうぞ。

【唐津委員】弁護士の唐津です。今と同じ点についての御質問ですけれども、声優さんたちの声が著作権法では保護されないというのは、結論としてはそうならざるを得ないとは思っております。ただ、今、御質問にもありましたように、実際にまねされるときに法的保護が及ばないのかといえば、この中にも出てきているパブリシティ権ですとか、一般不法行為の保護の可能性があるというのも、既にあちこちで議論はされているかと思うんですけれども、この会の性格上、基本的には著作権法の枠内での議論になるというのが原則ではあると思うのですが、実際に声優さんたちが、恐らく実演家の中で一番、生成AIによる危機感、不正利用というか、無断利用についての危機感について声を上げておられると思うんですけれども、実際に法的保護が及ぶ可能性があるという、その先の議論で、例えば、どういうふうに保護が及ぶのか。もちろん裁判例を待つというのも一つの方法だと思うのですが、法的保護がどのように可能かという議論ですとか、アメリカのハリウッドのほうで団体対団体のルールができたように、何かそういったガイドライン的なものをつくるのかですとか、そういった点についてはどこかで議論はされているのか。例えば、それぞれの省庁が、うちの担当ではない、担当ではないという状況になっているのか、あるいは、動きとしては、どこかでは議論を進めていくという話があるのか、ちょっとお伺いしたいと思っております。

【太田主査】事務局のほうでお分かりになるようでしたら。

【籾井著作権課長】ありがとうございます。多分、外から見るとなかなかもどかしい部分かと思うんですけど、この審議会は御指摘いただいたように著作権法の枠組みに限って議論をする場ということになりますが、他方で内閣府の知財計画2024の中でも声の取扱いについては政府全体で取り扱っていくということが書かれております。そうした中で、各省庁、まずは自分のところでできる議論をし、そして、知財計画の中でフォローアップしていくという仕組みになっていますので、まずは、それぞれの所掌の中で何ができるのかというのを持ち寄って、次のステップはまた知財計画の中でフォローアップされていく。なので、どこでどう議論していくかということは、そこで取りまとめられていくことになるのかなと思っております。

【唐津委員】ありがとうございました。

【太田主査】どうもありがとうございます。

ほかに、御質問、御意見ございますか。

仁平委員、どうぞ。

【仁平委員】せっかくなのでちょっと発言させていただきたいと思いますが、今の御意見とかぶるところはあるんですが、要は、著作権の会議だということは十二分に承知させていただいた上で、その中で、AIと声優さんの声とか、この辺りというのは、今回、この会議を視聴していただいている一般の方々も相当注意深く聞いている内容だと思っています。特に、専門の方は初めから、この分科会は著作権の話だから、ここでこういうふうに書いてあることは、何ら問題がないというわけではなくて、著作権法では引っかからないよというだけの話だなというふうに御理解いただけると思うのですが、一般の方もたくさん観ています。その中で、実際に被害を受けている声優さんもあれば、声優さんという方ではなくても、ネットの中で、声だけ聞けば絶対分かるような人が、今、インチキ広告とか出していますよね。ああいった部分で結構悩んでいる方もいらっしゃるので、この辺りのレポートを書かれるときに、もし可能であれば一番最後の部分にでも、著作権法的にはこうだけど、だからといって、許されている、いわゆる法的に問題がないというわけではないよというのを、もうちょっと分かりやすく何か言っていただけるといいかなということと、この辺りの話に関しては、今後、本当に大きな問題になってくる予定だと思いますので、ぜひ、各省庁横断しての、いろいろなトータルな取組をお願いしたいと思います。

ただの意見でしたが。

【太田主査】ありがとうございます。

特に、事務局でリアクションがございましたら。

【籾井著作権課長】仁平委員の御指摘に対してなんですけども、一応、今の審議経過報告の2ページのところで、「著作権法上の権利は及ばないことを確認した」の後に、「なお、生成AIによる声優を模した声の生成・利用時に保護すべきものを鑑みた時にパブリシティ権や一般不法行為による保護の可能性があり得ること、知財推進計画2024で例示された他の法律による規律における対応もあり得るとの意見があった」ということを記載させていただいておりまして、まさに、著作権で保護されないからといって何でもやっていいわけじゃなくて、ほかの法律にかかってくる可能性があるよということをこちらに記載させていただいております。

【太田主査】よろしいでしょうか。

多分、数年内にはアニメと実写が区別つかない時代が来るでしょうから、問題は声だけではないかもしれないということでしょうか。

ほかに、質問、御意見ございませんか。

伊東委員、どうぞ。

【伊東委員】海外における権利執行の課題について、質問というよりは、意見と申しますか、強い期待を持っているという気持ちをお伝えさせていただければと思います。先ほど御説明あったとおり、登録事項記載書類におけるプライバシーに関する情報の取扱いについては、我々出版社は、作家の先生の住所や本名を取り扱っておりまして、登録する際に、そういった、あまり外に漏れてほしくない先生方の情報の記載は避けたいと強く思っております。特に出版権登録に関しては出版者の権利を証明するものですので、作家の先生の名前や住所が出ない形で我々出版社が権利を持っているという証明ができれば幸いです。特に海外に対して書類を提出する機会が非常に多くなっています。海賊版サイトの運営者が海外にいて、海外の捜査当局に捜査をお願いするときに、本当に我々出版社が権利を持っているということを証明する際に、文化庁さんの公的な書面で事足りると非常に対策がスムーズになりやすい状況になっています。実際、今、私も海外の捜査当局に書面を提出する段階で「おまえがきちんと全てを把握して、間違いないということを保証せよ」と、すごく重い書類にサインして提出しなきゃいけない状態になっていたりしますので、この末尾は「措置を適用していくことが期待される」と結ばれていますけれども、我々としても本当に大きな期待を持っておりますので、ぜひ全力で進めていただければ思います。よろしくお願いします。

【太田主査】ありがとうございます。大変重大な問題で、前向きに検討できればと思います。

ほかに、質問、御意見、ございますでしょうか。

ありがとうございます。

それでは、次に、議事(3)の令和6年度政策小委員会の審議の経過等について、に参ります。事務局において審議経過報告書(案)を作成していただいておりますので、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【持永著作権課課長補佐】事務局でございます。資料3、令和6年度政策小委員会の審議の経過等について(案)に基づいて、説明いたします。

1ポツ、「はじめに」ですが、こちらは、今期、政策小委員会において審議などを行っていただいた課題について、記載しております。

次に、2ポツの審議状況についてですが、(1)のDX時代に対応した著作物の利用円滑化・権利保護・適切な対価還元に係る基本政策については、1段落目から2段落目は、昨年度までの審議の経過について記載しております。そして、3段落目になりますが、こちらについては、今期の本小委員会では、特にデジタルプラットフォームサービスにおけるアニメなどの映画の著作物をめぐる対価還元に関して様々な課題が指摘されていることから、関係当事者からヒアリングの上、議論を行ったほか、音楽分野の対価還元に係る課題のうち、レコード演奏・伝達権に関する論点の検討を進めたところですので、その旨、記載しております。

次に、(i)のDX時代におけるクリエイターへの適切な対価還元方策に係る論点についてですが、本小委員会では、映像作品に係る関係当事者からヒアリングを行い、議論を行っていただきました。次のページに移りますが、具体的には、映像作品の配信プラットフォーム事業者であるNETFLIXからは、発注者の立場からのクリエイターへの適切な対価還元の取組として、制作者側への情報公開やクリエイターの就労環境の改善に関する取組などについてヒアリングを行いまして、映像作品の制作者側の代表として、日本動画協会からは、製作委員会の組織体制や製作委員会内での役割分担、収益分配の在り方などについてヒアリングを行った上で、質疑・意見交換を行いましたので、その旨、記載させていただきました。

次に、(ii)の関連する諸制度の在り方についてです。今期は、レコード演奏・伝達権について、関係者からの報告等を踏まえて、審議を行っていただきました。具体的には、第2段落の2文目からになりますが、今期の本小委員会においては、日本レコード協会及び日本芸能実演家団体協議会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟から、レコード演奏・伝達権の導入の必要性や、導入に向けた国民の理解の醸成、導入後の徴収体制に関する検討状況についてヒアリングを行い、質疑・意見交換を行ったところです。意見交換の中では、導入の必要性は理解するが、個別の利用場面ごとに権利導入がどのような影響を及ぼすのか、整理が必要であるといったような御意見も見られましたが、著作権者と著作隣接権者とのバランスや国際的な調和を図るべきときが来ているのではないかといった、権利導入を前向きに捉えるような意見なども交わされたところですので、その旨、記載させていただきました。その上で、第3段落目にありますように、「今後、今期確認した論点及び審議の経過等を踏まえ、論点の検討をさらに深めていくことが必要である。特に、レコード演奏・伝達権については、権利者における社会的な理解の醸成、円滑な徴収体制等に関する検討の状況を注視しつつ、これらの課題への解決策について一定の見通しが立った場合には、来年度以降、本格的に議論が議論を深めることが必要である」として、結ばせていただきました。

次に、(2)の著作権保護に向けた国際的な対応の在り方についてですが、WIPOの著作権等常設委員会における議論を紹介しつつ、今期第1回の本小委員会で、WIPOにおけるSCCRの動向と、SCCRにおいて示された放送条約の議長テキストや、それに基づく議論の概要等について報告を行ったところですので、その旨、記載させていただきました。また、放送条約への対応の在り方について集中的に検討を行うため、今期も放送条約の検討に関するワーキングチームを設置し、検討を行いましたので、その旨、記載させていただいております。

具体的な内容は、先ほど渕座長から御説明がございましたので、こちらでは割愛させていただきます。

また、今期の本小委員会においては、デジタルプラットフォームサービス上で著作権侵害に係る課題についても検討することとしていたところ、大規模なプラットフォーム上での著作権侵害対策の実行性確保に向けた検討状況として、総務省から情報流通プラットフォーム対処法に関する「違法情報ガイドライン」についてヒアリングを行い、質疑・意見交換を行いましたので、その旨、記載しております。結びとしましては、「今後、海賊版対策の取組状況や日々変化する侵害対応等を踏まえ、必要な海賊版対策等に関する検討を的確に行うことが必要である」とさせていただきました。

次に、(3)の著作権法制度に関する専門的事項についてですが、本小委員会の下に設置された法制度に関するワーキングチームにおいて、AIと著作権に関すること及び著作権侵害の国外犯処罰の執行の在り方について議論を行いましたので、その旨、記載させていただいております。

具体的な内容は、先ほど早稲田座長から御説明があったとおりですので、こちらでは割愛させていただきます。

本資料の説明は、以上となります。

【太田主査】どうもありがとうございました。

ただいまの御説明を踏まえ、御意見、御質問がございましたら、挙手をお願いいたします。オンラインの委員の方々は、挙手ボタンにてお知らせくださるよう、お願いいたします。いかがでしょうか。

どうもありがとうございました。

特に修正の意見はございませんようでしたので、審議経過報告につきましては修正を要する点はなさそうですので、本日御議論いただいた内容と、議事(1)の放送条約の検討に関するワーキングチームの報告と、(2)の法制度に関するワーキングチームの報告も含めて、本小委員会として「審議経過報告」として取りまとめさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

小委員会での審議状況につきましては、著作権分科会に報告することとなっております。「審議経過報告」につきましては、主査である私のほうから、来週24日に開催される第3回著作権分科会において、報告することといたします。

それでは、次に、議事(4)その他に参ります。事務局より報告事項があるということですので、御説明いただきます。

それでは、よろしくお願いいたします。

【持永著作権課課長補佐】事務局でございます。前々回の政策小委員会で開始する旨を御報告させていただきましたが、著作権法の一部を改正する法律に基づく文化庁告示案について、パブリックコメントの結果がまとまりましたので、御説明させていただきます。

こちらのパブリックコメントの募集につきましては、前々回の政策小委員会、今年の1月20日から、2月19日までの期間、広く国民の皆様から御意見を募集しまして、全部で793件の御意見をいただきました。いただいた主な御意見の概要及びそれに対する文化庁の考え方は、別紙のとおりとさせていただいております。

なお、このたび、告示に必ずしも関係ない御意見も多くあったところですので、告示に関係する御意見についてのみ、主なものをこの資料において紹介させていただいております。詳細については、後ほど、こちらの資料を御確認いただければと思います。

今回、御意見をお寄せいただいた多くの方々の御協力に厚く御礼申し上げさせていただければと思います。

説明は、以上です。

【太田主査】どうもありがとうございました。

ただいまの御説明を踏まえ、御質問等がございましたら、挙手をお願いいたします。オンラインの委員の方々は、挙手ボタンにてお知らせください。

よろしいでしょうか。ありがとうございます。

その他、全体を通して何かございますようでしたら、お受けしたいと思います。

どうもありがとうございます。

それでは、今期最後の政策小委員会となりますので、委員の皆様から一言ずつ頂戴できればと思います。

では、五十音順で、麻生委員、お願いできますでしょうか。オンラインです。

【麻生委員】麻生でございます。本年度は、法制度に関するワーキングチームと政策小委員会の委員として、関わらせていただきました。

法制度に関するワーキングチームについての報告は既にありましたとおりですけれども、先ほど来議論になっております生成AIによる声優を模した声の生成・利用については、著作権は直接関わらないとしても、どこの省庁で扱うかというような交通整理をした上で、他国の議論や裁判例も踏まえて、今後も検討していくことが必要だと感じました

政策小委員会におきましては、クリエイターへの適切な対価還元策につきまして、ヒアリングを通じて現状や取組を把握することができましたが、アニメや書籍、音楽などの分野によってもクリエイターの関わり方や登場する市場関係者も様々というところから、なかなか一律に適切な対価還元方策を見いだすということは難しい場面もありそうだという印象を受けたところです。その意味では、関連する制度としてのレコード演奏・伝達権のように、できそうなところから、表現が適切分かりませんけども、モザイク的であっても、検討を前向きに進めていくというのは非常によい方向性であると感じたところです。

以上です。ありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございます。

続きまして、オンラインで、生貝委員、お願いできますでしょうか。

【生貝委員】一橋大学の生貝でございます。本年度も政策小委員会での議論に参加させていただき、ありがとうございました。

まさに本日お話のあった声の権利というのも典型的でございますけれども、今期、総務省からお話いただいた情報流通プラットフォーム対処法に関わる問題、あるいは、かねてから議論になっている競争政策との関わりを含めて、ここで議論している著作権法に関わる問題というのは著作権法だけにとどまらない問題となってきている度合いというのは、現在のデジタル技術の進化の中で常により高まり続けているのだというふうに思います。目下、私も議論に関わらせていただく形で、国会でAI法に関する審議というのも始まっているところでございますけれども、関係する国際動向の状況というのもしっかり見ながら、様々な法体系との関わりの中で、デジタル空間におけるクリエイターへの適切な対価還元、そして、自由で多様な情報流通を実現していくために著作権法がどのような役割を果たしていくべきなのか、引き続き、そういう観点から議論が進んでいくことを期待するところでございます。どうもありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続きまして、伊東委員、お願いいたします。

【伊東委員】今期も政策小委員会に参加させていただきまして、ありがとうございます。AIの問題であったり、インターネットを使った海外の海賊版の問題であったり、非常に論点が多岐にわたり、今、著作権周りでいろいろ問題が生じておりますので、この政策小委員会の存在が大きなものになっていると感じております。

今期で言うと、総務省さんが来てデジタルプラットフォームサービスの著作権侵害に係る課題について議論されましたけれども、ここにも「海賊版対策の取組状況や日々変化する侵害対応等を踏まえ」とありまして、新しいプラットフォームが登場するなど、いろいろと日々変わっていきます。今後、いろいろ問題が生じたときに、この政策小委員会が非常に大きな役割を果たすと思っております。

今期ではないのですけれども、前期、前々期、TikTokさんを呼んでいただいて、海賊版の話をこの会議体でさせていただきましたけれども、その後、非常にTikTokさんと出版界との連携が進みまして、海賊版対策に関して大きな前進がありました。この会議体に参加してもらったからこそ大きな進展があったと思います。特に、巨大なデジタルプラットフォームサービスと相対するときに、個社だったり、業界だけの力だと太刀打ちできません。こういった会議体の皆様のお力を借りることが大きな前進になると思っておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

以上です。

【太田主査】ありがとうございました。

続きまして、内山委員、お願いいたします。

【内山委員】私も、参加をさせていただきまして、ありがとうございました。

昨年度と今年度でデジタルプラットフォームの方々のお話を伺って、特に、どういう手順で、あるいはどういうチャネルで分配がされているかということに関して、ある程度開示をいただいたのですが、ずっと引っかかっていることありまして、分配するときの根拠数字に関しては、あまり議論がなかったなあという思いがあります。これは例えば2023年の脚本家と俳優さんのハリウッドストライキでもかなり争点になった部分で、当該コンテンツが実際にどの程度、閲覧されているか、観られているかという、この数字が双方で共有されていないと、公正な分配できない、特にレベニューシェアのパターンにおいてはできないということになるので、そのストライキのところでもかなり大きな争点になっていたことかと思います。さらに問題なのは、もしそのグローバルプラットフォームが国別に違う小売価格にしていた場合、当然、国別データは分けて出さないとレベニューシェアにならないので、恐らく、そうしたデータの開示ということを今後意識して考えていかなきゃいけないかなというふうに、感想としては思っていた次第でございます。

とりあえず、1年間お世話になりまして、ありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続きまして、正親町委員、お願いいたします。

【正親町委員】経団連の正親町です。私は、途中の7月から本小委員会に参加となりました。不慣れなところも多々あったかと思いますが、無事に3月のこの会を迎えられまして、心から安堵しております。

著作権に関しましては、保護と利用のバランスですとか、適切な対価還元等、難しいテーマばかりの中で、精緻に真摯に議論を続けておられる本委員会の委員の皆様に、毎度、頭の下がる思いを抱いておりました。経団連としましては、来年度も引き続き、コンテンツ産業分野の振興を重要なテーマの一つとして掲げて、積極的に活動を続けてまいるかと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続きまして、唐津委員、お願いいたします。

【唐津委員】弁護士の唐津です。今年度、政策小委員会で様々なお話を伺うことができましたことを、御礼申し上げます。

私としては、今回のテーマの中では、やはりクリエイターへの利益還元策というのが、日頃、業務の中でも意識していたところですので、非常に興味深く拝聴しておりました。その中で感じますことは、生成AIはその典型でありますけれども、技術、あるいは、プラットフォーム、メディアといったものの変化が非常に速い中で、どういった形でこのような委員会あるいは政府の政策というのがそれについていけばいいのかというのは、非常に大きな問題だなというふうに感じております。先ほど御紹介いただいた著作権法改正に対するパブリックコメントですとか、前回、私は参加できなかったんですけれども、速記録を拝見しまして、レコードの演奏権・上演権の議論の中でも、前提として、例えば、データベース、情報検索システムが整備されていない中でその制度が発足してしまうことの不安というのが常に問題提起されるわけですが、一方で、検索システムを完全に整備するまでの時間を考えますと、一体いつ、権利行使であったり、新しい利益の分配システムが実施されるのだろうかと考えると、非常に悩ましいところがあるかと思います。日本の場合、制度をきっちりして安心してスタートしようというメンタルが非常に強いと思うんですが、世界的に見ても非常に変化が激しいときですので、どこかで少しマインドセットを変えて、取りあえず始めてみようと始めていく中で、例えば、権利の情報検索システムであれば、権利者のほうも利益分配を受けたいのであれば、自分でこういった登録をしましょう、登録をした人は利益分配を受けられますよというところで、一部の方であっても恩恵を受けるものがスタートすれば、それを見ていたほかの権利者の方が、自分たちも登録をして分配を受けようというようなモチベーションにもなると思いますので、どこかで、見切り発車じゃないですけれども、まず始めてみるということも必要なのではないかなあというふうに感じております。

引き続き、変化を見守っていきたいと思っております。ありがとうございました。

【太田主査】よろしくお願いいたします。

続きまして、楠本委員、お願いいたします。

【楠本委員】レコード協会、楠本でございます。私のほうも、委員を務めさせていただきまして、ありがとうございます。私からは、二つ申し上げます。

一つは、音楽業界が特にアーティスト及びレコード製作者のレコード演奏・伝達権を求めていることに対して、こちらの小委員会の中でヒアリング等をさせていただいたり、また、皆様方から応援のお言葉を頂戴して、非常にありがたい機会を設けていただけたと思い、感謝しております。そして、本日のまとめにおいても、国際調和、国際的にバランスが悪い法体系を、いかに調和を持っていくかという視点から、来年度以降に本格的な議論を進めていっていただけるという結びになっていることに、非常に感謝を申し上げます。

また、もう一つは、著作権侵害の国外犯処罰の執行の在り方についてというところで、インターネット上の海賊版は、国境がないわけでして、旧国際小委の時代から、非常に多くの角度から議論がなされてきたテーマだと思います。我々音楽業界も、途上国と呼ばれている国であったり、そういったところにインターネット上の犯罪拠点がある、あるいはそこに当該の犯罪者がいるんじゃないかというところまでは追い詰められるわけですが、なかなかそこ以降が執行できないという、何年もこの課題には直面しておりますので、ぜひ、著作権侵害、国内だけでなく、国外についても、監督官庁である文化庁さんのお力を借りながら、執行できていけるような環境が整うことを望んでおります。

以上でございます。

【太田主査】ありがとうございます。

引き続き、河野智子委員、お願いいたします。

【河野(智)委員】ありがとうございます。私、JIPAの河野です。今年1年、政策小委の委員として参加させていただきました。様々なヒアリングを通じて、デジタルプラットフォームサービスのコンテンツ利用の対価還元の在り方というのは、海賊版対策ですとか、二次利用に関する考え方をどうしていくのかといったような課題とも密接に関係をしていて、非常に論点が多くて難しい課題だなということを改めて認識をしたところでございます。

太田主査はじめ、委員の皆様、そして、会議の運営の労を取ってくださった事務局の方に対して、改めて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

次に、オンラインの河野康子委員、お願いいたします。

【河野(康)委員】日本消費者協会の河野でございます。消費者の立場で参加させていただいておりまして、著作権に関する専門的な知見がないままで参加していることで、事案の判断においても心もとない状態でございました。

政策小委員会での議論は著作権をめぐる現状の課題に寄り添ったものですが、現実問題として、デジタル技術や生成AIなど、新しい技術が社会実装され、利用拡大されている中で、既存の法体系や解釈を原則としつつ、どうそこで調和を取っていくか、調和を図っていくかという、難題に直面していると思っています。世の中の変化のスピードに対して、著作権をめぐるクリエイターの権利と保護と対価の還元に関しては、慎重であるべきではありますが、機を逸することなく、適宜な対策がなされることを望んでおります。

この1年間、大変お世話になりました。ありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございます。

続きまして、オンラインの坂井委員、お願いいたします。

【坂井委員】エンターテイメント表現の自由の会の坂井です。1年間、委員の皆様、事務局の皆様、ありがとうございました。

私、何年かこの委員をさせていただいていて、今年、ちょっと画期的だなというふうに思ったのは、DX時代のクリエイターに対する対価還元というところはずっとやってきたというふうに認識をしているんですけれども、前々回かな? 個人クリエイターの著作権侵害の裁判の支援であったりとか、あと、UGCをはじめとした権利情報の登録システムの構築事業みたいなところが実際に動き出して、これはやってきた成果なのかなというふうに思います。携わっていただいた方には本当に感謝したいと思いますし、同時に、これがうまく運用に乗るようにというところも、ずっと見ていきたいなというふうに思っています。

複数の委員の方から御指摘あったんですけれども、著作権法って、パッチを当てるようにちょこちょこ、時代に合わせというか、変えているイメージがあります。特に、今日も議論がありましたけど、いろんな省庁であったり、あるいは技術進展の速さ、それから、国際化というところの中で、もう少し大局的な観点で著作権というものの在り方ということを並行的に議論していくことも必要なのではないかなというふうに考えました。

1年間、どうもありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続きまして、オンラインの島並委員、お願いいたします。

【島並委員】私は、本年度、こちらの政策小委及び法制度に関するワーキングチームに参加させていただきました。ヒアリングや皆様の御議論を通じて、AIにしても、レコード演奏・伝達権にしても、著作権法を取り巻くステークホルダーが多数おられ、また、そこで衝突する利害も実に多様であることが改めて実感されました。本委員会では、必ずしも明確な正解のない中で、より望ましい制度の在り方を探る、地道で真摯な御議論が来年度以降も続けられるものと存じます。

私自身、今後も引き続き、現場の多様な御意見を丁寧に伺いながら、著作権法を中心に、しかし、それに限られず、恐らく研究者に期待されているであろう、理論面での検討を進めてまいりたいと存じます。ありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続きまして、やはりオンラインの水津委員、お願いいたします。

【水津委員】私は、本年度、政策小委員会と法制度に関するワーキングチームとに参加いたしました。民法を専門とする者から見ても、本年度扱った課題は社会的な重要性が高いものが多かったように思いますので、一定の課題について適切と考えられる方向性が示されたことは、よかったのではないかと思います。積み残された課題につきましては、引き続きご検討いただければと存じます。どうもありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続いて、オンラインの菅委員、お願いいたします。

【菅委員】今年度もお世話になりました、小説家の菅と申します。とても有意義で、いい1年を過ごさせていただきました。太田主査をはじめとして、皆さん穏やかに進めていただいて、大変、頭に入りやすかったと思っております。

私は、小説家というマスのプロの仕事をしている一方、いろんな趣味がございまして、UGCを作る側でもあり、UGCを使う側でもあります。そういう中でこういう、さあ、皆さん、どう分配しますか、どうすれば著作権を侵害せずに使えますかというのは、もっともっと話し合っていきたいところです。オタクの代表というわけではありませんが、今、社会を動かす大きな歯車の一つであるデジタルも使えるオタクの一員として、法律は分かりませんが、これからもお役に立てることが言えたらなあと思っております。

一つ、私が積み残しているなと思っているのは、著作権、これは駄目ですよ、いいですよという、宣伝フィルムなり、広報をしようという話が以前からあったと思います。予算も必要ですし、なかなか実現は難しいと思いますが、若い人たちにはそういうので訴えていかないといけないと思いますので、引き続き、御検討ください。

本年度、どうもありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続いて、オンラインの田村委員、お願いいたします。

【田村委員】どうも、1年間、お世話になりました。私のほうからは、今日御報告があった、AI著作権に関する考え方について、一言、申し上げようと思います。

今、大変様々な新しい課題が沸き起こっている中で、いろんな論点について分かりやすい方針を示したということで、非常に評価されているなと思います。ただ、1点、ちょっと残念だと思ったのは最後の具体的な事例のところでして、大変様々な御意見を持っている委員の方の様々な意見を取り入れた結果、条件がいろいろとついていって、必ずしも汎用的な、いろんなところに応用できる事例を掲げられているわけではない、かなり特殊な事例になっているように思います。今後も、AIについては様々な進展があると思いますので、恐らく、これからも適宜、改定、あるいは新しい考え方というのを出されることがあるかと思いますが、そのときに具体的な例などについても見直していくべきではないかと思います。

また、先ほど菅委員から広報の話がありましたけど、本来は、我々研究者も分かりやすい教科書という形で世の中に貢献しなければいけないと思っております。ここにいらっしゃる皆さんもそういうふうな思いを感じているんじゃないかと思いますので、私もその1人として頑張ろうと思います。

以上です。

【太田主査】ありがとうございます。

引き続き、オンラインの墳﨑委員、お願いいたします。

【墳﨑委員】コンテンツ海外流通促進機構の墳﨑です。今年度も、1年間、ありがとうございました。AIのことしかり、対価還元のこともあり、また、海賊版対策の話もあって、盛りだくさんな内容で、特にまた、ホットな議論に参加させていただきまして、大変ありがたく思います。

伊東委員からもお話とかありましたけれども、この小委員会の場に様々な方をお呼びすることで、いろんな視点を得られることは非常に有益だなあと、いつも思っております。こういった問題というのは、法律を変えていくというのもありますけども、実務的な運用面において変えていかなきゃいけない面も非常に多くあって、そのときに、いろんな人の視点、いろんな人の事情を知らないと、お互いが分かり合うというか、調整できる結論というのがなかなか導けないところなのかなと思っていて、そういった中で、こういった場で様々な方を呼んでいただいて話ができるというのは非常に有益なんじゃないかなというふうに、いつも思っております。

また、議題としては、私、全て興味深く考えていますけども、CODAという立場からすると、海賊版対策というところはいまだに課題も多いところで、海外の侵害への法執行というのは常に課題として残っているところですので、引き続き、この場で来年度も議論していただければと思っております。

1年間、ありがとうございました。以上になります。

【太田主査】ありがとうございました。

これ以降は、会場からでございます。

仁平委員、お願いいたします。

【仁平委員】日本ネットクリエイター協会の仁平でございます。1年間、本当にありがとうございました。私も大変勉強になりました。

この委員の流れからだと思うんですけども、我々日本ネットクリエイター協会のほうで、個人クリエイターの海賊版における訴訟サポートということも、窓口をやらせていただいておりまして、結構生々しい、いろいろな事例を改めて目の当たりにさせていただいています。こういう仕事をして初めて知ったということもありまして、その海賊版も、ただ単にコピーしたとか云々というよりも、AIを使った海賊版みたいなものとか、いろいろ出てきているので議論をしなければいけない範囲というのが日に日に増えてきているのかなというふうに、大きく感じております。

先ほど広報の話もありましたけども、我々日本ネットクリエイター協会としては、ニコニコ動画等を使っての生放送で告知番組を今後もやりたいと思いますし、予算のほうも多少取っていますので、また文化庁様のほうでお声がけいただければ、頑張って番組をさせていただきたいと思いますので、ぜひ、お声かけをお願いいたします。

本年、本当にありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続いて、渕委員、お願いいたします。

【渕委員】神奈川大学の渕でございます。私は、こちらの政策小委員会と、放送条約ワーキングチームでお世話になりました。両方を通じて、ヒアリングなどを通じて様々な実態を知ることができましたし、それから、委員の皆様の議論を通じて、いろいろな勉強をさせていただくことができました。改めて、お礼を申し上げます。

AIから、プラットフォーム、そして、クリエイターの対価還元、国外犯処罰まで、多方面の課題が山積みであるということを改めて感じました。いずれにつきましても、国内的な権利、他の制度との整合性とか、それから、国際的な調和の問題が重要だと感じております。ただ、私たち一同、著作権制度をよりよいものにしたいということで一致していると思いますので、今後、さらに議論が発展することを願っておりますし、私自身も研究を進めてまいりたいと思います。

1年間、ありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続いて、𠮷田委員、お願いいたします。

【𠮷田委員】大阪工業大学の𠮷田でございます。今期は、法制度に関するワーキングチームと政策小委員会でいろいろと皆様と御意見を交わさせていただき、ありがとうございました。

法制度との関係では、著作権制度の範囲内でということではございましたが、この1年間、課題というものを洗い出すこと、そして、今期のパブリックコメントにおいては社会のニーズの吸い上げができたことによって、今後進むべき方針というのがある程度見えてきたかと思います。そして、それに伴い出た課題は、今後も議論されていくことと思います。その上で、法制度においては、著作権者のみならず、一般のユーザーまで幅広い方がこの制度及びAIに関係するところで大変注目なさっていると思います。日本の現状、それから、国際的な調和というところでの議論は、今後もまだまだ必要かと思います。それと同時に、理論的な議論だけでなく、教育・啓発するところへの落とし込みもやはり大事な視点だというふうに考えておりますので、引き続き、何らか貢献できるよう、努めていきたいと思います。どうもありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

続いて、早稲田委員、お願いいたします。

【早稲田主査代理】弁護士の早稲田でございます。本年度は、この政策小委員会と法制度に関するワーキングチームのほうに参加させていただきました。

既に委員の皆さんがおっしゃっているように、まず、AIが非常に進んでいるというところで、昨年度、AIと著作権に関する考え方についてを一応まとめて、昨年度の段階ではそれが一つのゴールということになったんだと思いますけれども、さらにまた進んでいるというところと、本年度、ワーキングで議論させていただいたように、声優さんの権利とか、そういうものを、著作権法に限らず、どういうところで守るかということについて議論をさせていただきまして、大変勉強になりましたし、いろいろと考えることがございました。AIについては今後もさらに進んでいくと思いますし、また、諸外国との関連、動向について注視する必要があると思っておりますので、これについても、次年度以降も進展することを期待しております。

それから、もう1点の海賊版についてでございますけれども、これは、一直線に国外犯処罰というような非常に法制度的に難しいものではなく、国内犯の処罰という地に足を着いたところで、出版権の登録制度をどういうふうに変えていけば、一番、使い物になる、使い勝手がいいものになるかという点について検討しました。関連の団体の方々ともいろいろと御調整いただいたというふうに伺っておりますが、地道に、これが使えて、少しでも権利者の権利を守ることに使っていただければと思います。

以上でございます。

【太田主査】ありがとうございます。

委員の皆様、ありがとうございました。

私からも、最後に一言、御挨拶を申し上げたいと思います。

議事進行役を仰せつかったのですけれども、眼鏡をかけると近くが見えない、裸眼だと遠くが見えないということで、皆様の顔が三重四重に見えている状態で、そのために議事進行が滞ったりしたことをおわび申し上げます。

この委員会に参加させていただきまして、大変勉強になりました。とりわけ、私の専門は法社会学と言いまして、面接をしたり、アンケートを取ったりするという研究ですので、まさに研究をしている気分でヒアリングをさせていただきました。

また、私、EBL(Evidence Based Law)と言いまして、事実と証拠に基づいて議論し、それらを立法事実として活用しつつ法解釈や立法を司法・行政・立法においてやるべきだということを標榜しておりまして、まさにその実践にも参加できたと、大変感謝しております。

実は私、45年ぐらい前からAIを使って法律エキスパートシステムの開発研究をしようという仕事もやっておりまして、人工知能の発展は原始時代と現在というぐらいに40年前と現在が違っております。本当に、こういう形で国家の法制度にAIが大変な影響を与え、大変な課題を突きつけるという事態は、当時は考えもできなかった状態でございます。皆様方と引き続き、どのような法制度をつくることで、技術革新や芸術・文化の進展が国民一人一人の幸福の増進に直結するような法制度をつくれるか、ということを検討していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

では、最後に、中原文化庁文化戦略官からも、一言、御挨拶をお願いいたします。

【中原文化戦略官】ありがとうございます。今期の本小委員会を終えるに当たりまして、一言、御礼を申し上げたいと存じます。

今期の本小委員会におきましては、6回にわたりまして、DX時代に対応した著作物の利用円滑化・権利保護・適切な対価還元に係る基本政策、著作権保護に向けた国際的な対応の在り方について、多角的な視座で、非常に精力的に御議論を頂戴したところでございます。誰もがコンテンツを創作・利用し、また、コンテンツの提供の在り方も変化する中で、クリエイターへの適切な対価還元方策といったものの検討や、国境を越えた著作権侵害への対応といったものは、コンテンツの利用と創作の循環を最大化しまして、我が国の文化芸術の継続的かつ健全な発展を図るという意味におきましても非常に重要なことだというふうに存じております。

特に、コンテンツ産業が日本の基幹産業と位置づけられまして、現在、政府におきましては、2033年までに海外市場規模を20兆円に引き上げるということが政府目標となったり、それから、コンテンツ輸出という関係では半導体産業や鉄鋼産業と比べても全く遜色がないというようなことが大きな認識となっているところでございまして、クリエイターへの適切な対価還元によりまして、新たな挑戦への意欲を喚起することが、非常に重要だ、これまで以上に重要なことはないというふうに存じております。こうした中で、アーティストの海外展開の後押しをする観点から、レコード演奏・伝達権の導入の必要性についても、活発な御議論を頂戴したところでございます。

本小委員会での検討課題につきましては、今期、皆様に御審議いただいた内容を十分に踏まえまして、来期以降も引き続き、審議を深めていければというふうに思っております。

委員の皆様方におかれましては、今期の本小委員会におきまして非常に充実した御審議のために多大な御尽力を賜りましたこと、改めて感謝を申し上げたいと存じます。

本当にありがとうございました。

【太田主査】ありがとうございました。

それでは、以上をもちまして、第24期文化審議会著作権分科会政策小委員会を終了とさせていただきます。

本日は、どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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