特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会(第7回)議事要旨

日時 平成16年9月14日(火)14:00~16:30
場所 平城宮跡資料館 講堂
出席者
 
(委員) 藤本座長,青木,有賀,石崎,猪熊,今津,岡,金子,河上,笹山,
鈴木,田辺,百橋,町田,三浦,三輪,毛利,渡邉(定)の各委員
 
(オブザーバー) (独)文化財研究所東京文化財研究所管理部長,同 奈良文化財研究所協力調整官,国土交通省国営飛鳥歴史公園事務所長,奈良県教育委員会文化財保存課主幹,明日香村長ほか
 
(文化庁) 辰野文化財部長,湯山文化財鑑査官,村田記念物課長,下坂美術学芸課長,その他関係官

議事
1.壁画取り外しの作業手順について
8月から実施している壁画取り外しについて,その具体的な作業手順の報告があった。
取り外した壁画の保管状況について報告があった。
2.取り外し壁画の状況について
取り外した壁画(東壁の青龍,西壁の戌,白虎(前足を除く)等)の状況について,報告があった。
青龍を取り外した石面にカビが確認された旨の報告があった。
3.キトラ古墳の温湿度環境について
観測ステーションで測定しているキトラ古墳の温湿度環境について,6月からの測定結果の報告があった。
8月からの壁画取り外し作業時に観察された漆喰の乾燥対策として,小前室空調の設定温度上げと,送風ダクトへの加湿装置設置を行った旨の報告があった。
4.キトラ古墳のカビについて
墓道部発掘前における小前室等でのカビの発生・処置状況,墓道部発掘後における石室内外でのカビ発生・処置状況について,報告があった。
小前室で観察されている黒褐色のカビについて,特に注意観察が必要である旨の報告があった。
5.壁面の状況について
漆喰の石面からの剥離状況等,各壁面の現状について,報告があった。
南面について乾燥により左上部から漆喰の剥離が進行しており,十分な監視が必要である旨,北面について全面的に乾燥が進み,漆喰層の脆弱化が著しく,早急に強化処置を行う必要がある旨の報告があった。
6.今後の壁画の保存措置方法について
WG座長より,WGにおいて検討した結果として,
  • 壁画を石室に残しておくことは,剥落の危険,漆喰劣化,カビ発生の問題等から,大きな問題があること。
  • 石室ごと解体する方法には,史跡保存上の問題,壁画への種々の影響を考えて,大きな問題があること。
  • 壁画古墳の現地保存の原則には,変わりがないこと。

をふまえ,

  • 壁画全面を取り外し,十分な保存・修復を行うこと。
  • 壁画及び古墳本体の公開の検討も含めた具体的な整備・活用方策について,委員会で検討していくこと。
との壁画保存の考え方が提案されるとともに,全面取り外しとなった場合の今後の作業手順について説明があり,委員会にて了承された。

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