文化審議会第8期文化政策部会(第16回)議事録

1.出 席 者

(委員)

宮田部会長,田村部会長代理,小田委員,後藤委員,佐々木委員,里中委員,高萩委員,坪能委員,富山委員,浜野委員,増田委員,山脇委員,吉本委員,福原文部科学省参与

(事務局)

近藤文化庁長官,吉田文化庁次長,小松文化部長,関文化財部長,松村文化財鑑査官,大木政策課長,滝波企画調整官,他

2.議事内容

【宮田部会長】先生方お忙しいところ,ありがとうございます。時間になりました。近藤,吉田両先生はちょっとおくれるということでございますので,貴重な時間ですので始めさせていただきたいと思いますが,よろしゅうございますでしょうか。
 それでは,第16回でございます政策部会を始めさせていただきます。ご苦労さまでございます。時間は17:00をリミットとしたいと思っております。
 配付資料の確認,よろしく。

【滝波企画調整官】それでは,資料の確認からさせていただきたいと思います。本日も各委員の先生の机の上には本日の配付資料をご用意しております。
 まず,本日の資料として議事次第の後ろに資料1としまして答申,第3次基本方針の構成案の資料がございます。それから,資料2としまして文化芸術の振興に関する基本的な方針(第3次)について(答申)(素案),それから資料3としまして,文化芸術の振興に関する基本的な方針(第3次)について(答申)(素案)の概要(案),それから資料4としまして,重点戦略の戦略目標,評価の進め方・指標(例),それから資料5としまして,重点戦略の工程表(およその見直し),それから資料6としまして,当面の日程及び進め方(案),それから資料7としまして,これは論点整理と書いた国立文化施設等に関する検討会の報告書,それから参考資料としましては,参考資料1としていつものとおりこの部会の名簿と,それから参考資料2としまして,意見募集及び関係団体ヒアリングにおける主な意見概要の資料,それまでがいつものようにお配りしておる資料でございまして,それのほかに各委員の机上資料として何部かありまして,1つには当日机上配付資料ということで,宮田部会長のほうでお出しいただいておる試案のペーパー,それから,これは報道発表資料で劇場音楽堂等の制度的なあり方に関する検討会第1回の開催についての報道発表資料,それから,これは福原参与のほうからご提供ございました12月7日付の新聞記事がございます。これのコピーをとったもの。それからもう一つが田村委員のほうからご紹介のありましたグランシップのマガジンの冊子があろうかと思います。
 事務局のほうで確認しながら資料を配っておりますけれども,万一過不足等ございましたらばお申しつけをいただけたらというふうに思います。特にないようでしたらば,部会長のほうで進行のほうをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【宮田部会長】ありがとうございます。よろしゅうございますね。
 では,スタートさせていただきます。
 本日は青柳,加藤,酒井,鈴木,堤,西村,山内の先生方7名がご欠席でございますが,よろしく皆様ご検討くださいませ。
 それでは,議事に入ります。前回12月1日まで,これまでの意見の整理を議題としておりましたが,本日は答申の素案を議題として,まとめに向けて審議を行いたいと思いますので,ご協力ください。
 時間の配分でございますが,先ほどの配付資料の確認にもありましたが,先生方から多くのご意見をいただいておる,すべて同じ言葉でいただいておりますが,文化庁ということについてでございます。これについてちょっと机の上に置いてございますが,先生方,ごらんになっていただきたいと思います。お読みいただいたらと思っております。大きく3つありまして,名前はそれぞれあってもいいんですが,やはり皆様の先生方の言葉にありましたように「省から庁」,文化省ということが総意であるということでございます。  ただ,2つ目の項目の中でこれをうかつにちょっと今すぐ持ち上げちゃうと,それに対する協力者がいまいちただ少し弱いというようなご意見もいただきました。やっぱり閣議決定するには,やはりそれなりの議員さんたちの大きな力が必要だろうと。その辺のところが現場との間に少しまだパイプの強さが弱いというふうなこと。それで,よってうかつに出すことによってつぶされて,この後出しにくいという環境になるのはいかがなものかというようなことがございました。
 したがいまして,このお話の中でいろんなところで出てきている願いでございますが,省の願いでございますが,案としまして確実にこういうことがありましたということを記して,次に渡していきたいというふうに付記しておくというふうなことを考えておりまして,政策部会で審議したときは文化芸術の振興を国の政策の根幹に据え,今こそ新たな文化芸術立国を目指すと,こう書いてございますわけですから,そういう意味では関係各省と協力して将来的に文化省の創設が望ましいという意見が強かったことを付記しておくということを答申の中に確実に入れるというところで持っていきたいというふうにちょっと私なりに考えてみたんですが,これは百歩譲ってという話もあるんですけれども,ちょっとこの件に関してはいかがなもんでしょうか。
 閣議決定の仕組み的なところでいくと,私ども現場と実際に持ち上げてくれるほうの人との連携というのが大きな柱になるわけですが,そちらのほうがちょっと,私どもは一体となっているんですが,その辺のところの弱さが少しあるなという感じがあったものですから。これはあくまでも私の私案でしたので,すみません,このサークルの向こう側にいる人には紙を出しておりませんけれども,想像で考えてください。
 本当は一番最初にこれがどんと表紙に「省から庁」とやった上でこの文章が出ると,とても今回の実りが多いという感じはあるんですが,どうもいまいちまだ弱さがあるというところがその分を聞いてみるとちょっと悔しいんですけれども。少し時間をおきます。

【田村部会長代理】これはどこに書かれることなんでございましょうか。

【宮田部会長】滝波さん,これを答申のどこに書きましょうかね。なるべく目立つところに。

【滝波企画調整官】部会長,きょう資料としてお配りをいただいたわけですけれども,ここの中でも少し記載がありますけれども,文化審議会の会長から文部科学大臣あての答申文に盛り込むというふうなことでご記載いただいておりまして,答申の本体としては今,これまでからずっと議論してきていますけれども,本日についても資料2ということで答申素案というふうに書いておりますけれども,こういった形で本文のほうは書き込んでいくわけですけれども,これを実際取りまとめていただいた暁には,審議会の会長から文部科学大臣のほうに答申をいただくということになりますので,そこの際の答申文,表紙といいましょうか,会長から大臣あての手渡しいただくときのかがみについている文章といいましょうか,そういったところになるのではないかというふうに思っております。

【宮田部会長】かがみにはつけたいですね。いかがでしょうか。
 過去の私,座長をさせていただいたときにもかがみのところに私の名前で,こうありたいというふうな文章もつけたときに,結構皆さんそれを読んでくださっている方がこういう気持ちなんだというのがあったものですから,似たような感じで,やはりかがみのところにこの文章はぜひ大きな文字でつけさせていただきたいというふうに思っております。
 増田先生,どうぞ。

【増田委員】3行目の将来的にはという言葉なんですけれども,将来というのはかなり長い間にわたって融通がきく言葉なんですけれども,これは皆さんの意見ではかなり早い時期にという意向があったように思いますけれども,そういう意味合いを何か含めることはできるんでしょうか。

【宮田部会長】いかがでしょうか。どうぞ。

【増田委員】できるだけ早い時期になんていう具体的な言い方でもまだまだ幅がかなりありますけれども。

【宮田部会長】できるだけという言葉が非常に具体的のような具体的でないような気がするので,もうちょっと踏み込んでもいいような気がせんでもないんですが,いかがでしょうか。

【山脇委員】意見としては本当に早い時期にということなので,意見が強くあったわけですから,早い時期にということでよろしいんじゃないかと思いますが。

【宮田部会長】後藤先生,どうぞ。

【後藤委員】私も今の山脇委員と全く同じ意見ですね。意見ですから,そのように率直に書いてもいいのではないかと思うんです。それと,なかなか周囲での理解が得られないという中身をもうちょっと具体的に踏み込んで教えていただけるとありがたいんです。どういうふうに理解が得られないのか,どのあたりが理解が得られないのかとか,もうちょっと教えていただけると。

【宮田部会長】なるほどね。浜野先生,どうですか。

【浜野委員】できれば本文に入れていただきたいのですが,このかがみは書類として公的に残るのでしょうか。というのも,敗戦後の最初の文化課長,今日出海氏が芸術祭を始めたいきさつを読んだとき,のちのちまでの配慮があったことを知りました。一方,私は今に至るまで文化庁が文科省にならず,文化庁のままでにいたことに対して,私は憤りを感じていますした。それは,文科省に関する先人たちの努力が記録されていないからなのではないとう気もします。そのため,我々が文化省について議論したことを残しておいていただきたい。
 私が感じたように,我々の先人が文化をないがしろにしていて文化庁のままでいいと思っていたのかというには,私は憤りを感じていたので,こういう場でがそういう議論をしなかったということになってしまうのが残念なのです。

【宮田部会長】ありがとうございます。残ります。そうでなければ私も今までやっている意味がない。よろしゅうございますでしょうか。

【高萩委員】3行目ですけれども,関係府省間の連携共同の上に「将来的に」をとって時期を書かないほうが,つまり文化省があったほうがいいとみんな言っているわけなので,別にいつにしてくれとか言っているんじゃなくてということであれば……

【宮田部会長】私も実は時期を書くと,その時期までとか前後するので,それはもうなしでも強く要望していたという……

【高萩委員】もし可能ならとったほうがわかりやすいかなと。

【宮田部会長】感じもしますね。ちょっとそれもまた先生方,アイデアとして見てください。
 吉本先生。

【吉本委員】私も「将来的に」をとればいいと思ったんですけれども,その後ろの創設が望ましいというのもちょっとまどろっこしいので,「創設すべきである」ぐらいにしたほうがいいのではないかと思います。

【宮田部会長】あるとの意見が強かったと。ほかによろしゅうございますでしょうか。
 では,このぐらいの感じで「将来的」をとり,文化省を創設すべきであるとの意見が強くあったことを付言したいと。よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございました。では,そうさせていただきます。
 それでは,時間配分でございますが,お手元の議事次第の記載のとおりでございますが,本文について素案で45分,答申の別添について30分程度して,国立文化施設等検討会の論点整理,これは,きょうは福原先生においでいただきまして,ありがとうございます。これについても20分程度を予定しております。ご協力のほどお願いしたいと思います。  それでは,事務局からお願いしましょうかね。総会に向けてのこと。どっちにしても審議会総会で今のお話は私としては発表させていただきたいと,先生方の強いご意見であったということを伝えておきたいと思います。
 それでは,次に移ります。
 答申の審議に入ります。本文については前回の部会の閉会時に事務局よりアナウンスしていただいておりますが,いろんな経緯も含めて修正点を中心に事務局からご説明を願いたいというふうに思っております。よろしくお願いします。

【滝波企画調整官】それでは,資料2を中心に前回,12月1日の部会からの修正点というところを主に拾いながらご説明をしてまいりたいと思います。
 1日の部会の折にも少しご説明をしましたとおり,前回,12月1日から本日のこの20日の部会までの間にこの文化政策部会のほかに文化審議会のもとには3つの分科会がございますので,そちらの分科会のほうにご意見を聴取するというふうな機会を持ちましたことと,加えまして,先ほど来お話の出ておりますとおり,最終的には閣議決定を目指していくということを考えますと,この時点において関係省庁のほうにも現時点で考えているところを事務局のほうで伝えておいて,それに対して意見があれば今のうちにお聞きをしておくということもしておいたほうがいいだろうということを思いましたので,この間にその作業もしてまいりました。そういったものを踏まえての本日資料2という形でお示しをしたものになってございます。
 それでは,資料2ですけれども,少しお開きいただきながら説明をしてまいりたいと思いますが,1枚めくっていただきますと,目次の後ろに点線書きで文化芸術振興基本法云々という形で箱書きが書いてありますけれども,これはいわばこの答申ができました折には「はじめに」といいましょうか,前書きといいましょうか,そういった位置づけになるものというふうなものとして書いてみたものでございます。基本的には現行の第2次基本方針における記述ぶりと基本的には変えておりませんで,この答申の中身を明示的に書いていくということで記載をしたものでございます。
 それから,その次の1ページ以下が中身に入っていくわけですけれども,修正箇所についてはアンダーラインをそれぞれ付した形で紹介をしております。アンダーラインに引いてあります箇所は何カ所かありますけれども,最初に出てきますのが2ページでございます。ここは第1の文化芸術振興の基本理念のうちの基本的視点の(1)諸情勢の変化に関してでございます。ここの最後の段落のところで,インターネット等の情報通信技術の云々というところですけれども,ここのところについては著作権分科会のほうに意見聴取をしました折に,従来の記述ですと,ややマイナス方向の記述のほうに偏りが生じているのではないかというふうなご意見がございました。その点からもう少しプラス方向に作用した部分についてもしっかりと記述を盛り込んでほしいというふうなご意見もございました。したがいまして,その点踏まえまして,ここには現行の第2次基本方針の中で記載のあるような文章から拾い上げまして,ここにアンダーラインを付したような形で「国境を越えた対話や交流を活性化させたり,情報の受信・発信を容易にしたりするなど」という形でプラス方向の例示を加えたところでございます。
 それから,そのページの下のところ,「人材が重要な資源」というふうに書きました点は,前回の部会の資料では人材こそが資源ということで書いておりましたけれども,前回の部会の折にもご意見をいただきまして,やや人材だけではないというふうなニュアンスを書き足したいということでありましたので,その辺の表現の工夫をしたところでございます。
 それから,3ページでございます。下のほう,アンダーラインが引いております。「「新成長戦略」に位置づけられた「クール・ジャパン」の取組」というところにアンダーラインが引いてありまして,これ追加をした部分でございます。この点については関係省庁と協議をする中で,やはり政府全体を通して取り組んでいるクール・ジャパンの取り組みというものをやはりこの答申あるいは基本方針の中に明確に位置づけをしてほしいというふうな声が上がってまいりました。そのため,なるべく適切な場所にということで,ここの波及力の関連の記述の中にその関連記述を盛り込んだところでございます。  次に,4ページでございます。これも下のほうにアンダーラインが引いております。「選択と集中を図る観点も踏まえ」というところにアンダーラインがございますが,これについてもやはり関係省庁との協議の中で,限られた財源の中で選択と集中を図る必要があるというニュアンスを書き足してほしいというご意見がございましたので,その点を踏まえた記述の修正でございます。
 それから,少し飛ばしまして5ページに移ります。
 5ページからは重点戦略の中身の部分に入ってまいります。ここのところで1ポツ,6つの重点戦略のすぐ下のリード文でございます。ここの部分に関しまして,ややアンダーラインが引かれてございます。この点につきましては,やはり関係省庁と協議をする中で修正意見が出てまいりました。前回お示しした文案では,ここのアンダーラインの部分が諸外国と比較して極めて貧弱な文化予算を大幅に拡充し云々というふうな形になっておったわけですけれども,関係省庁との協議の中で,現下の財政状況も踏まえると,少し踏み込み過ぎの文案ではないのかというふうなご意見もございまして,ここでは「諸外国の状況も勘案しつつ,文化芸術活動を支える環境を充実させ」というふうなフレーズに改めているところでございます。
 それから,今度は重点戦略の中身ですけれども,箱書きの中,重点的に取り組むべき施策のところにもアンダーラインが幾つかございます。これらの点については,大体前回の部会におけるご意見で出されてきた意見を踏まえた修正でございます。最初のダイヤ印,年間の創造活動については一事業ごとの審査の積み重ねということでなしに,年間を通じた見方ということが大事だというふうなご意見がございましたので,修正をしております。  それから,その下のダイヤ印でございます。前回は「専門的な審査,評価,調査,研究等を実施し」という形の記述にしておったわけですけれども,今回はそこの点について「独立行政法人日本芸術文化振興会における専門家による審査,事後評価,調査研究機能を大幅に強化し」というふうに書きかえております点と,それから,諸外国のアーツカウンシルに相当する新たな仕組みを導入するという形に表現ぶりを改めているところでございます。この点についてもご確認をいただけたらというふうに思っております。
 それから,その下のダイヤ印2つでございます。1つ目のところは地域の核となる文化芸術拠点において,優れた文化芸術が創造され,国内外に発信されるよう,その活動への支援を充実するということで,支援のほうをまず特出しして書き込むという形にしております。その後ろにもう一つダイヤ印を立てまして,劇場,音楽堂等が優れた文化芸術の創造・発信等に係る機能を十分に発揮できるようにするため,その法的基盤の整備について早急に具体的な検討を進めるということで,ここについては劇場,音楽堂等についての法的基盤の整備に関する記述として特出しをして書き込むという形にしてございます。
 それから,次6ページの上でございます。
 ここにもダイヤ印のところにアンダーラインが引いてございますが,前回の部会の中ではここのダイヤ印については具体的な法律の名称として記入をしておりましたけれども,前回の臨時国会が最終的に12月3日で閉会しましたけれども,その間に文化庁から提出しておりました美術品補償法案につきましては,継続審議という形で終わっておりまして成立をまだ見ておりません。したがいまして,現時点において法律名までは記載するのはどうかということを思いまして,そのやろうとしている中身が見えるような形で書き出すという形で整理をし直しております。
 その次のダイヤ印,寄附文化の醸成で始まる部分ですけれども,ここにつきましても,関係省庁と協議をする中で,税制ばかりではないのではないかというふうなご意見がございまして,寄附文化の醸成,文化芸術資源の活用を促進するためのインセンティブが働く手法,その一つの例示として税制はあってもいいだろうということでしたけれども,そういう形で記載の見直しを図っているところでございます。
 それから,次に重点戦略の2として,2つ目のダイヤ印の中で雇用の増大も念頭にということで,これは前回の部会で雇用のこともしっかりと書くべきではないかというふうなご意見があったことを踏まえた修正でございます。
 それから,少し飛ばしまして8ページでございます。これは重点戦略の6でございますけれども,ここにつきましては,やはり関係省庁と協議する中でクール・ジャパンについての取り組みをしっかりと明記してほしいというふうなご意見と,それから,国際文化交流の位置づけというものを少し整理し直す必要があるのではないかというふうな関係省庁からの意見も踏まえまして,アンダーラインの部分,最終的な目標として文化芸術水準の向上を図るとともに,我が国に対するイメージの向上や諸外国の相互理解の促進に貢献するということで,少し段差を設けるというふうな記述の整理をしております。その際という形でクール・ジャパンの潜在力を喚起し,戦略的な海外展開を図るという形でクール・ジャパンの取り組みを紹介したいということに対する答えを出したところでございます。
 それから,次少し飛ばしまして,10ページ以下は第3でございますけれども,ここについても少し表現ぶりの整理をしておりますけれども,10ページのアンダーラインにつきましては,先ほどご紹介をした重点戦略における記述ぶりの修正に連動する修正でございます。
 それから,12ページも少し直しがございまして,下から2つ目の印のところ,文化財登録制度のところですけれども,この点につきましては,文化財分科会のほうで意見聴取をした際に,やはり登録制度の活用の中で近代だけではないものもあるだろうということ。それから,文化財保護のすそ野の拡大ということがやはり大事だというふうなご意見がございました点を踏まえまして,修正を加えているところでございます。
 それから,最後の印のところについては防火の後ろに耐震・防犯等ということで,防犯が少し頭出しした形になっておりまして,これについては関係省庁との協議の中で防犯というのはやはり大事だと。しかし,防災とは違う概念ではないかというふうな意見がございまして,少し言葉の整理をしたところでございます。
 それから,次は14ページでございます。国際交流等の推進でございます。
 14ページのリード文でございますが,これについても先ほど重点戦略でご紹介しましたとおり,少し最終的な目標をどこに据えるかというところで,やはり我が国の文化芸術活動の発展を図るということをまず第一義として,その上で世界の文化芸術活動の発展に資するというふうな少し目標の立て方について差を設ける必要があるだろうというふうな意見がございましたので,その修正を加えているところでございます。その下の印のところ,「相互理解の促進に資する点にも留意しつつ」についても同様の観点からの修正でございます。
 それから,16ページに少し飛びまして,ここは国語の正しい理解に関する記述でございます。この点については,国語分科会のほうからのご意見がございまして,修正を加えているところでございます。16ページの一番最初の印のところですけれども,国語に関する調査を定期的に実施するという点,それから,調査の結果を広く周知するとともに,国語の改善に関する施策の検討などを行い,国語に対する意識の向上を図るという形で,やはりきめの細かい国語施策が大事だということの修正を加えております。
 それから,そのところの最後の印のところですけれども,要は国語研究所に関する記述を盛り込んでおりますが,これはやはり独立行政法人国語研究所はなくなっておりますけれども,その機能自体は残っておりまして,人間文化研究機構の中に位置づけが変わっておりますけれども,その機能自体はあるということで,やはりその点の記述が必要ではないのかというふうなご意見もございましたので,書き加えているところでございます。  それから次,17ページでございます。ここは日本語教育の普及に関する記述でございますが,リード文のところで,「その際」で始まる段落が追加になっております。やはりこれは関係府省,関係機関が連携しての日本語教育施策というところが大事ではないかというふうなご意見があったということで,その点をリード文の中に明記をしていくという形で整理しております。
 それから,少し飛びまして21ページでございますけれども,21ページの真ん中より少し上のところ,これは「各地域に所在する」で始まる文章ですけれども,少しこれ項目を追加しておりまして,これは前回の部会の中でご意見があった点でございましたけれども,各地域に所在する貴重な文化芸術資源の計画的・戦略的な保存・活用を図るため,博物館・図書館・公文書館─これMLAと呼んでいますけれども─等の連携の促進に努めるということで,このMLA連携の取り組みの大切さということをやはり明記しておく必要があるだろうということから書き加えているところでございます。
 それから,そのページの下のほう,(4)公共の建物等の建築等に当たっての配慮ということで,これも関係省庁との協議の中でいろんな建物の整備に当たっての配慮に関して,単に施設の整備だけではなく,その保全に当たっても同様の配慮が求められるのではないかというふうな意見がございましたので,追記をしているところでございます。
 主にこのような形での修正を加えたところでございまして,本日こういった修正した点を中心にご審議を賜れればありがたいなというふうに思っております。なお,資料3でございますけれども,資料3は今ご説明をしました答申素案のいわば概要として,23ページ,本文,かなり大部にわたっておりますので,少しエッセンス版という形で今後使っていく必要があるかなというふうに思いましたので,ここでは6ページものということでまずは用意をしてみたということでございますので,これについてもあわせて見ていただけたらありがたいなというふうに思っております。
 冒頭の説明は以上でございます。よろしくお願いします。

【宮田部会長】ご苦労さま。資料2についてご検討いただきたいというふうに思っております。それから,あわせて資料3,抜粋という言い方でいいのかな。アンダーラインが引いてあるところは今までの先生方のご意見を反映してここに訂正というのかな,加筆訂正をして入れてございます。アンダーラインに限らず,気になるところ等々ございましたらご発言いただきたいというふうに思っております。いかがでしょうか。
 山脇先生,どうぞ。

【山脇委員】5ページの最初のアンダーラインで,各省庁との話し合いの上という予算のことをこういう形になさったということなんですが,少しでも何か予算ぽいことは入れることができないのでしょうかということと,それから,6ページの国家補償のことなんですが,美術品を鑑賞する機会の拡大とあるんですが,機会だけではなくて質の向上というのもありますので,そういったことも入れていただければと思いますが。

【宮田部会長】特に国家補償の問題が今ちょっと途中でつまずいていますから,余計この言葉はちゃんと入れておいていただけたらと思います。  坪能先生,どうぞ。

【坪能委員】今の意見に準じているんですけれども,その5ページの一番上から5行目のところの文化活動を支えるというところがございます。今そこのところの環境の話が出ました。ここに諸外国に比べて日本が非常に貧弱な予算みたいな話を書いておいていただいたのは,これスマートになりまして,こちらのほうがよろしいと思うんですが,その後環境を充実させるという言葉だけではなくて,やっぱりちゃんと資金を充実させていただきたいと。マイルドになってきちゃうと,そういう泥臭いところが少しとれてしまうのがスマートなのかもしれないんですが,ぼやけちゃうと私は思いますので,人材の育成も含めてこの重点的に取り組む施策のすべてはそうなんですけれども,これ予算の確保はあったらば割と早期に,先ほど将来的にじゃなくて早期にできることだと思いますので,そこのところ,環境または中黒資金とかにしていただけるといいなと思います。
 以上です。

【宮田部会長】難しいところなんだけれども,きれいに書くと伝えにくかったり,素朴に書くと今度は逆に何か受け取る側がつらい思いをするとか,そういうのがありますので,その坪能先生のおっしゃるあたりはちょっとご検討いただけるとありがたいかなと。  はい,どうぞ,滝波さん。

【滝波企画調整官】少し事務的に補足説明をさせていただきたいと思うんですけれども,今の予算関連の部分ですけれども,今ごらんいただいておりますのが5ページのところですが,アンダーラインを引いて,「諸外国の状況も勘案しつつ,文化芸術活動を支える環境を充実させ」というふうな表現に少し直っておりますけれども,ここの意図するところとしましては,一つ前のページ,4ページを少しお開きいただきたいんですけれども,4ページのここは,要は理念の中で基本的視点を掲げている点でございます。ここのところの(3)社会を挙げての文化芸術振興というところでございますけれども,ここは各文化芸術を支える主体ごとに書き分けていく形になっておりまして,第2パラグラフで地方公共団体,第3パラグラフで企業等の活動,そしてその次に国としての活動を書いた部分がございます。
 ここの中で「国においては」で始まる段落の最後のほうなんですけれども,選択と集中を図る観点のところのアンダーラインがありますが,このすぐ後ろ,厳しい財政事情にも照らして支援の重点化,効率化を図りつつ,必要な法制上,財政上の措置を講ずるとともに,税制上の措置等により文化芸術活動を支える環境づくりを進める必要があるということで,言いわけ的に申し上げると,いろんなことを取り組む中で法制上,財政上,税制上,そういったもろもろの取り組みをしていくことによって文化芸術活動全般を支える環境づくりを進めていくんだというふうな意味合いを込めておりまして,ここのところを引用する形で,ここの5ページの最初のリード文については「文化芸術活動を支える環境を充実させ」というふうに表現するという形のものとして今回お示しをしているところでございますので,ご承知いただけたらというふうに思っております。

【宮田部会長】4ページの言葉で今,滝波さんが言ったように,法制上,財政上,そして税制上というふうに理詰めにやってありますので,多分ご理解いただけるかなとは思っているんですけれども,過去には余りこういう表現をしていませんでしたので。
 よろしゅうございますか。どなたからでもお気づきの点。はい,浜野先生,どうぞ。

【浜野委員】同じところの5ページですが,きれいに書き過ぎちゃって,何を言っているかよくわからない。日本が貧弱と言わないなら,海外が多いとするとか。諸外国の文化予算の状況を勘案しつつとか,韓国とかGDPに比率して幾らでもデータがあるわけで,フランスとか。ですから,そういう婉曲的な言い回しで海外は多いということを示唆したらどうでしょうか。

【宮田部会長】1つのヒントですね。どっちにしても少ないんだけれども。  吉本先生,どうぞ。

【吉本委員】ほかのポイントでもよろしいでしょうか。

【宮田部会長】どうぞ,もちろん。

【吉本委員】5ページの重点的に取り組むべき施策の2つ目のダイヤ印のところなんですけれども,これはアーツカウンシルという用語について随分議論があったところでして,その齟齬がないようにうまく事務局でまとめてくださっているかなというふうに思います。今の芸術文化振興会がジャパン・アーツカウンシルというふうな名前になっていることも含め,整理されていると思うんですけれども,ここで1点気になるのが2行目に機能を大幅に強化し,仕組みを導入すると,こうなっているんですけれども,機能は確かに強化しなきゃいけないんですが,機能を強化するにあわせて,やっぱり専門的な人をちゃんと整える,体制を整えるというふうなことが重要だと思いますので,例えば「調査研究等の体制・機能を大幅に強化し」とか,ちゃんと今も基金部というところがあるわけですけれども,そこには残念ながらプログラムオフィサーとかそういった専門家が配置されていないということがありますので,現行の組織体制だけで機能を強化するというのはかなり無理があると思いますので,ぜひ体制も強化するというのを入れていただきたいなというふうに思います。

【宮田部会長】でも,随分あれですね,福原先生,このアーツカウンシルに関しては先生のほうの会議でも取り上げられましたですよね。
 はい,どうぞ。

【田村部会長代理】その下のところでございますが,申し上げたことを入れていただいてこのように書いていただいたと思うのですが,「地域の核となる文化芸術拠点において」というのと,「劇場,音楽堂などが優れた文化芸術の」と,この2つになっていると,今回支援そのものに呼応した施策として書かれているという感じがいたします。法整備は,私はそれと別個に考えていただきたいと思います。法整備は全国にたくさんある2,000幾つ全部に対応しなくても結構でございますが,全国の公共の文化施設が有効に活用できるような法整備を図っていただきたいと思っております。その上で,例えば静岡もトリフォニーもそうですが,設置条例に劇団を持つとかオーケストラとフランチャイズ契約するとか,どのような施設にしていくかは地方自治体に任せればいいことではないかと思います。ただ,現在,前からもお話ししていますように,図書館に図書館法があるように,美術館や博物館には博物館法があるように,大枠の公共の文化施設とはどうあるべきかというような意味での法整備にしてほしいと思います。これですと,今回の優れた舞台芸術の創造への支援に直接結びつく法整備であるようにとられてしまうようです。地方の文化施設の方はそのことをとても危惧していらっしゃいます。
 きょう私はあえてこのグランシップマガジンGというのを持ってきて配らせていただきましたのは,どんなものが地方ではされているかというのを見ていただきたいと思って持ってまいりました。最初にある連詩の会。これは大岡信さんが静岡県出身でいらっしゃるから,このようなことが開館以来できています。毎年やっております。発表会も必ずございます。3日間で,40編の詩をつくっていただき,その発表会も会館でしております。
 そして,今年からできたことでございますが,小学校に行って連詩のワークショップもしております。これは劇場,音楽堂の創造活動というのには多分入らないと思うのです。それから,例えば次は沼田早苗さんの「わが羅針」というコーナーでございますが,これは大竹省二さんが静岡ご出身でいらっしゃるためにずっとフォトコンテストをしております。沼田さんが審査員のお一人ですので,インタビュー取材いたしました。そして,初春に能楽ということで能のワークショップもしているということは前にもご紹介しております。その後に全く違うものですが,シャル・ウィ・ダンスとスイングで踊ってみようというのもございます。それでオペラもつくっております。300人のオーケストラもしております。
 これが地方の文化施設の実態でございます。芸術監督がいなくてもこういうことができる,ある程度のきちんと専門のことがわかるものがいればできるということでございます。能も歌舞伎も文楽も私どもでは取り上げております。そういう専門知識のあるものが配置されているように全国の公共の文化施設がなればと思います。別に演劇だけが,音楽だけがあるということが創造的な施設であるということではないのです。

【宮田部会長】というと,ここの文章の。どうしましょうかね。

【田村部会長代理】法整備というのが文化芸術の創造・発信と,これ多分劇場,音楽堂という言葉が基本法にあるために,それがどうしてもついて回っております。ここでもそれが書かれてしまうと,またこれに縛られてしまうと思います。どこかで一度これを公共の文化施設というか,芸術拠点というか,私は公立というのも今は指定管理者制度が導入されていますのでやめたほうがいいと思っておりますのですが。

【宮田部会長】事務局のほうでこのダイヤの一番下のところのこの前も議論ありましたよね,劇場,音楽堂という言葉に対してのアレルギーがあると。その言葉以外でこの後ろをつなげていくことは不可能でしょうかね。いいことをやろうと思ったときに逆に足かせになることというのはよくあるものですからね。
 山﨑さん,どうぞ。

【山﨑芸術文化課長】田村委員ご指摘のこの法的基盤の整備というのは,地方各地にある劇場,音楽堂と言われるものがここに書いてあるような文化芸術の創造・発信の機能をよりよくするために法的基盤の整備をするというまさにご指摘のとおりでございまして,前回のときにもちょっとおっしゃられたこの優れた文化芸術のという部分で,このフレーズは前回の第2次基本方針のときから使っておりまして,前回の第2次方針でも劇場,音楽堂等が優れた文化芸術の創造,交流,発信の拠点や地域住民の身近な文化芸術活動の場として積極的に活用され云々ということで,特段この優れたという部分に例えば文化芸術活動を優れたものと優れていないものに分けて,優れていないものを排除するとか切り捨てるというふうな視点は全くございません。
 それから,この法的基盤の整備については,先ほど滝波のほうからご紹介しました劇場,音楽堂等の検討会をこれは田村委員も委員に入ってもらって24日に第1回の会合をする検討会でございますが,この法案の中身についてはこちらの検討会でこれから十分にご議論していただく予定になっておりますので,田村委員ご指摘あるいはご心配の点も含めて,また関係の団体からもヒアリング等でご意見をいただきながら法的基盤の整備については検討していく予定でございます。

【宮田部会長】先生方にも机上配付されていると思いますが,報道発表にもありますけれども,劇場,音楽堂の制度的なあり方に関する検討会というのを開催するということで,12月24日(金)から開催でスタートするということでございますので,ちょっと先生,この辺のところでもご議論いただいて,前に進めたらいかがでしょうかね。

【田村部会長代理】十分そのところは考えてまいりたいと思いますけれども,ここに書かれているようでなくて,法的基盤だけを別にしていただいて,全国の公共の文化施設の法的基盤の整備について早急に具体的な検討を進めるとそこだけが別になっていれば,誤解されないと思います。

【山﨑芸術文化課長】ちょっと検討してみたいと思いますが,1点,つまり設置者が地方公共団体の劇場,音楽堂に限って法的基盤の整備をするのか,あるいはさらには設置者が国立だったり民間,いわゆる私立のもございますので,そういったものも含めて法的基盤の整備の対象にするのか,その辺もまた議論の余地があるかと思いますので,この段階ではまだ公的,公共ホールというふうに限定しないほうがよろしいのではないかなというふうに考えております。

【田村部会長代理】私は国立も民間も全部含まれて良いと公共性を担保されればと思っておりますが,これは全く個人的な意見ではございますけれども,国立も含むようにしておいていただいたほうがいいなとは思っております。

【宮田部会長】いいかな。しかと受けとめて検討してみてください。  ほかに。よろしいですか。高荻先生,どうですか。何か。

【高萩委員】多分上の「地域の核」となるというところと,「劇場,音楽堂」というのは両方入ってきていて,ちょっとわかりにくくなっているんだと思うんです。その辺,ちょっと我々のほうはもう議論の積み重ねの中に入っていますので,分かりにくくなっています。逆に一般の人たち,劇場関係者以外から見たときにおかしくなければ,私はこれのほうがちょうど報道発表になっている制度的なあり方に関する検討会もできてきているところですので,そっちに任せるといったほうがいいかなと思うんです。何か齟齬が,つまりほかの分野の方から見て齟齬がないようだったらこのままで生かしてくださったほうがいろんなワーキンググループからの流れとかもあって,かたまってきたところだなと思うんです。ちょっと僕も田村さんがおっしゃっていることはよく理解できていないんですけれども。引っかかっているところがどこなのかというのがですね

【田村部会長代理】いや,今,今年度の支援が優れた劇場,音楽堂に対する重点的な支援と,地域の中核というほうも優れた劇場云々に対する支援になっています。そうすると,それは片一方が13で,中核が80ということは93を対象にした支援になっているわけでございます。それに呼応するような,このように書かれてしまうと,この法整備はそのようなものを目指しているのかというふうにとられてしまうということです。

【宮田部会長】どうぞ。

【吉本委員】田村さんの懸念を私なりにこう理解しているというのをちょっと申し上げますと,つまり今の文章のままだと一部の劇場,音楽堂が法律上の劇場,音楽堂になってしまって,大多数の公立の劇場,音楽堂というのはそれに入らなくなると全く国の支援を受けられなくなってしまうのではないか。この文案のままだとそう読めるとおっしゃっているんですよね。でも,そういうふうにも読めるんですけれども,これは全体の底上げをするというふうにも読めますよね。なので,私はこのままでもいいかなと思ったんです。あるいはあえて変えるのであれば「その」というのをとってしまうとか,あるいは法的基盤の整備も含めて早急に具体的な検討を進めるとか,何かちょっと言い回しを変えるだけで田村さんの懸念はなくなるような気がいたします。私はこのままでもいいかなと思ったんですけれども。

【宮田部会長】どうぞ。

【後藤委員】すみません。外から見ると,この地域の核となる文化芸術拠点というのが具体的に何を指しているのか。それから,劇場,音楽堂などというのが具体的に何を指しているのかというのが外の人間にはわからないですよね,その80幾つと10幾つかとかというのは。中の方はわかるんですけれども,それを教えていただけますでしょうか。

【宮田部会長】ちょっと今それをやっていると,また振り出しに戻るので。

【高萩委員】つまり一般的には,だから地方とか公共じゃなくても,さっき山﨑さんがおっしゃったみたいに劇場とか文化ホールに関しては,かなり広く含んでいると考えられる。田村さんはたまたま今年の文化庁の施策で出ている「優れた劇場と音楽堂に対する支援」というのがあるので,ここに引っ張られるんじゃないかというのを懸念されているんだと思うんです。やっぱり一般的にはそうは読み切らないと思うので,全体的な日本の中にある公共じゃなくても劇場,ホール等全般に関しての法的な整備をしようとなると思います。そのときに,ではそこにどういう何かいろんな基準が出てくるのかというのは,そこはそれこそこちらのほうでお話をしてくださいというためにつくられたのかなと思うんです。一般的には後藤さんがおっしゃったみたいに広くホール,劇場についての区別なしに読めるのではないかと思いますけれども。

【宮田部会長】そういう後藤先生のような質問が次,掘り下げて,掘り下げていくと,そこから知らないとねという気持ちは,ご発言はよくわかるんです。
 小田先生,ちょっと手を挙げておられましたので。

【小田委員】この重点戦略1,文化芸術活動に対する効果的な支援,その中では一般的に整理されています。これの文章の下から4行目ですか,新しい公共の活動を促進する,そのとおりです。また,国,地方において核となる文化芸術拠点を充実すると。拠点の充実も必要ですよ。しかし,文化芸術を振興していくと,それに対する支援をしていくと,それが私は必要であろう,そう思います。それを受けて重点的に取り組むべき施策で今議論がされている一番下のこの表現であろうと。だから,これをできましたら1つ目が導入する,2つ目が取り組みを実施する,3番目が支援を充実する,4番目ですから十分に発揮できるようにするため,その支援を充実していくと。先ほど来,その法的基盤についてもなお早急に整備をしていくと,こういう整理の仕方をしていただくのがよろしいかなというふうに思います。
 以上です。

【宮田部会長】今,具体の例になって法的の部分でちょっといろんな議論をいただきましたが,あえて今発言させていただいております。小田先生,ありがとうございました。その段階的なものでいいと思います。
 里中先生,どうぞ。

【里中委員】先ほど来の外から見ればということなんですけれども,さかのぼりまして,私自身が何回目かのときに「え,そうなんだ」と知ったのが劇場,音楽堂等というのがなぜここに出てきたかというと,博物館などと違って法的なちゃんとした基盤がまだないのだということを一般のものは知らないんですよね。ああ,そうだったのかと知った上でこれを読むとわかるんですけれども,むしろ一般の方のご理解をいただくには,このダイヤの一番下の部分ですね,5ページ目の。劇場,音楽堂等が優れた云々,これはとてもいいことだと思うんですけれども,頭に「いまだ法的基盤のない劇場,音楽堂等の整備をし」といったほうが「ああ,そうか。これまでなかったんだ」と。法的基盤がなかったんだということを強調するために頭に持ってきたほうがいいと。先ほど来のご心配なんですけれども,やっぱり外から見ておりますと,その上の「地域の核となる文化芸術拠点」というのは,文化芸術拠点と言われると物すごく広く受けとめるんですよ。広いからこそいいと思うんですね。この中に劇場,音楽堂も含まれていて,それ以外のいろんなちょっと法的に何て言うのかわからないホールとか,そういうのも含まれていて,そういう支援を充実するんだなというのと,この一番下のこの劇場,音楽堂等は別と。以前これ,たしか混乱を来すというので2つに分けた経緯がありますよね。だから,このままでも通じるとは思うんですが,先ほどいいましたように,法的基盤を頭に持ってくるとすっきりして,心配も払拭されるんじゃないかなとふと思いました。

【宮田部会長 ありがとうございます。今のその一言で随分私も吹っ切れた部分があります。というのは,今回は劇場と音楽堂のためにずっとやっているんですかとある人から言われたのね。いえいえ,そんなことはございませんとは言ったんですが,なるほど,それは枕に入れておいてください,ぜひ。
 それから,小田先生おっしゃったような論法の持っていき方というのは,とても説得力があると思います。ありがとうございました。
 どうぞ。

【小田委員】諸外国の状況も勘案しつつ,文化芸術の環境を充実させる。いい言葉ですね。いい言葉ですけれども,現実には予算を含めて,あれはもっとあんた,やってもらわんと。ほんなもん,あんた90数兆円のうち1,000億円入れているんですね。これはちょっと私から言わせたら,文化芸術振興もあったもんやないと。もう少しいろいろとありますでしょうけれども,抜本的にもう少し対応していただく。その姿勢をやっぱりあらわしていくということが必要。だから,2番にせえ,3番にせえということであるし,その思いを現実にやっぱり実現をしていくと,こういうふうに私は信じてやみません。と申し上げますのは,冒頭私,最初申し上げましたように,物,これは充実しました。経済も今日まで至りました。貧弱になったのは心です。心はまさに文化だと,こういうふうに私は思いますので,その姿勢をやはり国策としてあらわしていくということは非常に重要な視点ではないかと。だから,ある意味で言ったら,品よく書かれているというふうに思いますけれども,もっと生々しくこれを現実のものとして,気持ちとして表現を強烈にしていただくというのか,アピールしていただくということはあえて申し上げておきたい,私の意見として。

【宮田部会長】おっしゃるとおりでございまして,今ちょうど福原先生が持ってきてくれました新聞にも成熟日本,これからは文化,取り残された心ですよね。そんな感じが私はします。
 はい,どうぞ。

【後藤委員】すみません,ちょっと前回いなかったので何かピントが外れたことも言っているようなんですけれども,前のページのところとあわせて読むと,4ページはここに選択と集中を図る観点も踏まえというふうに入りまして,支援の重点化,効率化を図りつつ,必要な法制上,財政上の措置を講ずるとともに云々とありますから,これと今の5ページをあわせて読むと,やはり選別をし,選択と集中をやるんだなということで,どう読んでも広く薄くとか,全般に対する支援を充実するというふうにはちょっと私には理解できないんですけれども,そこはどうでしょうか。

【宮田部会長】4ページの先生,もうちょっと具体的に。

【後藤委員】4ページのところで新しい文言が入りましたよね,きょう。選択と集中,これは他省庁との折衝を踏まえということで,それで,平田参与がいらしていたときにもそれは私が地域の文化施設でもやはり海外との関係を考えたほうがいいんじゃないかというときに,いや,そうではなくて,地方に空港が99もできて,そういうのは無駄だということをたとえにとられて,選択と集中を図るということは非常に強調されたように思ったんですね。それで,今回も選択と集中というのが入っていますよね,この下から1,2,3,4,5,6,それでここに厳しい財政事情にも照らして支援の重点化,効率化を図りつつ,必要な法制上,財政上の措置を講ずるとともにというふうにありますので,そうすると,こことこの5ページをあわせて読むと,やはり選択と集中という大まかな方針のもとで文化施設についてもそういう選択と集中になるように支援を充実する,あるいは法整備をするのかなというふうにも読めるんですけれども,いかがでしょうか。

【宮田部会長】どの辺に赤を入れましょうかね。
 はい,どうぞ。

【佐々木委員】今のお話で選択と集中ということを考えていく,実施をしていくその基盤の整備ということで法的整備というふうになっているんじゃないですか。つまり例えば今の劇場法なら劇場法という,これは博物館なら博物館法と。あくまでこれは基盤の整備の法的整備ですよね。それを基盤にして,ではどういうふうに選択と集中をしていくかということがその次に来るわけであって,その選択と集中を行う,実施をするその基盤ができていないということなのではないでしょうか。だから,それが必要だと。

【宮田部会長】ちょっとこの辺を一度整理して,よく精査してみます。
 はい,どうぞ。

【里中委員】ちょうど今のところを読んでいて,ふと気づいたんですけれども,この新しく入った文言の後ろの「厳しい財政事情にも照らして」というのをこれわざわざ言う必要があるのかなと。いずれにせよ,お金があろうとなかろうと,考えなしに使うのはいけないことですし,お金がなくても使わなきゃいけない部分というのはビジョンに照らし合わせて出てくるわけですよね。ですから,ここでわざわざ「厳しい財政事情にも照らして」というと,先に大したことはしませんよと言いわけをしているみたいに聞こえてしまうので。

【宮田部会長】きょう,冴えていますね。

【里中委員】そうですか。

【宮田部会長】大変結構だと思います。時々こういうのをずっと見ていると,どっちに向かってしゃべっているんだろうというのが時々あるので,やっぱり向かう方向と言わなきゃいけないところとその辺はよくあると思います。ありがとうございます。  ちょっとこの辺だけに偏っているので,4,5,6以外もありますので,ちょっと先生方,目を少し広げて見てはいかがでしょうか。
 後ろのほうは,そんなには問題点ないと思うんですけれども,いまだ整備されていないなんていうのはなかなかいいですね。
 ちょっと時間の関係もございますので,またもとへ戻っても結構でございますので,ちょっともう一つ進めさせてください。
 別添でございますが,修正点を中心にやはりこれをやってもらいましたので,資料4,5についてちょっと事務局から説明をいただき,また後ろに戻っても結構でございます。ひとつお願い申し上げます。

【滝波企画調整官】それでは,資料2はまた戻ることもあり得るべしということで,資料4と5のほうの説明を先にさせていただきます。
 まず,資料4ですけれども,これは前々からやってきておりますけれども,重点戦略の戦略目標と評価の進め方・指標でございます。いつものとおり,左側に資料2で書いたダイヤ印の提言事項をずらずらっと書きまして,真ん中の列には具体的な施策,そして一番右には評価の進め方あるいは指標例ということで書いたものにしていまして,前回からの修正点につきまして赤字で書き込んでおります。
 重点的に取り組むべき施策の赤字は,先ほどご紹介したアンダーラインを引いた部分,修正があった点について赤字で書いたというものになっていまして,真ん中の具体的施策及び右側の列の評価の進め方・指標例については,その修正も踏まえて事務局のほうでどのような具体的施策あるいは評価の進め方・指標例があるかということをもう一回整理し直してお示しをしたものになってございます。
 1ページ目,重点戦略1の2つ目のダイヤ印の評価の進め方のところですけれども,いわば日本版アーツカウンシルの部分に関しまして,米印として評価の進め方を追記しております。審査,事後評価,調査研究等に係る新たな仕組みの効果を検証ということで,やや抽象的かもしれませんけれども,このような形の進め方があるんじゃないかということで書き込んでございます。
 それから,先ほど来議論に出ております劇場法等の法的基盤の整備に関してですけれども,これについても評価の進め方に関して,具体的検討の進捗状況等ということで,指標といいましょうか,進め方の参考になるものとしてその進捗状況というものを書き込んでおります。
 それから下のところ,税制などのインセンティブが働く手法のところについて,具体的な施策として寄附文化の醸成,文化芸術資源の活用を促進するためのインセンティブが働く手法の検討というものを書き込みしております。
 それから,そのページの一番右下のところ,国立の美術館,博物館,劇場の関連のところで,評価の進め方に関して,検討を深める中でということで,今回また後ほどご報告がございますけれども,論点整理が出ておりますので,それも踏まえての検討をさらに深めるという意味合いを込めております。
 それから,次のページは資料2の修正に伴う修正を加えた部分の赤字がございます。
 それから,3ページは特に修正はありませんで,最後の4ページ,重点戦略6の部分に関しましては,これも先ほどご紹介しました資料2の本文の修正に対応する戦略目標の立て方についての表現ぶりの修正を加えているところでございます。これが資料4でございます。
 それから,資料5でございます。これは工程表(およその見通し)ということでございますけれども,これについても重点的に取り組む施策の修正に対応する形で事務的に工程表(およその見通し)の可能な範囲での書き込みを追記した部分でございます。例の日本版アーツカウンシルに関連する部分に関して,矢印を伸ばしまして,審査,事後評価,調査研究等に係る新たな仕組みの導入,それからその後ろのほうで試行的な取り組みの成果と課題を検証する,そういった検証結果を踏まえて本格的導入を図っていくということを少し段階的に具体化を進めていくイメージが沸くように書き込みをしております。
 それから,次のページでございます。
 これは重点戦略2の人材に関するところで,具体的施策として博物館の管理・運営に関する研修というものを書き込みしまして,これはやはり引き続きの課題だろうということで矢印を最後の年度まで引っ張って記載をしております。
 それから次のページ,重点戦略4ですけれども,これについても同様に具体的な施策をなるべく紹介する形で書こうということで,1には歴史文化基本構想の普及促進事業の事業名を追記しました点と,それから,文化財の登録の推進ということも大事なものだということで,それも追記をしております。
 それから,そのページの下のところ,地域振興,観光・産業振興等への活用のところですが,2つ目のダイヤ印のアーティスト・イン・レジデンス等の関連ですけれども,ここについてもアーティスト・イン・レジデンス等の国際文化交流の取り組みを支援するということに加えて,後ろのほうで施策の検証と,検証を踏まえた事業の改善というものを追記しております。
 それから最後のページ,重点戦略6でございますけれども,これらについても大体同様ですけれども,それぞれ施策の検証と,検証を踏まえた事業の改善というものをそれぞれ追記していく形で,今後の事業改善を図っていくというニュアンスを出していくという形で修正を加えております。
 戦略目標,評価の進め方・指標,それから工程表(およその見通し)に関しては以上でございます。これについてもあわせてご審議いただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。

【宮田部会長】ありがとうございました。特に工程表でございますが,およその見通しでございます。前回の部会の後に引き続いて事務局において,可能な範囲で具体的内容を加えたということでございます。先生方のご提案をいただいて,これをより充実したものにしていきたいというふうに思っておりますが,いかがでしょうか。先ほどの本文も含めてで結構でございますので,少しご議論いただければというふうに思っております。

【小田委員】ちょうど資料2の12ページですね。3つ目のところで文化財等の保存及び活用と。文化財保護のすそ野拡大を図ると,これはもうこれで全く異論はないところです。そのすそ野拡大を図るために私の思いを少し申し上げますと,例えばこの東京でもきょうは半日あれば西洋美術館へ行きましょうと。1日あればどこどこへ回りましょうと,こういうことであろうというふうに思います。そういうところからいきますと,私はそれぞれの文化財のネットワークを図ると,こういうことが一番重要な視点ではないかというふうに思っています。
 ということは,文化財の活用を図っていくと。これではすそ野拡大を図るということになっています。全く異論ないんですが,そういうことが求められるかなというふうに思っています。皆さん方も一緒だと思います。では,しからばどこどこの地方へ行きましょう,どこどこへ行きましょうと。単発では絶対に制約。だから,それを少し文化財のネットワークを図ることによって,いかに展開をしていくかというところが私としては一番重要な視点ではないかというふうに思っています。我々地方からすれば,あくまでも東京一極集中と,格差がございます。単発ではなかなかいいものがあったとしても,それに終わってしまう。それをネットワークを図る,そしてそれぞれの地方がそれなりに発信をしていくということが一番重要ではないかなと私は思っていますので,このとおりで私はいいんですけれども,私の思いとしてはそのネットワークを図りながら発信をしていくということを少し思いとして申し上げておきたいというふうに思います。

【宮田部会長】12ページのところですね。それはもうぜひぜひ,地方の声というのは切実な声でございますので,大切にしたいと。それから,田村先生があれだけこだわったというのは,やっぱり背負っているというのがあるからでしょうから,その思いというのを反映するというのは大事なことではないでしょうかね。ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか,先生方。
 はい,高荻先生,どうぞ。

【高萩委員】先ほどの法的整備のところです。工程表の劇場,音楽堂のそのところかどうかわかりませんけれども,法的整備のところで23年度に検討会が開催されるということで後半が抜けているのかと思うんですけれども,工程表なので,できれば法的基盤の整備について具体的検討があって,法案の基本的骨格の整備とか何かもうちょっと工程になっていかないかなという期待があるんですけれども,これは書き込めないものですか。

【宮田部会長】どう。

【山﨑芸術文化課長】法案に関しては,法律をつくっていわゆる政府提出の閣法でいくのか,あるいは議員が提案する議員立法でいくのかといった問題もありますし,また,法案の作成,それから提出になると国会との絡みもございますので,なかなか行政府のほうで余り踏み込んだ書きぶりがちょっとしづらいのかなという感じは持っております。

【宮田部会長】もうちょっと元気ないい言葉はないの。

【高萩委員】予定とか何かつけるでも良いですから。1行しか書いていないので,心配です。24年,25年,26,27に何もないというよりは,何か書ける範囲のことでちょっと進化しているみたいな,進展しているという感じをにじませていただければと思います。

【宮田部会長】はい。いや,あなたのかわりに僕が返事したんだけれども。少しにじませてください。というよりも書いてください。
 ほかには。後藤先生,どうぞ。

【後藤委員】何か私,飲み込みが悪くてすみません。同じことを質問するかもしれないですけれども,重点戦略の工程表のところを見ると,重点戦略1のところで地域の核となるというふうに施策があって,その右側の工程表には劇場,音楽堂からの創造・発信の支援というふうになっているので,これは地域の核となる文化芸術拠点というのはイコール劇場,音楽堂ということになるんでしょうかということと,それから,その下のところ,劇場,音楽堂などが優れた云々とあって,法的基盤の整備について具体的検討ということは,この劇場,音楽堂についてのみ法的基盤の整備について具体的検討という理解でいいでしょうかという質問です。

【宮田部会長】これはこの新しいできますよね,検討会が。それとの絡みで書かれているのかな。

【後藤委員】ちなみに戦略目標のほうも同じ書き方ですね。地域の核となるというものの右側は劇場,音楽堂を指すと。それから,劇場,音楽堂について法的基盤ということになっているので,それ以外については法的基盤は全く研究されていないと。だから,さっき田村委員がご心配されたことがそのまま表現されていると思うんですけれども。

【宮田部会長 そのままつながってきているからね,これは。
 ごめんなさい,どうぞ。失礼しました。

【小松文化部長】前回まではこの地域の核となる文化芸術拠点において発信されるよう,その活性の支援を充実するというのと,法的基盤の整備について具体的な検討を進めるというのが1つになっていたんですね。それを文化芸術拠点というのは劇場,音楽堂で舞台芸術をやる施設以外にも美術館,博物館などのような別のジャンルの拠点もあるのでというご意見もあって分けたというふうに私は認識しています。ただ,最後の姿だけ見ると,後藤先生おっしゃるようによくわからないので,これ先ほどどなたかがおっしゃった劇場,音楽堂を2つに分けるという意味では全くなくて,劇場,音楽堂以外の文化芸術拠点においてもいろんな活動が行われるように支援するという意味ですので,本来であればいろんなジャンルに対する支援があるというのが望ましい姿だと思っていますが,たまたまちょっと今のところ具体的な施策がないので,このような形になっているんです
。  それで,先ほど高萩委員がおっしゃった部分につきましては,山﨑がお答えしましたように,法律を出すことについてはやはりかなり政務的なものもありまして,文部科学省全体でもその年に何の法律を出すかというほかの分野もありますので,文化庁だけでなかなかものが言えない点がございます。ただ,ここはちょっと中身が薄いですので,意見聴取だけではなくて制度的なあり方についてとか検討内容についてもう少しきちんと書くようにいたしたいと思います。

【宮田部会長】ありがとうございました。高荻先生,いいですね。
 では,里中先生,どうぞ。

【里中委員】すごく単純に考えると,この工程表も評価の進め方・指標もその劇場,音楽堂,すみません,整理します。地域の核となる文化芸術拠点というふうに取り組むべき施策のところで書かれている右の行は,全部この劇場,音楽堂という言葉を地域の文化芸術拠点に置きかえると,単純過ぎるんでしょうか。すごくすっきりするような気がするんですけれども。その下の段には新しく劇場,音楽堂等優れた文化芸術と,この赤ダイヤですね。この右はずっと劇場,音楽堂等でいいと思うんですけれども,その上の段ですね。要するにどちらも上から3行目のコマ3つですが。だから,地域の核となる文化芸術拠点でスタートした欄は右の欄にいっても,右端の欄にいっても地域の核となる文化芸術拠点からの創造・発信への支援とかそういうふうにやっておくと。

【宮田部会長】グラフィック的に文字を見ないで,グラフィックで見ると,劇場,音楽堂というのが赤だとすると,右側に赤を書いたら左にも赤を書かないとね。地域というのがこれが青だったら,やっぱりそれの青の文字を左右同じに書かないと一抹になっているからおかしくなっているので,青の欄,赤の欄というふうにしてください。その欄が乱れている欄になっているから,そういうふうに考えてください。里中先生,ありがとうございます。そういうほうが今後の工程表としては見やすく動けると思います。
 浜野先生,どうぞ。

【浜野委員】寄附文化の醸成のところですが,こういうふうに言葉だけ抜き出すと,寄附文化の醸成の検討とも読めなくもない。これは目的のための手法の検討なんですけれども,文化行政の文化庁が寄附文化課でもつくって文化行政をやるのかとも読めなくもない。文化という言葉が多過ぎるし,誤解を避けるためにも,違う言葉にしたほうが安全ではないかと思います。

【宮田部会長】寄附文化という言葉が余りまだ定着していないんですかね。アメリカなんかはもう当然のように動いているわけでございます。これは左右が同じだな,寄附文化。ちょっと考えましょう。
 はい,どうぞ。

【高萩委員】今のに関連してですけれども,今の税制のあれが出ましたよね,答申が。その中でNPOに対しての寄附税制が出ていたんですけれども,文科系の公益法人とかそのあたりについてはちょっとあいまいだったんですけれども,そこら辺は文化芸術の文化庁としては,あの税制の改革に関して,何かするというような,この重点戦略を踏まえて何かということは具体的には動かれていないんですか。今のところNPOに関してだけですよね。

【大木政策課長】公益社団法人。

【宮田部会長】どうぞ。

【大木政策課長】とりあえず寄附文化の醸成ということに引っかけて,今いろんなツールはあるでしょうけれども,一番大きかったのは,実はもうある程度来年度に向けての税制改正の方向性は出ていますけれども,税額控除の話が今,高荻先生もおっしゃられるような点について一つ打ち出されているというところが大きいと思います。では,その先,寄附文化の醸成というものをあれだけの大がかりな制度でもって何かうちのほうで要望していくかという弾が次にあるかといえば,もうあれは一つ済んでいる話かなと。あと,寄附をいろんな意味で個別の,例えば国立の文化施設なんかでもって寄附を募っていく具体的なやり方,これのまだ取り組みがまだ十分じゃないんじゃないかというようなご指摘はアメリカの美術館,博物館なんかと比べてもいろいろあるでしょうから,そういう点というのは細かな点ではあるにしても,大所は一つ山を越えているという感じかなと思っております。

【宮田部会長】大木さん,逆に僕ちょっと質問なんですけれども,寄附文化という言葉はくどいようだけれども,寄附税制の文化醸成とか,何か文化って寄附だけかよみたいにまたなってくるのもいかがなもんなんだけれども,これも相当根づいている言葉ですか,逆に言うと。文化庁側としては。

【大木政策課長】余り抵抗なく,すみません,使っていて,各省協議に出してもどこからも文句がなく,すっすっと行っちゃっているというのが率直なところなんですけれども。
 すみません,2次方針で出していました。

【宮田部会長】そうか,そうか。出していた。浜野先生,出していました。
 ほかに。増田先生,どうぞ。

【増田委員】工程表の1ページの一番下,国立の美術館,博物館の機能充実の工程が23年度,24年度まで仕組みを検討,整備するということが書かれているんですけれども,こういうことをするので,この項の2つ目ですか,諸外国のアーツカウンシルに相当する新たな仕組みの導入のための専門家による審査,事後評価,調査結果機能を大幅に強化する,こういうところなので,これとのいわばアーツカウンシルに相当することをこの中に何か入れると転換が出てきていいのではないかなというふうに思うんですけれども,試行的な取り組み開始の中の対象に国立の美術館,博物館などの充実というのを何か24年度か25年度のところに入れたらいかがかなという感じがしますけれども。

【宮田部会長】載せていくということですね。なるほど。どうですか。
 どうぞ。

【大木政策課長】実は上のほうのアーツカウンシルに相当するものにつきましては,文化庁が直轄で行っていた助成事業,これを要は評価の仕組み,配分の仕組みをきちっとしなきゃいかんということで,根っこは文化庁にあるんですけれども,そのお金を日本芸術文化振興会に間接補助をしていただくためのお金のかたまりとしてお渡しして,それにくっつける形でアーツカウンシル的なものを試行的に整備していくというのが,これが上から2番目のものの趣旨でございます。
 それに対して,国立美術館,博物館,それから劇場の機能云々というのは,多分この後議題の中で取り上げられるかと思いますけれども,今国立の文化施設につきまして,これは国の助成制度とは全然別に独立行政法人という枠組みでもって今,各省たくさん持っているものの一貫として文化関係の独立行政法人も一律に運用をされております。それが非常に国立の施設の場合に,基本的にお客様に見ていただいて,それである程度のお金もいただきながら,言葉はよくないですけれども,日銭が稼げるというふうに言ってしまっていいのかどうかわかりませんけれども,ある程度営業努力が報われると。しかしながら,営業努力だけですと,ただ単に入れればいいということで混雑しちゃいけませんので,それもおのずと限界があると。そういう一つ典型的な性格を持っている国立の美術館,博物館,劇場について一つ独立行政法人一般の枠組みじゃなくて,ちょっと違った枠組みでくくって,そういう文化関係の独立行政法人の特色を十二分に発揮して,自分のところの活動を独立行政法人が充実できるようにしたらいいんじゃないかという観点から,これは将来的には国の独立行政法人全体が新しい仕組み,制度をどういうふうに考えるかという検討が追々なされていきます。その前段階と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども,それと平行して今,福原先生にお願いして国立の文化関係の独立行政法人について何か一くくりの制度にできないだろうかと,こういう検討をしておるところでございまして,それを念頭に書いていると。上は文化庁の直轄助成金,下は独法の話というふうにちょっと一応区分してやっているつもりでございます

【増田委員】それに関連して思い出したんですけれども,アーツカウンシルのいい日本語がないかなんていう話がありましたけれども,芸術文化評議会とか芸術文化委員会とか,何か決まったんでしたか。ある程度案が定まってきたんですか。

【宮田部会長】それはこの前の前の先生のお話ですが,この前のときにはそれを踏まえた上で先ほどお話ししたような雰囲気で,とりあえずは今回いこうということにしました。今,福原先生のお話が出たので,ちょっともう一つ進めさせてもらいたいんですが,国立文化施設等に関する検討会ということで,論点整理についてご報告をいただきたいと思うんですけれども……。
 どうぞ。

【吉本委員】すみません,今,横書きのペーパーになって赤く出てきたのがちょっと気になったんですけれども,資料2の中にクール・ジャパンというのが2回出てきていて,これは恐らく経産省とのやり取りの中で出てきたんじゃないかと私は勝手に推測しているんですけれども,それで,2回出てきている最初のページが3ページ目の下に新成長戦略に位置づけられたクール・ジャパンと,これは事実なのでこれでいいと思います。後ろのほうにもう一カ所8ページの重点戦略6の中に出てくるんですけれども,これはクール・ジャパンは雰囲気ではわかるんですが,グロスナショナルクールという論文が発表されたのはもう何か10年ぐらい前で,いまさらそれを政策の名前にしている経産省もどうかと思うんですけれども,これ普通の人が読むと,クール・ジャパンは何かわからないと思うんですね。
 ですから,例えば2つ目の,8ページ目のところは「伝統文化から」というので始まっていますので,その際,あわせて我が国の強みである漫画,アニメ,コンピュータゲーム等々と,具体的にここは書いたほうがクール・ジャパンがどういうものかというのがわかるんじゃないかと思いましたので,発言させてもらいました。

【宮田部会長】たまたま私,コンテンツブランド委員会,経産省と,それから内閣府のブランドの何だっけかな,もうあっちゃこっちゃの会議に出ているものだからわけわからなくなっちゃっているんだけれども,その両方に出ていたときに,やはりクール・ジャパンということに対して大変議論が深くなされておりました。一応明快な部分もありましたけれども,やっぱり混沌としているところがある。新しい部分ですので,混沌としているところはあると思うんですが,やはりあれ自身も文化だということのくくりでいくならば,今の吉本先生のように,のっけの部分は僕はいいと思うんですが,後半はちょっと考えなきゃいけないかなと。それは後藤委員からもクール・ジャパンという言葉はどうであるかということはこの前の前のときのお話でご発言がございましたので,今のようなくらいでまとめていきたいなと。
 そこを抹殺すると,これおかしなことになるので,載せておくというのは,僕としてはいいと思うんですけれども,載せ方の問題ですね。ありがとうございます
。  ちょっと進めさせてください。そんなことでございまして,きょうは福原参与,わざわざおいでいただきまして,ありがとうございます。ぜひ大変9月以降の短期間で精力的にご検討を重ねて,先週ですか,つい数日前ですけれども,論点整理を取りまとめていただきました。ぜひご報告をいただきまして,ちょっとそのことに対しても先生方からも何かお話をいただけたらと,かように思っております。福原先生,よろしくお願いいたします。

【福原文部科学省参与】大してもう時間がありませんので,簡単にご説明します。
 今お話のようなことで,現在国立文化施設というのは4つあるわけですが,それはいろんなところで縛りが多くて,このままでは文化が崩壊するという皆さん危機感を持っているわけです。一方で,独立行政法人というものの再検討という話もありますし,早いところ文化関係のものをきちんとしたほうがいいんじゃないかということで,9月にこの検討会をスタートしたわけです。本来,大体五,六回で終わる予定だったんですが,大変いい顔ぶれを集めていただいたので,それからまた,私の整理が余りうまくなかったところもあって,もう議論が沸騰してしまいまして収拾がつかなくなって,結局7回延長してやったわけで,それを論点整理ということでまとめました。皆さんの論点はいかなることがあったか。論点というのは実にたくさんの論点がありまして,これを全部盛り込むと大変なことになってしまうわけで,それをかなり取捨して,資料7の論点整理という11ページにわたる報告をつくったわけです。
 そうしましたら,そのうちにこの11ページもあるものを出しちゃってもだれも読まないということになって,では要約版をつくろうというのが最後につけましたページナンバーはないんですが,国立文化施設等に関する検討会の論点整理の概要という概要版がございます。概要版をつくって,これでいいかと思ったら,これでもまだパンチがないと。一言で書かなければいけないという議論がありまして,表紙のように副題として「国の顔」である国立文化施設等の危機的状況を打破するために,もう少し読ませていただきますと,今度は囲みのところがありまして,国立文化施設等は,予算・人員の一律削減により,使命達成や「国の顔」としての機能が損なわれつつあり,存立基盤は危機的状況にある。この状況を打破するために,新たな法人制度の創設も視野に入れて,国立文化施設等の今後の望ましい運営の在り方(見直しの方向)を提言するんだということをキャッチフレーズに書いてあります。
 先ほどの概要というところを読んでいただきますと,まず,検討中の独立行政法人というのは国立美術館,国立文化財機構,日本芸術文化振興会と国立科学博物館の4組織であります。経緯というのは,独法指定から間もなく10年になろうとするんですが,大変困難な状況になってきちゃったということで,また,事業仕分けでは美術品収集は事業規模を拡充して適切な制度のあり方を検討して,国の負担はふやさないと,こういう何だかわからないような結論が出ているわけです。
 私たちの基本認識としては,この4組織の代表者も委員ではないんですが,参画しておられますので,いろんな意見がありまして,基本認識はまず全独法横並びの予算・人員の一律削減でどうしようもないんだと。これはそもそも文化芸術振興基本法の理念と相反することではないか。それからもう一つ,なぜ独法の通則法と違うかということのために基本的な特性,つまりこの4組織のほかの組織とは違うというところを幾つか述べてあります。最初から独法じゃない別の法人を提言するということも検討したわけなんですが,我々の考えとしては,まず今の独法というのはいいところもあったわけで,その中でどうしても今の独法では解決できない大きな問題点がある。では,独法の中でこれを解決できるような方法はないかということを検討していただいて,結局それが無理だったら新しい法人組織にするということも多分考えられるだろうということで,この論点整理はそこまでで終わっているわけです
。  見直しの方向というのは,大体5つの点がありまして,1つは法人の目標設定及び評価であります。特に評価疲れとか評価にかかわる作業が恐ろしく大変だとか,あるいは評価をそれほど細かくしても,何も使えないんじゃないか。つまり評価が出てくるときにはもう翌年の計画は予算も含めて出ていると。それではPDCAにならないじゃないか。もっと機動的に,そして実際プラクティカルな評価をしていただくべきだということです。  それから,要点2は法人の予算措置と財源確保でありまして,法人が外部資金を獲得したよというのは,それはわかるんだけれども,自己収入をふやしちゃってインセンティブがないじゃないか。それから,そもそも国の責務として相応の予算措置が必要な施設ではないか。それから,先ほど申しましたように,一般管理費,業務経費,人件費の全独法一律削減の対象と,これ削減から除外していただく。そうしませんと,これらの仕事というのは,では安い給料の人でできるかというとそうはいかないので,やはり多年の経験というのも必要だし,それをどんどん減らされておったら,10年たてばどうしようもないんじゃないかということであります。
 それから,要点3は収蔵品を充実しなければならない。そうすると,それには美術作品購入費も充実しなければならないし,あるいはこれの国による直接購入だとか法人への無償譲渡だとか長期貸与を積極的にしなきゃいけないんじゃないか。それから,法人の努力による増収分の機動的購入等に充てられるように,目的積立金の承認制度を見直す。今は目的積立金というのはありますけれども,ほとんどこれは活用することができないわけです。それから,運営交付金ですとか目的積立金の一定割合を年度を超えても,目標期間を超えても保持できるような基金制度があるべきじゃないか。
 4番目は法人のガバナンスであります。独立法人と言いながら何も決められない。それは国の指導等,厳しく縛りがきいていて,ある程度以上できない。そこで,法人の長のリーダーシップだとか裁量権の一層の拡大が必要である。文化というのは自主性尊重というのは問われますので,自主性尊重のための国の関与は抑制的でなければいけないということであります。
 それから5番目に,組織体制,人員配置,今のような状況ですと人員がどんどん減っちゃうばかりか,あるいは人員をどんどん未経験の人に取りかえるというようなことが起きるので,それではこの博物館,美術館あるいは文化財機構等はもたない。そこで,組織体制を強化して法人内の専門官と事務官と双方の人材確保が必要である上に,今のままではとても育成なんてできないので,これを育成しなければならないんじゃないかというようなことを言っているわけです。
 留意すべき事項として寄附税制の充実とあるんですが,これは先ほど寄附文化は寄附税制だけじゃないとおっしゃいましたが,この辺では寄附税制の充実を含めて寄附という慣行を何とか奨励しようじゃないかというようなことを言っているわけです。先ほどアーツカウンシルの話も出ましたが,アーツカウンシルについては議論の途中でお話に出ましたけれども,直接この今の論点整理の中にはかかわるところが少ないので,論点整理の中ではアーツカウンシルについては触れておりません。というようなことでございまして,差し上げてすぐに読めというのもあれなんですが,何かご意見があれば承りたいと思います。

【宮田部会長】ありがとうございました。先生,大変精力的な7回の。きょう発表ということに一応,そうですね。

【福原文部科学省参与】滝波さん,ちょっと説明していただけますか。きょう報道発表です。

【滝波企画調整官】福原参与おっしゃるとおり,この政策部会の開始と同時に報道のほうに発表しております。

【宮田部会長】ありがとうございます。私どもの大学法人もその後,後発でなり,今6年1期が終わり,第2期に入っているわけでございますが,特にこの見直しの方向,これはまさしくそのまま大学法人においてもお願いしたいということですね。いわゆる法人が法人になり得ていないという部分ですね。そこが一番大きなものかなと。苦労しています。ありがとうございました。
 いきなりですが,ちょっとすぐというわけにはいかないかもしれませんが,ぜひ何か大所高所からのご意見等がございましたらばお願いしたいと思っておりますが。  目的積立金の使い方というのはもう少し,努力してもそれが努力にならないというつらさがあると思うんですね。
 ありがとうございます。

【福原文部科学省参与】いずれにしても,現場は大変苦しいところにありますので,このような提案をさせていただきます。

【宮田部会長】ちょうど10年でございますので,やはりここで抜本的な見直しという意味での提言としてはいいタイミングではないかと。

【福原文部科学省参与】それから,ちょっとつけ加えさせていただいて,独法になってよかったということが書いてありますが,これについてはいろいろご意見があると思いますが,独立組織になることで親方日の丸といいますか,どんぶり勘定から若干体質は独立的になってきたということはあるんです。これは私の立場から言うと,一つの美術館,博物館であるのにその会計組織だとかそういうものがはっきりしていない,外から見えないような形になっていたというそのことが悪いので,独法になってよかったというのはそのことをきちんとしていただいたことなので,当たり前に戻ったんじゃないかというのが私個人の意見なんですが,そのことを書くとこれ,論点整理になりませんので,ここでは省いてございます。

【宮田部会長】ありがとうございます。私の持っていき方がちょっと悪いもので,5分ばかり延長しているのであれですけれども,ございましたら,いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ぜひまたお話し,気になることがございましたら,それ以外のことも含めましてぜひ事務局のほうにお話しいただきたいと思いますが,さらに事務局のほうできょうのお話を大事にして,整理をしていきたいというふうに思っております。  次回の部会,答申(案)として審議の上,本部会として重ねて取りまとめたいと考えております。委員の皆さんにおかれましては,ぜひともお気づきの点等がございましたら,事務局あてにお寄せいただきたいというふうに思っております。
 今後の日程を事務局からお知らせいただいて,ちょっと私,報告がその後にございますので。

【滝波企画調整官】ありがとうございました。次回ですけれども,資料6にございますとおり,年を明けまして1月17日の(月),15:30から17:30,場所はこの3F1会議室のほうでいよいよ答申(案)審議ということで予定をしてございます。なお,本日のご審議も踏まえて17日,次回行いますけれども,うまく運びができれば,ここに書いてある予備日は何とか使わなくても済むようなことにしていきたいなというふうに思っております。これの開催があるかどうかについては,近いうちにご連絡を差し上げたいというふうに思っております。
 以上でございます。

【宮田部会長】この福原先生のところの論点整理ののっけにも,私もちょっとあのときに最後に発言させてもらったんですが,短く訴えの強いものというお話で,国の顔であるというなかなか素敵な文章がありますが,私どももやっぱり一つ何か考えて,凛とした国日本ということをもう一つあえて問いたいというふうに思っております
。  先生方,ありがとうございました。実はここにもう一個おめでたい,もう一個おめでたいというのも変な話だな。大変おめでたいことがございますので,部会長から発表させていただきたいんですが,平成22年度の文化庁長官表彰の表彰者の決定がございまして,先生方はきょうの発言でも大変冴えて発言なさっていた方がいらっしゃったので,その方が表彰されるというのはまことに……(拍手)なんとうまくできているかと。おめでとうございます。
 やっとこぎつけました,最後まで。これはこぎつけたというのは,時間がこぎつけただけでございまして,ぜひぜひいい答申に持っていきたいと思いますので,またよろしくご検討のほどお願い申し上げます。
 それでは,本日はこれにて失礼させていただきます。ありがとうございました。

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