第166回(平成25年7月17日)宗教法人審議会議事録

  • ○ 日時 平成25年7月17日(水) 11:00〜
  • ○ 場所 文化庁5階特別会議室
  • ○ 議題
    1. 開会
    2. 議題
      1. (1)会長の選出について
      2. (2)宗教法人審議会の所掌事務等について
      3. (3)最近の宗務行政について
    3. 閉会
  • ○ 出席者
    【委員】
    新井委員 石井委員 石倉委員 打田委員 巫部委員 北澤委員 櫻井委員
    佐藤委員 末廣委員 関﨑委員 銭谷委員 原田委員 保積委員 矢吹委員
    山岸委員 渡辺委員
    【文化庁】
    青柳文化庁長官 河村文化庁次長 川端文化部長 萬谷宗務課長 堀宗教法人室長
    三村分析官 その他関係者

1.開会

○宗務課長
 失礼いたします。それでは,まだ定刻前でございますけれども,皆様おそろいでございますので,ただいまから第166回宗教法人審議会を開会させていただきます。本日はお暑い中,まことにありがとうございます。
 第31期の審議会になりまして,今回が初めての会合でございますので,会長が空席となっております。したがいまして,後ほど会長を選出していただくまでの間,私,宗務課長の萬谷が便宜上,進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは,初めに開会に当たりまして,青柳長官から一言御挨拶をお願いいたします。
○文化庁長官
 第166回宗教法人審議会の開催に当たりまして,一言御挨拶申し上げます。
 委員の先生方におかれましては,第31期宗教法人審議会委員に御就任いただき,また,本日はお忙しい中,御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 この宗教法人審議会は,御案内のとおり,文部科学大臣の諮問機関として,宗教法人法に定められた事項を審議するとともに,所轄庁が権限を行使するに際し,留意すべき事項に関し,意見を述べることを任務としております。これは,宗教行政の実施に当たり,宗教法人の特性等を考慮し,憲法に定める信教の自由の保障を担保する観点から設けられているものであり,宗教法人法の柱の1つをなす大変重要な役割を担うものです。
 今日,社会の変化や価値観の多様化が進む中で,宗教に寄せられている国民の関心や期待も高まっていると考えられます。また,2年前の東日本大震災により多くの人々が罹災された中,心の平穏のよりどころとして,宗教に寄せられる国民の関心と期待は一段と高まっているのではないかと思います。
 このような状況の中,文化庁では,委員の先生方のそれぞれのお立場からの貴重な御意見,御助言を賜りまして,宗教法人制度や宗教行政の適正かつ公正な運営・実施を期してまいりたいと考えておりますので,よろしく御指導くださるようお願い申し上げます。
 本日は第31期の最初の会議でありますので,まず,会長の御選出をお願いし,宗教法人審議会の所掌事務等について事務局から説明させていただいた後,宗務行政の現状等につきまして事務局から御報告させていただきたいと考えておりますので,よろしくお願いします。
 以上,簡単ではございますが,開催の挨拶とさせていただきます。
○宗務課長
 続きまして,本日,第31期審議会の初会合でございますので,委員の先生方を御紹介させていただきます。お手元の資料1としまして,委員名簿をおつけしておりますけれども,この順に沿いまして,御出席の委員の先生方を御紹介させていただきます。
 (順次,委員を紹介)
○宗務課長
 次に,本日の配付資料を確認させていただきます。お手元の議事次第の裏側に本日の配付資料の一覧が掲載してございます。そこに記載いたしましたとおり,本日,資料1から資料7まで7種類の資料を配付させていただいております。過不足等ございましたら,お申し出いただければと存じます。
 続きまして,定足数の確認をいたします。宗教法人審議会規則第6条によりまして,「総委員の5分の3以上の出席がなければ,議事を開き議決することができない」とされております。本日,20名の委員のうち,出席16名ということで,定足数を充足していることを確認いたします。

2.議事


議題(1)会長の選出について

○宗務課長
 続きまして,議事に入らせていただきます。初めに,宗教法人審議会会長の選出を行いたいと存じます。宗教法人法第74条第2項によりまして,「会長は,委員が互選した者について,文部科学大臣が任命する」とございますので,互選をお願いしたいと存じます。互選の方法は,これまでの例から申しますと,学識経験者の委員の方の中から推薦で選出されております。どなたか推薦をいただければと存じます。
 
 従来,学識経験者の委員から選出されているということを踏まえますと,当審議会の委員として御経験をお持ちであり,さらに幅広い研究活動をされておられます,中央大学法学部教授の新井誠委員にお願いしてはいかがかと思います。
○宗務課長
 ありがとうございました。ただいま,新井委員に会長をお願いしてはどうかということでございましたけれども,いかがでしょうか。
 (「異議なし」の声あり)
○宗務課長
 ありがとうございます。それでは,新井委員に会長をお願いしたいと存じます。それでは,新井委員におかれましては,恐縮でございますが,席をお移りいただきまして,以後の進行は会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いします。
 (新井委員,会長席へ移動)
○新井会長
 ただいま会長に御推挙いただきました新井でございます。
 今後とも,皆様の御協力をいただいて,会長の職責を全うしたいと思いますので,是非よろしくお願いいたします。
 改めて申すまでもありませんけれども,宗教法人審議会は,文部科学大臣の諮問機関として,宗務行政の適正を期すために設けられております。私の会長としての職責をいかんなく遂行したいと思いますので,委員の皆様の格別な御協力,よろしくお願いしたいと思います。

議題(2)宗教法人審議会の所掌事務等について

○新井会長
 さて,それでは議事を進めたいと思います。議題2に移りたいと思います。本日は第31期宗教法人審議会の初会合でありまして,新任の委員の方もいらっしゃいますので,最初に,宗教法人審議会の所掌事務等について事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○宗務課長
 それでは,資料2をお願いいたします。「宗教法人審議会に関する法令・所掌事務について」というペーパーでございます。
 まず,1ページを御覧いただければと思いますけれども,宗教法人法のうち,審議会に関する規定を抜粋してございます。そこにございますように,第71条2項という規定がございまして,「宗教法人審議会は,この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する」という規定が設けられております。
 また,第3項におきましては,「宗教法人審議会は,所轄庁」,この場合,国では文部科学大臣でございますし,都道府県では都道府県知事ということでございますが,「所轄庁がこの法律の規定による権限を行使するに際し留意すべき事項に関し,文部科学大臣に意見を述べることができる」という規定がございます。
 また,第4項といたしましては,「宗教団体における信仰,規律,慣習等宗教上の事項について,いかなる形においても調停し,又は干渉してはならない」という規定が設けられているところでございます。
 また,第72条には委員の人数等に関する規定がございますし,第73条には委員の任期に関する規定がございます。また,第74条には,先ほど若干申したとおり,会長の選出等に関する規定が設けられてございます。
 また,その裏側でございますけれども,宗教法人審議会の規則を記載してございます。主な規定を若干申し上げますと,第2条としまして,「会議は会長が招集する」という規定がございます。また,第6条でございますが,「総委員の5分の3以上の出席がなければ,議事を開き議決することができない」という先ほどの規定がございます。また,第7条でございますけれども,「会議の議事は,出席委員の過半数で決し,可否同数のときは,議長の決するところによる」という規定が設けられております。また,第12条でございますが,「会長は,必要があると認めたときは,委員のうちから若干人を指名し,特別な事項を調査審議させることができる」という規定がございまして,この規定によりまして,必要に応じて会長が小委員会を設置して,個別の案件について審議等ができるということでございます。
 続きまして,3ページでございますけれども,審議会の具体の事務をそこに記載しております。先ほど宗教法人法で,審議会がその権限に属させられた事項を処理するという規定がございましたけれども,具体的な内容をここにまとめたものでございます。
 大きく6つございまして,1つ目としては,所轄庁たる文部科学大臣が規則等の不認証の決定をするときには審議会の意見を聞かなければならないということでございます。また,2つ目として,所轄庁が報告徴収や質問をするとき,3つ目としては,所轄庁が公益事業以外の事業の停止命令をするとき,4つ目としては,所轄庁が規則等の認証の取消しをしようとするとき,5つ目としては,不服申立てに対して文部科学大臣が却下以外の採決又は決定をするとき,最後に6つ目といたしまして,収支計算書の作成を免除する基準となる収入額を定めるとき,以上6つにつきましては,宗教法人法におきまして,宗教法人審議会の意見を聞かなければならないという規定が設けられているところでございます。
 4ページは,今申し上げたようなことを簡略な図にしたものでございます。
 続きまして,5ページでございますが,宗教法人審議会の議事運営についての申合せでございます。主なところを若干申し上げますと,最初の第1項におきまして,この審議会の議事録は,行政処分及び不服審査に係る審議を除き,原則として公開することとするとされております。
 また,第2項としましては,その行政処分及び不服審査に係る審議については,原則として議事要旨を公開するとされております。
 また,第3項でございますが,会議については,委員の自由闊達な討議を確保し,信教の自由に配慮してということで,今後も非公開とするという運営にされているところでございます。以下,議事録等についての規定が設けられているところでございます。
 最後,6ページでございますが,これは先ほど,必要に応じて小委員会を設置することがございますと申し上げましたけれども,その場合の運営方法について図にしたものでございます。一番下のほうに宗教法人法の規定が記載してございますけれども,第80条の2という規定がございまして,審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定は,申立てがあった日から4カ月以内にしなければならないとされております。したがいまして,このスケジュールの制約の範囲内で審議をお願いするということになりまして,審査請求,異議申立てがあった場合には,まず初めに,諮問と全体的な御説明をさせていただいた後,必要に応じて小委員会を設置いただきまして,そこで具体的な討議を行っていただくことになります。その後,小委員会の報告を経て,4カ月以内に答申をいただくということになっておりまして,ただ,軽微な案件については,小委員会を設置せずに審議会で諮問,答申になるというケースもございます。一応このような形で審議をしていただくということでございまして,宗教法人審議会につきましては,ほかの審議会と違いまして,基本的には個別の諮問案件が生じれば,その都度,審議をお願いするという形にすることが多いということになってございます。
 審議会の所掌事務等の概略についての説明は以上でございます。
○新井会長
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明について,何か御質問,御意見がありましたらお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
 1つよろしいですか。私,今年で第3期目になりますけれども,大石会長,それから井田会長のときにもそうしたようなお願いをしたことがありますが,小委員会というのが一番大きな決める場になっていると思いまして,それについては,小委員会で決まったことは,ほぼこの場で承認されるという経緯があったかと思います。
 したがいまして,この間からお願いしているのは,会長が学識経験者というのも異議がございませんし,最終的に決めるのは,法律家の知識ある方が決めるのがいいと思うのですけれども,それについての意見は,やはり宗教法人審議会ですから,宗教者のある程度のいろんな思いというものが反映された結果,学識経験者の方に決めていただくというのがいいと思います。
 したがいまして,小委員会の人数が,宗教者の方が1人じゃなくして,やっぱり2人か3人か複数入れていただいて,いろんな意見,考え方を聞いていただいて,その結果,決めていただくというのが私はいいように思うんですけれども,是非御検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 私も賛成ですね。そういう考え,メンバー編成から見ても,半分ぐらいが宗教法人関係ですかね。お二人ぐらいはこういう小委員会に入っていてもいいのかなと,そんな考えを私も思っておりました。
○新井会長
 今,お二人の委員からそういう意見が出ましたけれども,事務局としてはいかがでしょうか。小委員会の運営について,今のような御要望を入れるということは可能でしょうか。
○宗務課長
 今後また個別の案件が生じまして小委員会を設置するときに,今の御意見も含めてまた検討させていただきたいと思います。
○新井会長
 では,今の御意見は承ったということで,具体的に小委員会を設置する段階になりましたら,十分今の御意見の趣旨を受けとめた形で運営するようにしたいと思います。よろしいでしょうか。
 はい。
○新井会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 ちょっとよろしいですか。通常,小委員会は何人ぐらいになっているんですか。その案件にもよるんでしょうけども,通例はどうでしょうか。
○宗務課長
  だいたい六,七人ぐらいだと思います。
 わかりました。意外と多いんですね。
○新井会長
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは,御質問がないようですので,議題2については終了したいと思いますが,よろしいでしょうか。
 (「はい」の声あり)

議題(3)最近の宗務行政について

○新井会長
 ありがとうございます。それでは次に,議題3に移ります。最近の宗務行政について,事務局から報告がありますので,よろしくお願いします。
○宗務課長
 それでは,資料3から資料6まで一括して御説明させていただきます。
 まず,資料3でございます。「不活動宗教法人の現状等について」というタイトルでございますが,1ページ目の上側にございますように,全国宗教法人数,これは23年12月末現在の数字でございますが,国所轄が1,000余り,都道府県所轄が18万余りということで,合計で18万2,000程度となっております。
 内訳としては,御覧のとおり,神道系が8万5,000程度,仏教系が7万7,000程度等々となっております。
 国所轄の法人数については,年々,若干増えている傾向でございまして,ただ,全体としては,ここ数年は若干減っているという現状でございます。
 その一方で,下側の不活動宗教法人数でございますが,これは昨年12月末現在の数字が集計できましたけれども,その結果,数としては国所轄,都道府県知事所轄合わせて3,837でございます。
 過去との比較をしますと,次のページの下のほうに9年前の平成16年調査との比較がございますが,その時点と比べて,国,都道府県合計で約900程度は減っているということでございまして,都道府県において努力をしてこられたということ。また,私ども文化庁としても,その上に,これまでの取組をまとめておりますが,都道府県に対しては,会議の開催とか対策マニュアル・事例集の作成・配布ということを行ってまいりました。また,包括宗教法人に対しても,会議の開催,手引書の作成・配布に加えて,文書での協力依頼とかヒアリングの実施ということをやってまいったところでございます。
 また,2枚目の裏側でございますけれども,6として,主な包括宗教法人における取組ということもまとめております。包括宗教法人におかれても,この問題に対して独自にいろいろ取組をいただいておりまして,対策委員会を設置されたり,あるいはその実態について調査をされたり,手引を作成していらっしゃるところもあるということで,それぞれの法人で独自の取組をしていただいておりまして,そういったことも不活動宗教法人の数が全体的には減っているということにつながっていると考えております。
 ただ,まだまだ数としては3,800程度あるということで,こういった問題については,包括宗教法人や都道府県と連携しながら継続的に取組を進めていきたいと考えてございます。
 続きまして,資料4でございます。宗教法人の書類の提出状況ということでございます。
 書類の提出につきましては,平成7年の宗教法人法改正によりまして,毎年の会計年度が終了して4カ月以内に役員名簿とか財産目録等の書類を所轄庁に提出いただくということになったわけでございます。その実施状況ということでございますが,今回,平成23年中の提出期限分の数字がまとまりました。1枚目が国所轄についてでございますが,一番下の23年中提出期限分につきましては,提出率は95%ということで,前年と同じような数字でございます。
 一方,2枚目でございますが,都道府県知事所轄分がございまして,これも一番下が直近の数字でございますが,全体としては提出率が91.3%ということで,前年に比べれば2.6ポイントほど上がっておりますが,おおむね傾向としては横ばいということでございます。
 都道府県によりましても数字のばらつきはございまして,最終的には裁判所を通して過料という措置もあり得るわけでございますけれども,それに至る前に,例えば電話とか文書で督促をしたり,また,毎年宗教法人とか都道府県向けに研修会を行っておりますので,そういった研修会を通じて意識の向上を図ったりということで取り組んでおりまして,こちらも今後も継続的にやっていきたいと考えております。
 続きまして,資料5でございます。東日本大震災に係る指定寄附金の状況でございます。
 これも一昨年の東日本大震災で,宗教法人の施設含め,公益的な施設が大きな被害を受けたということで,その復旧のための指定寄附金の制度が設けられたところでございますが,その制度が宗教法人によって活用されている状況をまとめたものでございます。
 前回2月に御報告したときから1件増えておりまして,全体として計8件がこの制度を活用しているということでございます。ただ,御覧のとおり,まだ被災3県においての活用状況はございませんで,これには被害が大き過ぎて復旧の見通しが立ちにくい等々の理由が考えられますけれども,今のところ,それ以外の県の宗教法人がこうした制度を活用しているという状況でございます。
 この指定寄附金制度につきましては,一応期限が今年の12月末までということで設定されておりまして,ただ一方で,震災からの復旧については,まだまだ息の長い取組が必要でございますので,今後,こうした期限の延長に向けて,また関係省庁とも相談していきたいと考えているところでございます。
 続きまして,最後,資料6でございます。宗教法人の有する情報開示請求に係る異議申立て事案ということでございます。
 これも前回御説明させていただきましたけれども,平成21年から継続している案件でございます。改めて経過を申し上げますと,事の発端は,20の宗教法人から提出されている財産目録や収支計算書等について平成21年7月に開示請求があったわけですけれども,これに対して,当初,21年8月に文化庁として不開示の決定をしたところでございます。そうしたところ,請求者の方から異議申立てがございまして,それについて内閣府の情報公開・個人情報保護審査会への諮問・答申というプロセスを経まして,昨年7月に当初の不開示決定を取り消しまして,改めて存否応答拒否を主たる理由として不開示という決定を行ったところでございます。
 これに対して,またさらに異議申立てがございまして,2月に御説明したときには,まだ内閣府の審査会に諮問を行った段階でございましたが,今年の3月に答申がございました。答申の中身としましては,存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定は取り消すべきということでございまして,そうしたことも含めて,また再度文化庁でも検討いたしましたけれども,書類提出制度については,信教の自由を妨げることのないように慎重に取り扱う必要があるということ,また,文書の存否によって法人の規模等を推測できる可能性があること等々を勘案しまして,今年の5月でございますが,改めて存否を明らかにしないで開示を拒否することが適当だということで異議申立てを棄却いたしました。
 今年の5月に棄却の決定をしたわけでございますが,出訴期間が6カ月以内ということになっておりますが,今のところ訴訟が提起されているということにはなっておりません。
 説明は,以上でございます。
○新井会長
 ありがとうございました。
 ただいま事務局のほうから,最近の宗務行政について4点の報告がありました。1番目として,不活動宗教法人対策について,2番目として,宗教法人書類提出状況について,3番目として,指定寄附金について,4番目として,宗教法人に関する行政文書の開示請求に係る異議申立ての4点について報告がありました。これらについて,何か御質問,御意見がありましたらお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
 不活動宗教法人の取組の件でお尋ねいたします。
 不活動宗教法人の問題というのはゆゆしい問題だと思いますので,適切に処理されるということは重要なことだろうと思っております。私どももさまざまに考えておりまして,問題となるのは,ちょっと1点だけお尋ねしたい点はこの点です。関係者として,あるいは内部的に,あるいは主観的に不活動法人だということを認めるというか,考えるのは簡単なことなのですが,第三者として客観的に不活動宗教法人だというふうに判定できるような,何か客観的な基準のようなものをお持ちなのかどうか,その辺について,あるいはどういうふうに判定されているのかお聞きしたいなと思っております。
 以上です。
○宗務課長
 不活動法人の定義についてのお尋ねでございますけれども,宗教法人法の中に,解散命令等の要件に関する規定がございますけれども,そういった規定も念頭に置きながら,何らかの対策を講じなければならない不活動状態にあると推定されるものとして,所轄庁が判断するものでございます。ただ,実際の判断におきましては,都道府県によって若干差があるかもしれません。
 困難なことだと思いますので,そういうことだろうと思っております。確認までということで。
 自分のお寺の近くに不活動のお寺がありまして,そこの解散手続をしたんですけれども,非常にややこしいというか面倒だったんです。うちの門徒さんに総代さん,責任役員さんになっていただいて,ようやく解散ということができたんですけれども,実質もう活動していないということが明らかな場合には,もう少し解散手続を簡略化するということが必要でないかなと思うんです。放っておくといつまでたっても解散できない状態なんです。寺族もいない,御門徒の方もいらっしゃらない,そういう中では,よほどの意志を持って取り組まないと解散の手続ができないというのが現状だと思うんです。実質,活動していない状態が,例えば1年とは言わず,5年なり10年なり続いているということがあった場合には,解散を簡略化してすることができるというようなことにしていただけないかなと思うんです。そうしないと解散できない状態がずっと続いていくということになってくるかと思います。
 その逆に,新規に宗教法人を認証するということも今非常に難しい状況がありますので,その分,そちらのほうをもう少し速やかに,新寺建立ということができるような方途もあわせてお考えいただければと思います。
○新井会長
 今の点は承ったことにいたしまして,不活動宗教法人対策について,今,質問が出ていますので,まずこれについて,ほかに何か御質問,御意見ございますか。
 ちょっと資料の御説明,もう少し詳しくと思ったんですけれども……。
○新井会長
 では,関連ということでお願いいたします。
 資料4の2ページ目になりますが,宗教法人書類の提出状況ということで,21年から23年まで出ておるんですけれども,特に22年から23年,提出率としては非常によくなっていると思うんです。88から91。過料事件通知書の発送件数が,23年では861ということでかなり増えているような数字があるんですが,これはどういう。ある種,提出率が上がるということは,こういうケースは逆に減るのかなという気もしておったんですが,ちょっとその辺の実情。これもひいては解散というところにもかかわってくるのかなと思いますけれども,その辺を補足いただければと思います。
 以上です。
○宗務課長
 今の過料通知のお尋ねでございますけれども,これも都道府県によって件数にかなり差がありまして,例えばゼロという都道府県もある一方で,たくさんやっているところもあると。ただ,年によってやったりやらなかったりという都道府県もありますので,そういうことの積み重ねの結果,24年には過料通知を送る都道府県が個別にあったということで,件数が伸びているんだと思います。
 ありがとうございました。
○新井会長
 ほかよろしいですか。不活動宗教法人対策以外でも結構ですので,もしありましたらお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
 じゃ,よろしいですか。もう1点の部分です。
 資料5のところなんですけれども,指定寄附金制度についてですが,確かに前回よりも適用の宗教法人が増えているということは分かりました。ただ,栃木,茨城等からの申請であり,東北3県ではないということですが,いよいよこれから東北3県のほうから申請されてくるのかなと思います。ただ,やはり阪神・淡路のときよりも,今回,地震,津波,それから原子力発電の事故という3つの災害といいますか,そういう三重苦になっていますので,さらに阪神・淡路よりも時間がかかるということが予想されますので,さらなる延長をお願いしたい。8年とは言わず10年でもそれ以上でも,適用の期限を是非長くとっていただきたいということを要望したいと思います。
○新井会長
 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 そうしましたら,御質問がないようですので,議題3についてはこれで終了したいと思います。

3.閉会

○新井会長
 全体について,何か御質問,御意見がありましたらお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。
 よろしいですか。それでは,御質問等がないようですので,今後のスケジュールについて,事務局のほうから説明よろしくお願いしたいと思います。
○宗務課長
 今後につきましては,宗教法人審議会の先生方の御意見を伺うべき案件が生じましたら,その都度開催したいと考えておりますので,またその段階で追って御連絡させていただければと存じます。
○新井会長
 いずれにしても,31期の宗教法人審議会はこういう体制で進めていきたいと思います。いろいろ今日は意見が出ましたけれども,そういうことも踏まえて活発な審議をしたいと思います。ですから,今後ともひとつ,是非よろしくお願いしたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

ページの先頭に移動