これまでの漢字政策について(付:人名用漢字)

資料6

1 当用漢字表(昭和21年11月16日 内閣告示・訓令)

  1. (1)「法令・公用文書・新聞・雑誌および一般社会で,使用する漢字の範囲を示したもの」として1,850字を掲げる。
  2. (2)「固有名詞につい ては,法規上その他に関係するところが大きいので,別に考えることとした。」として人名・地名を対象外とした。

2 当用漢字音訓表(1)・当用漢字別表(2)(昭和23・2・16 内閣告示・訓令)

  1. (1)「当用漢字表の各字について,字音と字訓との整理を行い,今後使用する音訓を示したもの」として作成。
  2. (2)「当用漢字表の中で,義務教育の期間に,読み書きともにできるように指導することが必要であると認めた」881字(いわゆる教育漢字)を掲げる。

3 当用漢字字体表(昭和24年4月28日 内閣告示・訓令)

  1. (1)「当用漢字表の漢字について,字体の標準を示したもの」として作成。
  2. (2)「この表の字体は,漢字の読み書きを平易にし正確にすることをめやすとして選定した」とし,「字体の選定については,異体の統合,略体の採用,点画の整理などをはかるとともに,筆写の習慣,学習の難易をも考慮した。なお,印刷字体と筆写字体とをできるだけ一致させることをたてまえ」とした。

4 人名用漢字別表(昭和26年5月25日 内閣告示・訓令)

国語審議会内に設置された「固有名詞部会」で検討され,国語審議会会長から,文部大臣及び法務総裁に建議されたもの。 92字の漢字を掲げる。

5 人名用漢字追加表(昭和51年7月30日 内閣告示・訓令)

法務省内の「人名用漢字問題懇談会」で,28字の人名用漢字追加を決めたが,従来の経緯を踏まえて,国語審議会の了承を得てから正式決定されたもの。

6 常用漢字表(昭和56年10月1日 内閣告示・訓令)

  1. (1)「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として当用漢字表に95字追加し,1,945字の漢字を掲げる。従来の字種表,音訓表,字体表を統合した漢字表。
  2. (2)「固有名詞を対象とするものではない」として,地名・人名は対象外とした。
  3. (3) 国語審議会答申「常用漢字表」前文の「人名用の漢字」(昭和56・3・23)固有名詞に用いる漢字のうち,子の名に用いる漢字については,当用漢字表に関連するところもあり,広く国語の問題にかかわるものとして従来国語審議会も関与してきたが,この問題は,戸籍法等の民事行政との結び付きが強いものであるから,今後は,人名用漢字別表の処置などを含めてその扱いを法務省にゆだねることとする。その際,常用漢字表の趣旨が十分参考にされることが望ましい。

7 表外漢字字体表(平成12年12月8日 国語審議会答申)

  1. (1)「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送等,一般の社会生活において表外漢字を使用する場合の字体選択のよりどころを,印刷文字(情報機器の画面上で使用される文字や字幕で使用される文字などのうち,印刷文字に準じて考えることのできる文字を含む。)を対象として示すもの」として作成。
  2. (2)「常用漢字とともに使われることが比較的多いと考えられる表外漢字(1022字)を特定し,その範囲に限って,印刷標準字体を示した」字体表。
  3. (3)この字体表で示された「印刷標準字体」に合わせてJIS規格(JIS X 0213)の字形を変更(平成16年2月20日改正)。

8 その後の人名用漢字の追加

  1. (1)昭和56年に54字追加,平成2年に118字追加,平成9年に1字追加。
  2. (2)平成16年2月に1字(曽)追加,6月に1字(獅)追加,7月に3字(瀧,駕,毘)
    追加……この段階で,人名用漢字の総数は,290字。
  3. (3)平成16年9月27日 488字追加+205字追加(※)

    ※ 205字のうち,195字は常用漢字の旧字体(廳(庁),顯(顕)等),10字は人名用漢字の旧字体(彌(弥),祿(禄)等)である。したがって,現在の人名用漢字の総数は,290字+488字+205字の計983字となる。

ページの先頭に移動