文化財の防火防犯について(平成4年6月3日4保伝第21号)

 標記の件については平成4年6月3日付け庁保伝119号で文化庁次長から貴教育長あて通知しましたが,今回の法隆寺の事件にかんがみ,下記の諸事項を厳守するよう御指導の上,事故の根絶を期するようお願いします。
 なお,非公開社寺等については,貴教育委員会における定期的な点検・確認等を行うこと等により,防火防犯に努めるようお願いします。

  1. 来観者に対しては,案内人あるいは監視人等による監視の充実を図ること。
  2. 観覧(拝観)順路を決め,順路に沿って丈夫な柵などを設け,立入り禁止区域との境界を明らかにするとともに,その区域への出入りを制止すること。
  3. 防火防犯上目のとどかない個所をできるだけ少なくし,管理体制を整備して計画的に建造物及びその周辺の見回り・点検を実施し,監視の充実を図ること。
     なお,通常の人員で十分な監視体制が確保できない場合は,近隣住民の協力及び地元警察に巡回を依頼することなどを考慮すること。
  4. 監視の目の行き届かないところには,柵・ロープ等により立入りを制限するための措置をとるとともに,立入り禁止等の制札を掲げること。特に夜間は門扉を閉め,施錠するよう心がけること。
  5. 閉鎖したままの部屋や室内の屏風,衝立の類は監視の盲点になり易いので注意を要すること。
  6. 必要に応じて所轄の消防署と相談の上,重要文化財等の内部及び周囲を禁煙にするなどの必要な措置を図ること。
  7. 観覧時間中及び観覧時間終了直後には巡視を励行し,来観者の居残りがないかを確認するとともに,異常の有無を点検すること。
    その後も計画的に適時巡視を行うこと。
  8. 団体による観覧によるについてはその代表者名と団体名とを記入させること。
  9. 不時に備えて,早期発見及び初期消火に必要な設備を整備するとともに,既設の防災施設については保守,点検を励行し,また,所轄の消防署,警察署に防災上の意見を問うこと。
  10. 以上の条項が守り難い場合は,公開を制限するなどの対策を考慮し,状況に応じた適切な管理を図ること。
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