文化財に関する指定寄付

国宝・重要文化財(建造物,美術工芸品)など国指定文化財を修理する場合に,文化財の所有者(=修理事業者)が広く一般から寄付を集め,修理費の一部に充てることがありますが,財務大臣の指定を受けると,寄付した法人・個人が税制上の優遇措置を受けられる「指定寄付金」という制度があります。

1. 指定寄付金の指定要件

財務大臣の指定要件として所得税法、法人税法で、「広く一般に募集されること」、「教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること」が必要とされています。

2. 指定寄付金の対象

  1. (1)申請者
    国宝・重要文化財を所有・管理する公益法人(宗教法人を含む)
  2. (2)対象事業
    国宝又は重要文化財等に係る修理・防災施設設置事業で、国庫補助を受けて行う事業等であって、かつ当該事業を行うことが文化財保護のために緊急に必要であるものです。

3. 指定寄付金の募集期間

指定を受けた日から1年以内です。

4. 税制優遇措置

法人や個人が,指定寄付金に指定されている事業に寄付をすると,以下のような税制上の優遇措置を受けることができます。

  1. (1)法人の場合(法人税)
    通常の損金算入の限度額とは別枠で,寄付した金額の全額を損金に算入することができます。
  2. (2)個人の場合(所得税)
    「寄付した金額(当該年の所得金額の40%を限度)-2千円」に該当する額を,所得から控除することができます。

※指定寄付の申請をするには,必要書類を作成・準備し,都道府県教育委員会を通じて文化庁に提出することが必要です。

指定寄付の申請を考えておられる団体は,まずは最寄りの都道府県・市町村教育委員会の文化財行政担当課にご相談下さい。

(必要書類の例) 寄付を募る趣意書 指定寄付を必要とする理由書
前年度の決算書 今年度の予算書
財産目録 団体の定款・寄付行為
登記簿謄本 寄付予定者リスト
補助金の交付決定通知書の写し など
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