文化財の海外流出を防ぐために ~古美術品輸出鑑査証明~

国宝・重要文化財指定物件及び重要美術品等認定物件は,文化財保護法及び関係法令により,原則として海外への輸出(持ち出し)が禁止されています。

そこで,円滑な通関検査に資するとともに,貴重な国民の財産である文化財が誤って海外に流出することを防ぐため,古美術品を海外に輸出しようとする際には,当該輸出品目が国宝・重要文化財に指定されておらず,重要美術品等認定物件にも該当しないことの証明を,税関に対し提出する取扱いとなっております。

この証明を「古美術品輸出鑑査証明」と言い,文化庁が証明書を発行しています。古美術品を輸出される方は,本制度の上記趣旨を御理解の上,以下「申請要領」等をよくお読みいただき,申請手続への御協力をお願いいたします。

【重要なお知らせ】

1. 申請は、郵送でのみ受け付けています。

2. 現在、申請件数が大幅に増加しているため、申請書類を受理してから証明書を発行するまで、10開庁日以上要しております。返送希望の1ヶ月前を目処に申請いただくなど、余裕を持った申請をお願いいたします。
特に、土日祝日明けや年末年始(12/29~1/3は閉庁しております)は申請が集中する傾向にあるため、通常よりも日数を要します。予めご承知おきの上、お手続きください。

3. 受理したものから順番に手続きを行っておりますので、至急の発行希望等には対応いたしかねます。また、案件の内容や手続きの状況により、発行までの日数は前後するため、個別の申請に関して、発行日をお伝えすることはできません。

4. 申請書類に不備があった場合や同時期に多数の申請があった場合には、証明書の発行までにさらに多くの日数を要します。以下の要領をよくご確認の上、ご提出ください。

古美術品輸出鑑査証明申請要領

印刷用(314KB)

1申請書類及び必要部数

(1)申請書【様式】―2部

申請書を2部作成の上、提出してください。1部を古美術品輸出鑑査証明書(以下「証明書」という。)として申請者に発行し,1部を当方で保管します。

(2)輸出品目の写真等―2部

写真を2部作成の上,提出してください(撮影方法などの詳細は,「5」を参照)。

(3)銃砲刀剣類登録証(表面)の写し〔輸出品目が銃砲刀剣類の場合のみ〕―2部

銃砲刀剣類所持等取締法第14条の規定による登録を受けた銃砲刀剣類(以下「登録銃砲刀剣類」という。)を輸出しようとする場合,銃砲刀剣類登録証(以下「登録証」という。)の表面の写しを2部提出(※)してください。

※申請書の「申請者」欄に記載された者が,当該銃砲刀剣の所有者として登録(譲受けや相続により取得した場合は,登録事務を行った都道府県教育委員会に,所有者変更の届出)がなされていることを,念のため御確認ください。

(4)申請者の委任状〔申請者以外の者(代理人)が,手続を行う場合のみ〕―1部

申請者が代理人に対し,書類の申請や証明書の受取に係る手続を委任したことが確認できる書類(※)を提出してください。

※委任状は任意の書式で構いませんが,参考様式を参照の上,作成してください。

※申請者が会社・組合等の場合,申請書に記載されている会社・組合等に所属する社員からの代理申請の場合には,委任状の提出は不要です。

※代理人の連絡先(電話番号等)を,委任状又は申請書に明記してください。

2申請方法

郵送申請

  • 申請は、郵送のみ受け付けています。(令和5年3月をもちまして、窓口対応は廃止しました。)
  • 提出書類には、証明書(1部)を返送するための返信用封筒〔申請書類(1)(2)各1部が折り曲げずに入るサイズの封筒,送付先の宛名・住所を必ず記入,切手貼付(郵送代を御負担いただくその他の配達方法でも可)〕を1通同封してください。
  • 大切な証明書類の郵送であるため,できる限り記録の残る郵便をご利用(※)ください。(レターパックを推奨)郵送方法や料金の詳細は、日本郵便のWebサイト等でご確認ください。

※郵送途中の紛失等に関しては,文化庁では一切責任を負いかねます。

参考日本郵便HP:http://www.post.japanpost.jp/index.html

なお,原則として,申請書の住所地(代理申請の場合は,委任状に記載された代理人の住所地)に返送することで,申請者(代理申請の場合は,委任状に記載された代理人)本人の確認とさせていただきます。

返信用の封筒

3証明書の発行

(1)所要期間

(注)申請要領の改定に伴い,平成28年12月1日以降に受理した申請書類から,「原則として10開庁日」で証明書を発行いたします。

※申請件数の増加による場合はこの限りではありません。詳細は本ページの冒頭をご確認ください。

申請書類を受理してから証明書を発行するまで,原則として10開庁日(※)要します。ただし,書類に不備がある場合や、申請件数が多数ある場合等はこの限りではありません。不備によっては,申請書をお返しすることや,証明書が発行できないことがありますので,書類を提出する際は,今一度御確認いただくようお願いします。

(書類の不備の一例)

  • ・必要書類が不足している場合(1部しか提出されていない、返信用封筒・委任状・写真がない)
    →必要書類が全て文化庁に提出された日から起算して10開庁日目に発行。
  • ・添付された写真が不鮮明,対象物が小さすぎて詳細が確認できない等,写真の再提出を求められた場合
    →確認ができる写真が文化庁に再提出された日から起算して10開庁日目に発行。

(申請書類を受理できない一例)

  • ・(輸出品目が銃砲刀剣類の場合)登録証の内容と写真に写った輸出品目が一致しない場合
  • ・返信用封筒の料金が不足している場合

※「10開庁日」について

証明書の発行に必要な期間は,必要書類が文化庁に全てそろった日を起算日とします。証明書を必要とする日を考慮し,期日に十分余裕を持って申請書類(「1」)を文化庁に提出してください。

(2)その他

1.郵便事情や庁内の郵便物仕分の都合によって,受理日が到着日の翌日になる場合や,証明書の発送が発行の翌日になる場合がありますので,上記(1)所要期間のほか,郵送日数も十分考慮して提出してください。(郵便物の配達サービス等については、日本郵便のWebサイトにてご確認ください。)

2.申請する際には,できる限りまとめて申請していただくようお願いします。

ア.証明書の有効期間は1年(ただし,1回の輸出に限り有効)となりますので,輸出時期に合わせて申請してください。

イ.通関手続の際には,証明書(原本)を税関に提出いただくことになりますので,税関への輸出申告ごとに申請してください。

4申請書作成上の留意点

  • (1)鉛筆書きは不可とし,ボールペン等の消えない筆記用具又はワープロ打ちにて様式に記入してください。
  • (2)記載した内容の訂正には,修正液や修正テープを使用せず,二重線で消して修正し訂正印を押してください。
  • (3)申請者は,物件の輸出を行う者を記入してください。
  • (4)輸出品目が登録銃砲刀剣類で,申請者と所有者が異なる場合には,申請者氏名の下に,所有者氏名を『(所有者)○○○○』及び所有者住所『(所有者住所)○○○○』を併記してください。
  • (5)申請者の押印は必要ありません。
  • (6)申請者が会社等の場合は,会社名,代表者職氏名のほか,問合せの窓口となる担当者名及び担当窓口の電話番号を併せて記入してください。
  • (7)書類不備等があった場合には,連絡しますので,申請書には,必ず日中連絡のとれる電話番号(携帯電話等)を明記してください。連絡がとれない場合、同封されている返信用封筒を用いて返送する場合がありますので、ご留意ください。
  • (8)仕向地には,輸出先の受取人の住所・氏名を記入してください。必ず国名は記入してください。
  • (9)輸出の事由は,できる限り具体的に記入してください。
  • (10)輸出品目が登録銃砲刀剣類の場合,輸出品目欄には,登録証表面の記載事項を記入してください。

5輸出品目の写真等

  1. (1)輸出品目ごとの写真等

    1.輸出品目が刀剣類の場合,鞘と柄・鈨(はばき)を取り外した刀身の全体写真(表・裏)及び銘文の有無に関わらず茎(なかご)部分の拡大写真(表・裏),又は茎の押形

    2.輸出品目が刀剣類以外(絵画・彫刻・工芸品等)の場合,輸出品目が鮮明に写っているカラー写真(原則として1点1枚以上。)

  2. (2)輸出品目のサイズ確認のため,可能な限り,物差し等を横に置いて撮影してください。
  3. (3)写真等は,必ずA4サイズの普通紙に貼付の上,提出してください。
  4. (4)写真等の大きさは,できるだけキャビネサイズ又は2Lサイズ以上のものを御使用ください。
  5. (5)各2部の提出に当たっては,同じ用紙に印刷したものを2部用意し,現像写真のカラーコピーによる複製は使用しないでください。
  6. (6)申請書の品目欄に付けた番号と同じ番号を,対応する写真等の脇(台紙)に記入してください。
  7. (7)確認作業の中で,立体物については別角度の写真,典籍類については別のページや奥書の写真,絵画や書跡については落款などの拡大写真等を追加で御提出いただく場合があります。また,写真が不鮮明と判断された場合も同様です。

6輸出品目が刀剣類の場合の注意点

輸出品目が刀剣類の場合,上記1~5にあわせて,以下についても御留意ください。

  1. (1)登録証の記載内容(銘文,大きさ,目くぎ穴等)と写真が一致しない刀剣類については証明書を発行できません。現物と登録証記載内容をよく照合してください。現物と記載内容とに相違がある場合は,登録手続を行った各都道府県教育委員会にお問い合わせください。
  2. (2)刀剣類の場合は提出いただく写真の種類が複数あります。5の(1)をよく御確認の上,刃文や銘文,目くぎ穴等が鮮明に写った写真を提出してください。無銘の場合でも茎(なかご)部分が鮮明に写っている必要があります。

7その他

  • (1)証明書受取後,記載内容に変更が生じた場合や輸出が中止となった場合は,速やかに下記担当までその旨御連絡ください。事前連絡なく訂正された場合は,証明書が無効となります。また,輸出中止の手続がされないまま,再び同一品目について申請した場合は,証明書を発行できないことがあります。
    不用意な輸出中止の申出や変更等は、通常の発行業務の妨げになります。申請時期や内容は、真に必要なものとするようご協力をお願いします。
    ・輸出が中止になったとき:
    輸出中止の申出書〔参考様式〕(21.1KB)/輸出中止の申出書〔参考様式〕(93.4KB)
  • (2)登録銃砲刀剣類の鑑査手続等につきましては,関係都道府県教育委員会に対し情報を提供いたしますので,あらかじめ御了承ください。
  • (3)この申請要領は,事前に周知することなく内容を変更することがございますので,申請時には最新の申請要領を文化庁ホームページで御確認の上,申請いただきますようお願いいたします。

【申請担当及び問合せ先】御不明な点がございましたらお問い合わせください。

〒602-8959京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番地4
文化庁文化財第一課輸出鑑査証明担当宛

<問合せ先>

文化庁文化財第一課輸出鑑査証明担当 075-451-4111(内線9723)

Adobe Reader(アドビリーダー)ダウンロード:別ウィンドウで開きます

PDF形式を御覧いただくためには,Adobe Readerが必要となります。
お持ちでない方は,こちらからダウンロードしてください。

ページの先頭に移動