WIPO主催 著作権に係るアジア・太平洋地域会合の開催について(2017年10月)

10月23~ 26日,WIPO(世界知的所有権機関)主催「著作権・著作隣接権に係るアジア・太平洋地域会合」が,文化庁の協力の下,開催されました。本会合は,3年ぶりに東京にて開催され,アジア・太平洋地域27か国の著作権部局代表者のほか,著作権関連団体のアジア・太平洋地域代表等が参加しました。

冒頭の開会式においては,宮田文化庁長官から,参加者への歓迎の言葉とともに,「著作者は限りある命を持つ人であるが,作品は著作権で保護されることにより人々の記憶に留めおかれ,文化として歴史を紡いでいくことができる。本会合を契機として,著作権の保護と文化の発展・継承の輪を広げていってほしい。」との期待が述べられました。また,日本への留学経験もあるWIPOのシルヴィ・フォルバン事務局次長からは,日本語・英語を交えたあいさつがあり,今後のコンテンツ産業の発展のために,著作権の保護と活用を適切に進めていく必要がある旨,述べられました。

会合においては,参加各国の現状・課題が共有されたほか,研究者や法曹関係者からの講演,アジア各国企業や集中管理団体の代表者からの事例発表に引き続いて,ディスカッションが行われました。途中,参加国の地域属性や社会・経済発展を踏まえて,3グループに分かれて更に議論を深めるとともに,これらを踏まえ,アジア・太平洋地域におけるWIPOアクションプランの作成に向けた活発な意見交換が行われました。

また,会合に先立ち,フォルバン事務局次長と宮田長官との懇談が行われました。著作権が文化振興やコンテンツ産業の発展に果たす役割や重要性などについて意見交換が行われ,引き続き,文化庁とWIPOが著作権分野において連携・協力していくことで一致しました。

今後,参加各国において,本会合での議論の成果を活かし,各国において著作権制度や集中管理団体の整備,著作権関連の国際条約への加盟に向けた議論が加速されることが期待されます。


会合の様子 


会合の様子

会合の様子



シルヴィ・フォルバン WIPO事務局次長と宮田文化庁長官

シルヴィ・フォルバン WIPO事務局次長と宮田文化庁長官

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